【2022最新】RubyのフレームワークランキングTOP4!
Rubyは主要なプログラミング言語ということもあり、いくつものフレームワークが利用されています。多くの場合ではRuby on Railsが利用されますが、それ以外のこともあります。具体的に利用されるフレームワークをトレンドからご説明します。
1位:Ruby on Rails
学習コストの低さ
Ruby on Railsは世界中で利用されているRubyのフレームワークであるため、学習コストが低い特徴があります。そもそも、Rubyは日本人によって開発されたプログラミング言語であるため、主要なフレームワークであるRuby on Railsに関するドキュメントは日本語が中心なのです。
フレームワークを活用するにあたって、何かしらの壁にぶつかることは多々あります。この時に、情報を日本語で集められるか否かは非常に重要なポイントです。日本語のドキュメントが少ないフレームワークでは、情報収集に言語の壁が生じてしまいます。
また、そもそもRuby on Railsはシンプルなフレームワークであるため、学習コストが低いと考えられています。ドキュメントの観点でもフレームワークの性質という観点でも学習コストが低いのです。
汎用性の高さ
Rubyで開発されているフレームワークの中でも汎用性が高いものです。Rubyは基本的にWebアプリケーションの開発に利用されますが、Ruby on RailsならばWebアプリケーション以外の開発が可能です。例えば、Rubyでゲームを開発する際にRuby on Railsを利用する場合があります。
また、Ruby on Railsは複数のOS環境で利用できるように設計されています。例えば、WindowsやMacOSなどで利用可能です。OSが異なる環境向けに別のプログラミング言語を習得する必要がなく、開発効率を高められるメリットがあります。上記の学習コストに繋がる部分があると考えましょう。
大規模なシステムでは注意
Ruby on Railsは汎用性の高いフレームワークであり、いくつものシステム実装に利用できます。ただ、そのように機能が多いフレームワークであるために、実効速度が遅いというデメリットがあります。
そもそも、Rubyはプログラミング言語の中でもインタープリタ方式であるため、コンパイル方式の言語よりも実行速度が遅くなります。加えて、Ruby on Railsのようにフレームワークの規模が大きく、容量が多いと処理が重くなってしまうのです。小規模なシステム開発では気になりませんが、大規模なシステム開発では実効速度に注意しなければなりません。
2位:Sinatra
参照:Sinatra
非常に軽量で処理が高速
Rubyで開発されているフレームワークでありながら、動作が軽量で処理は高速です。スクリプト言語であるためそれに時間を要することはやむを得ませんが、可能な限り短時間で処理できるような工夫がされています。
フレームワークの中でも処理が高速である背景には、フレームワークの軽量さがあります。ソースコードの総量が増えないように考慮されていて、特に端的な記述に力を入れています。ソースコードの量が少なくなることで軽量な動作が期待できるのです。
なお、SinatraはApple社やスタンフォード大学など有名な企業や機関で取り入れられています。フレームワークの高速さを評価した導入と考えてよいでしょう。
導入難易度が低い
フレームワークのルールが少ないため、導入の難易度が低いメリットがあります。フレームワークを導入する際はエンジニアがルールを理解する必要がありますが、Sinatraならば理解するルールは最小限で済むのです。
このように導入の難易度が低い理由は、上記でも説明したとおり軽量なフレームワークであるからです。高速さを重視するためにシンプルな記述でプログラミングできるように配慮されているため、覚えるべきルールが少なくて済みます。結果として、導入しやすいRubyのフレームワークとなっています。
もちろん、フレームワークを導入するためには、多少なりともエンジニアに理解してもらう時間は必要です。ただ、他のフレームワークよりも短い時間で済み、フレームワークの導入やエンジニアのアサインがしやすくなります。
マニュアルが少ない
Rubyのフレームワークとして人気ではありますが、ドキュメントが少ないことが難点です。特に日本語のドキュメントが少なく、英語に苦手意識のある人は情報収集しにくいかもしれません。
逆に英語に苦手意識のない人は、Sinatraの公式ドキュメントに目を通せば内容を理解できます。基本的な実装について細かく説明されているため、その内容さえ確認できれば問題ないのです。
3位:Padrino
参照:Padrino – The Elegant Ruby Web Framework
機能を絞ったフレームワーク
Padrinoは基本的な機能を絞って実装されたフレームワークです。「フレームワークといえば多機能」とのイメージがありますが、Padrinoは逆に機能を絞って利用しやすい環境を提供しています。
基本的な機能が絞られたフレームワークであるため、フレームワークが比較的スムーズに動作することが特徴です。Rubyのフレームワークは処理に時間を要してしまうことがありますが、Padrinoについてはその心配がありません。Rubyがスクリプト言語であるというデメリットをカバーできます。
また、基本的な機能が絞られているため、学習コストは低めです。高機能なフレームワークは使いこなせるまでに時間がかかりますが、Padrinoならばその心配がありません。
必要に応じて機能を追加
機能を絞ったフレームワークですが、Padrinoには機能を追加する仕組みが用意されています。こちらの仕組みを利用することで、フレームワークに自分が必要な機能を追加して利用可能です。最低限の部分だけが提供されていて、自分なりにカスタマイズするフレームワークなのです。
例えば、ユーザー認証など多くのWebサイトで利用する仕組みを追加できます。この機能は多用されるものではありますが、必須とは言い切れません。そのため、機能追加によって利用できる仕組みが採用されているのです。同様に主要な機能でも基本機能ではなく追加機能として提供されるものがあります。
多くの追加機能が提供されていますが、すべてが提供されているわけではありません。まずはライブラリから探してみて、見つからないものは自分で実装することが求められます。
Railsのコンポーネントを導入可能
同じくRubyで開発されているRoRのコンポーネントを導入できる仕組みが用意されています。この仕組みがあることで、Padrinoの追加機能としては見つからないものでも、簡単に実装できるでしょう。
Padrinoの追加機能はいくつも提供されていますが、RoRのコンポーネント数と比較するとどうしても劣ってしまいます。そこでPadrinoでもRoRのコンポーネントを導入できる仕組みが搭載され、追加機能を実装しやすくしたのです。
そもそも、PadrinoはRoRの影響を受けているフレームワークと考えられます。そのような設計思想の背景からもこのような仕組みが導入されているのです、
4位:cuba microframework
参照:Cuba | Microframework for web development
マイクロフレームワーク
Rubyで実装されているフレームワークの中でも特に小規模で「マイクロフレームワーク」と呼ばれています。開発者のマイケル・マーティン氏は「もはやフレームワークではない」と表現するぐらい、機能を絞ったフレームワークなのです。
必要最小限の機能だけに特化したフレームワークですが、Rubyでシステムを開発するには十分です。必要な部分は各々でカスタマイズして、根本的な部分だけをフレームワークで提供してもらうようにしましょう。すべての機能をフレームワークに求めてはなりません。
言い換えると、フレームワークでありながら「カスタマイズ性」の高いものです。これはcuba microframeworkにかぎらずマイクロフレームワーク全般にいえることで、cuba microframeworkにおいてもそれぞれのエンジニアに利用方法が委ねられています。
学習コストは非常に低い
cuba microframeworkはRubyフレームワークの中でも特に軽量なものです。そのため、学習コストは非常に低いと言いきれます。Rubyの実装経験があるエンジニアならば、簡単にcuba microframeworkを使いこなせるようになるはずです。
ただ、これはcuba microframeworkがマイクロフレームワークであるからで、システムを開発できるのとは異なった話です。最小限の機能だけで実装できる場合はよいですが、場合によってはエンジニアが開発する必要があります。
「学習コストが低いフレームワーク=導入しやすいフレームワーク」であることは間違いありません。ただ、学習コストが低いフレームワークは「機能が少ない」ということが考えられるため、その点は意識しておくべきです。
小規模なRubyアプリ向け
マイクロフレームワークであるため、cuba microframeworkは小規模なアプリ開発に利用すると考えておきましょう。大規模なアプリ開発にも利用できますが、cuba microframeworkで開発してしまうと手動で実装する部分が増えてしまいます。
フレームワークを利用する目的は「効率よくシステムやアプリを実装すること」です。そのため、マイクロフレームワークであるがために手動で実装する部分が増えてしまうと本末転倒です。
システムを効率よく開発するためには、適したRubyのフレームワークを選択することが重要です。Rubyで大規模なアプリを開発したいならば、RoRなど大規模開発に適したフレームワークを選択してみましょう。
Rubyフレームワークのトレンド
Rubyのフレームワークはトレンドがあり、時代によって変化しています。例えば、今回、ランキングでご紹介したフレームワークをGoogleTrendで検索してみると以下のとおりです。
検索結果から見て取れるように、Rubyのフレームワークは圧倒的にRuby on Railsの検索回数が多い状況です。「RubyといえばRuby on Railsを利用する」と考えられているぐらいであり、基本的にフレームワークを利用する際はRuby on Railsを中心に考えると良いでしょう。
ただ、Ruby on Railsは非常に便利なフレームワークではありますが、他のフレームワークに比較すると機能数が多く導入に若干のハードルがあります。そのため、Ruby on Railsには劣るものの、検索数がそれなりにあるSinatraの利用も検討すると良いでしょう。
トレンドだけで判断するとRuby on Railsの一択になる状況ではあります。とはいえ、他のフレームワークもある程度の検索数はあるため、Ruby on Railsだけを視野に入れるのではなく、他のフレームワークも視野に入れて、どれを利用するかの判断を下しましょう。
まとめ
Rubyで開発されているフレームワークをランキング形式でご紹介しました。世界中で利用されているフレームワークは「Ruby on Rails」ですが、それ以外のフレームワークも利用されています。開発するシステムの規模に応じて適切なものを選択するようにしましょう。
プログラミング言語の中でも日本で開発されているものであるため、全体的に日本語のドキュメントが多いという特徴があります。日本語で情報収集できるかどうかは重要なポイントであるため、その観点でRubyは利便性の高いプログラミング言語です。フレームワークの情報収集もしやすく、初心者でも簡単に活用できます。