Pythonの特徴と単価とは?需要、今後の将来性と合わせてチェック!

Pythonはプログラミング言語の中でも人気の高いものです。Web系のプログラミング言語はPHPが主に利用されますが、Pythonも高い需要があります。また、人工知能や機械学習などの分野でもPythonは利用されている状況です。
需要の高いプログラミング言語ですが、Pythonの特徴はまだまだ把握されていません。今回はPythonの特徴と単価、そして需要や将来性まで幅広く解説します。
この記事の目次
Pythonとはどのようなプログラミング言語か
Pythonは近年人気を集めているプログラミング言語のひとつです。急成長しているプログラミング言語であり、需要も急激に高まっています。最も成長していて最も注目を集めているプログラミング言語といっても過言ではないでしょう。
Pythonとは
Pythonは1991年に開発されたオブジェクト指向に対応したスクリプト言語です。注目されているプログラミング言語であるため「新しいプログラミング言語である」と勘違いされることがありますが、実際には30年以上も前に開発されています。
当初は積極的に利用されているプログラミング言語ではありませんでしたが、Pythonのバージョンが上がるにつれて徐々に浸透してきました。今となっては世界のトレンドともいえる状況であり、Pythonが開発された当初とは大きく状況が異なったと言えるでしょう。
なお、Pythonは当初から簡潔に記述することを「良し」とする文化で発展しています。そのため、開発コミュニティにおいてもこのような考え方が浸透していて、今やエンジニアに求められる考え方です。他のプログラミング言語とは少々異なった思想があるため、学習や利用にあたってはその点を理解しなければなりません。
オフサイドルールが重要
Pythonにはインデントに意味を持たせるオフサイドルールと呼ばれるものがあります。大半のプログラミング言語では視覚的な意味合いからインデントを付与しますが、Pythonにはプログラミング言語としての意味があるのです。
言い換えると、Pythonにはインデントに関する明確なルールがあるため、誰が書いても同じようなソースコードが完成します。インデントの違いによってプログラムが読みにくくなるようなことはほぼ発生しません。これは他のプログラミング言語にはない、Pythonの特徴だと考えてよいでしょう。
もちろん、このような開発者の自由を制限する方法は賛否両論であり、必ずしも良いとは言い切れません。ただ、Pythonを積極的に利用するエンジニアはこれを好んでいることも多いため、特徴として理解しておきましょう。
Pythonの3つの特徴
続いてはPythonにどのような特徴があるのか解説します。
コードの記述がシンプル
Pythonの大きな特徴として、コードの記述がシンプルであることが挙げられます。プログラムを可能な限り短く記述できるように考慮されていて、エンジニアの負担を軽減できるプログラミング言語です。例としてPythonとJavaを比較すると以下のようになります。
Python
print(“Hello World”)
Java
public class Main {
public static void main(String[] args) {
//Hello Worldを表示する
System.out.println(“Hello World”);
}
}
プログラミング言語の王道である「Hello World」を出力するだけでもこれだけの違いがあります。実際のシステム開発は多くのソースコードを記述するため、このような小さな違いが莫大な違いに繋がるのです。エンジニアの開発効率が大きく違うことは言うまでもありません。
短時間で習得可能
Pythonは上記でも説明したとおりシンプルな記述が特徴的なプログラミング言語です。このようなプログラミング言語であるため、短時間で習得可能という特徴もあります。学習しなければならない内容が限られているため、短時間で習得できるのです。
また、シンプルなプログラミング言語であるため、バグが発生した際も解決しやすくなっています。確認しなければならないソースコードが限られているため、状況を把握しやすいのです。このような要素もPythonを学習しやすい理由となっています。
なお、近年は効率よくPythonを学べるように書籍などが多数発売されている状況です。これからPythonを学びたいと考えているならば、このような書籍を利用して効率良く学べば良いでしょう。
人工知能の開発に利用
Pythonが注目されている背景には、人工知能の開発に利用できることが挙げられます。人工知能を想定して開発されたプログラミング言語ではありませんが、人工知能の開発に適していることは大きな特徴です。
ただ、Pythonは1990年に開発されたプログラミング言語で、人工知能の開発以外にも幅広く利用できます。「人工知能を開発するためのプログラミング言語」と認識されてしまうことが多いですが、実際にはそのようなプログラミング言語ではありません。
なお、Pythonの特徴に「人工知能を開発できる」ということが加わったため、Pythonの価値は今まで以上に高まったと考えられます。汎用的なプログラミング言語であり利便性の高いものですが、より利便性の高いものになったのです。
Pythonで開発できるアプリケーションの例
続いてはアプリケーション開発においてPythonを採用した場合、どのようなものが開発できるのか、例をご紹介します。
Webアプリケーション
Pythonは人工知能の開発に利用される場合はWeb系のプログラミング言語として知られていました。そのため、開発できるものの代表格にはWebアプリケーションが挙げられます。
幅広いWebアプリケーションの開発に採用されていて、具体例を挙げると以下はPythonで実装されたアプリケーションです。
- YouTube
- Dropbox
このようなエンジニアだけではなく一般にも知られているアプリケーションがPythonで実装されています。
なお、Webアプリケーション開発といえば、PHPが利用されるケースも多いでしょう。PHPとPythonはプログラミング言語としての設計思想が異なっているため、状況に応じた使い分けが必要です。
デスクトップアプリ
PythonはWebアプリケーション開発のイメージが強いかもしれませんが、デスクトップアプリの開発も可能です。デスクトップアプリとは、主にサーバーではなくパソコン上で利用するアプリケーションを指します。Windowsなどで起動するアプリケーションだと理解すると分かりやすいでしょう。
一般的にデスクトップアプリ開発といえばC系のプログラミング言語やJavaが利用されます。特にWindows環境のデスクトップアプリはC系のプログラミング言語が多用される状況です。しかし、これらのプログラミング言語しか利用できないことはなく、Pythonを活用したデスクトップアプリ開発が行われています。
なお、内容によっては、Pythonを選択した方がスムーズに開発できることがあります。例えば機械学習に関するデスクトップアプリは、Pythonを選択した方がライブラリが多くスムーズでしょう。どちらのプログラミング言語が優位とは一概に述べられず、その時々に応じて選択しなければなりません。
機械学習や人工知能
近年は機械学習や人工知能に利用される機会が多くなってきました。これらの用途に利用できることでPythonの需要が高まり、エンジニアの将来性は明るくなっている状況です。機械学習や人工知能は幅広い分野を指しますが、Pythonは全体的にカバーできることが特徴です。
Pythonが機械学習や人工知能の開発に適している背景には、専門のライブラリが多数存在することが挙げられます。計算を得意としたプログラミング言語であるため、有志が多くのライブラリを開発していて、Pythonで機械学習や人工知能を実装しやすい環境を整えているのです。
また、Pythonはスクリプト言語であるためコンパイルの必要がありません。これによって効率の良い開発が可能となるため、それも詳細なチューニングが必要な機械学習や人工知能の開発を後押ししています。
Pythonを扱うエンジニアの単価とは
Pythonを扱うエンジニアはどの程度の単価が予想されるのかについて解説します。
Pythonエンジニアの単価は70万円程度
フリーランスエンジニアの案件を確認すると、Pythonを中心とした開発は単価が70万円程度です。難易度の高い開発については90万円から100万円程度のものもあり、各種案件の中でも単価が高いものに分類されます。なお、開発内容に応じて以下のような案件が見受けられます。
開発内容 | 単価 |
Webアプリケーション開発 | 65万円前後 |
IoTシステム開発 | 68万円前後 |
人工知能関連 | 85万円前後 |
データ分析 | 80万円前後 |
今まではWebアプリケーション向けに活用されていたプログラミング言語ですが、現在は人工知能関連に利用されるケースが増えています。これに伴い、人工知能関連の案件が急増し需要と供給のバランスから単価が高まっています。なお、Web開発と人工知能では必要とされるスキルが異なっているため、その点も単価に反映されていると考えましょう。
経験年数で単価は左右される
他のプログラミング言語と同様に、エンジニアとしての経験年数によって案件の単価が変動します。経験年数が長くなれば単価も高くなる傾向にあり、実際の案件を確認してみると以下のとおりです。
経験年数 | 単価 |
~2年 | 45万円程度 |
2年~3年 | 55万円程度 |
3年~5年 | 63万円程度 |
5年~ | 72万円程度 |
エンジニアとしての経験年数が少ない3年未満はPythonでも単価が伸びない傾向があります。逆に経験年数が3年を超えてくると経験豊富なエンジニアと判断され、案件の単価が少しずつ高まります。ただ、経験年数が長くなると際限なく単価が高まるわけではありません。ある程度は上限があるため、その点は考慮するようにしましょう。Pythonの経験とともにプロジェクトマネジメントなど別のスキルも習得しておけば、単価に反映させられます。
Pythonエンジニアを待ち受ける今後の将来性
Pythonは注目を集めていて、これからの将来性に期待できるプログラミング言語です。エンジニアの需要は高いと考えられるため、その理由について解説します。
世界的に需要が高い
Pythonの将来性が明るいといえる大きな理由は、世界的に需要の高いプログラミング言語であるからです。世界のトレンドは日本にも反映されるため、これからPythonが大きく伸びると考えてよいでしょう。
そもそも、今でこそPythonのエンジニアは増えてきましたが、当初は日本で活用されているプログラミング言語ではありませんでした。アメリカを中心として海外では活用されていたものの日本では普及していなかったのです。そのような背景から日本では需要の高さに対応できるだけのエンジニアがいません。
PythonはWeb開発だけではなく人工知能開発やデータ分析に利用されています。これだけ多くの用途に利用されていれば、世界的な需要はさらに高まるため、日本においても需要が高まり将来性が明るくなります。
まとめ
Pythonの特徴と単価についてご説明しました。幅広い用途に利用できるプログラミング言語であり、これからも需要が高まると考えられます。将来性の明るいプログラミング言語と考えて良いでしょう。
いくつもの分野で活用されていますが、それらの中でも人工知能や機械学習の分野で多用されています。また、需要が高いことから人工知能開発において単価が上昇している状況です。
単価は主に開発する内容によって左右されますが、経験年数によっても変化します。高単価を目指すならば、需要の高い分野で経験を積むことが重要です。