ファイアウォールとは?仕組みや必要性について徹底解説!

ファイアウォールとは?仕組みや必要性について徹底解説!

ネットワークのセキュリティを高める技術のひとつとして、ファイアウォールがあります。企業を中心に幅広い環境で利用され、耳にしたことがある人も多いでしょう。ファイアウォールとは、内部ネットワークと外部ネットワークの間に設置されるセキュリティ機器またはソフトウェアのことを指します。これを用いることで、不正アクセスやマルウェアの侵入などを防ぐことが可能です。

非常に重要なツールではありますが、ファイアウォールの仕組みや役割について、正確に理解できていない人も見受けられます。今回は、ファイアウォールの基本知識から仕組み、導入の必要性に至るまで、徹底的に解説します。

ファイアウォールとは

ファイアウォールとは、外部ネットワークと内部ネットワークの間に設置されるセキュリティ機器またはソフトウェアのことです。以前は物理的な機器が利用されることが一般的でしたが、現在ではソフトウェアによってファイアウォール機能を実装するケースが増えました。いずれの場合でも、通信を監視し、必要に応じて制御する役割を担うのです。

一般的に、ファイアウォールは不正アクセスやマルウェアの侵入を防ぐ目的で導入されます。あらかじめ設定したルールに基づき、特定の通信だけを許可し、それ以外の通信を遮断する仕組みが基本です。ネットワークへのアクセスを適切に制御することで、セキュリティの安全性を高めるように設計されています。

ファイアウォールの種類と仕組み

ファイアウォールには複数の種類があり、どの方式を採用するかによって、その仕組みは少しずつ異なります。

パケットフィルタリング型

パケットフィルタリング型は、通信データ、つまりパケットのヘッダー情報を利用してアクセス制御を行う方式です。具体的には、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、ポート番号、プロトコルといった情報を事前に定められたルールと照合します。許可されている条件に一致する通信のみを通過させ、それ以外は遮断するという仕組みです。

サーキットゲートウェイ型

サーキットゲートウェイ型は、セッションの確立時に認証を行い、正当な通信経路のみを許可する仕組みです。この方式では、TCPやUDPなどトランスポート層の情報を検査し、通信の接続そのものに対して制御ができます。

一度接続が許可されると、そのセッション内の通信はファイアウォールを通過できるため、パケット単位で逐一検査する方式よりも柔軟な制御が可能です。ただ、サーキットゲートウェイ型もアプリケーション層の内容までは確認しません。

アプリケーションゲートウェイ型

アプリケーションゲートウェイ型は、「プロキシ型」とも呼ばれるファイアウォールの一種です。通信の中継役として機能しながら、アプリケーション層で通信内容を詳細にチェックします。たとえば、HTTPやFTPといった特定のリクエストを一旦ファイアウォール側で受け取り、その内容を解析、問題が無い場合のみ許可するのです。

この仕組みにより、不正なコマンドや改ざんされたデータなども事前に検出できます。そのため、高度なセキュリティ対策が求められる場面では不可欠な方式です。

ファイアウォールの主な機能


ファイアウォールの機能は数多くあり、代表的なものは以下のとおりです。

フィルタリング

フィルタリングとは、通信の可否を判断するルールに従って、特定のデータパケットを許可または遮断する機能です。主にIPアドレス、ポート番号、プロトコルなどの情報をもとに、不要または不正なアクセスを防止します。この機能により、外部からの不審な通信を遮断し、内部から外部への情報漏えいを防げるのです。

なお、フィルタリングは通信先やアプリケーションに応じて細かく制御できるのが一般的です。業務に必要な通信だけを許可し、セキュリティと業務効率の両立を図れるよう設計されています。

アドレス変換

アドレス変換は「NAT(Network Address Translation)」とも呼ばれる技術で、内部ネットワークと外部ネットワークのIPアドレスを変換する仕組みです。具体的には、内部ネットワークのプライベートIPアドレスを外部通信時にグローバルIPアドレスへと変換します。これにより、複数の内部端末が1つのグローバルIPを使ってインターネットへアクセスできるのです。

さらに、ファイアウォールがアドレス変換を担うことで、ネットワークの内部構成を外部に露出させずに済みます。内部構成が外部に知られると、攻撃対象になりやすくなるため、防御という観点でも非常に有効です。

遠隔操作

ファイアウォールの中には、管理者がリモートから設定変更や状態確認を実施できるものがあります。これにより、複数拠点に設置されたファイアウォールの一元的な管理が可能です。また、緊急時には即座にルールの変更や通信の遮断などを指示できます。

ただ、ファイアウォールに遠隔操作機能が備わっていると、乗っ取りなどが発生した際に深刻な被害を招きかねません。そのため、製品に遠隔操作機能が搭載されていても、実際の運用ではあえて使用しないことも考えられます。

監視

監視機能は、ネットワーク上の通信ログを収集・記録し、異常な挙動や不正アクセスを検知するための機能です。多くのファイアウォール製品では、リアルタイムでトラフィックを監視し、不正の兆候が見られた際には管理者に即時通知できる仕組みが用意されています。

このような通知は、インシデント対応やセキュリティ監査の起点として活用されるものです。また、通信量の傾向や接続先の分析にも応用できるため、業務に不要なアプリケーションの利用や内部不正の兆候を把握する手段としても有効です。

ファイアウォールの必要性

以下では、ファイアウォールの必要性について解説します。

不正アクセスからの防御

インターネットや外部ネットワークからの不正アクセスを防ぐためには、ファイアウォールの導入が必要です。特に企業のネットワークには機密情報が保存されているため、不正アクセスへの対策が強く求められます。攻撃によって情報が外部へ流出してしまうと、社会的な信用が失われる原因となりかねません。

ファイアウォールを導入すれば、あらかじめ設定したルールに基づいて怪しい通信を遮断できます。そのため、基本的には不正侵入を未然に防ぐことが可能です。また、ゼロトラストの考え方も踏まえ、信頼できる通信のみを許可する仕組みが採用されている場合が大半です。これにより、不正アクセスをより効果的に防止でき、組織全体のセキュリティレベルを高められます。

情報漏洩の防止

不正アクセスへの対策と並び、情報漏洩の防止にもファイアウォールは必須です。ここでの情報漏洩とは、外部からの攻撃だけでなく、内部不正などによる情報の流出も含みます。悪意のある人材が情報を漏えいさせようとしたり、マルウェアによる外部への通信を試みたりする場合でも、ファイアウォールによってこれらの通信を遮断する効果が期待できるのです。

例えば、内部の端末がマルウェアに感染した際、外部へ情報を送信しようとする可能性があります。しかし、ファイアウォールを導入すれば、その通信を事前に遮断することが可能です。結果、情報漏えいを未然に防止できます。

また、業務に不要なアプリケーションの利用や、特定の宛先へのファイル送信を制御できる点も注目しましょう。これには、意図的な情報漏洩行為を防ぐことに繋げられるのです。外部からの攻撃だけでなく、内部の不正やマルウェアによる不審な動きも監視・制御のために、ファイアウォールが求められます。

セキュリティ対策の自動化と効率化

セキュリティ負荷を軽減するという観点でも、ファイアウォールは重要な役割を担います。自動的なアクセス制限により、人手による監視や対応の負担を大きく軽減できるのです。

従来、セキュリティ対策は管理者が手動で対応する必要がありました。しかし、ファイアウォールを適切に設定しておけば、基本的には自動的に安全性を担保できます。また、異常な通信はログとして記録され、管理者に通知する仕組みとすることで、必要に応じて手動での対応も可能です。

近年では、ITインフラの運用を限られた人材や予算で維持することが求められるようになりました。そうした状況下でもセキュリティ水準を保つために、ファイアウォールは“支柱”とも言える製品です。

ファイアウォールを選ぶ際のポイント


ファイアウォールには数多くの製品が存在します。そのため、どのように選べばよいのか迷うことも多いでしょう。ここでは、選定時のポイントについて解説します。

ファイアウォールの仕組み(種類)

ファイアウォールの種類は「どのように監視するか」によって変わります。この点を間違えると、思うような効果が得られないため、まずは監視の方法に注目するようにしましょう。自社のネットワーク構成やアプリケーションの利用状況に適した製品を選ぶことが重要です。

さらに、「どのような内容を監視したいか」という目的意識も大切です。アプリケーション単位で通信を制御したいのか、あるいはコネクション(接続)単位で制御したいのかによって、適した製品は変わってきます。

機能

搭載されている機能の数や内容も選定のポイントです。一般的には多機能な製品が推奨されますが、すべての機能が必要とは限りません。自社にとって最低限必要な機能を洗い出し、それを満たしている製品を選ぶようにしましょう。

場合によっては、1つの製品ですべての機能をカバーできないことが考えられます。そのため、どの機能を優先するかを事前に決めておくことが大切です。優先順位を明確にすることで、複数製品で迷った際にも判断しやすくなります。

なお、近年はファイアウォール製品の数が増え、それぞれが独自機能を備えることが多くなりました。単純な比較が難しく、製品選定に十分な時間を確保することが望ましいでしょう。

各種コスト

各種コスト面についても慎重に検討する必要があります。初期の導入コストに注目されがちですが、運用コストについても事前に考慮しておくことが重要です。導入後3年、5年といった一定期間でどの程度のコストがかかるか、トータルで見積もることを心がけてください。

自社の予算に見合わない製品を導入してしまうと、最終的にファイアウォールの継続利用ができないかもしれません。また、セキュリティ製品にコストをかけすぎると、他の投資が難しくなるリスクもあります。

製品サポート

運用面に不安がある場合は、サポート体制が整っている製品を選ぶことをおすすめします。多くの製品にサポートが用意されていますが、どのような内容が、どの程度のコストで提供されているかを確認しておくと安心です。

サポートには種類があり、低価格なものは簡単な問い合わせに対応する程度です。逆に高価なものは、細かな要件に応じたヒアリングや具体的な対応手順を提示してくれる場合があります。ファイアウォールの運用にはトラブルがつきものであるため、どこまでのサポートが必要かよく考えることが重要です。

特に導入初期は通知やエラーの意味がわからず戸惑うことも多いでしょう。そのため、初期段階は手厚いサポートプランを利用し、運用が安定してからプランを見直すといった柔軟な選択が理想的です。

まとめ

ネットワークのセキュリティを高める手段として、ファイアウォールの仕組みや必要性について解説しました。製品によって機能面に違いはあるものの、基本的な考え方や役割については理解できたのではないでしょうか。

近年はサイバー攻撃が増加しており、ネットワークを保護する手段としてファイアウォールは欠かせない存在となっています。特に企業では機密情報を取り扱う機会が多く、ファイアウォールの導入は必須であると考えるべきです。

ただ、ファイアウォールだけですべてのサイバー攻撃に対応できるわけではありません。他のセキュリティ対策と組み合わせて、多層的に防御することが重要です。ファイアウォールを基盤としつつ、ウイルス対策ソフトやIDS/IPS、ゼロトラストの考え方なども取り入れながら、総合的なセキュリティの向上を図っていきましょう。

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admin