テストエンジニアとは?必要なスキル・将来性をチェック!

テストエンジニアとは?必要なスキル・将来性をチェック!

エンジニアのひとつにテストエンジニアと呼ばれるものがあります。名前を聞いたことくらいはあるかもしれません。
名前は聞いたことがあるものの、具体的なイメージができていない人もいるでしょう。今回はそのような方に向けて、テストエンジニアとはどのような仕事であり、どのようなスキルが求められているのかを説明をします。

テストエンジニアとは?仕事の概要と業務内容

まず最初にテストエンジニアの概要と具体的な業務内容についてご説明します。

テストエンジニアとは

テストエンジニアとは、ソフトウェアや電子機器などが、想定どおり動作するかテストをするエンジニアです。ソフトウェアに対するエンジニアのことを指すことが多いのですが、実際には家電など電子機器をテストするエンジニアも含まれます。
テストエンジニアの役割は、テストの策定から実際のテスト、結果報告資料の作成と多岐にわたります。適切なテストを実施して、品質を担保することが求められています。また、それを客観的に確認できるように、文章化することも求められています。
テストエンジニアはただ単にテストをする人だと思われていることもあります。しかし実際はそのような単純なものではなく、テストを通して品質を高める重要な役割を担っています。特に開発者ではなく異なった人がテストをしますので、客観的なテストという意味で高い需要があります。第三者目線で品質を担保する役割とも言えるのです。

テストエンジニアの業務内容

テストエンジニアの業務内容は、テストにまつわる様々なものです。今回は大きく4つに分けてご説明します。

計画の立案

これからどのようなテストをしなければならないのかを立案する工程です。
計画の立案は、テスト対象の仕様確認から始まります。まずはどのような設計であるのかを理解し、その内容をテストに反映させます。そこの理解が誤っていたり不十分であったりすると、テストの品質が下がってしまいます。
仕様が理解できれば、テスト計画の作成に進みます。ここでテストの観点を決定したり、テストの対象や範囲を決定したりします。
これらの情報はテストエンジニアが「テスト計画書」として文章に残します。この文章が続く工程において要となります。

設計

テスト計画をもとに、具体的なテスト内容を設計する工程です。テストの方法やテストの実施数などを決定します。
開発におけるテストと言っても様々な手法があります。例えば計算結果が正しいかどうかを確認するテストがあります。また、答えが出てくるまでにどの程度の時間がかかるのか確認するテストもあります。他にも何人までならシステムが動くのか確認するテストもあります。テストの種類や内容は様々あるのです。
テストの方法を決定するとは、上記のような選択肢から何をどのように実現するか決定することを指します。具体的にテストで確認する内容とその手法を決定します。
また、どのテストを何回実施するのかという、テストの実施数も決定します。実施するテストの内容を踏まえ、テストの実施回数も決定が必要です。必要以上のテスト回数にならないよう考慮が必要です。しかし、テスト回数が不足してしまうと、品質が下がる可能性もあります。コストや期間なども加味し適切な回数決定が求められます。

実施

テスト設計をもとにテストを実施する工程です。設計の工程で定めた内容を着々とこなします。
テストの実施方法は、対象となるソフトウェアや会社の方針などによって左右されます。例えばテスト専用のソフトウェアを利用して、自動的にテストを進めることもあります。他にもテストエンジニアやSE・PGなどが人力でテストを進めることもあります。日頃の開発メンバーだけでテストに対応しきれない場合は、テストをするためだけの要員が追加でアサインされることもあります。

結果報告

テスト結果をまとめて報告することも、テストエンジニアの業務に含まれています。
基本的にテストは実施するだけでは意味がありません。テストを実施してその内容をレビューしなければならないのです。テストエンジニアは、このレビューのために情報をまとめたり資料を作ったりします。
レビュー者はテストの種類によって様々です。開発者であることやプロジェクトマネージャーなど開発者以外であることがあります。テストエンジニアはレビュー者を踏まえ、分かりやすいような資料を作らなければなりません。
なお、テスト結果をまとめる過程でテストが不十分だと判断されることがあります。また、不具合が多く再テストが必要となる場合もあります。そのような時は資料作成より前に、再度テストの実施をしなければなりません。テストエンジニアが活躍する場面が広がります。
また、レビュー者が結果報告を承認しないこともあります。その場合も必要な再テストを実施しますので、テストエンジニアが主体となって進めなければなりません。

テストエンジニアとテスターの違い

テストエンジニアに似た言葉として、テスターもよく利用されます。これらは同じ意味のように理解されていることもありますが、実際には少々異なったものです。

テストエンジニアとテスターの概要は簡単にまとめると以下のとおりです。
テストエンジニア:テスト計画の立案からテストの実施やクローズ作業まで担当する
テスター:指示に従ってひたすらテストを実施する
大きな違いは、役割がテストの実施以外を行うかどうかです。上記でご説明してきたとおり、テストエンジニアの役割はテストの実施だけではありません。計画の立案など付随する様々な作業が含まれています。
それに対してテスターは、このような付随作業が含まれていません。役割の違いがテストエンジニアとテスターの違いです。

テストエンジニアに求められる4個のスキル


テストエンジニアには多くのスキルが求められます。一つのスキルだけでこなせるような職業ではありません。以下ではテストエンジニアであれば、最低限身につけておきたいスキルをご説明します。

テストに関するスキル

テストに関するスキルが必要です。テストエンジニアであれば、これらのスキルは身につけていて当たり前です。
例えばテスト方法には、様々な種類があることを上記でご説明しました。これらのテストを実施するにあたり、王道といえるようなテスト方法の理解とスキルが必要です。他にもテストはツールで自動化して対応する場合と人力で対応する場合があります。どちらの方法が適しているのかを、判断するスキルも必要です。テストはただ単に実施すれば良いわけではありません。テストに関する王道の考え方がありますので、それを踏まえてテスト内容は決定されなければならないのです。書籍で学んだり実践を踏まえたりして、テストに関するスキルを高めておきましょう。

システム開発に関するスキル

プログラミングやフレームワークの取り扱いなど、システム開発に関するスキルが必要です。
最初からシステム開発ができるほどのスキルは必要ありません。テストをする対象がどのような仕様であり、どのように実装されているのかを推測できれば十分です。実際に手を動かせなくても大丈夫です。頭の中でこれらをイメージできるスキルがあれば、それだけでもテストケースを考えやすくなります。
テストエンジニアとして働くのであれば、実際に開発をする場面はないはずです。プログラマーと兼任している場合は別ですが、テストエンジニア専任であれば開発はしません。テストの品質を高めるために、こちらのスキルも持っておくべきだと考えましょう。

情報連携スキル

適切な情報連携スキルが求められます。社会人であれば当たり前のスキルですが、テストエンジニアとはこれがより求められます。
テストエンジニアは、開発したもののバグなどにいち早く気づく存在です。テスト結果に不備があると、開発に問題があったと気づくわけです。このタイミングでどのように行動するかにより、その後のスケジュールに影響を与える可能性があります。
スムーズに情報連携できるスキルがあれば、バグの解消もスムーズに進められるでしょう。場合によってはスケジュール変更をして、影響を最小限に抑えながら進められるはずです。
逆にスムーズに情報連携できるスキルがなければ、開発者などはバグの存在に気付きません。後になり問題が顕在化してしまい、スケジュールに大きな影響を与える可能性もあります。
テストエンジニアは品質を担保するにあたり重要な役割です。品質に悪影響を与えるような問題が起こった時のために、必要な情報をスムーズに情報連携できるスキルが必要です。

資料作成スキル

テスト結果をまとめるため、資料作成スキルも必要です。文章やパワーポイントなど、その時々に応じて適切な形式でまとめられなければなりません。テスト結果のレビューは開発に詳しくない人が担当する可能性もあります。そのような人にも伝わる資料作成が求められます。
テスト結果をまとめる以外にも、テスト計画をわかりやすく資料にしなければならないこともあります。再テストの計画について資料作りが必要なこともありえます。様々な場面で資料作りの可能性がありますので、これらに関するスキルも身につけておきましょう。

テストエンジニアの将来性はまだまだ明るい

テストエンジニアについて理解してもらえたことでしょう。ここで気になるのは、テストエンジニアの将来性についてではないでしょうか。
心配になる人はいるかもしれませんが、テストエンジニアの将来性はまだまだ明るいものです。以下ではこの点についてご説明をします。

テスト専門のエンジニアとして活躍の場は広がる

テストエンジニアのような専門性の高いエンジニアは、これからさらに求められます。幅広く対応できるエンジニアが好まれている時期もありましたが、現在は専門性重視です。そのためテストエンジニアに関しても、活躍の場が広がると考えられます。
特にここ最近は品質が重要視されています。多少は値段が高くなってしまっても、高品質なものが求められています。そのような流れもありますので、品質の担保に貢献するテストエンジニアの需要は高いのです。
システム開発などの現場において、テスト工程は必ず発生するものです。そのような場面で活躍するエンジニアであり、これからも活躍の幅は広がると考えてよいでしょう。

テスト自動化の流れに負ける雰囲気は無し

最近はテストを自動化する流れもあります。しかし、テストエンジニアはこのようなツールに負けないと考えて大丈夫です。
システム開発の現場などでは、テストを自動化することで工数を削減しています。専用のテストツールを利用して、短時間で確実にテストしているのです。
ただ、このようなツールは全ての開発で利用できるものではありません。利用する対象がまだ選ばれてしまう状況です。そのため、テスト自動化ツールがあるからと言って、テストエンジニアの仕事がなくなるわけではありません。
また、テスト自動化ツールを利用するのは、テストエンジニアであるケースが考えられます。テスト計画などを踏まえて、テストエンジニアがツールの設定をします。つまりテストエンジニアが不要になることはないのです。
テスト自動化ツールの普及に伴い、テストエンジニアは不要になると言われることもあります。しかし、実際にはそのようなことはなく、テストエンジニアが自動化ツールに取って代わられることはありません。

テストエンジニアはこれからも活躍できる

テストエンジニアは、これからも活躍の場が広がると考えられます。専門性の高いエンジニアですので、特化型が求められる現在に適した職種です。
専門性の高いテストエンジニアとして活躍するためには、テストの手法など知識を深めることが重要です。これは実際にテストを経験することと、専門書などで知識を身につけることの両方が求められます。実践的に知識を得ることも重要ですが、体系的な理論も学ばなければなりません。
専門性が身についていれば、テストエンジニアは長く働ける職種です。テスト自動化などが普及している時代ではありますが、まだまだテストエンジニアが活躍できる場が広がっています。


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