【2022最新】PythonのフレームワークランキングTOP4!

【2022最新】PythonのフレームワークランキングTOP4!

Pythonのフレームワークにはそれぞれに特徴があり、採用するフレームワークによって開発効率が大きく変化します。今回は数あるフレームワークの中でも、特に今の市場で活躍しているもの、今後も活躍が見込まれるものをランキング形式でご紹介します。

1位:Django

参照:The web framework for perfectionists with deadlines | Django

フルスタックフレームワーク

DjangoはPythonのフレームワークの中でも、フルスタックフレームワークに分類されるものです。「フルスタック」とは、必要な機能や多くの機能が集約されているフレームワークを指します。Djangoの場合はWebアプリケーションを開発するフレームワークであるため、Webアプリケーションの開発に必要な機能がそろっているのです。

必要な機能が一通り揃えられているため、Djangoを利用するだけでWebアプリケーション開発が可能です。本来ならば自分で開発したりライブラリを探したりしなければならない部分も、Djangoだけで開発できるケースが大半です。

しかも、フルスタックフレームワークであるだけではなく、機能拡張に利用する「モジュール」も公開されています。こちらのモジュールを利用すれば一般的なWebサイトだけではなく、機械学習や深層学習など複雑なウェブサイトも実装できます

キャッシュによる高速な動作

標準で分散型キャッシュシステムであるmemcachedが搭載されているため、キャッシュをうまく活用できるフレームワークです。キャッシュを適切に利用できるWebサイトは高速な動作を実現できるため、Djangoはスピードが求められるWebサイトに適しています

また、Webサイトとしては高速な処理が求められなくとも、利用者が多い場合はキャッシュが重要です。サーバーに必要な情報をキャッシュしておかなければ、大量の問い合わせを処理できません。アクセスがある都度問合せ内容を処理していては、長い時間を要してしまうのです。

なお、キャッシュを活用する時の注意点として、サーバーのスペックが求められます。メモリ上に情報を展開しなければならないため、メモリが少ない環境ではDjangoの良さを活かしきれない可能性があります。

高いセキュリティ設計

セキュリティ性能を意識した設計となっているため、Djangoを採用するだけで高いセキュリティを担保できます。フレームワーク全体の設計思想としてセキュリティ上の欠陥が発生しにくい方式が採用されているため、ルールに沿って開発していればセキュリティを担保できるのです。

例えば、セッション情報はサーバーのデータベースに保存します。この情報が流出するとセキュリティ上の問題が起きるため、クライアントサイドには保存しません。セキュリティレベルの高いサーバー側に保存して、情報流出を防ぐ仕組みです。

また、一般的な攻撃であるSQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどが行われないように対策済みです。いわゆる「脆弱性」には標準で対策されていて、安心してフレームワークを利用できます

2位:Bottle

参照:Bottle: Python Web Framework ? Bottle 0.13-dev documentation

シンプルかつ軽量

非常にシンプルなフレームワークであり、シンプルであることから軽量です。「Simple is best」とも表現できるフレームワークで、スピードを重要視する環境ならば選択肢に上がるでしょう。

一般的にフレームワークは機能が多いため、どうしても時間を要してしまいます。高速なフレームワークは多数存在しますが、読み込むファイル数が多いなど時間を要してしまう理由があるのです。処理が速くともファイル数が多いとボトルネックになってしまいます。

しかし、Bottleは非常に軽量なフレームワークであり、読み込みが必要となるのは1ファイルのみです。ファイルの読み書きというボトルネックになりそうな部分も解消されていて、全体的に軽量化が図られているフレームワークなのです。

カスタマイズしやすい

シンプルなフレームワークであるため、自分の好みに合わせてカスタマイズが可能です。フルスタックフレームワークは必要な機能が揃っていますが、Bottleは逆に最低限の機能のみが揃えられています。

機能の多いフレームワークも魅力的ではありますが、どうしてもフレームワークの制約が生じてしまいます。他の機能を上手く使うために、カスタマイズできない部分などがあるのです。フレームワークを利用する以上はやむを得ない制約ではありますが、Bottleならばこの制約をクリアできます。

ただ、言い換えると最小限の機能しか提供されていないため、Pythonの開発力が問われるフレームワークです。自分に必要な機能の実装ができないならば、フルスタックフレームワークを選択するなどしなければなりません。

学習コストが小さい

シンプルなフレームワークであるためBottleは学習コストが小さい点が魅力です。フレームワークを利用するためにはどうしても学習コストが生じますが、このコストは小さいに越したことがありません。

Pythonのフレームワークには学習コストの小さいものがいくつも存在しますが、それらの中でもBottle は特にコストが小さいものです。公式ドキュメントは100ページ程に集約されていて、短時間で習得できるようになっています。

繰り返しですが、学習コストが小さい反面、フレームワークとして含まれている機能は最小限です。そのため、根本的にPythonを習得するなどの対応が求められます。フレームワークとして学ぶ内容は最小限に抑えられていますが、それ以外に学ぶべき部分があるのです

3位:Tornado

参照:Tornado Web Server ? Tornado 6.2 documentation

マイクロフレームワーク

Pythonのフレームワークの中でもマイクロフレームワークに分類されるものです。マイクロフレームワークは軽量で処理速度が速いものを指し、必要最低限の機能だけを有しています。マイクロフレームワークは小規模なWebアプリケーションの開発に適しています

シンプルで自由度の高いフレームワークであるため、自分らしいWebアプリケーションの開発が可能です。フルスタックフレームワークは開発に制限がかかりますが、マイクロフレームワークではそのようなことが起きません。

Webアプリケーションの開発において自由度が高まりますが、開発しなければならない部分が増えてしまいます。そのため、大規模な開発を利用する際は注意しなければなりません。フレームワークを利用していても実装する部分が多く、エンジニアに負担がかかる可能性があります。

ノンブロッキングI/O

TornadoはノンブロッキングI/Oに対応しているフレームワークであるため、インアウトの処理を待たずに次の処理が可能です。待機時間が短いフレームワークであり、それが全体の高速化に繋がっています

一般的にフレームワークで処理をする際は、コンピューターに情報を提供し、その結果が返ってくるのを待たなければなりません。非常に高速とはいえども、情報を提供してから結果が帰ってくるまでには時間を要してしまいます。短い時間でも大量の処理をすれば、徐々に長い時間を要してしまうようになるのです。

しかし、ノンブロッキングI/Oはそのような待機時間が発生せず、待機しながら違う処理もできるようになっています。完全に待機状態にはならないため、処理時間が短くできるという仕組みなのです。

高速な処理

上記でご説明したノンブロッキングI/Oだけではなく、非同期通信にも対応しています。TornadoはWSGIに基づかない通信であり、非ブロッキングサーバーを使用することで、数万件のオープン接続を処理するとが可能です。

これだけのオープン接続を処理できるため、同時アクセスがあっても高速処理が可能です。一般的なフレームワークは大量のアクセスがあるとどうしても処理に時間を要してしまいますが、Tornadoではそのようなボトルネックを最小限に抑えられます。

また、上記でもご説明したとおりノンブロッキングI/Oに対応しているため、処理時間のボトルネックも最小限に抑えられています。クライアントとサーバー間の通信も、サーバー内での処理も高速化されているため、全体として高速処理できるフレームワークなのです。

4位:Flask

参照:Flask へようこそ ? Flask ドキュメント (2.2.x)

機能を厳選

FlaskはPythonのフレームワークの中でも、フルスタックフレームワークとマイクロフレームワークの中間に位置するものです。特定の機能だけ厳選したフレームワークで、ある程度の機能を担保しながらフレームワークの軽量化が図られています

上記でもご説明したとおり、マイクロフレームワークはシンプルではあるものの追加開発が必要です。ある程度は自力でプログラミングする必要があり、アルゴリズムの設計なども求められます。つまり、マイクロフレームワーク単体ではハイレベルなWebアプリケーションの開発はできません。

逆にフルスタックフレームワークを利用すると、自分自身でカスタマイズできる部分が限られます。フレームワークとして提供されていない機能は、うまく実装できないのです。Flaskは両者の中間にあるため、都合よく開発できるようになっています。

拡張機能が豊富

Flaskには拡張機能と呼ばれる考え方があり、フレームワークに機能を追加できます。フルスタックフレームワークではなく、標準で搭載されている機能は少ないですが、拡張機能の活用で搭載機能を増やせるのです。

多くの人や団体が拡張機能を提供していて、有名な拡張機能には以下が挙げられます。

  • Flask Mail
  • Flask WTF
  • Flask SQLAlchemy

このような拡張機能を利用すると、簡単にWebアプリケーションに必要な機能を実装できるのです。自分自身で開発しなければならない部分でも、拡張機能が見つかればそれをインポートするだけで機能追加できます

ただ、注意点としてすべてについて拡張機能があるとは限りません。拡張機能が見つからない部分については、自分でプログラミングするしかないのです。

英語が中心であるため注意

Pythonの中でも人気のフレームワークではありますが、日本ではまだまだ普及していないものです。世界的に人気のフレームワークでありランキング入りしていますが、ドキュメントが英語中心になるため注意しなければなりません。

公式ドキュメントはもちろん、上記でご説明した拡張機能も英語のものが中心です。英語のドキュメントを読み解いて使い方や仕様を把握する必要があり、英語が苦手な場合は負担がかかってしまう可能性があります。

ただ、現在はエンジニアにも英語力が問われる時代であることを加味すると、Flaskを活用するためにある程度の英語力を習得するのも悪くないでしょう。

まとめ

Pythonを利用した開発で利用されるフレームワークについてご説明しました。基本的にWeb系の開発に利用されるプログラミング言語ですが、近年は機械学習の開発にも利用されています。Pythonの用途によって選択すべきフレームワークが異なるため、必ず意識しなければなりません。

どのフレームワークも用途が明確であり、選択を間違えると開発効率が下がる可能性があります。フレームワークは開発効率を高めるものですが、選択を間違えると逆効果になるため、それぞれの特徴を踏まえて適切なものを選択しましょう。

SHAREこの記事をシェアする

admin