VBA案件の特徴と単価とは?需要、今後の将来性と合わせてチェック!

VBA案件の特徴と単価とは?需要、今後の将来性と合わせてチェック!

VBA案件の特徴と単価

BASICからVBAへ

PC-8001というパソコンをご存知でしょうか。1979年5月にNECが発売した製品で、その後25万台を売り上げるヒット商品になりました。「パソコン」という呼び名を普及させたのもこの製品でした。

BASICが搭載されていたので、現在50代なかば以上の世代では、この機種でプログラミングの面白さを知ったという人も多いことでしょう。

さて、そのBASIC。もともとは、1960年代中頃、米国ダートマス大学で教育用に開発されたプログラミング言語です。その後、かのビル・ゲイツとポール・アレンがBASICをアルテア8800という個人用コンピュータに移植します。Microsoft BASICの誕生です。

Microsoft BASICは様々なパーソナルコンピュータに移植されていき、数え切れないほど多くの人が、BASICによってプログラミングを知ることになったのです。

Microsoft BASICは、その後、同社のプログラム開発製品群Visual Studioに組み込まれてVisual BASICとなり、さらに同社の主力製品の一つになったMicrosoft Officeに開発言語として搭載され、Visual BASIC for Applications、略してVBAとなったのです。

Microsoft Officeの各製品、つまりWord、Excel、Power Point、Accessなどは、今やビジネスにはなくてはならないツールとなっています。VBAはMicrosoft Officeさえあれば開発ができるので、Microsoft Officeの各製品で行う業務を自動化したり、カスタマイズしたりするのにVBAは大活躍しています。

VBA案件の特徴と単価

先に述べたようにVBAはMicrosoft Officeに搭載されている開発環境なので、パソコンとMicrosoft Officeがあればすぐにでも仕事を始めることができます。入門書や解説書が豊富にあるのも独習者にとっては心強い限りです。

そして、VBAはMicrosoft Officeのための開発環境なので、Word、Excelなどで行う業務のカスタマイズや自動化といった案件が数多くあります。こうした案件では在宅でできるものも少なくないというのもVBA案件の特徴といえるでしょう。

さらに、他の業務システムや基幹系システム、さらにはAIなどとの連携に至るまで幅広い案件が存在するのもVBA案件の特徴です。

このように、幅広い案件が存在するVBAプログラミングですが、報酬の単価はどのくらいなのでしょうか。

一般的にVBA案件の単価はJavaやPHPなどと比較すると低いといわれています。月額で55万円から70万円というところが相場のようです。年収に換算すると660万円から840万円です。

求人サイトを眺めてみると、「スキル見合い」という表現を時々見かけます。業務経験がないなどのロースキル向けでは30万円くらいからの案件もあるようです。

プログラミングスキルのみならず、豊富な経験に裏打ちされた業務知識を有し、要件定義などの上流工程を任せられるという高スキル保有者なら平均以上の高額報酬を得ることも可能でしょう。

VBA案件に必要なスキル

VBA案件をこなせるようになるには、どのようなスキルが必要になるのでしょうか。VBA案件の多くがExcelやAccessを対象としていると思われるので、これらのアプリと組み合わせてVBAをある程度使えることは必須と考えて良いでしょう。

その上で、経験を積んで、VBAを用いて各アプリを自在に動かせるようになっていくというステップです。

さらには、VBAのもとになったVisual BASICが、マイクロソフトの「.NET」環境で動作するようになりました。VB.NETです。今後はVBAでだけではなく、VB.NETを操ることができるというのも大きなアドバンテージになるでしょう。

VBAを学ぶには、豊富にある入門書や解説書で独習することも可能ですが、有料・無料のセミナーも数多く開講されているので、適宜利用すると良いでしょう。

さらには、「VBAエキスパート」という資格もあるので、取得しておけば、VBAスキルのレベルを客観的に証明するのに役立ちます。

試験の種類は、Excel VBAベーシック、Excel VBAスタンダード、Access VBAベーシック、Access VBAスタンダードの4種類です。さらに上のプロフェッショナルという区分があったのですが、2014年3月末で終了しました。

Excel VBAスタンダード、Access VBAスタンダードの2つに合格すると「スタンダードクラウン」という称号が与えられます。

VBA案件の最近の動向VBAはもともとExcelやAccessなどのMicrosoft Office製品で行う業務をカスタマイズしたり、自動化したりするためのツールとして登場しました。その後、コンピュータを取り巻く技術が進歩し、業務のありとあらゆる場面でIT化が進んでくると、VBAが活躍する場面もどんどん広がってきました。

ExcelやAccess用に作り込んだカスタマイズツール以外にどのような業務があるか、求人サイトから拾ってみましょう。

まず、Access、SQL Server、VBAで作り込んだ既存システムを、アプリのバージョンアップとともに、DBサーバーをAzureに移行する、という案件があります。いわゆるオンプレからクラウドへの移行です。

RPAを利用したシステムの開発業務支援という案件もあります。流行りのRPAです。RPAというのは「Robotic Process Automation 」の略で、パソコンで行う事務作業をパソコン内のロボット(つまりソフトウェア)にやらせるというもの。人手不足を補う救世主のようにもてはやされています。

VBA案件の今後の需要と将来性

では、VBA案件の今後の需要はどうなっていくのでしょうか。

まず、Microsoft Officeという製品が世の中でどれだけ使われているかを想像してみましょう。特にExcelはどうでしょうか。個人事業主から大企業まで、民間企業だけでなく官公庁でもなくてはならないツールとして使われています。

必須のツールをさらに使いやすくするためにVBAで作成されたマクロの数はどうでしょう。これも膨大な数に上ります。Microsoft Officeをバージョンアップする、他のシステムやDBに接続するなど既存のVBAのメンテナンスだけでも非常に多くの案件が発生します。

新規の開発も当分続くでしょう。さらにはAIや、前述のクラウド、RPAといった最新テクノロジーと連携する案件もますます増えていくであろうということは想像に難くありません。Microsoft Officeが使われ続ける限り、VBAエンジニアの需要は今後も続くことでしょう。

まとめ

フリーランスでプログラミングの仕事をしてみたいという方で、お手元のパソコンにMicrosoft Officeがバンドルされているなら、VBAの開発環境はすでにお待ちです。

Microsoft Officeはデフォルトではメニューに開発環境が表示されていません。簡単な設定変更でメニューに「開発」を表示させることができます。手始めに入門書を買ってきて、VBAの世界をのぞいてみてはいかがでしょう。


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