C++案件の特徴と単価とは?需要、今後の将来性と合わせてチェック!

C++案件の特徴と単価とは?需要、今後の将来性と合わせてチェック!

C++案件の特徴と単価

プログラミングの進化とオブジェクト指向

C++はJavaと並んでオブジェクト指向プログラミング言語の代表格のひとつです。C++案件の話の前に、プログラミングの進化とオブジェクト指向についてちょっと振り返っておきましょう。

20世紀半ば以降、コンピュータが実務に用いられるようになってからは、その性能向上とともに求められる処理はどんどん複雑化、高度化してきました。このことが意味するのはプログラムの巨大化、複雑化です。

プログラムが巨大化、複雑化すると様々な弊害が生まれてきます。プログラムが要求仕様を満たさない、品質を満たさない、保守が困難になるなどです。こうした弊害をなくし、プログラム開発を効率化するために誕生した概念のひとつが「オブジェクト指向」です。

それまでのプログラムでは、手続き(コード)がデータを処理するという考え方で作られてきました。しかし、バグの大半は、データの変動やデータ間の不整合が予期せずして起こる、ということが経験的にわかってきます。

そこで、データを主体とし、それを処理するコードと組み合わせ(これがオブジェクト)、多数のオブジェクトが相互に作用し合うことで任意の処理が行われるという概念が生まれました。これが「オブジェクト指向プログラミング」です。

歴史的には、Simula(1962年)系と、Smalltalk(1972年)系がありましたが、その後、後者から派生したC++やJavaなどが主流になっていくのです。

C++案件の特徴

C++の元になった「C」が開発されたのは米国AT&Tベル研究所。1972年のことです。開発者はデニス・リッチー。そして11年後、同じくベル研のビャーネ・ストロヴストルップがSimulaの特徴を組み込んでオブジェクト指向言語化したのがC++です。

「IPAソフトウェア開発データ白書(2016-2017)」によると、現在、プログラミング言語の中で最も多く用いられているはJavaで、C++は、COBOL、VB、Cに続いて第5位です。Javaが他を引き離して圧倒的な第1位なのですが、こういった状況の中でC++の特徴はどこにあるのでしょうか。

それは、元になった言語である「C」と互換性が保たれているということです。CはUNIXと大変関わりの深い言語で、コンピューティングのオープン化とともに急速に広まったUNIX環境において膨大な数のアプリケーションがCで書かれました。

これらレガシーアプリケーションをオブジェクト指向プログラミング言語に移植する場合は、C++が最有力であることは容易に想像できるでしょう。また、元のCがそうであったように、C++で書かれたプログラムは実行速度が速いというのも特長のひとつです。

こうした特長を生かして、C++は、システムプログラムやゲーム、さらには大企業の業務用システム、金融関連システム、公共システムなど、あらゆる開発に用いられています。

なお、元のCも習得が容易な言語ではなかったので、そこにオブジェクト指向プログラミングを付加したC++も習得は簡単ではありません。

C++案件の単価

求人サイトを見てみると、C++案件の報酬相場はおおよそ月額50万円から80万円のようです。年収に換算すると600万円から960万円です。

C++に限らず、報酬はスキルや経験によって大きく変わります。与えられた設計書に基づいてコードを書くことしかできなければ高額の収入は望めません。ひとつひとつのプロジェクト経験で業務知識、プロジェクトマネジメントなどを学び、ステップアップしていきましょう。

C++案件に必要なスキル

C++案件に参加するにはどのようなスキルが必要になるか考えてみましょう。

CおよびC++で拡張された文法がわかるというのは必須です。
C++はオブジェクト指向言語なので、オブジェクト指向プログラミングを正しく理解して使いこなせるということも必要でしょう。エンキャプシュレーション、インヘリタンス、ポリモーフィズムなど、学ぶことはたくさんあります。

初心者は、ポインタの理解、中級者はデータベース、上級者は
デバイスドライバなどハードウェアの制御やサーバーサイドプログラムでアプリとの通信に取り組んでみましょう。

プログラミングの知識以外にも業務経験と知識が豊富であるに越したことはありません。業務がない場合は参加する案件でひとつひとつ積み上げていきましょう。

C++案件の最近の動向

求人サイトから最近のC++案件の動向を探ってみましょう。まさにありとあらゆるニーズがあることがわかります。

ビジネス系では、給与・会計システムの開発、人事システム構築支援、コールセンタ業務バッチ開発、製造業向けパッケージシステムカスタマイズ、工作機器ソフトウェア開発、カーナビ向けソフトウェア開発などという案件が見られます。

公共系では、電力システム開発、鉄道系運行システム開発管理、航空関連システム開発、統合気象システム、人工衛星制御組み込みソフトウェア開発など。

エンタメ・コンシューマー系では、コンシューマーゲーム機ソフトウェア開発、VRゲーム開発、iPhoneアプリ開発、スマートフォンアプリ開発、Windowsアプリケーション開発といった案件がたくさんあります。

最近のテクノロジートレンドとしては、車載向け通信モジュール開発、車載センサーカメラ検証業務、自動運転地図データ管理業務といった自動運転関連案件や、ブロックチェーンIoTセキュリティシステム開発、仮想通貨システムWEBアプリ開発といったFintech関連案件も増えてきています。

他にも、自動音声応答システム開発、セキュリティ機器の組み込みソフトウェア設計開発、IoTデバイスの機能追加、スマートスピーカ開発、機械学習アルゴリズム実装/API化、ドローンシステム開発支援、画像認識システム開発、物体認識エンジン開発といった新たな分野の案件が目白押しです。

さらには、手術支援ロボット開発、介護施設向け監視システム開発といった医療・福祉分野の案件も今後増えていくことでしょう。

C++案件の今後の需要と将来性

C/C++がコンピュータの世界でどれくらい重要なのかを眺めてみましょう。まず、UNIXがCで記述されていることは有名ですし、Windows、MacOS、Android、iOSなど主要なOS全てでC/C++は記述言語として用いられています。

さらにC/C++は、デバイスドライバやサーバーサイドプログラムなどのシステムプログラムからビジネス系、エンジニアリングやサイエンス系のアプリケーション、そしてゲームにいたるまでありとあらゆるプログラムで使用されています。

当分の間、C/C++の案件がなくなることはないと言い切って間違いないでしょう。C++だけに限っても将来の需要は継続し、将来性は安泰であるといえます。

まとめ

CにしろC++にしろ、専門家が専門家のために作ったという性格が強いので、プログラミングの予備知識がない初心者が簡単に習得できるというプログラミング言語ではありません。

しかしながら、コンピュータ関連教育機関における第一習得言語として採用されていることも多く、独習のための書籍も数多く出版されています。WEBを検索すればノウハウを披露したサイトも数え切れないほど存在します。C/C++から学んでおけば言語体系が似通っているJavaやPHPを習得するにも役立つでしょう。

世に無数に存在するソフトウェア資産がC/C++の存在感の大きさを物語っています。C/C++を操ることができるエンジニアは、今後もソフトウェア開発人材の中で重要な位置を占め続けていくことでしょう。


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admin