Javaフレームワークの選び方。メリット・デメリットの比較をふまえて解説!
Javaは、Androidアプリケーションやゲーム、大規模なシステム開発などに使われるプログラミング言語です。汎用性が高く、案件数も多いため、将来性の高いプログラミング言語の1つと言えるでしょう。
Java案件における必須スキルを見ると、Javaを用いた開発経験の他に、「Spring Framework」、「Play Framework」、「Java EE」などのフレームワークの使用経験が求められることが少なくありません。
Javaのフレームワークとはどのようなものがあるのでしょうか。フレームワークを使うメリット、デメリットとともに見ていきましょう。
この記事の目次
Javaとは?
Javaは1995年に誕生したプログラミング言語で、20年以上、ゲームやシステム開発などに使われ続けています。
オブジェクト指向のプログラミング言語で、拡張性、保守性ともに高いのが特徴です。汎用性が高いことでも知られ、大規模なWebシステムや業務システム、小規模なECサイトシステムなど様々な案件で使用されています。
ライブラリやフレームワークが豊富なことから開発工数を削減しやすい言語とも言われています。マスターするには時間を要しますが、将来にわたって高い需要が見込まれるため、しばらくの間は仕事に困ることはないでしょう。プログラマーが身につけておきたいプログラミング言語の1つです。
Javaのフレームワークとは
フレームワークとは、プログラミングの土台となるもので、開発を効率的に進めるために使われています。様々なプログラミング言語でフレームワークが使われていますが、Javaのフレームワークは種類が多いのが特徴です。
採用するフレームワークによって、開発効率は大きく変わります。案件に携わるプログラマーのスキルや、開発するシステムの特性などを考慮して、適切なフレームワークを選ぶと良いでしょう。
Javaのフレームワークを使うメリット
Javaでの開発で、フレームワークを使うメリットは大きく2つ挙げられます。
1つ目は、開発を効率化できる点です。フレームワークは、多くのシステムで共有できるコードが用意されていため、開発工数を抑えることができます。
開発にかかる時間やコストは少ないことに越したことはありません信頼できるフレームワークを採用することで、バグの混入を防ぎ、品質の高いプログラムを完成させることができるでしょう。
2つ目は、コーディングルールを共有できる点です。
開発するシステムが大きくなればなるほど、多くのプログラマーがプロジェクトに参画することになります。経験も技術力も違うプログラマーが各々にコーディングを進めていくと、コーディングがバラバラになってしまいがちです。統一されていないコードは読みにくく、運用効率の低下につながります。
開発がスタートする時点でしっかりコーディングルールを定めておくと、結果的に保守性の高いプログラムが完成します。フレームワークは、コーディング手法を統一する役目も担います。大きなプロジェクトほど、フレームワークを使って開発を進めた方が良いと言えるでしょう。
Javaのフレームワークを使うデメリット
次に、Javaでの開発でフレームワークを使うデメリットを3つ挙げます。
1つ目は、Javaへの理解度を高めにくい点にあります。フレームワークを使うと共有されているコードが多く、「なぜこのコーディングになっているのか」を1から考えることはほとんどないでしょう。
そのため、フレームワークを使わずに開発しているプログラマーに比べて、Javaについて深く考える機会が少なくなってしまいます。
2つ目は、気づかない間に脆弱性が紛れ込むリスクがあることです。フレームワークは、コードを共有することができますが、同時に脆弱性も共有してしまうことがあります。フレームワークは使う際には脆弱性を考慮しセキュリティ対策を十分にとったうえで、開発を進める必要がありそうです。
3つ目は、フレームワークが変わると、また1から勉強し直す必要がある点です。フレームワークの選択肢が豊富なJavaですが、それぞれのフレームワークによってデータベースへのアクセス方法や機能の呼び出し方法などが異なります。
そのため、経験のないフレームワークを使う際には、特性やコーディングルールなどを勉強し直さなければならないでしょう。
Javaのフレームワークの種類
先述している通り、Javaにはフレームワークがたくさんありますが、ここでは、多くのシステムで採用されている知名度の高いフレームワークを4つ紹介します。
『Apache Struts』は、「Struts」とも呼ばれ、2000年に初期バージョンが公開された歴史のあるフレームワークです。Apacheソフトウェア財団が開発しており、MVCモデルをベースにした高い生産性で注目を集めました。
MVCとは、「Model View Controller」の頭文字をとったもので、処理の流れを、ロジックや関数など管理する「Model」、図やグラフィックなどを表示する「View」、「Model」と「View」の制御を行う「Controller」で構成しています。
『Spring Framework』は、多様な開発に対応できるフレームワークです。2003年にRod Johnsonによって開発され、「Spring」と呼ばれることもあります。「Coreモジュール」、「Context モジュール」など7種類のモジュールからなり、適応力が高いのが特徴です。
『Play Framework』は、Rubyのフレームワーク「Ruby on Rails」、Pythonのフレームワーク「Django」の思想を反映したフレームワークです。Javaだけでなく、関数型言語のScalaにも対応しています。CPUリソースやメモリ使用量が少なくて済むため、軽量で利用しやすいのが特徴です。
『JSF』は、「Java Server Faces」の略で、2004年に誕生したフレームワークです。『Apache Struts』と同様、MVCモデルを採用しています。独学で学びやすく、Java初心者でも「JSF(JavaServer Faces)によるWebアプリケーション開発ーJava徹底活用」、「わかりやすいJavaEEウェブシステム入門」などの本をしっかり読めば習得することができるでしょう。
Javaのフレームワークのトレンド
かつてJavaのフレームワークの主流と言えば、『Apache Struts』でした。日本でも採用しているシステムが多く存在しますが、脆弱性が見つかったこともあって『Apache Struts』離れは急速に進み、近年シェアを落としています。
『Apache Struts』の代わりに勢いを増しているのが、『Spring Framework』です。世界的に見ても導入が進んでいることから、Javaプログラマーであれば学んでおいて損がないフレームワークと言えます。『Spring Framework』を身につけておけば、しばらくは仕事に困ることはないでしょう。
『Play Framework』は軽量で使いやすいことから、知名度、人気度ともに高まっています。『JSF』は人気、案件数ともに安定していますが、仕事の幅を広げたいのであれば、『Spring Framework』や『Play Framework』を学んでおきたいところです。
Javaのフレームワークの選び方
Javaのフレームワークは案件に携わっているプログラマーのスキルや、システムの特性などを考慮して選ぶことが推奨されます。
迷ったときには、世界的にもシェアを伸ばしている『Spring Framework』を採用すると良いでしょう。『Spring Framework』は柔軟性、汎用性ともに高く、様々なシステムに適応します。Javaエンジニアとしてのスキルも高めてくれるオススメのフレームワークです。
まとめ
Javaのフレームワークは種類が豊富で、開発を効率的に進められる「使える」フレームワークがそろっています。
JavaエンジニアがJavaさえできれば良いという時代は終わったと言っても過言ではありません。フレームワークのトレンドを抑え、常に知識とスキルをアップデートしていくことが求められています。
初めて、Javaのフレームワークに触れるのであれば、案件数が増えている『Spring Framework』がオススメです。Java初心者には少し難易度が高いですが、一度しっかり身につけておけば、プログラマー人生をサポートしてくれる強い味方になるでしょう。