【2022最新】Rustとは?言語の特徴や用途をわかりやすく解説

【2022最新】Rustとは?言語の特徴や用途をわかりやすく解説

RustはWebブラウザの「Firefox」を開発したMozillaが開発を支援するプログラミング言語です。オープンソースで開発されているプログラミング言語ですが、企業が支援して安定した開発が続けられています。

いくども仕様変更を繰り返して現在の形が作り上げられ、2015年に現在のRustが完成しました。そこからは定期的な開発が繰り返され、新機能のリリースやバグフィックスなどが続けられています。

Rustとは?


それでは具体的にRustがどのようなプログラミング言語であるのかご説明します。

オープンソースのプログラミング言語

Rustはオープンソースで開発されているため誰でも自由に利用できるプログラミング言語です。「プログラミング言語はすべてオープンソースではないか」と思われがちですが、実際には有償のプログラミング言語も存在します。知名度が低いだけですべてのプログラミング言語がオープンソースではありません。

また、Rustはオープンソースであるためコミュニティが主題となって開発していますが、Mozilla社が支援しています。コミュニティだけではなく大手企業が支えていることによって、より安定したプログラミング言語としての開発が続けられているのです。この点は他のプログラミング言語との違いとして理解しておきましょう。

C/C++の代替を目指す

プログラミング言語としてはCやC++の代替を目指しています。どちらのプログラミング言語も世界的に利用されているものではありますが、古くから利用されているが故、プログラミング言語として欠点があるのです。その原因を解決することを意識してRustは開発されています。

具体的な特徴については後ほどご説明しますが、例えばRustはメモリを安全に操作できるように考えられています。Cではプログラマが正確にポインタを扱う必要がありますが、そのようなことを考慮せずプログラミングできるようになっているのです。

このように「代替」を目指すプログラミング言語ということもあり、既存のプログラミング言語と文法などに似ている部分があります今までにCやC++を中心とした開発を経験していれば、スムーズに理解できるプログラミング言語です。特に、開発環境としては「Visual Studio」が利用可能であり、今までの経験が活かせます。

Rustの特徴、メリット

具体的にRustにはどのような特徴やメリットがあるのかご説明します。

高速な処理

プログラミング言語の中でもCPUやメモリに近いものであるため、高速処理が可能です。プログラミング言語の中でも特にCは高速処理を特徴としたプログラミング言語であり、それに続くRustも高速な処理が特徴です。

高速処理を実現している背景には、Rustのメモリ処理が挙げられます。他のプログラミング言語よりもメモリ空間を効率よく使えるように設計されていて、それが実行速度を高めているのです。

並行処理への対応

並列処理への対応に力を入れているため、CやC++よりもスムーズに処理ができるようになっています。メモリを効率よく利用できるように設計されていることで高速な処理を実現できていますが、それを並列で処理できるのです。

プログラミング言語として並列処理に対応していれば、その言語で実装するプログラムは非常に高速な処理が期待できます。適切に使いこなすためにはやや難易度が高まってしまうものの、並列処理への対応はRustの大きなメリットです。

高い安全性

Rustはメモリの開放やオーバフローへの対応など、プログラムを開発するにあたって意識すべきことをあまり考慮する必要がありません。C言語ではポインタなどを利用する際にこれらを考慮する必要がありますが、Rustは自動的に処理してくれます。これによりエンジニアのミスによる問題が起きづらく、安全性が保証されます。

また、そもそもRustには「所有権」という独自の仕組みがあり、これによりメモリの問題が起きなくなっています。CやC++の代替を目指すということもあり、Rustでは「メモリの管理」というCの大きな課題を解決しているのです。

Rustが人気な理由


続いてはプログラミング言語の中でもRustの人気が高まっている理由についてご説明します。

Microsoft・Google・Amazonなどで採用

比較的新しいプログラミング言語ではありますが、GoogleやMicrosoft、Amazonなどが採用しています。IT業界を率いる大手企業が導入するプログラミング言語であるため、世界的に人気を集めている状況です。

プログラミング言語の世界は使い勝手が重要視されますが、それに加えてトレンドも重要です。特に業界を率いる大手企業が採用している技術は、他の企業が追従してトレンドになる傾向があります。Rustもそのような傾向からトレンドになり、人気を高めているプログラミング言語だと考えておきましょう。

iOSでも実行可能

RustはCやC++の代替ということもあり、Microsoft系のプログラミング言語だと思われがちですが、実際にはiOSでも実行可能です。基本的にiOSではObjective-CやSwiftが利用されますが、C++の異言語間インタフェースFFIを活用することで、これらのプログラミング言語からRustの実行ができます。

iOSは世界的に利用されているOSであり、エンジニア数も多いものです。このような人気のOSでもRustが利用できることで、Rustを扱えるエンジニアが活躍できる幅が広がり、人気がさらに高まっています。iOSでアプリケーションを開発する幅を広げられるため、意外ですが注目してもらいたいポイントです。

Rustはどこで使われている?

Rustが人気のプログラミング言語といえども、具体的にどこに利用されているのかイメージできないかもしれません。実際にはいくつもの場所で利用されているため、どのような場面で利用されているのかご紹介します。

AWSのサーバレスアーキテクチャ

AWSのサーバレスアーキテクチャを実現するためにRustが採用されています。例えばAWSには「Lambda」と呼ばれるサーバーレスでプログラムを実行するサービスがあり、これをRustで実装しているのです。

これ以外にもAWSではRustを積極的に採用していて、これがプログラミング言語のトレンドを生み出しています。AWSの複数サービスで利用されていることは、理解しておくようにしましょう。

Androidのモジュール

スマートフォンなどを動作させるAndroidのモジュールに利用されています。Androidのアプリは基本的にJavaやKotlinで開発されていますが、OSにかかわる部分はRustでプログラミングされているものが含まれているのです。例えば、カメラなどデバイスの制御にはRustが活用されています。

ただ、OSに近い部分の制御で利用されているものであるため、一般的なAndroidエンジニアが気にする部分ではありません。Androidアプリの開発にRustの知識が必要という訳ではなく、あくまでもファンクションが開発されているだけです。

とはいえ、世界的に利用されているOSでRustが採用されていることが重要なポイントです。これからAndroidアプリを開発するエンジニアが習得する必要はありませんが、プログラミング言語の人気を高める大きな要因となっています。

Azureプラットフォーム

Microsoftが提供するAzureの各種サービスの実装に利用されています。直接的に利用者が見える部分でRustが利用されていることは確認できませんが、Azureの公式ドキュメントなどを参考にするとバックグラウンドで開発されていることが確認可能です。

AzureもAWSと同様に世界的に利用されているパブリッククラウドサービスです。そのため、このような環境でRustが利用されていることは、プログラミング言語の人気を高めているといえるでしょう。

しかも、AWSと比較するとAzureの方が多くのサービスでRustを採用しています。AWSとはアーキテクチャが異なるため一概に比較できるものではありませんが、多くのサービスが実装されているため注目されているのです。

Rustが不得意なこと

Rustは人気を集めている注目のプログラミング言語ですが、不得意なこともあるためご説明します。

ユーザーインターフェースの実装

Rustはプログラミング言語の中でもCPUやメモリに近いものであることをご説明しました。そのようなプログラミング言語であることから、ユーザーインターフェースの開発を得意としたものではありません。アルゴリズムはRustで実装しても、ユーザーインターフェースは別のプログラミング言語で実装する必要があります。

プログラミング言語によっては、これらをひとまとめに実装することが可能です。複数のプログラミング言語を習得しなくとも、1つのプログラミング言語で全体の開発ができます。そのようなプログラミング言語と比較すると、少し利便性が悪いと言わざるを得ません。

人工知能の開発

高速な処理に対応できるため、Rustは機械学習の計算に利用できます。機械学習では大量のデータを処理して、特定のアルゴリズムで処理するため、処理速度が非常に重要です。処理が遅いと機械学習が成り立たないといっても過言ではないぐらいです。

ただ、Rustは機械学習の処理はできるものの、人工知能の開発には適していません。人工知能まで開発するとなると、インタフェースなど機械学習以外の部分も実装する必要があるからです。この部分についてはRustの得意分野ではなく、トータルとしてRustで実装するものとしては適していないのです。

また、人工知能についてはRust以外にもPythonなど適したプログラミング言語が存在しています。このように別のプログラミング言語があることも踏まえ、あえてRustでの実装にこだわる必要がないでしょう。

Rustの将来性


IT業界の大手企業が採用しているプログラミング言語ということもあり、将来性は非常に明るいと考えられます。これからの伸びに期待できるプログラミング言語といってもよいでしょう。

上記でも触れたとおり、現時点で大手企業がプログラムの実装にRustを採用しています。すでに需要の高いプログラミング言語であり、これに追従する企業が増えることでさらに需要が高まるはずです。

また、プログラミング言語としても定期的なリリースが続き、新しい機能が公開されています。陳腐化することのないプログラミング言語であり、このような状況が追い風となってさらに導入する企業が増えるでしょう

Rustエンジニアの需要

将来性の高いプログラミング言語ということもあり、エンジニアの需要の高まりが期待できます。現時点でも積極的にRustを採用する企業が増えているため、このままエンジニアの需要が高まると考えてよいでしょう。

また、事実としてここ数年で関連する案件数が増えていますRustを習得していればこのような高い需要に応えられるようになり、活躍の場を広げられるのです。

ただ、Rustは現在も進化を続けているプログラミング言語であるため、新しい知識の習得が求められます。古い知識のままでは需要が限られてしまい、参画できる案件が少ないと考えましょう。伸び盛りのプログラミング言語だからこそ、新しい技術の習得が重要です。

まとめ

近年注目されているRustの特徴や実際の利用用途について解説しました。IT業界の大手企業が積極的に採用しているプログラミング言語であるため、世の中的にはトレンドでありこれから伸びていくと考えられます。

エンジニアの需要も高まりを見せていて、スキルがあれば活躍できる状況です。これからさらに需要が高まると考えられるため、今から取得するのも悪くないでしょう。

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admin