kintoneエンジニアを完全解説!

kintoneエンジニアを完全解説!

kintoneはサイボウズ社が開発、提供するクラウドサービスです。業務改善に役立つ機能が提供されていて、プログラミングスキルが少なくとも業務システムを作成できます。

直感的にシステムを構築できるプラットフォームではありますが、使いこなすためにはプログラミングスキルも必要です。今回はkintoneを使いこなすために求められるkintoneエンジニアについて解説します。

kintoneとは?

参照:kintone – サイボウズの業務改善プラットフォーム

最初にkintoneとはどのようなプラットフォームであるのか簡単にご説明します。

kintoneとは

kintoneはプログラミングなど開発スキルがなくとも業務システムを開発できるプラットフォームです。ユーザインターフェースを直感的に操作すればシステムが完成するため、使い方さえ理解すれば多くの組織や人が利用できます。

また、kintoneはクラウドで提供されているサービスであるため、短時間で導入可能です。自前のサーバーなどを用意する必要はなく、ユーザー登録から利用開始までは最短3分で完了します。開発に詳しい人がいない環境でも、アカウントを発行すればすぐに利用を開始できるのです。

kintoneの特徴

kintoneの大きな特徴はドラッグアンドドロップでシステムが作成できることです。一般的なシステムに求められる機能が最初からプログラミングされていて、それを画面上で設定するだけで利用できます。例えば以下のような業務をプログラミングなしに利用可能です。

  • 日報作成
  • 採用管理
  • 問い合わせ管理
  • 交通費申請

これらは一例ですが、100以上の業務が簡単に利用できるように準備されています。単体もしくは複数の業務を組み合わせるように設定して、自社の業務フローに適したシステムを開発するのです。

また、基本的にはドラックアンドドロップで開発しますが、開発者ライセンスを契約すれば、JavaScriptを利用してカスタマイズできます。自社の業務によってはkintoneの標準機能では対応できないのです。そのような状況においては、kintoneエンジニアが専門的な開発を担当します。

kintoneエンジニアの仕事内容

kintoneエンジニアは標準機能ではシステムの要件を満たせない際に開発を担いますkintoneはJavaScriptを利用した開発に対応しているため、kintoneエンジニアはJavaScriptをシステムに組み込んでいくのです。

まず、kintoneエンジニアはkintoneとAPIを利用して情報をやり取りします。JavaScriptでデータが取得できる仕組みが用意されているため、必要なデータが取得できるように設計してプログラミングもしなければなりません。また、データの追加や更新も可能であるため、これらについてプログラミングすることもあります。

また、JavaScriptを利用した開発であるため、取得したデータの表示についてカスタマイズ可能です。kintoneでは画面への表示方法が限られてしまうため、kintoneエンジニアが必要に応じて追加します。ボタンの色を変更する簡単な開発もあれば、データ内容を踏まえて表示を制御する複雑な開発も可能です。

kintoneのメリット

kintoneのメリットは基本的にノンプログラミングでシステム開発ができることです。上記でも触れたとおり、業務に必要な機能はあらかじめ用意されています。多数の機能が用意されているため、これらを組み合わせることで業務に適したシステムを簡単に構築できるのです。

また、こちらも先程触れた内容ですが、kintoneはクラウド環境で提供されています。つまり、業務システムをクラウドに構築できるのです。オンプレミスでシステムを構築すると維持補修の費用が必要となりますが、kintoneならばあまり意識する必要はありません。

kintoneのデメリット

ノーコード、ローコードで開発できるプラットフォームであるため、機能に制限があります。kintoneエンジニアが開発することである程度カスタマイズできますが、自由なカスタマイズは不可能である点はデメリットです。

kintoneは標準機能を用いて短時間でシステムを構築することを目的としています。自由なカスタマイズができない点はデメリットですが、そもそもkintoneが目指すサービスとは異なるため仕方ありません。

とはいえ、システムに求める要件が多くなってくると、自由にカスタマイズできないと実現できないでしょう。この場合はkintoneのメリットとデメリットを理解して、別のプラットフォームに乗り換えることを検討すべきです。

kintoneエンジニアに求められるスキル


続いてはkintoneエンジニアになるためにはどのようなスキルが必要となるのか解説します。

JavaScriptの知識

kintoneはJavaScriptを利用した開発となるため、JavaScriptのスキルが必要です。言い換えるとWeb系のエンジニアでJavaScriptを習得しているならば、そのスキルを活かしてkintoneを目指すことができます。

JavaScriptにもいくつものスキルがありますが、kintoneで必要とされるのはネイティブのJavaScriptです。フレームワークやライブラリを理解する必要はなく、JavaScriptの基本が理解できれば開発できます。

ただ、デザインなどを効率よく実装するためには、ライブラリを活用した方が良いかもしれません。必須ではありませんが、ネイティブのJavascriptに加えても差し支えはないでしょう。

開発実績

JavaScriptを中心とした開発を担うため、JavaScriptの開発実績が重要です。上記のとおりネイティブのJavaScriptが必要となるため、何かしらの開発経験があれば十分に役立ちます。

ただ、フレームワークを利用した開発しか経験していないならば注意は必要です。ネイティブのJavascriptとフレームワークを利用したJavaScriptは異なる部分があります。シンプルなJavaScriptが求められるため、必要以上に複雑な考えを持ってはなりません。

また、JavaScriptの中でもユーザインターフェースに関わる部分を担当する傾向にあります。これらの開発にはHTMLやCSSが関係してくるため、これらを含めた開発実績を持っているとなお良いでしょう

コミュニケーション能力

kintoneの開発をするにあたってはコミュニケーション能力が必要です。どのようなシステムを開発するのかヒアリングする必要があり、ここで失敗すると開発全体が失敗してしまいます。

ヒアリングは対面で実施するケースが多いため、kintoneエンジニアには対面でのコミュニケーション能力が必要です。ユーザーが業務でどのような部分に困っているかを聞き出し、kintoneでどのように解決するのか提案しましょう。また、標準機能と開発が必要な部分の境目を説明することも重要です。

開発が必要となる場合は、ユーザーに説明して同意を得なければなりません。ヒアリングはもちろん、伝える面でのコミュニケーション能力も高めるべきです。

kintoneを学ぶ意義


ここまではkintoneがどのような製品であるのか解説しました。また、kintoneエンジニアに求められるスキルについても解説したため、それらを踏まえて学ぶ意義についても解説します。

kintoneの需要

kintoneは年々導入数が増加しているシステム開発のプラットフォームです。同様のプラットホームの中でも需要は高いものに分類され、習得する意義のあるプラットホームだといえます。

近年はkintoneのようなノーコード、ローコードのプラットフォームが増えています。そのような状況においてもkintoneはサイボウズ社が開発しているということもあり、需要の高いプラットフォームです。今後も変わらず安定した需要があると考えて良いでしょう

なお、現時点では発展を続けている分野であるため、今後プラットホームのトレンドが変化する可能性はあります。その場合は需要に影響してくるため、状況は細かく確認しておきましょう。

人材の希少性

急激な需要の高まりによってエンジニアが不足している状況です。kintoneエンジニアは希少な人材に分類されるため、スキルを習得しておけばエンジニアの中でも重宝されます。

上記でも触れたとおり、kintoneは導入が増加している状況で必要なエンジニアも増加している状況です。基本的には開発なしでシステムを構築できるプラットフォームですが、開発が必要な案件も一定数あります。そのような案件に応えられるエンジニアは希少であり、今からでも習得しておけば活躍できるのです。

ただ、ご説明したようにkintoneの開発にはJavaScriptが利用されます。JavaScriptはWeb系の代表的なプログラミング言語であるため、扱えるエンジニアが多い状況です。多くのエンジニアがkintoneの開発に参入してくるとエンジニアとしての希少性が薄れてしまうかもしれません。可能な限りJavaScriptにプラスαのスキルを習得するようにしましょう

学習の難易度

学習の難易度面では難しいものではありません。特別な知識がなければ理解できない内容は限られていて、そこで希少性を見出すことは難しいでしょう。

ただ、kintoneは幅広い機能を提供しているため、それらすべてを理解するには時間を要します。そのような観点から評価すると、kintoneを幅広く理解しているエンジニアの希少性は高いです。ここに習得する意義があるといってよいでしょう。

年収

年収面では極端に高い状況ではなく、平均よりもやや高い600万円程度です。需要が高まっている状況ではありますが、JavaScriptを利用した実装であるため、平均的な年収は高まっていません。

ただ、実装するシステムによっては専門的な業務知識が必要となり、これらは年収が高まっています。kintoneを扱えることに対してではなく、業務知識に対して対価が示されているのです。kintoneエンジニアとして年収を高めたいならば、業務知識にも注力すべきです。

求人件数

プラットフォームの導入が増えていることに伴い、案件数が増加しています。さまざまな業務に関する案件が存在するため、自分のスキルに適したものを見つけやすいでしょう。

ただ、案件数は増えているものの、継続的な案件があるかは別の観点です。kintoneの開発は小規模なものも多く、案件が短期間で終了する可能性があります。そのような案件については数をこなさなければ安定した収入を得られません。

なお、プロジェクトによっては開発だけではなく維持や保守を担うことがあります。継続的に活躍できる案件を受注できれば、頻繁に案件を探さなくても安定した収入が期待できます。

将来性

導入件数が年々増えていることを鑑みると、kintoneはこれからさらに発展すると考えられます。ノーコード、ローコードで開発できるプラットフォーム自体が求められているため、kintoneの需要が高まり将来性は明るいでしょう。

ただ、近年は似たような機能を持つプラットフォームが増加しています。kintoneは国産のプラットホームとして人気ですが、海外のプラットフォームも日本に進出しているのです。日本でどの製品が積極的に利用されるかはまだまだ明確ではありません。

現時点ではサイボウズ社が開発してるということもありkintoneは人気を集めています。将来性の明るいプラットホームといえますが、トレンドは注視しておいた方が安心です。

まとめ

サイボウズ社が開発するノーコードプラットフォームのkintoneを解説しました。また、開発を担当するkintoneエンジニアについてもご説明しました。基本的にはノーコード開発ができますが、JavaScriptを利用することで追加開発も可能です。

標準機能だけでも幅広い業務に対応できますが、業務によっては対応しきれません。そのため、kintoneエンジニアが業務に適したシステムを実装します。

実装にあたってはJavaScriptを利用するため、プログラミング言語としての難易度は高くありません。ただ、kintoneは機能数が多く完璧に理解するためには時間を要します。

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admin