フリーランス(個人事業主)に簿記の知識は必要?帳簿の付け方・勉強方法を解説!

フリーランス(個人事業主)に簿記の知識は必要?帳簿の付け方・勉強方法を解説!

フリーランスとして働いていると、お金の流れを帳簿に記録しなければなりません。最終的には確定申告の必要がありますので、事業に関する全てのお金の流れを記録する必要があります。

一般的にお金の流れを記録するといえば、簿記が想像されます。簿記の知識を持っている人は、このような帳簿を作成できるイメージがあるでしょう。

フリーランスも簿記の知識を持っておくべきです。今回は帳簿の付け方や簿記の勉強方法を解説していきます。

フリーランスは簿記の知識を持っているほうが良い

フリーランスは簿記の知識を持っているに越したことはありません。まずはどの程度の知識が求められているのか確認しておきましょう。

簿記3級が理解できる程度の知識が理想

フリーランスに求められている簿記の知識は、簿記3級程度であると言われています。簿記3級は個人の確定申告が問題なくできるレベルであり、フリーランスとしては十分です。それ以上のレベルになると法人としての内容になりますので、フリーランスとして働いているだけでは必要とされません。

また、レベルとしては簿記3級の問題が理解できるようなもので差し支えありません。合格できるほどしっかりと勉強しなくても良いのです。あくまでも今回求められているのは、フリーランスとして問題なく帳簿を付けられるかどうかです。簿記3級の問題には帳簿に関連するもの以外も出題されますので、全てを理解しておく必要はありません。

独学で基礎を学ぶ適度で十分

上記で簿記3級の内容とご説明しましたので、「難しい内容を勉強しなければならないのか」と感じたかもしれません。しかし、実際にはそこまで難しく考える必要はありません。独学で基礎を学ぶ程度で十分です。

その理由としては、現在は帳簿作成のソフトやサービスが多数公開されているからです。クラウドサービス上で簡単に帳簿作成ができますので、簿記3級の知識の中でも必要とされる部分が限られています。そもそも全部を学習する必要はありませんし、さらに狭い知識だけがあれば対応できるのです。

とはいえ、簿記3級レベルの基礎知識がなければ、帳簿作成ソフトも操作できません。これでは確定申告ができませんので、どうしようもなくなってしまいます。独学で対応できるレベルで、基礎を学んでおく必要があるのです。

フリーランスが簿記の知識を持つべき理由


フリーランスが帳簿の知識を持つべき理由は、実は帳簿作成だけではありません。それ以外の理由もありますので、こちらについても解説しておきます。

お金の流れが分かりやすくなる

簿記はお金の流れを説明するものです。そのため簿記の知識を持っておけば、自分の事業のお金の流れが理解できるようになります。フリーランスはお金の流れも全て自分で管理する必要がありますので、簿記の知識を持ち管理できるようになるべきです。

お金の流れを明確にしておかなければ、困ってしまう場面があります。例えば銀行から借り入れをしたい場合、客観的にお金の流れが分からなければなりません。どの程度の収入がありどの程度の支出があるのかを説明し、それを踏まえて借入を依頼しなければなりません。自分でお金の流れがわかっていなければ、借入に必要な資料が作成できません。

また、お金の流れが分かっていなければ、どの程度投資に利用できるのかが見えなくなってしまいます。フリーランスは行動のクイックさが重要ですが、お金の状況が分からないことで判断が鈍る可能性があるのです。

簿記の勉強をしていれば、自分自身で客観的にお金の流れをつかめます。フリーランスとして重要な作業ですので、簿記の知識を持っておいた方が良いのです。

青色申告が利用できるようになる

青色申告を利用するためには、複式簿記をつけなければなりません。これは簡単な仕組みの帳簿ではなく、複雑な仕組みの帳簿です。簿記3級程度の知識がなければ、自力ではなかなか作れないのです。

フリーランスは青色申告を利用する人が多いはずです。控除金額が65万円と大きくなりますので、節税対策のために青色申告を選択するべきです。ただ、複式簿記をつけられなければ必要書類を用意できません。そうならないために、簿記の知識を持っておきます。

青色申告を利用せず白色申告の場合は、簿記の知識がなくても必要書類が用意できます。しかし、青色申告と白色申告は控除の金額に大きな差があります。少し勉強すれば控除の金額を大きくできますので、青色申告を利用するためにも簿記を勉強しましょう。

税理士依頼費用などを抑えられる

簿記が理解できていない場合自分で帳簿の作成ができません。この場合は税理士など、専門の人に帳簿の作成を依頼します。誰かが帳簿を作成しなければ、適切に確定申告ができないからです。

当たり前ですが、誰かに仕事を頼むと費用が発生してしまいます。税理士など専門資格を持つ人に仕事を依頼すると、それなりに高額なお金が発生してしまうのです。

自分で簿記の勉強をしない代わりに、お金で解決するのも一つの選択肢です。どうしても簿記の勉強が身に合わなかったり理解ができなかったりした場合は、お金を払って行なってもらうしかないでしょう。

しかし、少し勉強すれば自分で対応できますので、この費用は努力で減らせる部分です。必要以上に事業の経費をかけないために、簿記の勉強をしておくと良いでしょう。

フリーランスの帳簿の付け方

フリーランスはどのように帳簿をつければ良いのでしょうか。「帳簿の付け方などわからない」と感じている人は多いでしょう。

最近は帳簿をつけるための方法として「Excelなどの表計算ソフト」「クラウド会計ソフト」の2種類が主に利用されています。これらについて以下ではご説明します。

Excelなど表計算ソフト

Excelなどの表計算ソフトを利用して、フリーランスの帳簿作成が可能です。帳簿は数字計算が中心ですので、表計算ソフトの機能を利用すれば、基本的には必要なものが算出できます。

表計算ソフトを利用して帳簿をつける場合、専用のテンプレートを利用するとよいでしょう。確定申告のためのテンプレートや帳簿作成のためのテンプレートは多数公開されています。それらをダウンロードしてきて、指示に従って情報を入力していくのです。間違っても、一から帳簿を作成することはないようにしましょう。

表計算ソフトを利用して帳簿を作成すれば、使い慣れた操作で情報入力ができます。日頃から業務で利用している人も多いソフトですので、帳簿入力を始めるまでの学習コストは低いでしょう。ダウンロードしたテンプレートの内容を確認すれば、すぐに利用開始できるはずです。

その反面、法改正があった場合は新しいテンプレートを探す必要があったり、間違いがあったりという場合は自分で直す必要があります。また、表計算ソフトで作成されていることで、逆にソフトの制約を受けてしまう場合があります。

フリーランスにもなじみの深い表計算ソフトを利用すれば、すぐに帳簿の作成が可能です。ただ、使い勝手が悪い場合もありますので、その点は考慮しておかなければなりません。

クラウド会計ソフト

帳簿をつけることに特化するのであれば、クラウド会計ソフトがおすすめです。簿記3級程度の知識があれば使いこなせるものであり、表計算ソフトよりも利便性が高いことが特徴です。

クラウド会計ソフトの特徴は、自分の好きなタイミングで帳簿の登録ができることです。パソコンやスマートフォン、タブレットから接続できますので、外出先でも情報の登録ができます。Excelなどパソコンの前でしか利用できないものと比較すると、非常に利便性が高いのです。

その反面でクラウド会計ソフトは、月額利用料、年間利用料が必要です。Excelのテンプレートは無料で利用できるものが多くありますが、クラウドサービスではお金がかかってしまいます。

1ヶ月あたりの料金は500円程度です。充実した機能が提供されることを踏まえると、支払う価値はあるでしょう。

フリーランスの簿記の勉強方法

フリーランスはどのようにして簿記を勉強すれば良いのでしょうか。様々な勉強方法が考えられますが、今回は3種類の方法をご説明します。

簿記3級のテキストで学ぶ

最もおすすめするのは簿記3級のテキストで学ぶものです。資格合格に向けて様々な本が販売されていますので、これらの本を利用して学習を進めていきます。

テキストをおすすめする理由は、専門家が丁寧な解説をしているからです。基本的に資格受験の対策テキストは、その道を極めた人が著者となっています。専門家目線で丁寧に解説されていますので、素人でもわかりやすいように書かれているのです。今回フリーランスがそこまで詳しい知識を求められるとは限りませんが、説明は丁寧に越したことがありません。

例えば簿記3級の対策テキストとしてTAC出版から発売されている「スッキリわかる 日商簿記3級」があります。こちらは2級なども発売されていて、簿記の受験対策をするテキストとして、幅広く支持されています。こちらの著者の「滝澤 ななみ」さんは、簿記など複数の資格のプロであり、本を多数出版しています。そのような実績のある人が書いたテキストを利用すれば、効率よく必要な知識が理解できるのです。

Webサイトで学ぶ

インターネットでは簿記に関する様々な情報が公開されています。これらの情報を自分で収集して、帳簿のつけ方を学ぶのも良いでしょう。

インターネットを利用すれば、自分の好きなタイミングで好きなように学べます。例えば「家ではパソコンを利用してしっかりと学ぶ」「移動中はスマートフォンを利用して簡単に復習する」などの勉強方法を取れます。テキストは移動中に開けない場合がありますが、スマートフォンであれば気軽に確認できるでしょう。

ただ、Webサイトで学ぶ場合は、情報の信頼性に注意が必要です。インターネットに公開されている情報は、全ての情報が正しいとは限りません。簿記の対策や帳簿の付け方として公開されている情報が、誤った情報である可能性もあります。本当に信頼できる情報であるのかは、自分で判断しなければなりません。

また、公開されている情報が最新であるのかも確認する必要があります。会計の世界は法律の改正などが多くありますので、最新の情報で説明されているWebサイトを探し出さなければなりません。

Webサイトを利用した学習は気軽で取り掛かりやすい学習方法です。その反面、自分で情報の取捨選択ができなければなりません。しっかりと情報の判断ができるならば、Webサイトでの学習も良いでしょう。

とりあえずやってみて学ぶ

とりあえずやってみて学ぶ方法はあります。特に勉強をせず会計ソフトなどを契約して、操作をしながら覚えていくものです。

人によっては座学よりも実践的な勉強をした方が馴染みやすい場合があるでしょう。そのような人は必ずしもテキストでの勉強から始める必要はありません。

ただ、実践的な勉強をする場合は、分からない内容をテキストで学習する行為が必要です。分からないまま放置していては何の意味もありません。とりあえずやってみて自分で疑問点を解決できる場合は、効率の良い学習方法でしょう。

まとめ

フリーランスは簿記の知識を持っておくべきです。確定申告の際に帳簿を作らなければなりませんので、簿記の知識がなければ大変な作業になってしまいます。

勉強をするためには、簿記3級の対策テキストを利用するとよいでしょう。書店で様々なテキストが販売されていますので、自分の好きなものを購入して構いません。

なお、最近は会計ソフトが普及し、これを利用すれば素人でも帳簿の入力が可能です。そのような状況も鑑みて、簿記3級の基礎程度の知識があれば、帳簿の作成には困らなくなっています。

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