ブロックチェーン関連の資格とは?資格の種類、それぞれの難易度・勉強方法を解説

ブロックチェーン関連の資格とは?資格の種類、それぞれの難易度・勉強方法を解説

ブロックチェーン技術は、仮想通貨をはじめ幅広い分野で利用されるようになってきました。以前は、一部の専門家のみが扱っていましたが、状況は大きく変化しているのです。

このような状況の変化に伴い、ブロックチェーンのスキルを証明する資格が注目されるようになりました。専門的な資格も提供されるようになったため、ブロックチェーン関連の資格について解説します。

ブロックチェーンのスキルを示す4つの資格


ブロックチェーンの技術を証明できる資格はいくつか存在しています。それらの中で、ブロックチェーンエンジニアが取得したいものを紹介します。

暗号通貨技術検定

暗号通貨技術検定は、ブロックチェーン技術を対象にした検定です。現在、日本国内でブロックチェーンのスキルに絞って証明できる資格は、こちらだけです。これ以外の資格は、ブロックチェーン技術の内容も含みながら他の技術も含んでいます。

一般社団法人が実施

暗号通貨技能検定は、一般社団法人日本暗号通貨技能検定協会が実施する資格です。仮想通貨とブロックチェーンのスキルを証明できるものとなっていて、ブロックチェーンだけではなく仮想通貨のスキルも求められます。例えば、通貨やお金の基本的な概念から、仮想通貨の状況、ブロックチェーンがどのように支援しているかなどです。また、実際に仮想通貨を利用する場面や現実ではどのように利用されているかも問われます。

暗号通貨技能検定は、初級技能検定講座を受講して、講座の後の認定試験に合格することで取得できます。書籍などで学習するのではなく、講座で学習した内容が問われるため、その点は注意しておきましょう。ただ、ブロックチェーンに関する知識が幅広く問われるため、事前に学習しておけばそれが役立ちます。

認定アドバイザーとして活躍できる

資格に合格した後は「認定アドバイザー」として活躍が可能です。維持には年会費が必要ですが、ブロックチェーン技術に関する研修に参加できたり、協会のWebサイトへ氏名を掲載してもらったりできます。また、さらに難易度の高い「公認アドバイザー」へのチャレンジも可能です。

ブロックチェーンエンジニアが公認アドバイザーを目指す場合、論文試験や面談に合格しなければなりません。合格率は公開されていないものの、論文試験であるため難易度は高いと考えられます。ただ、ブロックチェーンの高いスキルを証明できるため、可能ならばここまでチャレンジしても良いでしょう。

Certified Blockchain Expert

Certified Blockchain Expertは、アメリカで提供されているブロックチェーンのスキルを証明できる資格です。アメリカの「Blockchain Council」と呼ばれる団体により運営され、アメリカを中心に提供されているため、日本での知名度は限られています。ただ、ブロックチェーンに関する大手の資格であるため、こちらへのチャレンジもおすすめです。

ブロックチェーンのコアな内容

出題内容は、ブロックチェーンのコアな技術が中心となっています。仮想通貨技能検定は、仮想通貨とブロックチェーンについてでしたが、こちらはブロックチェーンにフォーカスしているのです。そのため、ブロックチェーンのスキルについて証明したいならば、こちらの方が良いかもしれません。

ただ、アメリカで提供されている資格であるため、日本語版の試験は実施されていない状況です。資格の取得を目指すためには、一定の英語力が求められます。講座の受講も求められるため、リスニングとリーディングの両方が必要だと考えましょう。翻訳ツールなどでカバーできる部分はありますが、ある程度は専門用語などを理解することが求められます。

なお、ブロックチェーンに特化した資格であるため、取得することで高いスキルを証明できます。アメリカの資格ということもあり、世界的にも評価が高く難易度は高いものです。ブロックチェーンエンジニアとして、高いスキルを証明したいならば、チャレンジする価値はあるでしょう。

日本での知名度は未知数

非常に重要な注意点として、日本での知名度は現時点では高くありません。そのため、こちらの資格を取得しても、評価してもらえるかどうかは状況によりけりです。担当者がBlockchain Councilを認知していなければ、アピールポイントとしては効果が薄れてしまいます。

とはいえ、ブロックチェーンは世界的に普及している技術であることから、こちらの資格についても少しずつ知名度が高まると考えられます。日本での理解がどの程度広がるかは未知数ですが、今よりは企業の担当者に知られるようになっていくでしょう。もし、面接の担当者などが理解していない場合は、概要から説明することが求められます。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、国家資格ということもあり、知名度が特に高いものです。エンジニアはもちろん、案件を発注する側も基本的には認識しています。資格の概要から証明できるスキルまで理解されていると表現して良いぐらいです。

ブロックチェーン向けの資格ではない

ご存知の人が多いように、応用情報技術者試験はブロックチェーンのスキルを対象とした資格ではありません。ただ、幅広いスキルの証明に役立ちます。新しいスキルについても、定期的に取り入れられるため、ブロックチェーンを含めたスキルの証明に役立つのです。専門的な資格でないからといって、避ける必要はありません。

なお、幅広いスキルを証明するという観点では、基本情報技術者試験も存在します。ただ、こちらはより基本的な内容であるため、ブロックチェーンエンジニアならば、応用情報技術者試験の取得を目指しましょう。総合的なスキルを証明することが、ブロックチェーンの理解も有していることに繋げられます。

C言語プログラミング能力認定試験

C言語プログラミング能力認定試験は、3級から1級でC言語のプログラミングスキルを示すものです。ブロックチェーンの開発には、C言語やC++などの言語が利用される機会が多いため、C言語のスキルを示す資格も役立ちます。

スキルの証明には2級以上がおすすめ

ブロックチェーンは、プログラミングの中でもレベルの高いものに分類されます。そのため、必要とされるスキルのレベルも高く、資格を取得する場合も2級以上の取得を目指すようにしましょう。3級は基本的なレベルであるため、ブロックチェーンエンジニアがスキルを証明するには、難易度が不足しています。

また、2級を取得しておくと、ブロックチェーンに限らず一般的なC言語の実装スキルも証明が可能です。ブロックチェーンに関連して、幅広いプログラミングをする可能性があるため、総合的なプログラミング能力を示せると考えましょう。

1級の取得は現地での試験が必要

プログラミングスキルを示す資格の中でも、最もレベルが高いものは、C言語プログラミング能力認定試験の1級です。ブロックチェーンエンジニアで、難易度の高い実装を担当する機会が多いならば、ここまで取得しておくと他のエンジニアに差をつけられます。

ただ、1級を取得したいと考えるならば、定められた会場で試験を受けなければなりません。2級まではオンラインで完結しますが、1級についてはオンラインではないのです。受験できる会場が限られるため、1級まで取得したいと考えるならば、受験地なども踏まえて計画しましょう。

ブロックチェーン関連の資格を取得しておくメリット


上記の通り、ブロックチェーンに関連する資格やエンジニアに役立つ資格は数多く存在します。これらを取得しておくことで、どのようなメリットがあるのか理解しておきましょう。

客観的なスキルの証明

ブロックチェーンに関する資格を取得しておくことで、客観的なスキルの証明が可能です。第三者によってスキルが証明されれば、自分自身で証明するよりも、信憑性が高いと考えられます。特に、日本は資格を評価する傾向にあるため、取得しておくだけで大きな効果があるでしょう。

ブロックチェーンのように専門的な技術は、経験を説明されても理解されない場合があります。職務経歴書などを示しても、担当者に刺さらないのです。しかし、資格を取得しておけば、このような問題を防ぎやすくなります。

収入アップに繋がる

高いスキルを証明できることで、収入アップにつなげやすくなります。資格を保有していることで、単価の交渉を有利に進めたり、難易度の高い案件に参画したりできるでしょう。どちらも収入アップに繋がることが特徴です。

ただ、資格をどの程度評価してくれるかは、プロジェクトや担当者の考え方によって異なります。大きく評価してくれることもあれば、参考にしかしてくれない場合もあるのです。ブロックチェーンに関する資格を収入に活かしたいならば、そのような案件を選択することが求められます。

スキルアップのモチベーションに役立つ

資格の合格を目指すことで、スキルアップのモチベーションにつなげられます。ブロックチェーンに関連する技術の進化は激しく、常に高いモチベーションを持って習得しなければなりません。業務だけではモチベーションを保つことが難しいですが、資格の取得を意識すると、高いモチベーションを保てるようになるでしょう。

特に、ブロックチェーン関連の資格である「暗号通貨技術検定」は、複数のレベルが用意されています。一度、合格して終わりではなく、さらにレベルを高めて新しい認定を取得できるようになっているのです。資格は取得がゴールになりがちですが、スキルアップが必要な資格が存在しているため、これもモチベーションの維持に役立つと考えられます。

ブロックチェーンエンジニアは資格の取得に注力すべきか

今回は、ブロックチェーンエンジニアにおすすめの資格を解説しました。ただ、皆さんの中には「資格を取得した方が良いか」と悩む人もいるでしょう。続いては、資格を取得すべきかどうか考えていきます。

最初に求められるのは実績

どのようなエンジニアにおいても、最初に求められるのは実績です。今までに、難易度の高いプロジェクトを経験しているかなどによって、エンジニアに対しての評価が変化します。過去に、類似の案件やさらに難易度の高い案件をこなしたことがあると、採用担当者などから高い評価を受けるのです。

言い換えると、ある程度の資格があっても、実績がまったくなければ評価されづらくなってしまいます。状況によりけりですが、難易度の易しい案件であっても、実績があるに越したことはないと考えましょう。もし、ブロックチェーンの案件に参画したことがないならば、C言語のスキルを活かして参画を目指すことが大切です。

資格が実績を後押し

今回紹介したような、ブロックチェーンの資格を取得しておくことで、実績の後押しになります。一般的に、資格は客観的なスキルの証明になるため、実績以外にもスキルを証明できるようになるのです。

特に、IT業界は実績が重要といえども、秘密保持義務契約などの都合から、詳細を公開できないことがあります。つまり、実態としては、実績を活用してスキルの証明やアピールが難しいのです。そのため、実績は詳細を伏せて漠然としたものにする必要があり、具体的なスキルの高さは資格で証明しなければなりません。

まとめ

ブロックチェーンに関連する資格について解説しました。新しい技術ではありますが、スキルを証明するための資格が存在しています。これからブロックチェーンを武器に活躍したいと考えるならば、紹介したような資格を取得しておくと良いでしょう。

資格はスキルの証明に役立ちますが、新しい資格については知名度が低い状況です。そのため、どの程度評価してもらえるかは、参加するプロジェクトによって変化します。資格の取得と実務経験の両面からスキルを証明し、エンジニアとして活躍することを目指してみましょう。

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admin