フリーランスエンジニアが正社員になるには?転職方法や注意点を徹底解説!

フリーランスエンジニアとして活躍していたものの、安定性などの観点から正社員へ戻りたいと考える人がいるのではないでしょうか。働き方改革によって急激にフリーランスエンジニアが増えたものの、「正社員が良かった」と感じている人は一定数いるはずです。
とはいえ、フリーランスになってしまった以上、正社員に転職できるのかどうか心配な人が多いでしょう。今回は、フリーランスから正社員への転職が可能であるかどうかなどについて解説します。
フリーランスから正社員へ転職できる
結論としては、フリーランスから正社員への転職は可能です。最初からフリーランスエンジニアとして活躍している人はもちろん、正社員からフリーランスになり、改めて正社員になりたい人でも問題ありません。現在は、幅広い企業が多くの人材を求めているため、フリーランスを経験した人でも柔軟に採用してくれるのです。ただ、どのような企業でも採用してくれるわけではなく、それぞれの企業がフリーランスエンジニアに対して様々な評価を持っています。
例えば、フリーランスエンジニアの実績を評価する企業もあれば、一度辞めてしまった事実を悪く捉える企業もあるのです。とはいえ、フリーランスエンジニアが活躍できる企業は数多くあり、正社員になれるチャンスも無数にあります。転職先の候補選びに失敗しなければ、十分に正社員として活躍できると考えてよいでしょう。
フリーランスから正社員へ転職する3つの方法
フリーランスから正社員へ転職する方法は大きく分けて3つ考えられます。
取引先からのオファー
フリーランスとして活躍している中で、クライアント企業からオファーされることがあります。例えば、クライアント企業が様々な業務を任せている状況で、他社に人材を確保されないように正社員化するのです。また、フリーランスとしてのスキルの高さを踏まえて、自社のビジネス拡大に向けて雇用を提案することもあります。
基本的にクライアント企業に雇用されるケースは、相手側から提案を受けた場合のみです。フリーランス側から正社員として雇用してもらうことを希望するケースは少ないでしょう。クライアント企業の考え方が見え隠れする状況では、これに限りませんが、受け身の転職方法であると考えるべきです。
一般的にフリーランスを活用する理由はスポットで高い技術力を得たり、業務改善したりしたいからです。また、正社員として雇用できないためフリーランスを活用するケースもあります。そのため、自分から交渉しても断られることが多いと考えましょう。
転職エージェントなどの活用
転職エージェントを活用して正社員への転職をする方法があります。近年はフリーランスエンジニアから正社員を目指す人が少しずつ増えてきました。時代の変化を踏まえて、フリーランスを前提とした転職サービスも増えています。
フリーランス向けのサービスであっても、一般的な転職支援サービスと大差ありません。事前に必要な情報を提供し、エージェント側で、それに適した求人を紹介します。面接のセッティングなどもエージェントが中心となり実施し、給与面などの交渉を担当してくれるのです。基本的にはエージェントを活用して、フリーランスから正社員への転職を求めている企業を見つけた方が良いでしょう。
SNSでの求職
フリーランスエンジニアらしい転職方法として、SNSを活用したものがあります。日頃からSNSを利用して情報発信や収集を繰り返しているならば、これを活用した転職も検討してみましょう。
SNSでは正社員エンジニアを求めている投稿が見受けられます。そのような投稿に対して自分からアクションすることで面接を実施してもらい、転職へと繋げるのです。また、正社員になりたいことを自分が投稿することで企業側から接触してもらえる可能性もあります。
なお、SNSを活用して転職したいならば、日頃から積極的に情報を発信しておくべきです。採用する側は、どの程度の技術力を有しているのかSNSなどの情報から把握します。プラスに働く情報が多いほど、評価されやすくなるのです。
フリーランスエンジニアが正社員に転職する際のポイント
転職活動にはポイントがあり、フリーランスエンジニアならではの観点があります。どのような方針で転職活動を進めればよいのか理解しておきましょう。
フリーランスとしての経験を活かす
フリーランスエンジニアから正社員へ転職したいならば、フリーランス時代の経験を生かすことが重要です。正社員エンジニアとして採用された場合、会社にどのような観点で貢献できるかを明確にしましょう。
例えば、フリーランスエンジニアとして大規模な案件に参画したことで、会社が受注するような大規模な案件を社内だけで完結できるようになるなどです。フリーランスエンジニアとしての経験は人それぞれであるため、できるだけ他のエンジニアと異なる内容を選ぶとよいでしょう。また、自分の強みとなる経験を洗い出して、それにマッチした転職先を探すようにしなければなりません。
フリーランスエンジニアから転職する場合、どうしても選択肢が限られてしまいます。そのため、求人サイトで検索するのではなく、転職エージェントを活用することが理想的です。転職エージェントであれば、細かな要望についても対応してくれるため、効率よく正社員になるための求人に出会えます。スキルの棚卸しなどは自分で済ませておく必要がありますが、経験を生かした求人を見つけてもらうことが重要です。
正社員に転職する理由を明らかにする
多くの場合、担当者から「なぜフリーランスエンジニアから正社員に転職するのか」と質問を受けるはずです。特にフリーランスエンジニアとして十分に活躍できていたならば、正社員エンジニアになることに疑問を持つでしょう。これに対して、明確な理由を持っておかなければなりません。
ただ、このときに重要なことは、可能な限りネガティブな要素を伝えないことです。例えば、収入が不安定であると担当者に伝えてしまうと、スキルが低く、案件を受注できないと認識されてしまうかもしれません。ネガティブな発言は面接官に悪印象を与える可能性があるため、別の観点から転職理由を明確にすることが重要です。
例えば、「フリーランスでは受注できないような大規模なプロジェクトに参画したい」という理由があれば、ネガティブではなくポジティブな発言と捉えてもらえるでしょう。フリーランスとして活躍できる範囲に限界があることは面接官も理解しているため、同意してもらえるような理由を持つことが重要です。
同年代のエンジニアよりもスキルが高いことを示す
フリーランスエンジニアとして活躍している人は、同年代のエンジニアよりもスキルが高いことが多いでしょう。多くの案件を獲得するために、日頃からスキルアップして、他のフリーランスよりも活躍してきたことと思われます。そのため、正社員に転職したいと考えるときは、保有するスキルの多さを示すことがポイントです。
例えば、一般的に30代のエンジニアは即戦力になるだけの経験を持ったり、専門分野を持ったりしていることが求められます。そのため、フリーランスエンジニアとしてこれを上回り、専門知識だけではなく、経営者の目線やリーダーシップなどを持っていれば、正社員として雇用されやすいのです。現在、転職先に在籍しているエンジニアよりも高いスキルを有していると、採用担当者に強くアピールできます。
なお、年代ごとに必要なスキルは転職先によって変化します。例えば、非常にハイレベルなエンジニアが集まっている企業では、マネジメントスキルを持っていて当たり前と思われるかもしれません。どれだけのスキルがあれば、差別化できるかは一概に言い切れないため、転職前に調査しておくこともポイントです。
正社員への転職で失敗しないための注意点
何も考えずにフリーランスエンジニアから正社員へ転職すると、思わぬ部分で失敗してしまうかもしれません。どのような部分に注意しておけばよいのか解説します。
年収は額面でなく手取りで評価する
多くの場合、フリーランスエンジニアから正社員へと転職することで、額面の収入が下がってしまいます。例えば、フリーランスエンジニアであれば月額50万円や80万円の案件が数多くありますが、正社員で同じだけ出してもらうことは難しいでしょう。そのため、純粋に今の年収レンジで転職を進めようとすると、思うように求人が見つからない可能性があります。
そもそもフリーランスエンジニアと正社員では、手取りの計算方法が大きく異なります。例えば、フリーランスエンジニアは社会保険料を全額自分で納めていますが、正社員は会社と折半して納める仕組みです。そのため、実質的には年収以上に会社が支払ってくれる部分があるのです。このような点を考慮して、希望する年収を定めないと、思うような転職先が見つからず、いつまでも転職活動が終わらない事態に陥るでしょう。
一時的な年収ダウンを許容する
フリーランスエンジニアから正社員になることで、一時的に年収がダウンする可能性があります。手取り金額でダウンしてしまうことがあるため、その点は妥協できるようにしましょう。理由は様々ですが、企業によっては初回の昇給を待たなければならないなどのルールがあります。既存の社員とのバランスを取るために、最初は少し低い年収が提示されるのです。
これは企業側の都合であり、止むを得ないことであるため、場合によっては受け入れるようにしましょう。もし、どうしても許容できないのであれば、違う会社の求人に応募するなどを考えなければなりません。
働き方が変化することを頭に入れる
近年は働き方改革が進んでいますが、フリーランスエンジニアと正社員の働き方は基本的に異なります。特に正社員は勤怠管理が実施されるため、フリーランスエンジニアのように完全な自由とはなりません。一部の企業ではスーパーフレックス制度が導入されていますが、それでも勤怠管理は実施されるはずです。集団でプロジェクトに取り組むことも多いため、ある程度は周りに合わせて働くことになるでしょう。
フリーランスエンジニアの中には、朝から働くことが苦手という人も見受けられますが、正社員になるとそのような自由は完全には認められません。働き方を見直すことになりかねないため、転職活動の段階から生活リズムを修正するなどの対策が必要です。
キャリアプランを持つ
正社員になってからは、フリーランスエンジニアとは異なるキャリアを進むことになります。そこで、どのようなキャリアプランを進めたいか、事前に持っておいた方が良いでしょう。フリーランスと同じような感覚でいるとキャリアを組み立てるにあたって失敗するかもしれません。
例えば、正社員の場合は部下を持つ立場になるかもしれません。フリーランスは基本的に1人で活動しますが、組織に所属すると1人ではなくなるのです。その点も考慮したキャリアプランを考えるようにしましょう。場合によっては、面接の場でどのようなキャリアを進めたいか問われるため、組織の中で活躍することを踏まえたキャリアプランを持っておくことをおすすめします。
まとめ
フリーランスエンジニアから正社員への転職について解説しました。働き方改革により、フリーランスエンジニアの数は急激に増えましたが、同時に正社員になりたいと考える人も増えている状況です。フリーランスが増えたことで競争が激しくなり、正社員としての安全性を求める人が改めて増えたと表現しても良いでしょう。
フリーランスエンジニアになったとしても正社員へ転職することは可能です。ただし、正社員から正社員への転職と比較すると注意点があるため、その点を考慮しなければなりません。基本的には転職エージェントの支援を受けて、転職先を探すことをおすすめします。