Pythonの資格とは?資格の種類、それぞれの難易度・勉強方法を解説

Pythonの資格とは?資格の種類、それぞれの難易度・勉強方法を解説

Pythonとは?

世界初の高級プログラミング言語といわれる「FORTRAN」、次の「COBOL」、そして時代は下って「C」や「BASIC」そして「Java」に至るまで、プログラミング言語のルーツを探ってみると、開発したのは「どこの誰」ということがすぐわかります。

Pythonはどうでしょう。公式サイト「python.org」の「about」には誰が作ったかはもとより、そもそも歴史について書いてありません。pythonジャパンのサイトも同様です。

WikipediaのPythonのページでは、概要に「オランダ人のグイド・ヴァンロッサムが開発した」と簡潔に書かれているだけした。さて、グイド・ヴァンロッサムとはどのような人物なのでしょう。

グイド・ヴァンロッサム(Guido van Rossum)。1956年オランダ生まれ。オランダやアメリカの研究機関、Google等で働いたプログラマーです。オープンソースプロジェクトを率いたリーダーのごく一部だけに与えられる称号「優しい終身の独裁者」が最初に捧げられたのが彼でした。現在は米国カリフォルニア州在住。

彼が1989年のクリスマス休暇に書き始めたスクリプト言語のインタプリタが後のPythonとなります。名前の由来は彼が『空飛ぶモンティ・パイソン』(英国BBC製作のコメディ番組)の熱烈なファンだったからだそうです。ただし、「python.org」のシンボルは英語pythonが意味するニシキヘビです。

プログラミング言語としてのPythonは、コーディングが簡単で他の汎用プログラミング言語と比べてプログラムをわかりやすく、かつ少ない行数で書くことができるといわれています。

プログラミング言語の人気ランキングを示すサイト「PYPL PopularitY of Programming Language」では人気ナンバーワンにランクされています。

Pythonの資格一覧と難易度

Pythonの公式サイトpython.orgには資格について記載がありませんが、「一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会」という組織が認定試験を実施しています。

資格一覧というほどたくさんあるわけではありません。現在のところ「Python 3 エンジニア認定基礎試験」が実施されています。難易度は高くないようなので、資格取得の入門として受験してみるのもよいでしょう。

なお、「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」という上位試験が現在準備中のようです。

では、詳しく見ていきましょう。

Python 3 エンジニア認定基礎試験合格者

Python 3 エンジニア認定基礎試験合格者
「Python 3 エンジニア認定基礎試験」に合格すると「Python3 エンジニア認定基礎試験合格者(Python 3 Basic Grammar Certification)」という資格が与えられます。

Pythonの文法基礎および一般的な知識が問われる試験です。
オライリー・ジャパンの「Pythonチュートリアル 第3版」から出題されると公式サイトに明記されています。出題比率も公開されています。

Python 3 エンジニア認定データ分析試験合格者
2019年夏に開始が予定されていて、2019年年始前後にベータ試験が開催予定であることが運営者から公表されています。

Pythonによるデータ分析基礎や方法が問われる試験で、「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」(翔泳社)から出題されること、および出題割合が公開されています。

試験概要
「Python 3 エンジニア認定基礎試験」の試験は、選択問題が40問で試験時間は60分です。試験はパソコンを用いて行います。

なお、実施が予定されている「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」も問題数、パソコンを用いて行うことは共通です。試験時間はまだ公表されていません。

受験費用
「Python 3 エンジニア認定基礎試験」、「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」ともに受験費用は10,000円、学生割り引き適用で5,000円です。価格は税抜きです。

Python 3 エンジニア認定基礎試験の難易度・合格率

先に述べたように、「Python 3 エンジニア認定基礎試験」の難易度はそれほど高くありません。

各種資格試験の難易度を公表している「資格試験情報サイト 資格の難易度」によれば、「Python 3 エンジニア認定基礎試験」の難易度は、始まったばかりの試験でデータが少ないとしながらも、プログラミング初心者を想定した難易度は下からふたつ目の「C(やや易)」の上位としています。

なお、同じレベル「C(やや易)」の資格としては、「ITパスポート試験」、「パソコン検定2級」、「情報処理技術者能力認定試験3級」などが挙げられています。

合格率に関しては、運営者のサイトに、Python 3 エンジニア認定基礎試験開始後、2017年4月末時点において受験者数1273名となり、989名が合格したとの記述があります。単純計算すると合格率77.7%となります。

Python 3 エンジニア認定基礎試験の勉強時間

受験経験者の感想をネットから拾ってみると、趣味でプログラミングをしているという方で約8時間というのがありました。

さらに詳しく書かれているサイトには、Pythonの実務経験が数年あれば約4時間、Python以外でプログラミング実務経験が数年あれば約8時間、プログラミングはしていないがIT業界で働いているという場合は最低40時間程度という記述がありました。

Python資格のメリット

IT関連の仕事では一般的に資格の有無よりも経験年数と、対象業務知識の豊富さが重要視されます。プログラミングについても例外ではありません。

しかしながら、年齢も若く、これからフリーランスエンジニアを目指す人には経験も業務知識もないのが普通です。このような場合に資格を保有していれば、第三者が客観的にスキル保有を証明してくれることになるのでメリットになるといえるでしょう。

また、資格を取るためには試験のために体系立てた学習が必要になります。こうした勉強を通じて得た知識は必ずスキルアップにつながります。

Python資格の試験スケジュール

Pythonの試験は決まった開催日、開催場所というのはなく、通年実施されています。試験会場も自分で選ぶことができます。

試験はオデッセイコミュニケーションズが実施しています。事前に「Odyssey ID」を登録し、オデッセイコミュニケーションズのサイトから試験会場(CBTテストセンター)を予約して受験します。

試験結果は、試験終了直後にわかります。「試験結果レポート」ももらえます。合格者には、受験後約4週間で合格証が送付されます。

試験勉強におすすめの入門書・教科書

運営者が認定教材を公表しています。

オライリー・ジャパン「Pythonチュートリアル 第3版」
Python3エンジニア認定基礎試験の主教材で、基礎文法部分から出題されます。Guido van Rossum著、鴨澤眞夫訳、オライリー・ジャパン発行。1,944円(税込み)です。

なお、この本は難しいというのが一般的な評価なので、初学者にはおすすめできません。後述する初心者向けの参考書から手を付けるのがよいでしょう。

Pythonオンライン学習サービス「PyQ」
参考教材として紹介されているオンライン教材です。初学者から実務レベルまで対応しています。ライトプランが月額2,980円、スタンダードプランが月額7,980円です。どちらも税込み価格です。

初心者向けの参考書をふたつご紹介します。

Pythonスタートブック [増補改訂版]
辻真吾著、技術評論社発行、2,700円(税込み)。

みんなのPython 第4版
柴田淳著、SBクリエイティブ発行、2,916円(税込み)。

まとめ

Pythonの資格は、資格試験としての歴史はまだ浅く、認知度もまだそれほど高いとはいえないようです。しかし、Pythonはプログラミング言語人気ナンバーワンです。認知度がまだ低く、合格も比較的容易な今のうちに取得しておいて損はないでしょう。


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admin