上級エンジニアとは?エンジニアとの違いを詳しく解説!

エンジニアは細分化されるようになり、その中でも上級エンジニアと呼ばれるものが生み出されるようになりました。まだ幅広い分野で利用されているキーワードではありませんが、これから少しずつ上級エンジニアという言葉も浸透していくでしょう。
ただ、新しく生まれたエンジニアの種類であり、どのような役割であるかイメージできない人が大半のはずです。今回は、エンジニアの中でも上級エンジニアとはどのようなポジションであるかについて解説します。
上級エンジニアとは
上級エンジニアとは、エンジニアの中でも、システムの企画や経営戦略の立案などを担う人を指します。一般的に、システムエンジニアは要件定義などを担当しますが、それよりもさらに上流の部分を担当すると理解すれば良いでしょう。システムの要件定義を進めるためには「どのようなシステムが必要となるか」という部分をあらかじめ定めておかなければなりません。上級エンジニアはこのような部分を担当するのです。
なお、上級エンジニアは、システムの導入を主導するような立場にありますが、プロジェクトマネージャーとは異なった役割です。プロジェクトマネージャーはプロジェクトの推進に力を入れていますが、上級エンジニアは、そのような役割とは少々異なっています。
上級エンジニアに求められるスキル

続いては、上級エンジニアとして活躍するためにどのようなスキルが必要となるか紹介します。
コミュニケーションスキル
上級エンジニアとして活躍するためには、コミュニケーションスキルが必須です。クライアントのニーズを把握して、具体的に必要とするシステムを検討しなければならないため、コミュニケーション能力がなければ始まりません。コミュニケーションスキルに加えてヒアリングスキルが必要だと理解しても良いでしょう。
また上級エンジニアは、ヒアリング作業だけでなく、その結果をまとめることも多々あります。このとき、システム開発チームなどへ指示を出すことがあるでしょう。コミュニケーションスキルがなければ、スムーズな指示を出せない可能性があります。幅広いシーンでコミュニケーションが求められるのです。
マネジメントスキル
上級エンジニアは、クライアントの要件を把握するためのプロジェクトを推進する必要があります。システム開発とは異なり、要件定義に近いプロジェクトであるため、それに見合ったスキルを持たなければなりません。上記でプロジェクトマネージャーとは異なるポジションと解説した通り、スキルは少々異なると理解しましょう。
例えば、上級エンジニアはアウトプットとして、経営戦略やシステムの要件定義に向けた書類、RFPなどを作成する可能性があります。これらの作成は、システム開発とは進め方や段取りが大きく異なるものです。また、関係者にも大きな違いがあるでしょう。そのため、システム開発におけるマネジメントスキルではなく、上級エンジニアとしてのマネジメントスキルが必要となるのです。
提案スキル
クライアントの要望を把握して提案するスキルが必要です。基本的にはクライアントの要望をシステム化していかなければなりません。しかし、場合によってはクライアントの考え方が間違っている場合があります。また、曖昧な部分について提案を求められるかもしれません。そのような場面で、状況を整理して最善の答えを提案するスキルが必要です。
また、提案にあたっては、資料を作成したりプレゼンテーションを実施したりすることが考えられます。提案スキルの中には、このようなスキルも含まれていると考えましょう。特に、資料が適切に作成できていないと、どんなに良い内容でもクライアントに評価してもらえません。プレゼンテーションも同様で、内容が良くても伝わらなければ意味がなくなってしまいます。提案全般に関わるスキルは上級エンジニアに必須だと考えるべきです。
ロジカルシンキング
上級エンジニアには、ロジカルシンキングが求められます。エンジニア全般にロジカルシンキングは必要とされますが、上級エンジニアはさらに重要だと考えるべきです。
例えば、クライアントの業務内容を理解して、論理的にシステム構成を考える必要があります。また、業務フローを見直すために、ロジカルシンキングが求められることもあるでしょう。様々な状況で、直感的ではなくロジカルに考える必要があるため、ロジカルシンキングには慣れておくべきです。
また、クライアントに対して説明する際にも、論理的思考が求められます。例えば「どのような理由で提案に至ったか」をロジカルに説明することがあるでしょう。経験則に基づくことも多いですが、基本的にはロジカルでないと納得を得られません。
プログラミングスキル
自分自身で実装する可能性はほとんどありませんが、プログラミングスキルを持っておくべきです。システムの要件を整理する際に、プログラム面で実装できるかどうかは非常に重要な要素です。実現が難しい設計となっては意味がないため、基本的な部分は理解できていると良いでしょう。
また、エンジニアに対して何かしらの指示を出すことも考えられます。要件を整理するプロジェクトと開発のプロジェクトの両方を受け持つとは限りませんが、どちらも任された場合には、技術的な理解が求められるのです。そのような場面に備えて、プログラミングスキルについても最低限は習得しておくことが理想的でしょう。
業界知識
上級エンジニアには、業界や業務のスキルが必須です。これらを理解できていないとシステムやアプリケーションの要件定義はできないと考えた方が良いでしょう。また、要件定義以前にシステムの企画などを担当するケースも多くあります。そのため、十分な知識がなければ全く役立てないエンジニアになってしまうでしょう。
例えば、食品を製造する企業においては、商品の企画からテストの製品を開発、実際に販売する場合を考えてみます。この場合、原材料の調達や工場での生産作業などの作業が必要です。上級エンジニアは、これら一連の流れを全て理解し「どこでどのようなシステムが必要となるか」を考えることが求められます。業務内容が理解できていないと、ユーザーの要望と乖離した提案になりかねないのです。
また業界特有の考え方があるならば、それらについても理解しておいた方が良いでしょう。例えば、同じ製造業でも食品を製造する業界と工業製品を製造する業界では、文化が異なるはずです。そのような部分についても深い知識を持ち、専門性を高めることが重要です。
上級エンジニアと一般的なエンジニアとの違い
具体的に上級エンジニアと一般的なエンジニアとの違いについても解説していきます。
活躍する工程
システム開発の工程において活躍する場面が大きく違うことが特徴です。上級エンジニアは要件定義やそれ以前の企画段階で活躍します。対して一般的なエンジニアは要件定義以降で活躍することが大半です。これは必ず理解しておくべき違いといえるでしょう。
上記でも解説したとおり、上級エンジニアはどのようなシステムが必要かという部分から検討する役割を持ちます。場合によっては、ユーザーが予想していなかったシステムを企画したり提案したりするのです。そこから、それらを導入する作業を率いていかなければなりません。業務の問題を解決するコンサルタントのような役割を担うこともあるでしょう。
それに対して、一般的なエンジニアはテクニカルな部分を全般的に支援する作業が中心です。例えば、アプリケーションの設計やサーバーとネットワーク、データベースの設定値の検討などが考えられます。要件定義にも関与するため、必ずしもテクニカルな作業だけと言い切ることは不可能です。ただ、ある程度は住み分けがあると考えておきましょう。
必要となるスキル
上記に関連する部分ではありますが、上級エンジニアと一般的なエンジニアでは、必要なスキルに違いがあります。上級エンジニアのスキルは解説した通りですが、一般的なエンジニアはテクニカルな内容が中心です。例えば、ネットワークの設定方法を理解したり、データベースを構築するスキルを熟知したりすることが求められます。一般的に上級エンジニアはここまで詳細な理解を必要とせず、概要だけで良いのです。
もちろん上級エンジニアになったキャリアによっては、このような部分を理解していることはあるでしょう。例えば、データベースエンジニアからコンサルタントや上級エンジニアにキャリアアップした場合などです。ただ、理解できている人がいるとしても、上級エンジニアに求められる必須のスキルではありません。そのため、全体の評価としては保有しているスキルや求められるスキルに違いがあると考えておきましょう。
上級エンジニアに向けたキャリアプラン

上級エンジニアを目指す場合にはどのようなキャリアパスを描けば良いのかイメージを解説します。
一般エンジニア
多くの場合、一般的なエンジニアからキャリアがスタートします。例えば、従業員としてエンジニアの職に就いたり、教育機関で基本的なスキルを学んだりするなどです。最初は基本的なスキルを習得し、徐々に専門性を高めていく段階であると理解しましょう。
近年はフルスタックエンジニアのように幅広いスキルを持つ人が注目されがちです。これはIT人材の不足によって、業界全体でエンジニアを集めづらい状況が背景にあります。理想としては、それぞれの分野に精通したエンジニアを確保したいと考えているのです。
そのため、上級エンジニアを目指すのであれば、幅広い分野を学ぶのではなく、特定の分野を深く学ぶべきです。専門性を高めておくことで、本来、IT業界で求められる需要に対応しやすくなります。自分が得意と思える分野や面白いと感じる分野を中心に対象を見極めて理解を深めるようにしていきましょう。
シニアエンジニア
一般的なスキルを習得できるならば、続いてはシニアエンジニアを目指して専門知識を強化します。幅広いスキルを持ったシニアエンジニアも存在しますが、基本的には特定分野に特化すると考えましょう。例えば、ネットワークやデータベース、セキュリティなどの専門分野が考えられます。エンジニアは実務経験が重視される傾向にあるため、できるだけ多くの経験を積んだ分野を伸ばすようにしましょう。
どの程度のスキルがあればシニアエンジニアに該当するかについて、明確な判断基準はありません。組織によって判断基準などが大きく異なる部分です。ここでは「一般的に多くのエンジニアを指導できるだけのスキル」があるエンジニアと定義します。組織によっては、エンジニアリーダーなどと呼ばれるポジションです。
シニアエンジニアは「他のエンジニアよりも高いスキルを持ち、多くの経験を積んでいる」と考えて差し支えありません。また、その結果として、様々な状況に対応できると理解すれば良いでしょう。ここまでスキルアップやナレッジの習得が進んでいれば、上級エンジニアの道が拓けてきます。
スタッフエンジニア
シニアエンジニアとして様々な経験を積むと、スタッフエンジニアへキャリアアップできます。上級エンジニアの明確な定義はありませんが、スタッフエンジニアは上級エンジニアに分類されると考えて良いでしょう。エンジニアとしてのスキルだけではなく、要件定義や経営層への説明、経営のインパクト評価、プロジェクト管理なども担当できるエンジニアです。スタッフエンジニアへとキャリアアップした場合、テクニカルな業務よりも要件定義などが増えてくるでしょう。
ただ、スタッフエンジニアが開発の現場に立たないかと問われるとそうではありません。実際に現場で他のエンジニアへ技術を提供したり開発したりすることも考えられます。ただ、上級エンジニアに分類されるため、それらの仕事は減ってくると理解すべきです。
まとめ
エンジニアの中でも上級エンジニアについて解説しました。単純に技術力を極めたエンジニアではなく、上流工程やさらにその上を担当するエンジニアです。エンジニアといえば技術力が問われると思われがちですが、上級エンジニアは、技術力だけではなく経営などの観点も求められます。エンジニアとしての基本スキルを習得して、それをさらに経営者の観点で活かせることが重要なのです
なお、上級エンジニアと同じようなポジションにITコンサルタントが挙げられます。どちらもシステムに求められる要件を洗い出して、資料などを作成する仕事に違いはありません。ただ、上級エンジニアは基盤がエンジニアであるのに対して、ITコンサルタントは基盤がコンサルタントです。根底となる考え方や仕事の進め方に違いがあるため、別物であると捉えましょう。