Rustとは?どんな言語?需要と今後の将来性を解説

Rustとは?どんな言語?需要と今後の将来性を解説

Rustは、近年注目を集めているプログラミング言語です。開発自体は2006年頃から始められていますが、2015年に安定版である1.0がリリースされ、新しいプログラミング言語に分類されます。

現在利用されているプログラミング言語の中では新しいものですが、注目度合いは年々高まっています。今回は、新しいプログラミング言語であるRustとはどのようなプログラミング言語で、需要や将来性はどうなっているのかを解説します。

Rustとは?プログラミング言語の概要


Rustがどのようなプログラミング言語なのか、詳しくない人がいても不思議ではありません。まずは、基本知識についてご説明します。

どのようなプログラミング言語なのか

冒頭でも説明したとおり、Rustは2015年に安定版の公開が開始されたプログラミング言語です。オープンソースで開発されていて、有名なWebブラウザであるFirefoxを開発するMozillaが開発の支援をしています。

Rustには「今までのプログラミング言語が抱えていた問題を解消する」とのコンセプトがあります。古くから利用されているプログラミング言語には、まだ何かしら仕様上の問題が含まれるケースが多々あります。このような問題をプログラミング言語として解決するために、Rustは生まれたと言っても過言ではありません。

特に古くから利用されているプログラミング言語の、C言語の代替を目指して開発されています。ただ、Rustは純粋にC言語の代替となるだけではなく、オブジェクト指向や関数型など、純粋なC言語にはないマルチパラダイムプログラミングをサポートできるように考えられています。

今までの問題を解消できるように考えられていますが、まだ機能面では不足している部分があります。早いペースでリリースが繰り返されていますので、ユーザーの意見を反映して、少しずつ進化している状況です。

進化の過程とはいえども、Rustを利用して大規模なプログラミング開発も行われています。実務に耐えないプログラミング言語ではなく、開発途上でありながら十分な活用が可能です。そのような状況から、Rustが持つ高いポテンシャルが伺えます。

Rustの特徴

Rustは新しいプログラミング言語として、様々な特徴を持ちます。具体的にどのような特徴を持つのか今回は4つ解説します。

高い安全性

Rustは、高い安全性が担保されたプログラミング言語です。Rustは全ての変数が常に値を持ちますので、値を持たないことによるトラブルが発生しにくくなっています。一般的なプログラミング言語には「null」が存在しますが、Rustにはこれが存在しません。

プログラミング言語によっては、変数に値が入っていない状況が便利ではあります。その反面で値が入っていないために「Null exception」が発生し、予期せぬトラブルになる可能性があります。そのため、Rustでは予期せぬトラブルを防ぐために、最初からnullを基本的には利用しない設計が採用されています。

Rustが全くnullを使えないか、と問われるとそうではありません。nullを利用するために、値が入っていないことを示す型を定義できます。必要に応じてこちらの型を利用すると、変数の中に値が入っていない状況の評価も可能です。

なお、基本的にRustでは、トラブル発生時に対応する例外処理が必ず定義されています。処理が定義されていないことで、予想外の動作が発生する可能性はほぼありません。このような設計により高い安全性が担保されています。

高速な処理速度

Rustは数あるプログラミング言語の中でも、高速な処理が意識されています。特にRustはC言語の代替になることを目標としていますので、C言語の処理速度に劣らない高速な処理が特徴です。

一般的にプログラミング言語の中でも、C言語は高速な処理であると言われています。低級言語に分類されるため記述方法は手間がかかるものの、自分でメモリなどの操作を指定できるため、高速な処理を実現できるのです。

Rustは高級言語に分類され、そこまで細かな指定ができるものではありませんが、様々な処理が簡単な構文で記述できるようになっています。それらを処理するプログラミングエンジンの仕組みを工夫することで、高速な処理ができるように考えられています。

なお、Rustの処理速度についてはC言語に匹敵すると言われています。また、特定の処理についてはC言語より高速だと言われることもあり、Rustのポテンシャルの高さが伺えます。

安定した並行処理

Rustは、スレッドを利用したマルチスレッドプログラムが利用できるように設計されています。マルチスレッドが実装されていれば、ソースコードを並列で実行できるようになりますので、プログラムを効率よく処理できるようになります。

とはいえ、ソースコードを並列で実行する際は様々な注意点があります。例えば、ソースコードの前後関係を意識しなければ、処理の順番が意図しないものとなってしまいシステムエラーの原因となります。並列処理は便利なものではありますが、使い方を間違うと多くのトラブルの原因となりかねないのです。

しかし、Rustではこのようなトラブルが起きないように、プログラミング言語として並行処理をうまく管理しています。具体的には所有権に制約をつけることで、データの競合が発生しないように設計されています。

詳細は割愛しますが、データの競合が発生すると、これもシステムエラーの原因となります。Rustはプログラミング言語として、並行処理によるシステムエラーの原因を潰しているのです。

充実したフレームワーク

Rustは新しいプログラミング言語ではありますが、充実したフレームワークが提供されています。プログラミング開発をするにあたり、フレームワークの有無は非常に重要です。Rustは新しいながらも複数のフレームワークから選択できます。

具体的にRustで開発されているフレームワークの詳細は割愛しますが、シンプルなものから高機能なものまで幅広く開発されています。また、Webアプリケーションの開発に役立つものも充実しています。

フレームワークがなければ、エンジニアはプログラムの全てをコーディングしなければなりません。しかし、Rustは既にフレームワークが開発されていて、エンジニアが作業しやすい環境となっています。

Rustの需要や期待


Rustの概要をご説明しましたので、続いては需要や今後の期待についてご説明します。

エンジニアが学びたいプログラミング言語上位

毎年様々な機関やメディアから、エンジニアに対してプログラミング言語に関するアンケートが行われています。そのようなアンケートを参照してみると、どのアンケートでもここ数年、Rustは「新しく取得したいプログラミング言語」の上位に含まれています。

概要でも説明したとおり、Rustはまだまだ新しいプログラミング言語です。そのためこれから伸ばしたいのではなく、新しく取得したいプログラミング言語として人気を集めている状況です。参照するランキングによりますが、上位3つのプログラミング言語に含まれているケースが多くなっています。

Rustはこれだけエンジニアが学びたいと考えるプログラミング言語であるため、プログラミング言語としての需要は高いと考えられます。また、多くのエンジニアが学びたいと考えるということは、エンジニアが広くRustの価値を認めている状況を意味します。数多くのエンジニアが求める、需要の高いプログラミング言語だと考えられるでしょう。

案件数は確実に増加傾向

いくつかの求人サイトを見てみると、Rustに関する案件数は増加傾向にあります。プログラミング言語ごとの案件数の推移などを確認してみても、増加している傾向が確認されます。ここ半年から1年ほどの傾向ではありますが、この傾向はこれからも続くと考えてよいでしょう。

エンジニアにとって、案件の数は非常に重要です。どんなに品質の高いプログラミング言語であっても、案件がなければ活躍の場がありません。つまり、収入に繋がらず意味がなくなってしまいます。

その点でRustは、案件数が増え続け、需要の高まりが見えています。案件数が増えればRustを扱えるエンジニアの需要も増えますので、収入につながりやすくなり、習得する意味が高まります。

大手企業での採用も公表されこれからに期待

RustはGoogleなどの大手企業が、積極的な採用を表明しています。大手企業に限らずRustの採用を表明している企業はあり、これからのプログラミング業界のトレンドとなるはずです。

プログラミング業界は、大手の方針に寄せて開発する傾向があります。そのため、最大手とも言えるGoogleがRustを採用すると、業界全体的にRustが採用され、一気に需要が高まります。

Rustの採用が発表されてから、まだまだ日が浅い状況です。そのため、現時点で発表による非常に大きな影響は感じられていませんが、半年後や1年後には大きな変化が感じられるでしょう。

Rustの今後の将来性

Rustの需要についてご説明しました。上記でご説明したとおり、Rustはこれからの需要に期待できるプログラミング言語です。続いては需要を踏まえて、将来性についてもご説明します。
プログラミング言語のトレンドは年々変化しますので、Rustに対して過信はできません。そうは言っても需要が高まり続けている状況ですので、需要の高まりにより将来性は更に良くなると考えられます。

案件の増加により将来性は明るい見込み

上記でご説明しましたが、Rustに関連する案件数は増加傾向にあります。1年前よりは確実に増えている状況で、これからもこの状況が続くはずです。案件数が多ければ安定した収入が見込めますので、将来性は明るいと考えられます。

特にRustは現在、広がりを見せているプログラミング言語です。そのためここ数年で今以上に多くの案件が公開されると見込めるでしょう。そのように考えると、将来的に長く活用できるプログラミング言語となるはずです。

基本的に一度システムを開発すると、一定期間はそのままシステムを利用します。また、システムの変更が必要となった場合でも、新しいプログラミング言語を採用するケースはほとんどありません。取って代わる最新のプログラミング言語が公開されていない限りは、同じプログラミング言語を利用するのです。

つまり、ここ数年でRustを利用した開発が増えれば、そこからさらにその開発したシステムを維持し、保守する案件が増えます。これから先これが繰り返されますので、10年単位で将来性の明るいプログラミング言語になるでしょう。

需要の高まりにより状況はさらによくなると考えられる

基本的に、需要が高まれば案件数が増え、エンジニアの取り合いが起きます。対応できるエンジニアの数には限りがありますので、クライアントは単価を高くしてエンジニアの確保を図ります。つまり、Rustを扱うエンジニアにとっては良い環境が作り出されるのです。

もちろん、Rustの需要が高まり将来性が明るくなれば、他のエンジニアもRustを習得するようになります。そのため、5年や10年と時間が経つと案件数とエンジニア数のバランスが取れる可能性もあります。結果、案件の単価はある程度落ち着くかもしれません。

とはいえ、そのような状況になっても需要の高いプログラミング言語であれば単価は高まる傾向にあります。現在も人気のプログラミング言語は単価が高いですので、Rustも同様に需要が高まり、単価の高いプログラミング言語になるはずです。

まとめ

Rustがどのようなプログラミング言語であるのかについてご説明しました。2015年に安定版が公開された新しいプログラミング言語で、まだまだ知らない人が多い状況です。

新しいプログラミング言語ですが、Rustはすでに注目を集めています。案件数も年々増えている状況で、将来性に期待できるプログラミング言語のひとつです。

まだ発展途上ですので、他のプログラミング言語と比較すると案件数が少ない部分もあります。しかし、これからの発展に期待できますので、エンジニアは習得しておいて損はないでしょう。

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admin