【2022最新】Rubyでできること7選!トレンドは?
Rubyは日本人によって開発されたオブジェクト指向のプログラミング言語です。国際規格で認証されているものの中では初めての日本産プログラミング言語で、日本を中心に世界中で利用されています。
日本産のプログラミング言語であるため、Rubyの概要やできることは幅広く知られていますが、まだまだ日本でも知らない人は多いようです。今回はRubyの用途や具体的にできること・できないことをご説明します。
Rubyとは?
まずはRubyがどのようなプログラミング言語であるのか理解しておきましょう。
Rubyの概要
Rubyは1995年に公開されたオブジェクト指向のプログラミング言語です。現在、積極的に利用されているものの中では、開発された時期が古いものに分類されます。日本人の「まつもとゆきひろ」氏によって開発されたもので、国産では初めて国際規格に認定されたプログラミング言語です。
Rubyはオブジェクト指向プログラミングで、Webアプリケーションの開発に多く利用されます。Web専用のプログラミング言語というわけではありませんが、主要なフレームワークがWebアプリケーション向けであるなど、Web開発に利用されるプログラミング言語です。
また、オブジェクト指向ではありますが、スクリプト言語に分類されます。つまり、同じくWeb系のプログラミング言語であるPHPなどと同じ種類です。オブジェクト指向プログラミング言語はJavaが有名ですが、こちらはコンパイル言語であるため、Rubyとは考え方が異なっています。
Rubyでできること7選
続いては具体的にRubyでどのようなものが実装できるかご説明します。
SNS
Webアプリケーションの中でもSNSの実装が可能です。双方向通信の実装を得意としているため、SNSのようにリアルタイムでお互いが通信するようなサービスを実装できます。
例えば、文字や画像の入力を受け付けて、これをデータベースで保存しタイムラインに表示可能です。Webアプリケーションに必要な基本機能が揃っているため、データベースへのデータ保存が簡単で、加えて画面出力も容易です。
また、SNSに必要なユーザの認証機能も簡単に実装できます。データベースへのアクセスやセキュリティに関する機能が提供されているため、これらを利用するだけです。
ブログサービス
ブログサービスのような、多くの文字列やコンテンツを処理するアプリケーションの実装に適しています。SNSと同様にデータベースやコンテンツとのアクセスや処理が簡単にできるため、ブログサービスの実装も容易なのです。
また、Web開発を想定したプログラミング言語であるため、ブログサービスに必要なHTMLの出力制御などが簡単にできます。ブログサービスは状況に応じて出力するHTMLやCSSを柔軟に変化させることが求められるため、それに対応できるRubyは実装しやすいのです。
加えて、ブログサービスにおいても会員登録などの機能を開発することがあるでしょう。SNSと同様にデータベースとの連携やセキュリティの高さからこれらの実装も可能であり、ブログサービスの強化が可能です。
オンラインショップサイト
オンラインショップサイトに必要な機能はRubyで実装できます。そのため、オンラインショップ全体をRubyだけで構築することは難しくありません。
例えば、オンラインショップサイトには商品を登録して、それを検索するための機能が必要です。これはRubyをデータベースと連携させることで簡単に実装できます。データベースに大量のデータを登録しておいて、ユーザの入力に応じた検索結果を出力するだけです。
また、オンラインショップの構築にはユーザ登録やユーザ認証の機能を実装しなければなりません。これらの機能を個別に実装すると手間がかかりますが、Ruby on Railsを利用するとスムーズに実装できます。主要なフレームワークがこれらの機能を提供しているため、開発効率を高められるのです。
また、オンラインショップには必須の決済系機能の実装もRubyならばスムーズです。Ruby on Railsなどのフレームワークを利用する方法も個別に実装する方法も、どちらも高いセキュリティを担保できます。
API
Rubyの中でもRuby on Railsを活用することでAPIの実装ができます。APIは簡単に説明すると「サーバーに保存されているソフトウェアを別のシステムやアプリケーションに利用させること」です。特定のルールでサーバーへとアクセスさせ、処理した結果をレスポンスすることを指します。
APIはGoogle社など大手企業が提供しているイメージがありますが、Rubyを活用すれば自分で実装できます。そして、この実装したAPIを社内やスマホアプリなどと連携して利用できるのです。例えば、経費精算のAPIを作成しておけば、従業員がデータを入力するだけで関係システムに情報登録する仕組みが実装できます。
他にも、スマホアプリで求められる複雑な処理はAPI化されている場合が多々あります。スマホの中で複雑な計算などをすると端末に負担がかかるため、スマホアプリでは外部APIを用いて、情報送信・結果取得だけを行うようにするのです。
スクレイピング
スクレイピングはWebサイトなどWeb上の情報を集めて、新しい情報を生み出す仕組みを指します。例えば、Webサイトに記載されている情報を集約して、「まとめ資料」のようなものを作成する作業です。情報の収集だけをスクレイピングと呼ぶこともありますが、加工まで含めるのが一般的です。
Rubyならばスクレイピングに必要な「Webサイトへのアクセス」「Webサイトの情報読み取り」「読み取った情報の収集」「収集した情報の分析」とすべての工程に対応できます。一部分だけではなくすべてに対応できるプログラミングであるため、Rubyがスクレイピングに利用されるのです。
また、Rubyにはスクレイピングに活用できるライブラリが存在しています。そのため、他のプログラミング言語を選択するよりもスクレイピングを実装しやすく、Rubyでできることとして認識されているのです。
チャットボット
チャットボットは、音声や文字で入力した情報に対して、自動的にチャット機能で応答するサービスです。Web上で実装されることが大半であるため、Rubyで実装できるものに分類されます。文字や音声を入力してもらう仕組みをRubyで実装し、バックエンドでその内容を解析します。
Rubyだけでチャットボットを実行することは可能ですが、他のプログラミング言語と組み合わせて利用することもあります。例えば、入力された文字を分析するためにRubyではなくPythonを利用するのです。文字の解析や人工知能的な部分についてはRubyよりもPythonが適しているため、組み合わせて利用し、効率を高めます。
なお、チャットボットを作成するならばRubyのLitaというライブラリを利用する選択肢があります。これはさまざまなチャットボットを作成できるライブラリで、機能追加のプラグインも存在するものです。このライブラリにより簡単にチャットボットの実装ができるため、積極的に利用すると良いでしょう。
PCゲーム
RubyはWeb系のプログラミング言語として利用されるケースが多いですが、PCゲームの開発も可能です。Web上で動作するゲームだけではなく、WindowsはMacで動作するゲームの開発もできます。複数のプラットフォームに対応できる点はRubyの強みです。
PCゲームを開発する際はRubyでフルスクラッチする選択肢がありますが、ライブラリの「Gosu」を利用する選択肢もあります。こちらはRubyとC++に対応したゲーム開発パッケージで、Rubyでのゲーム開発を大きく手助けしてくれます。特別なこだわりがないならば、こちらのパッケージを導入してゲームを開発するほうがスムーズです。
なお、パッケージはオープンソースであるため、利用時にはコストが生じません。利用にあたってはパッケージを理解する手間が生じますが、長い目で見ると理解しておいて損はない内容です。
Rubyでできないこと、不得意なこと
Rubyは汎用的なプログラミング言語ではありますが、すべての開発に適しているわけではありません。続いてはRubyでできないことや不得意なことについてもご説明します。
機械学習
Rubyで機械学習の実装は可能ではありますが、不得意な分野であるためおすすめできません。機械学習はPythonが積極的に利用されているため、RubyではなくPythonを利用するようにすべきです。
プログラミング言語の性質として、Rubyには機械学習に対応したライブラリなどがほとんど存在していません。そのような環境で、あえて機械学習を実装することに意味は無いのです。どうしてもRubyの環境下で機械学習を実装する必要がある場合を除いて避けましょう。
なお、Rubyで機械学習を導入したいならば、PyCallと呼ばれるPythonをRubyで動かすための仕組みを利用すべきです。Rubyで機械学習のソースコードを書くのではなく、Rubyの中にPythonを組み込んで処理するのです。
スマホアプリ開発
スマホアプリ開発はトレンドではありますが、Rubyでの開発は適していません。スマホアプリの開発にはJavaやSwiftが利用される傾向にあるため、基本的にはこれらを利用すべきです。Rubyはスマホアプリを想定しているプログラミング言語ではなく、スマホアプリを開発しようとしても頓挫する可能性があります。
ただ、ここで注目してもらいたい点は「スマホアプリ」の開発、つまりフロントエンドとなるアプリケーションの開発には利用されないことです。スマホアプリから通信するバックエンドの処理にはRubyが利用される可能性があります。例えば、フロントエンドはJavaで開発し、バックエンドはRubyで処理するのです。
そのため、Rubyがスマホアプリ開発と完全に無縁であるかと問われると、そうとも言い切れません。ただ、フロントエンドの開発には適していないため、そこは誤解しないようにすべきです。
Ruby活用方法のトレンド
Rubyがどのように活用されているのかを確認するためには、GoogleTrendで状況を検索してみるのが一番です。実際に上記でご説明したRubyでできることを検索してみると以下のような結果です。
この結果から分かるようにWebサービスやアプリケーションそのものよりも、APIの開発に利用されています。つまり、スマートフォンアプリなどのバックエンドで動作するWebサービスやアプリケーションが開発されているのです。
もちろん、RubyはWeb系のプログラミング言語であるため、ご説明したとおりWebサイトやアプリケーションの開発が可能です。そのような使い方が中心であることは間違いありません。ただ、APIの開発に適したプログラミング言語であるため、そのような使い方も多くなっています。
まとめ
Rubyがどのようなプログラミング言語であり、具体的にできることとできないことは何であるのかについてご説明しました。日本生まれの主要なプログラミング言語であるため、この機会にどのようなプログラミング言語なのか把握してもらえたでしょう。
汎用性の高いプログラミング言語ではありますが、Web系の開発に利用されるケースが多くなっています。それに加えてPCゲームの開発ができるなど、できることは幅広いものです。Rubyを習得しておくと、多くの場面で利用できるといっても過言ではありません。
ただ、「できること」と「得意なこと」は異なり、機械学習などの実装には向いていません。Rubyでの実装は不可能ではありませんが、特別な理由がない限りは他のプログラミング言語を選択すべき場面はあります。