COBOL案件の特徴と単価とは?需要、今後の将来性と合わせてチェック!

COBOL案件の特徴と単価とは?需要、今後の将来性と合わせてチェック!

COBOL案件の特徴と単価

COBOLの誕生

COBOL。 JavaScriptやPHPを駆使して最新のWEBをプログラミングしている人や、Python、R、Juliaなどで人工知能のプログラミングをしている人にとって、「COBOL」は古代語のように響くかもしれません。

COBOLが誕生したのは1959年(昭和34年)。一般の人々の間ではコンピュータという言葉が使われてもいないころ、アメリカ国防総省の主導によって、事務処理用言語として誕生したのがCOBOLです。

この年、日本は東京タワー竣工の翌年です。フジテレビや地方の民放テレビ局の多くが開局し、東海道新幹線の工事が始まった年です、王貞治がプロ入り第1号ホームランを打ったのもこの年です。

海外では、シンガポールが独立し、キューバ革命が起こり、アラスカ、ハワイがアメリカの49番目、50番目の州となり、シャルル・ド・ゴールがフランス初代大統領となりました。

COBOLが生まれた1959年はこういう年でした。そしてCOBOLは今年、還暦を迎えます。

COBOL案件の特徴

古い言語にもかかわらず、社会の中枢を支えるシステムの記述言語としていまだに現役であるというのがCOBOLのすごいところです。

情報処理技術者試験で有名なIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の「ソフトウエア開発データ白書2016-2017」によると、国内企業31社の4,067件にのぼるプロジェクトのうち、開発に用いられた言語で最多だったのはJava(32.2%)で、その次がCOBOL(15.1%)なのです。

COBOLという名称は、「COmmon Business Oriented Language」からきており、その名の意味するとおり、事務処理のために開発された言語です。

利用されているのは、生命保険、損害保険、銀行など金融業界が圧倒的に多く、他には、企業の基幹系システム、ホテル・座席の予約システム、販売管理システムなどがあります。いわゆる事務処理のあらゆる分野で使われているというのがCOBOLの特徴です。

こうしたシステムで最も重要なのは、安定して稼働するということ。特にお金を扱うシステムであればなおさらのことです。安定稼働しているシステムを他の言語に移植するのはかなりのリスクを伴う、というのがいまだにCOBOLが使い続けられている主たる理由なのです。

古くから使われ続けているため、COBOLで書かれたシステムが稼働するのは汎用機(メインフレーム)が大半を占めるといわれています。このため、開発環境も長らく使われてきたレガシーなものが多いようです。

言語の設計が半世紀以上昔であるため、さすがに新規案件の開発言語に用いられることはほとんどないようですが、既存システムの改良、拡張やリプレースなどでCOBOLエンジニアは必要とされています。

古い言語であるがゆえに、プログラマを目指す若い人がCOBOLの習得を目指すことは多くありません。このため、COBOLプログラマの平均年齢は40歳代以上といわれています。

先に述べたように、COBOL案件の多くは金融機関で用いられています。それ以外でも企業の基幹系など、システム規模が大きく、障害で止まってしまうことがあってはならない、いわゆる「ミッションクリティカル」なシステムがほとんどです。

さらに、セキュリティ要件も厳しいことが多く、仕事をする場所は顧客のオンサイトというケースが大半です。在宅ワークの案件は期待しないほうが良いでしょう。

COBOL案件の単価

COBOLに限ったことではありませんが、報酬単価は実務経験や、業務知識、作業内容などによって変わります。報酬の相場としてはプログラマであれば月額40万円~60万円、システムエンジニアで60万円~80万円といったところが相場のようです。年収としては500万円弱から1,000万円弱くらいです。

COBOL案件に必要なスキル

では、COBOL案件の仕事をするにはどのようなスキルが必要になるのでしょうか。

COBOLでプログラミングができるのは最低限のスキルとしていうまでもありません。他にどのようなスキルが求められるのか、求人サイトを見てみましょう。

求められるスキルとして多く見られるのが、いわゆる業務知識です。損保業務の有識者、勘定系業務の開発経験者、預金・融資の経験者、証券システム経験者など、対象のシステムが担う業務がわかる、ということが重要視されているのがわかります。

作業内容の面からは、求められるスキルは様々です。上流工程、基本設計、詳細設計、プログラム作成、単体テスト、結合テスト、保守、運用などソフトウエア開発に関するあらゆる分野の求人があるといって良いでしょう。

COBOL案件は金融機関や企業で用いられる規模の大きいシステムで、作業場所は客先オンサイトがほとんどです。作業はチームで行うことになるので、コミュニケーションが良好、明るい性格、というニーズも少なくありません。さらには、チームリーダができるというスキル要件も見かけます。

COBOLの仕事を得るには、チームで仕事ができて、業務知識がモノをいうと考えておけば間違いないでしょう。

COBOL案件の最近の動向

古い言語であるにもかかわらずいまだに多く用いられているCOBOL。最近の案件の動向はどうなっているでしょうか。

先に述べたように、新規開発にCOBOLを用いる、というケースはほとんどありません。実際の求人を仔細に読んでみると、案件名としては、基幹系保守対応、既存システムの改修、システムのリプレース、仕様変更対応、現行システムの改修といったCOBOLではおなじみの案件名が並んでいます。

しかし、案件の内容やスキル要件のところを見てみると、汎用機で動いている既存システムの単なる保守・改修とは違った業務があることがわかります。

例えば、「システム移行経験者」、「基幹系システムのクラウド化」、「レガシーシステムの移植」という表現からは様々な移行案件があるということがわかります。

Java、C/C++、Python、VB.NETなどの言語名やSQL、Oracleといったデータベース名、さらにAIX、HP-UX、LinuxなどのOS名からは他システムとの連携などの仕事があるのがわかります。

COBOL案件の今後の需要と将来性

さて、現在もなお金融業を中心に多く案件があるCOBOL。今後の需要と将来性はどうなのでしょうか。

若いエンジニアはJavaやPython、PHP、HTMLなどを学ぶことが多いことでしょう。逆に、COBOLをやりたい、という人はよほどの物好きに見られるでしょう。そして、現在のCOBOLエンジニアの平均年齢層は先に述べたようにおよそ40代。

つまり、今後、COBOLを扱えるエンジニアはだんだん減っていくということです。では、COBOLエンジニアの減少とともに、COBOLで書かれたシステムは減っていくでしょうか。COBOLが社会を支えるコアシステムの言語として使われている以上、これは考えにくいことです。

今後、COBOLエンジニアのニーズが減ることはなく、逆に人材不足になっていくことが予想されるのです。

まとめ

古い言語であるCOBOLですが、今後もCOBOLエンジニアを必要とする案件は継続していくでしょう。将来のCOBOLエンジニア不足を見越してスキルを磨いておくのも良いかもしれません。


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admin