C++の資格とは?資格の種類、それぞれの難易度・勉強方法を解説

C++の資格とは?資格の種類、それぞれの難易度・勉強方法を解説

C++とは?

UNIX。コンピュータの基本動作を司るソフトウエア、OSの代表格の一つです。仕事であれ趣味であれ、コンピュータを扱うのが得意、という人ならおなじみの名称でしょう。そのUNIXが米国AT&Tベル研究所で誕生したのは1969年のこと。この年に生まれた方は今年50歳になります。

OSでは、データ、ファイル、ペリフェラルなどを操作するために様々なツール(コマンド)が必要になりますが、このツール類を開発するために誕生したのがC言語でした。

その後、UNIX自身もC言語で書き直されたことによって、様々なコンピュータに移植され、それと共にC言語も普及していきました。コンピュータが社会に普及していくにつれ、コンピュータが処理する仕事も高度になり、それに伴ってプログラムもどんどん大規模かつ複雑になっていきました。

コンピュータプログラムが大規模・複雑になると、バグが多い、仕様どおり動かない、遅いといった問題が次々と顕在化してきます。こうした弊害を防止するために様々な工夫がなされますが、その一つにオブジェクト指向プログラミングという概念があります。

Cが生まれたおよそ10年後、CやUNIXが生まれたのと同じAT&Tベル研のビャーネ・ストロヴストルップがCをオブジェクト言語化したのがC++です。

膨大なソフトウエア資産が蓄積されているC言語の上位互換を保ち、ハードウェアを直接扱うプログラムから複雑な業務用プログラムまで、広範囲のソフトウエア開発に利用可能であるのがC++の特長です。

ソフトウエア開発で用いられる言語ランキングで今なお上位常連の言語として、ソフトウエア開発の最前線で盛んに用いられている言語なのです。

C++の資格一覧と難易度

C++の資格一覧という仰々しいサブタイトルをつけましたが、日本にはC++の資格はないようです。しかし、C言語に関しては、「サーティファイ情報処理能力認定委員会」が実施している「C言語プログラミング能力認定試験」があります。

さらに世界に目を向けると、ポーランドに本部を置く「The C++ Institute」が認定している「C/C++ Certification」という制度があります。

「C言語プログラミング能力認定試験」の合格基準は全ての級で60%、一方「C/C++ Certification」のほうは、基礎レベルの「C++ Certified Associate Programmer」の合格基準が80%となっています。

なお、「C/C++ Certification」は、ピアソンVUEとの提携で、日本でも受験することが可能になったようですが、2019年2月9日時点で、ピアソンVUEウエブサイトの試験選択ページで、「C++ Institute」のリンクはつながりませんでした。

以降は、「C言語プログラミング能力認定試験」について見ていきましょう。

C言語プログラミング能力認定試験

受験資格に制限はありません。試験の種類は、初歩的な3級から、上級向けの1級まであります。3級はC言語の概念がわかった上で簡単なプログラムが書けること、2級は500行程度のプログラムが書けることとアルゴリズムの理解、1級はC言語を使いこなして応用プログラムを書けることとOSの理解というものです。

試験は年に3回。試験内容は、2級3級はマークシートによる筆記試験で1級はパソコンを用いた実技です。試験時間は、3級は60分、2級が90分、1級が150分と、級が上がるごとに長くなっていきます。

C言語プログラミング能力認定試験の難易度・合格率

「C言語プログラミング能力認定試験」の合格基準は全ての級で60%以上です。それほど高いハードルには見えませんが、平成28年度の平均合格率は67.9%です。受験者の約3割が不合格となっているので、誰もが合格する試験ではないことを認識しておきましょう。

特に1級の実技試験は、CUIベースなので、コマンドラインでコンパイラを使えないと話になりません。統合開発ツールなど、GUIベースの開発環境しか使ったことがないという方は要注意です。

C言語プログラミング能力認定試験の勉強時間

「C言語プログラミング能力認定試験」では、各級に合格するための標準学習時間が運営者によって公表されています。

初学者が3級に合格するための標準学習時間は110時間です。さらにそこから2級に合格するためには100時間、1級に合格するためにはさらに68時間です。

1日2時間勉強するとして、3級を取得するには55日、2級取得にはさらに50日、1級にはさらに34日です。合計で139日かかる計算になります。

C++資格のメリット

プログラミングで仕事を得るにあたって最も重要視されるのは、実務経験と業務知識です。このふたつが十分であれば資格の有無が問われることはないようです。

では資格を持っていることのメリットは何なのでしょうか。先に、プログラミングの仕事を得るには実務経験が重要と書きましたが、それがない場合は、どうすれば自分をアピールできるでしょうか。このときに役に立つのが資格です。第三者が自分の能力を保証してくれるのです。

C++資格の試験スケジュール

「C言語プログラミング能力認定試験」の試験は、3級が1月、6月、9月の年3回。2級と1級は1月、6月の年2回開催されます。試験会場は札幌、東京、名古屋、大阪にあります。正式な受験会場は、受験日の約1週間前に受験者あてに案内されます。

試験勉強におすすめの入門書・教科書

「C言語プログラミング能力認定試験」のために運営者がおすすめする書籍をご紹介しておきましょう。なお、価格はいずれも税抜き価格です。

わかりやすいC 入門編
書名の通り、「わかりやすさ」を追求したC言語入門書です。C言語の文法だけでなく、プログラミングの考え方についてもやさしく解説してあります。川場隆著、株式会社秀和システム発行、2,800円。

スッキリわかるC言語入門
C言語を学ぶ上で難関といえる「ポインタ」や「文字列操作」などを、豊富な図解と対話による解説ですっきりと理解できるように工夫されています。著者:中山清喬著、株式会社インプレス発行、2,700円。

新訂 新C言語入門 シニア編
C言語によるプログラム作成に欠かせないC言語様をわかりやすく解説してあります。プログラマー必読の1冊であり、困ったときのリファレンスとしても利用できます。林晴比古著、ソフトバンク クリエイティブ発行、2,700円。

問題集も運営者がすすめる書籍が紹介されています。

C言語プログラミング能力認定試験 1級過去問題集
平成27年第3回までの過去問題4回分が掲載されている他に、
1級テーマプログラムのCDがついています。1,800円。

C言語プログラミング能力認定試験 2級過去問題集
平成28年度第1回までの過去問題6回分が掲載されています。1,700円。

C言語プログラミング能力認定試験 3級過去問題集
平成28年度第1回までの過去問題6回分が掲載されています。1,500円。

なお、問題集はいずれもサーティファイ情報処理能力認定委員会編著、サーティファイ発行です。

まとめ

日本にはC++に特化した資格が見当たらないことがちょっと残念ですが、C言語プログラミング能力認定試験でC言語の基礎をしっかりと身につけておけば、C言語のオブジェクト指向対応版であるC++の習得にも必ず役に立つことでしょう。

今回は具体的にご紹介できませんでしたが、「C/C++ Certification」を自分で調べて英語で挑戦してみるというのもスキルアップにつながることでしょう。


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admin