フリーランスでも住宅ローンは組める?住宅ローンの審査や注意点を解説!

フリーランスでも住宅ローンは組める?住宅ローンの審査や注意点を解説!

一般的に「収入の安定しないフリーランスは住宅ローンの審査に通過しにくい」と言われます。フリーランスに限らず個人事業主や自営業、年俸制の職業などは「収入が安定しない職業」と判断されて審査に通過しにくい傾向があります。
ただ、通過しにくいと言われているだけであり、フリーランスが住宅ローンを利用できないわけではありません。審査に通過すれば問題なく住宅ローンの契約ができます。以下ではフリーランスが住宅ローンを組むにあたり、審査でチェックされる観点や注意点などを解説します。

フリーランスでも住宅ローンは組める

フリーランスでも住宅ローンは組めますので、まずはこの事実について理解していきましょう。

フリーランスといえども一概に住宅ローンが組めないことはない

「フリーランスであると住宅ローンが組めないのか」と心配される人がいます。噂には住宅ローンが組めないと言われるようなこともありますが、実際にはフリーランスでも住宅ローンが組めます。そのため、「住宅ローンは利用できない」と諦めてはいけません。
ただ、会社員などに比べると、審査落ちしている人が多いのも事実です。皆さんの周りにも審査落ちしている人がいても不思議ではありません。フリーランスでも住宅ローンが組める可能性はあるものの、審査通過はややハードルが高い点を理解しておきましょう。

住宅ローンが組みにくいと言われる理由

フリーランスは住宅ローンが組みにくいと言われる理由は、収入が安定しないからです。一般的にローンは「会社員」や「公務員」など、収入が安定している人が使うものだと思われているようです。そのため、毎年安定して収入を得られるかわからないフリーランスは、住宅ローンが組めないとのイメージを持たれているのです。
しかし、これはイメージであり、住宅ローンが組めないとは限りません。確かに審査落ちしている人もいますが、審査に通過できている人もいます。収入の安定性を踏まえると審査に通過しにくいのは否めないため、これが原因で審査に通過しにくいと言われるのです。

フリーランスが住宅ローンの審査でチェックされる観点

フリーランスの住宅ローン審査でチェックされる観点をご説明します。なお、住宅ローンの審査観点はどこの銀行でも公開していません。そのため、口コミなどをもとに、審査されていると考えられる観点をご説明します。

年収・売上

審査には年収や売上金額が重視されています。これが返済能力に直結しますので、住宅ローンのみならずほとんどのローンにおいて重要視されます。
審査の観点は「年間の収入」「年度ごとの安定性」の2つです。純粋に1年間の収入金額が見られていますが、それだけではなく年度ごとの安定性も見られます。これはフリーランスが「収入の安定しない職」だと考えられているからです。
安定した収入を得ているかどうかの判断には、過去数年分の確定申告書が利用されます。クレジットカードやカードローンの審査は直近1年分で済むことが多々ありますが、住宅ローンになるとそれよりも長い期間の申告書が必要なのです。税務署の受付印が必要などの条件がありますので、事前に書類を用意しておくと良いでしょう。
基本的にはある程度の年収があれば、住宅ローンの審査に通過できる可能性はあります。ただ、過去数年間の収入が安定していない場合には、審査落ちの可能性も考えておきましょう。

事業継続年数

事業の継続年数が重要です。具体的には「開業届を出してからの年数」が重要視されます。フリーランスの場合は開業届を出していないかもしれませんが、住宅ローンの審査では開業届を元に継続年数が算出されます。そのため、開業届の提出は必須です。
審査の観点は「長い期間事業を継続させられているか」です。フリーランスとして独立をしても、1年から3年で廃業する人は多々います。そのため、3年を一つの基準とし、これよりも長く事業を継続できているかどうかが重要視されているようです。

自己資金

自己資金があるかどうかも審査の観点に含まれます。自己資金の考え方はいくつかありますが、貯金があるかどうかで考えると良いでしょう。投資信託の積立など「金融資産」に分類されるものはここでは考えません。
自己資金が多ければ、住宅ローンの借り入れ金額を減らせます。フリーランスの場合は「〇円を頭金で支払い、残りを住宅ローンでまかなう」などの提案ができるのです。フルローンの契約ができない場合は、自己資金の有無が重要となってきます。
また、純粋に「支払いに充てられるお金があるのかどうか」も審査されています。貯金が多ければ切り崩して返済に充てることは可能ですので、銀行への信頼度を高められます。

個人信用情報

個人信用情報の状況が審査に大きく影響します。個人信用情報とは「個人信用情報機関」に該当する3つの会社が管理している情報で、クレジットカードや各種ローンの契約状況や支払い状況が記録されています。
審査で重要視されるのは「過去に支払い遅延がないか」「他のクレジットカードやローンの残高は多くないか」です。住宅ローンは信用力が重要ですので、過去に支払い遅延があると審査に悪影響を与えます。また、他のクレジットカードやローンの利用残高が多いと「住宅ローンの支払いができるのか」との懸念から、審査に落ちる可能性があります。

連帯保証人

連帯保証人を用意できるかどうかも審査では重要です。連帯保証人とは、万が一ローンの契約者が支払いできなくなってしまった場合に、支払いを肩代わりする人を指します。
基本的に連帯保証人は「ローンが支払えない」という緊急事態にのみ関わる人です。そのため、連帯保証人がいなくとも本人が支払いさえすれば大きな問題にはなりません。ただ、フリーランスは収入が不安定になる場合がありますので、万が一に備えて連帯保証人を求められる傾向にあります。
連帯保証人がいなければ絶対に審査に通過しないとは限りません。ただ、連帯保証人がいれば審査で有利ですし、いなければ不利になる可能性は十分にあります。

住宅の用途

住宅ローンは個人として住む住居用のローンです。そのため、住宅の用途が「(自分などの)住まい」でなければ審査に通過しません。
個人として住む住居でないものは、「フリーランスの事務所として利用する事業用の建物」が挙げられます。これは「住宅」と言えるものではありませんので、住宅ローンで借入はできません。
なお、住居兼自宅の建物の場合は、半分以上を住居として利用していなければなりません。どちらの用途が多いかによって、住宅ローンの審査に通過できるかどうかが決まります。

フリーランスが住宅ローンに申し込みする際の注意点

フリーランスが住宅ローンに申し込みをする場合、いくつか注意点があります。審査の内容も踏まえてこれらを理解していきましょう。

借入金額

住宅ローンを組む金額が大きくなると、それだけ審査に通過しにくくなります。これはフリーランスだけではなく、住宅ローンを組むならば全般的に言える内容です。自分の年収を踏まえ、適切な金額で住宅ローンの申し込みをしなければなりません。
どの程度の金額が適切であるのかを判断する指標には「返済負担率」が利用されます。住宅ローンの契約をする際によく利用される指標であり、「年収から支払いできる住宅ローンの金額を算出する」際に利用されます。ここで算出される金額を上限として、住宅ローンの契約金額を決定します。
なお、どの程度の返済負担率を許容するのかは、金融機関などによって異なります。後ほど代表的な数値を利用して試算しますので、詳しくはそちらをご確認ください。

ローンの契約先

最近は多くの金融機関が住宅ローンを取扱いしています。どこも金利の安さなどをアピールしていますので、「どこを利用しても同じだろう」と考えている人がいます。
確かに似たような住宅ローンはありますが、詳細を確認してみると内容が異なる場合は多々あります。そのため、内容を比較して適切な金融機関とローンを契約することが重要です。「なんとなく」で住宅ローンを契約しないようにしましょう。
特に住宅ローンは契約金額が大きく支払期間も長いものです。ちょっとした金利の差がトータルの支払金額を大きく左右する可能性があります。場合によっては何十万円も多く支払わなければならなくなってしまいますので、そうならないように注意が必要なのです。

節税対策

フリーランスは節税のために経費を多くするケースが多々あります。例えば保険に加入しておいたり、売り上げが大きかった年度に備品を購入したりするなどが挙げられます。上手く所得金額を調節して、最小限の税金で抑えている人が多いのです。
ただ、節税をするということは「税制上の利益を減らす」ことを意味します。つまり、確定申告書を利用して審査をする住宅ローンでは、悪影響が出てしまう可能性があります。利益を減らしてしまうため、「住宅ローンを契約しても支払いができない人」と判断されてしまう可能性を生むのです。
賢く節税するのは手取り金額を増やすために大切なことです。会社員とは異なりフリーランスだからこそできる節税があるぐらいです。ただ、過度に節税をすると「儲けの少ないフリーランス」になってしまいます。そうなると金融機関も審査を厳しくしてしまいますので、住宅ローンを見据えると節税はほどほどにするべきです。

フリーランスの年収別に見るローンの理想金額

フリーランスは年収によって理想的な住宅ローンの金額が異なります。これは上記でご説明した「返済負担率」が影響しています。以下では具体的に年収と住宅ローンの関係について計算をしてみます。
なお、返済負担率は金融機関によって公開している場合とそうではない場合があります。今回はフリーランスでも利用しやすい「フラット35」が公開しているデータを利用します。また返済期間は35年とし、繰り上げ返済なども考慮しません。
※https://www.flat35.com/kaitei/kansoka19.html

年収300万円

フリーランスとして生活できるかどうかの最低ラインが年収300万円です。この場合の住宅ローンについて計算します。

  • 返済負担率からみる借入金額:2,400万円
  • 現実的な借入金額:1,680万円

年収300万円の場合は返済負担率が30%です。そのため、35年の住宅ローンを組むとして2,400万円程度の借り入れが可能です。ただ、返済負担率は「住宅ローンを返済できるギリギリの金額」を算出するものです。つまり、この金額ギリギリまで借り入れをすると万が一の際に返済できなくなります。そのため、万が一に備えて返済負担率の7割を上限とした借り入れが理想的であると考えられます。

年収500万円

フリーランスとして安定し、会社員並の収入を得られているラインが年収500万円です。この場合の住宅ローンについて計算します。

  • 返済負担率からみる借入金額:4,600万円
  • 現実的な借入金額:3,220万円

年収500万円の場合は返済負担率が35%です。そのため、同じ35年の住宅ローンを組むとしても、年収の上がり方以上に借入金額は上昇します。返済負担率が35%に変化しているのは、収入が増えたことで安定性が高まることが理由にあります。ただ、安定性が高まっているとは言え、返済負担率が上がっていることを考慮すると限界までの借り入れは危険です。そのため、こちらも万が一に備えて返済負担率の7割を上限とした借り入れが理想的であると考えられます。

年収800万円

フリーランスとして活躍し比較的多くの収入を得られるようになるラインが年収800万円です。この場合の住宅ローンについて計算します。

  • 返済負担率からみる借入金額:7,300万円
  • 現実的な借入金額:5,840万円

年収800万円の場合も返済負担率が35%です。そのため、35年の住宅ローンであれば非常に高額なものまで組めます。実際にここまで高額な住宅ローンを組む人は少ないと思われるレベルまで組めるのです。また、上記と同様に返済負担率の7割を上限とした借り入れでも、住宅ローンの中では高額すぎる金額となっています。実際にここまで高額なローンを組む人は少ないでしょう。そのように考えると返済負担率の6割や5割の契約金額となる人が多く、返済には余裕を持てるケースが大半だと思われます。

まとめ

フリーランスでも住宅ローンを組める可能性は十分にあります。審査に通過できなければなりませんが、フリーランスであることが理由で審査落ちするとは限りません。
ただ、審査を受けるにあたりいくつかの注意点はあります。審査される内容を踏まえて、可能な限り審査に通過できるように準備しておきましょう。
また、住宅ローンは年収に応じて借り入れできる上限金額が決まっています。金融機関によって上限金額の計算は異なりますが、無理のない返済プランを立てられる金額で契約をしましょう。

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