VBAの今後の将来性は?現状の需要と今後の動向を解説!

VBAの今後の将来性は?現状の需要と今後の動向を解説!

この記事の目次

VBAとは?

VBA案件を探そうとしているフリーランスエンジニアなら、VBAがどういうものかを知らない方はいないと思いますが、軽くおさらいをしておきましょう。

VBA。Visual BASIC for Applicationsの略で、言語としてはBASICです。そのBASICは、Microsoftの統合開発環境として有名なVisual Studioに含まれているVisual BASICです。

BASICそのものは、元をたどれば、1960年代半ばに米国で作られた教育用のプログラミング言語です。ビル・ゲイツとポール・アレンが当時出回り始めていたパソコン用に移植し、Microsoftの創業製品ともいえるMicrosoft BASICとして販売を始めたのは有名な話です。

VBAの特徴

特徴1:BASICである

当たり前といえば当たり前ですが、VBAの核となっている言語はBASICです。先に述べたように、BASICはもともと教育用のプログラミング言語、つまりプログラミングを教えるために開発された言語です。

ということは、初学者にとってやさしい言語なのです。もちろん、現在のBASICは、さまざまな機能が追加されて高機能になったので、初期のBASICよりは習得の難易度は上がっています。とはいえ、BASICはBASIC。初めてプログラミングを学ぶ人にとっては「C++」よりも手頃な言語といえます。

特徴2:Microsoft Office組み込み言語である

VBAは、Visual BASIC for Applicationsという名称の通り、アプリケーションのための言語です。アプリケーションというのは、Microsoft Officeのことです。民間企業、官公庁、教育機関など、ありとあらゆる職場でなくてはならないソフトウエアになっています。

さまざまな仕事を支えるMicrosoft Officeをさらに有用なツールにするための言語がVBAなのです。逆の見方をすれば、VBAでは単体で動作するプログラムは作れないということに注意しておきましょう(VBなら作れる)。

特徴3:手軽に使える

Microsoft Office組み込み言語であると書きましたが、これはつまり、Microsoft Officeがあれば使えるということを意味します。開発言語や開発環境を別途買う必要なしに、プログラミングを始めることができるのです。

VBAは、Microsoft Officeをインストールした状態では使えるようになってはいませんが、設定をちょっと変えるだけでメインメニューに「開発」を表示させることができます。「開発」をクリックすると「Visual BASIC」がメニューに表示され、これをクリックするとVBAの開発画面が開きます。

VBAの需要

需要1:EXCEL作業の自動化

VBAの需要としておそらく最も多いのは、EXCELを使って行う各種作業の自動化でしょう。

定形の入力フォームを作成し、データが入力されたら自動的に必要な計算処理を行って帳票を作成し、さらに結果を自動的にグラフ化するというような処理を行わせることができます。

すべてとはいいませんが、EXCELを用いて手作業で行っている作業をVBAで自動化することが可能です。EXCELはおそらくMicrosoft Officeに含まれる製品の中で最もよく使われているソフトであり、処理の自動化ニーズは膨大に存在すると考えられます。

需要2:ACCESS作業の自動化

VBAが活用される場面としてもうひとつよく知られているのがMicrosoft ACCESSです。ACCESSは、Microsoft Officeの上位版に同梱されているデータベース管理ソフトです。

データを入力して何らかの処理を行ってその結果を利用するという点ではEXCELと同じですが、ACCESSはEXCELよりもさらに柔軟かつ高度な処理が可能です。

まず、扱えるデータの量が違います。EXCELの場合、扱えるデータの上限は1ワークシートあたり104万8,576行ですが、ACCESSの場合、1データベースあたり最大2Gという容量の上限はあるものの、データの件数に制限はありません。

大企業などにおいて大量のデータを扱って大人数が多種多様な処理を行う、というような場合は、汎用のリレーショナル・データベースと汎用開発言語を用いて大規模なシステムを構築します。しかし、それほど大げさではないシステムであればACCESSでも作り上げることができます。

また、ACCESSはGUIフロントエンドが充実しているので、ACCESSをフロントエンドとしてMicrosoft SQL Serverなど外部のデータベース管理システムとやり取りして処理を行わせることも可能です。

需要3:その他Microsoft Office作業の自動化

VBAが活躍する場は、EXCELとACCESSで大半が占められているといってもよいでしょう。しかし、WORDやPOWER POINTでもVBAは利用できます。WORDやPOWER POINTで誰も思いつかなかった自動化を思いつけば、新しいビジネスにつながるかもしれません。

VBAの年収

気になるVBA案件の単価相場はどうなのでしょうか。求人サイトを見てみると、プログラマが月額40万円~60万円、システムエンジニアであれば月額60万円~80万円というのが相場のようです。年収にして500万円弱から1000万円弱といったところでしょうか。

当然のことながら、報酬の差は保有するスキルに左右されます。プログラミングスキル以上に重要視されるのが業務知識です。優れた業務用アプリケーションを開発するためには、対象とする業務に関する知識が豊富であるに越したことはありません。

また、VBAには「VBAエキスパート」という資格があります。EXCELL VBAとACCESS VBAそれぞれにベーシックとスタンダードの2種類、合計で4種類の資格があります。

資格保有が案件獲得や就職・転職に直接有利になるわけではないようですが、業務経験の乏しい若い方にはスキル保有の証しとして活用できることでしょう。

VBAの将来性

VBAが今後も伸びるだろう理由

Microsoft Officeはビジネス用のツールとしてはデファクトスタンダードの位置を占めているといっても過言ではないでしょう。この状況が変わらない限り、VBA開発者の需要は続くでしょう。

人口減少に伴い、さまざまな業界で人手不足が叫ばれています。事務系業務においてもますます自動化が求められていくことでしょう。

最近はRPA(Robotic Process Automation)を用いた業務自動化することが大流行ですが、高価なRPAを導入せずとも手軽に業務を自動化できるVBAの需要は今後も伸びる可能性があるでしょう。

VBAの将来性を危惧する状況

Microsoft Officeは個々人の作業のためのツール、いわゆるデスクトップアプリケーションです。従って、VBAによるカスタマイズは、個人の作業効率化、自動化に限られます。複数人が同時利用するという目的には向きません。

また、VBAそのものが長らくバージョンアップされていないことをあげることができます。Microsoft Office、特にEXCELには膨大な数のユーザーが世界中におり、数え切れないほどのVBAアプリケーションが稼働しています。

VBAの開発は、専門家ではない人の手によるものも少なくありません。OfficeそのものがバージョンアップしただけでVBAアプリケーションが動作しなくなる、ということはよく起きることなので、言語のむやみなバージョンアップはできません。

最近は、WEBをベースにしたサービスが増えてきています。Office系のツールが今後ブラウザで動作するのが主流になると、現在のOfficeのシェアが将来的には下がっていくことも考えられるのです。

まとめ

VBAに関する案件や報酬、将来性などについて見てきました。VBAは、Microsoft Officeさえあれば開発ができるので、フリーランスエンジニアにとっては手の出しやすい言語です。C++やJavaを用いた大規模開発では顧客オンサイトでの仕事が当たり前ですが、VBAなら在宅案件も少なくありません。

Microsoft Officeをすでに所有していて在宅ワークを希望しているのであれば、VBA案件を探してみるのもひとつの方法です。


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