C案件の特徴と単価とは?需要、今後の将来性と合わせてチェック!

C案件の特徴と単価とは?需要、今後の将来性と合わせてチェック!

C案件の特徴と単価

UNIXとC

UNIXとC言語。この2つには切っても切れない縁があります。C案件の話の前に、この2つの関係をおさらいしておきましょう。

DECというコンピューターメーカーをご存知でしょうか。かつては、IBMに次ぐコンピューターメーカーといわれ、科学技術計算用のミニコンでは圧倒的な強さを誇っていました。50代なかば以上の技術職の方なら「VAX-11」というミニコンをご存知の方も多いことでしょう。

さて、そのDECの初期製品群にPDPシリーズというのがありました。1969年、米国AT&Tベル研究所のケン・トンプソンとデニス・リッチーがオフィスの片隅に放置されていた18ビットミニコン、PDP-7でOSの開発をはじめます。開発に用いられたのはアセンブリ言語でした。

出来上がったOSは「UNICS」と名付けられ、すぐに「UNIX」と改名します。UNIXが動くようになると、このOS上で動作するユーティリティーが必要となり、それらを開発するための言語が必要となりました。

ケン・トンプソンはこの目的のために「B言語」を開発します。しかし、インタプリタであったため実行速度が遅く、デニス・リッチーが改良を加えて1972年に機械語を直接生成するコンパイラを開発します。「B」の次、ということで「C」と名付けられたというのは有名な話です。

その後、UNIX自体もCで書き換えられて移植性が格段に向上したため、様々なコンピューターでUNIXが動作するようになっていきます。

現在、「UNIX」をその名に冠するOSは見当たりませんが、UNIX系統のOSは数多くします。Linuxを始めとして、IBMのAIX、HPのHP-UX、ORACLEのSOLARISなどがあります。

さらには、macOS、iOSやAndroidも、ユーザーインターフェースにはUNIXの片鱗も顔を覗かせることはありませんがUNIX系のOSです。

そしてこれらOSの記述にはC(そしてC++)が用いられているのです。

C案件の特徴

Cが誕生して今年で47年。ほぼ半世紀です。そんな古いプログラミング言語が今さら何の役に立つのだろうと思う方もいるかもしれません。しかし、この年数が示すのは古臭いということではなく、これだけの長きにわたって使われ続けているという証しなのです。

先に述べたように、Cは多くのOSの記述に用いられています。Windowsも例外ではありません。OSの記述に使われる、ということは、ハードウエアの制御プログラムも書けるということです。このため、自動車、家電製品などの組み込みシステムプログラムや多種多様なデバイスドライバの開発にも用いられます。

Cで書かれたプログラムは、コンパイラがCPUで直接実行できる機械語を生成するので動作が非常に高速です。このため、リアルタイム動作が求められるゲームプログラムやシミュレーションプログラムでも盛んに用いられています。

様々なアプリケーションソフトにも用いられていて、フリーソフトウェアの開発を始めとして、オープンソースソフトウェアや多くの企業の基幹系システムにも用いられています。

このように、ハードウエアに密着した制御用ソフトウェアから、OSさらには一般アプリケーションにまでCは幅広く使われているのです。こうしたことから、C案件の特徴というのは、分野が非常に多岐にわたるということに尽きるといえるでしょう。

C案件の単価

幅広い分野の仕事があるC案件。報酬の相場はどのくらいなのでしょうか。システム開発の仕事は、ゲームであれ組み込みシステムであれ企業の基幹システムであれ、対象分野の経験がものをいいます。

Cの場合も例外ではなく、フリーランスエンジニアの報酬相場は、プログラマであれば40万円から60万円、システムエンジニアなら60万円から80万円というところでしょう。年収では480万円から960万円になります。

なお、昨今はIT人材の不足から、未経験でもOKという求人も増えているようです。

C案件に必要なスキル

C案件の仕事を獲得するためには、何はともあれCを習得しなければなりません。しかしながら、Cは習得難易度の高い言語としてもよく知られています。

情報系の学科でC言語を学んだという方は、実務とさらなる独習でスキルに磨きをかけていくことが可能でしょう。

しかし、文系出身でプログラミングはおろか情報処理関連の学問とは縁がない、という方には少々ハードルが高いかもしれません。しかし、諦めてはいけません。初心者向けの書籍やセミナーも数多くあるので、自分に合ったスタイルで学んでいきましょう。

機械・電気電子系学科出身者であれば、組み込みシステムや機械制御のシステム開発は取り組みやすい分野であるといえるでしょう。また、企業や行政機関の業務に精通しているという方であれば、その分野のシステム開発ではかかせないスキルであるといえます。

C案件の最近の動向

最近のC案件にはどのような仕事があるでしょうか。求人サイトでは、Cのスキルだけを求める案件より、CとC++をまとめた案件のほうが多いようです。さっそく、どのような仕事があるか、見てみましょう。

Cは組み込みシステムに使われると書きましたが、この分野の求人は非常に多くあります。ありとあらゆるエレクトロニクス商品が対象であるといって差し支えないでしょう。

自動車関連では、車載通信モジュールの組み込み開発、カーナビ向けソフトウェア開発、自動運転地図データ管理など。

他には、医療機器のUSBドライバの開発、DJ機器開発、POSシステム開発、ドローン開発、テレビソフトウェアの開発、決済端末アプリケーション開発、セキュリティ機器の組み込みソフトウェア設計開発といった案件が並びます。

企業等の基幹系システムはどうでしょうか。

証拠金取引・金利関連システム開発、個人投資家向けインターネット取り引きシステム開発、大手通販企業向けカード決済システム開発、会計システム開発、大手企業基幹サブシステム開発、コールセンタ業務バッチ開発、電力システム開発、鉄道系運行システム開発管理など、様々な業種でニーズがあります。

コンシューマー系では、Windowsアプリケーション開発、iPhoneアプリケーション開発、ゲーム機のソフトウェア開発、エンターテインメント系研究開発、スマートスピーカ開発といった案件が数多くあります。

C案件の今後の需要と将来性

主要なOS、様々な機器の組み込みソフトウェア、企業等の基幹システム、ゲームなどエンタメ系のソフトウェアなどを開発する主要言語としていまだに広く用いられているC。

Cは歴史のある言語であり、C以後のプログラミング言語に大きな影響を与えました。Cそのものにも様々なバリエーションがあるだけでなく、Cをオブジェクト指向化したC++やObjective-Cを始めとして最近では最も多く使われているといわれるJavaもCを継承する言語です。

昨今は、スキルセットにCを含まない若手エンジニアも増えているようなので、当分の間Cエンジニアの需要が減少したり将来性に陰りがさしたり、ということはなさそうです。

まとめ

既にC(そしてC++)で仕事をこなしている、というエンジニアには釈迦に説法ですが、Cは非常に汎用性の高い言語です。

習得するにはハードルの高い言語ではありますが、求人に応募する際、スキルセットに「Cの開発経験**年」と書けるということは、プログラミングの王道を押さえているということの証しになることでしょう。


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admin