フリーランスが作るべき印鑑は?印鑑の種類・用途・作成時のポイントを解説!

フリーランスが作るべき印鑑は?印鑑の種類・用途・作成時のポイントを解説!

フリーランスとして仕事をしていると、印鑑が必要となるケースが多々あります。個人で印鑑を利用するケースは多いですが、フリーランスでも事業者として印鑑を利用するケースが多いのです。そのためフリーランスは、ビジネス用の印鑑と個人用の印鑑の両方を作らなければなりません。

とはいえ、なんとなく印鑑が必要であると理解していても、具体的に何が必要であるのかは理解できていないかもしれません。印鑑には様々なものがありますので、今回はフリーランスが作るべき印鑑のご説明と、作成時のポイントについて解説します。

フリーランスが利用するビジネス用の印鑑

まずはフリーランスが利用するビジネス用の印鑑の種類・用途についてご説明します。

丸印

契約書など個人事業主やフリーランス、フリーランスとして展開しているお店などの「代表者」を示す印鑑です。契約書への押印など、事業を代表する人であると示さなければならない場面に利用します。

フリーランスは屋号を利用していない場合も多く、個人名となる場合もあります。ただ、個人名を利用する場合でも、契約書などに押印するための印鑑として作成が必要です。

また、屋号を利用している場合は、フリーランスでも屋号の印鑑を作ると良いでしょう。個人の名前とフリーランスの名前を分けるために、屋号だけの印鑑も認められています。なお、個人名と屋号を併記する二重書と呼ばれる印鑑も存在しています。文字数などによって実現できるかどうかが変わってきますので、その点は作成先に確認してみると良いでしょう。

なお、フリーランスが作成する丸印は、会社実印と呼ばれるものではありません。フリーランスは法人登記していませんので、会社としての実印はないのです。契約書など重要な書類に押印するものですが、実印とは分けて考える必要があります。

銀行印

フリーランス用の金融口座開設のための印鑑です。個人でも銀行印は持っていると思われますが、フリーランス用のものを持っておくと良いでしょう。同じものを利用しても特に問題にはなりませんが、別々のものを利用しておくのがベターです。

なお、ビジネス用の銀行印は、個人で利用するものよりもサイズが大きいものがあります。同じサイズのものを利用すると取り間違える可能性がありますので、異なるサイズを選択しておきましょう。

銀行印についても屋号での作成が可能です。屋号の長さによっては必然的に大きな印鑑を利用する必要が出てきますので、大きな印鑑となる銀行印は屋号での作成で問題ないでしょう。

ただ、注意しなければならないのは、屋号での口座作成ができない可能性がある点です。最近は本人確認などが非常に厳しくなっていますので、個人名ではなく屋号での開設が認められないケースがあります。特にフリーランスとして活動を開始してすぐは認められにくいようです。そのため、屋号で銀行印を作成する場合は、屋号での口座開設ができるか事前に確認しましょう。

角印

角印は事業者としての認印との意味合いを持つ印鑑です。見積書や請求書、領収書など対外的に発行する書類に押印するものです。

基本的に事業者としての認印ですので、フリーランスの中でも屋号を利用している人のみが作成するものです。個人名のみで活動している場合は、個人名の印鑑をそのまま利用するとよいでしょう。法人の「社印」に該当すると考えていれば問題ありません。

角印を使用するのは各種書類の発行時ですので、ある程度事業が軌道に乗ってからが中心です。そのため必要なタイミングになってから、こちらの印鑑を用意しても遅くはありません。ただ、改めて印鑑を作るとなると手間がかかりますので、まとめて作っておいても良いでしょう。

なお、基本的には屋号を利用しますので、個人名で活動している場合は必要ないものです。ただ、各種書類や領収書に押印するのに、角印を利用した方が見栄えが良いとも考えられます。そのため見栄えを意識して、個人名の印鑑で用意するのも悪くはありません。

他にも企業によっては「角印が押されていない書類は受け付けない」などのルールが設けられている場合があります。そのような企業と取引をする場合、必然的に印鑑が必要となります。相手先に求められた場合は、個人名・屋号問わず必要なものを用意するようにしましょう。

ゴム印

屋号や個人の名前、事務所の住所などがまとめられたゴム印です。必ず必要なものでもありませんが、用意しておくと事務作業をスムーズに進められます。

屋号や住所は何かと書かなければならない場面があります。例えば郵便物を送付する際に、封筒にこれらの情報を書かなければなりません。簡易的な書類に関しては、ゴム印で済ませられる場合があります。

こちらの印鑑はなければ手書きをすれば良いだけのものです。他の印鑑とは意味合いが異なり、何かしらの書類に有効性を持たせるものではありません。純粋に事務作業の効率化に特化したものだといえます。

必須の印鑑ではありませんが、利用機会の多さを考えると、持っておいて損はありません。ゴム印は比較的値段も抑えて作れますので、不要と言い切れる理由がない限りは用意しておくと良いでしょう。

フリーランスが利用する個人用の印鑑

続いてフリーランスが利用する個人用の印鑑の種類・用途についてご説明します。

認印

個人で作成する書類に押印する用の印鑑です。開業届や青色申告書など各種届出の押印にはこちらの印鑑を利用します。また、確定申告書も個人名で作成しますので、個人用の認印を利用します。

個人名の印鑑ですので、日頃から利用している認印と併用しても問題はありません。フリーランスとしての活動用に作らず、すでに保有している印鑑を流用している人はいます。

ただ、フリーランスとして利用するのであれば、専用の印鑑は持っておいた方が良いでしょう。一般的な印鑑よりも大きめのサイズを作っておけば、印鑑を押さなければならない場面に見栄えが良くなります。また、サイズの違いから押印間違いを防ぎやすくなります。

認印については苗字だけでもフルネームでもよいとされています。一般的に印鑑は苗字だけを利用しますが、フリーランス用の印鑑は大きめのサイズを利用してフルネームで作っておくのもおすすめです。

実印

様々な手続きにおいて実印が必要な場合、フリーランスは個人の実印を利用します。法人が法人契約する場合は法人の実印を利用しますが、フリーランスにこれはありませんので個人のものが必要です。

フリーランスが実印を求められるケースは多々あります。よくあるものとしては事務所を利用するために不動産契約をすることです。不動産契約は必ず実印が必要ですので、印鑑と印鑑証明書を用意します。

また、事業を進めるにあたりローンを組まなければならない場合があるでしょう。この時も場合によっては実印が必要となります。上記と同様に法人の実印がありませんので、個人の実印を使用して契約をします。

他にもフリーランスとしてではなく、プライベートな理由で実印が必要になる場合があります。住宅を購入する場合など、高額なローンを組む時に実印が必要とされます。

実印は印鑑証明書がなければ効力を発揮しないものです。とはいえ、偽造された印鑑と不正に取得された印鑑証明書を利用されてしまうと、大きなトラブルになってしまいます。取り扱いにはとても気をつける必要があり、万が一の時はすぐに印鑑の登録を取り消す必要があります。

そのように考えると、個人で利用する実印はコピーしにくい複雑なものにするのが無難です。人間が読み取れなくとも問題はありませんので、安全性を最大限重視するようにしましょう。

なお、 既に印鑑登録をしている場合、その実印をフリーランスでも利用できます。改めて印鑑登録の手続きをする必要はありませんので、その点は理解しておきましょう。

フリーランスが印鑑を作成するポイント


最後にフリーランスが印鑑を作成するポイントについて解説をしておきます。

作成が必須であるかどうか

最初に考えなければならないのは、作成が必須の印鑑であるかどうかです。作成が必須の印鑑であれば、言うまでもなく印鑑を作成しなければなりません。

今回ご紹介した例では、ビジネス用の丸印や銀行印は必須だと言えます。日頃個人で利用している印鑑とはわけて、フリーランス用の印鑑として持つべきです。同じ印鑑を流用することに法律上の問題点などはありませんが、セキュリティの面から使い分けしておくのが無難です。

また、個人で利用する認印についても必須の印鑑に分類されます。フリーランスは様々な申請をしますし、確定申告もしなければなりません。これらで利用する書類には押印が必要となります。少なくとも確定申告は毎年しますので、個人用の認印は持っておかなければならないのです。

それ以外の印鑑については、必要に応じて作成するようにしましょう。特に個人の実印については、印鑑登録をして初めて役に立つものです。印鑑登録をする予定がないのであれば、記載が読み取りにくいだけの印鑑になってしまいます。

世の中には様々な印鑑がありますが、フリーランスがすべてを利用するわけではありません。印鑑の利用用途を踏まえて、作成するべきものであるのかは判断しましょう。

利用頻度が高いかどうか

印鑑を作っても利用しなければ意味がありません。そのため利用頻度に注目をして、利用頻度が高いものを作成するようにしましょう。

利用頻度の高いものは、上記でご説明したような必須の印鑑が中心です。これらの印鑑はビジネスを進めるにあたり必須となりますので、利用頻度の観点からも作成しておかなければなりません。

また、必須の印鑑ではありませんが、ゴム印は作っておいた方が良いでしょう。様々な場面で屋号や住所、電話番号などを記載しなければなりませんので、ゴム印を用意しておくと便利です。価格も安いものが多いですので、非常にコストパフォーマンスが高いものです。

逆に個人の実印などは、利用する機会が限られています。法律などに関係し重要な契約をする場合に利用しますが、そのような場面はそうそうくるものではありません。利用頻度が低いものと考え、必要に迫られてから印鑑を作っても良いでしょう。

個人名か屋号か

印鑑を作るにあたり特に気になるのは個人名か屋号かです。個人名でしか活動していない場合は悩みませんが、屋号を利用している場合は重要なポイントです。

この部分は人によって考え方が異なりますが、私としては屋号を利用した方が良いと考えます。せっかく屋号の登録をしているのであれば、それを利用するに越したことはありません。クライアントに対しても屋号を知ってもらえますので、宣伝の意味も込めて屋号の印鑑がおすすめです。

ただ、銀行印の項目で触れたとおり、屋号では口座開設できないなどのトラブルが起きる可能性があります。屋号は運転免許証などのように手元にある書類で証明ができませんので、情報不足で口座開設できない場合があります。

そのような問題も踏まえると、必ずしも屋号が良いとは言い切れない部分があります。しかし、全ての金融機関で利用できないわけではありませんし、総合的に判断するとやはり屋号を利用した方が良いでしょう。

まとめ

フリーランスが利用する印鑑について説明しました。印鑑には様々な種類があり、それぞれが個別の意味合いを持っています。フリーランスが印鑑を作る時には種類と用途を理解しておかなければなりません。

ただ、印鑑には様々な種類がありますが、全てのフリーランスがご紹介したすべてを購入する必要はありません。用途に応じて押印するものが変化しますので、フリーランスとしての事業内容をもとに必要となる物を判断する力が必要です。

また、印鑑はあまり多く作成しすぎると、管理が煩雑になってしまいます。利用する時にどれを押せば良いのか分かりにくくなりますし、印鑑が多ければそれだけ盗難に遭いトラブルに巻き込まれる可能性も高まります。まとめて作っておいた方が手間は省けますが、安全性を意識するのであれば必要となりそうなタイミングでその都度作成した方が良いでしょう。

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