ハイブリッドエンジニアとは?必要なスキルと需要、将来性を徹底解説!

ハイブリッドエンジニアとは?必要なスキルと需要、将来性を徹底解説!

ハイブリッドエンジニアは、近年注目されている新しい働き方です。まだまだ、一般に浸透しているキーワードではありませんが「ハイブリッド」から、どのような働き方であるのか想像できるのではないでしょうか。

現在はエンジニアの数が増えているといわれていますが、それでもIT人材の不足が懸念されています。今回はそのような時代だからこそ必要とされる、ハイブリッドエンジニアとはどのような働き方であるのかスキルや需要、将来性まで解説します。

ハイブリッドエンジニアは新しい働き方

冒頭でも触れましたが、ハイブリッドエンジニアは新しい働き方です。ここ数年で、海外を中心に注目されていて、日本にも浸透してきました。似たような働き方として「フルスタックエンジニア」が存在します。

「ハイブリッド」というキーワードからも読み取れるように、ハイブリッドエンジニアには、幅広いスキルが求められています。今までのエンジニアは、何かしらの技術に特化していることが求められましたが、ハイブリッドエンジニアはそうではありません。極端に深い知識ではなく、幅広く多くのスキルを保有していることが求められます。

なお、ハイブリッドエンジニアとフルスタックエンジニアの違いとしては「技術に特化したエンジニアであるか」が挙げられます。後ほど解説しますが、ハイブリッドエンジニアには技術以外のスキルも多く必要です。それに対して、フルスタックエンジニアは技術に可能な限り特化しています。フルスタックエンジニアは、技術以外のスキルが不要というわけではありませんが、求められる加減に違いがあると理解しましょう。

ハイブリッドエンジニアが求められる3つの理由


ハイブリッドエンジニアが求められるようになった理由は多岐にわたります。今回はそれらの中でも、3つの重要な理由を以下のとおり解説します。

技術の浸透

世の中的に幅広い技術が浸透してきたことで、クライアント側が理解できる内容が広がりました。新しい技術などに興味を示すクライアントも増え、これに対応するためにハイブリッドエンジニアが求められています。特定の分野だけに特化すると、このような興味に対応することはできませんが、幅広く知識を有していると対応できるようになるのです。

また、そもそもクライアントが自分自身で対応できる内容が増えてきました。今までは、エンジニアが対応していた内容でも、スキルが浸透してクライアントで処理できるようになったのです。例えば、エンジニアがデータベースへSQLを流しデータを提供していた時代から、クライアント自身がSQLを作成しデータを取得できる時代へと遷移しています。

世の中的に技術が浸透すればするほど、エンジニアはどのような場面で求められるか分かりません。クライアントから、思わぬ質問や話題が投げかけられる可能性もあります。どのような状況でも、浸透している技術に対応できるようになるために、ハイブリッドエンジニアが求められるようになりました。

テクノロジーの多様化

近年のテクノロジーは非常に多くの発展を遂げていて、エンジニアはそれに対応しなければなりません。テクノロジーの多様化が進んでいることで、これに対処するためのハイブリッドエンジニアも求められているのです。

例えば、サーバ構築は本来オンプレミスでサーバを購入して進めるものでした。そこから、仮想化技術が生まれ仮想マシンが利用されるようになっています。そして、現在ではコンテナ化やサーバレスなどが活用されるようになりました。それぞれに特徴があり、エンジニアは臨機応変に使い分けることが求められます。

数年前と比較すると「この実装にはこのアーキテクチャ・ツール・ソフトウェアを利用するのが当たり前」という環境ではなくなってきています。エンジニア自身も幅広く知識を有し、適切に選択できなければなりません。

トータル的なスキルを評価

時代の変化とともに、エンジニアに対してもトータル的なスキルを評価するようになってきました。ひと昔前は「エンジニアは高い技術力さえあれば良い」と考えられている部分がありましたが、現在では変化してきています。働き方改革やリモートワークの促進など、社会情勢の変化が背景にあるでしょう。

例えば、現在のエンジニアにはハードスキルだけではなくソフトスキルも求められています。以前は「プログラミングはできるが説明は苦手なエンジニア」のような人材も重宝されていましたが、現在はどちらもそつなくこなせることが求められつつあります。特定の部分だけを強化するのではなく、トータルで評価するようになっているのです。

ただ、評価する側の考え方に依存する部分もあるため、全ての評価者がこのような考えを持っているわけではありません。ハイブリッドエンジニアが生まれた背景として、このような考えを持つ評価者がいることを理解しておくようにしてください。

ハイブリッドエンジニアに求められるハードスキル


ハイブリッドエンジニアには、テクニカルな部分を中心にハードスキルが求められます。エンジニアとして活躍するために、どのようなハードスキルが必要なのか理解していきましょう。

プロジェクトマネジメント

IT業界は大小様々なプロジェクトを推進しなければなりません。そのため、一定以上のエンジニアについては、プロジェクトマネジメントスキルが求められるようになっています。マネジメントする側ではなくとも、プロジェクトマネジメントを円滑にするために、スキルを習得しておくことが求められるのです。

実際、近年はプロジェクトマネージャーが不在で、エンジニア兼プロジェクトマネージャーとしてプロジェクトを推進することが増えています。大規模なプロジェクトは専任者がいますが、中小規模のプロジェクトではそうとも限りません。ハイブリッドエンジニアがマネジメントスキルを持てば、このような環境でも活躍できます。

なお、ハイブリッドエンジニアには「プロジェクトマネジメントに特化したスキル」が求められているわけではありません。そのため、大規模なプロジェクトを円滑に推進できるほどのスキルは必要ないでしょう。

プログラミング

開発に携わるエンジニアであれば、プログラミングスキルが必要です。そのため、必要最低限のプログラミングスキルが求められるのです。

具体的に必要なプログラミングスキルは、活躍する分野によって異なります。例えば、Web系の現場で活躍するエンジニアならば、PHPやPythonなどを取得すると良いでしょう。また、大規模開発ならばJavaやC++が必要だと考えられます。

ただ、ハイブリッドエンジニアの場合は、プログラミングに携わらないケースも多くあります。とはいえ、テスト内容を評価したりすることもあるため、最低限、自分が活躍する分野のプログラミング言語は読めるようになっておきましょう。

インフラ

システムを稼働させるためには、インフラを整えなければなりません。例えば、ネットワークやサーバを整備しなければ、システムを実行させられないのです。非常に重要な要素であるため、ハイブリッドエンジニアを目指すならば高い優先度で習得しましょう。

最低限、ネットワークやサーバなど基本的なスキルを習得することが大切です。実際に構築はできなくとも、設計書などを理解して、システムの把握などに役立てなければなりません。

加えて、近年はインフラをパブリッククラウドに置き換えるケースが増えています。例えば、AWSやAzure、GCPなどです。リソース面での余裕があれば、パブリッククラウドのスキルについても習得しておくことで、活躍の場がさらに広がるでしょう。

データベース

現在のシステムにおいて、データベースはなくてはならない存在になっています。そのため。ハイブリッドエンジニアはデータベースを避けて通ることができません。データベースのスキルについても、できるだけ習得しておきましょう。

ただ、注意しなければならないのは、製品によってその特徴が大きく異なることです。例えば、OracleDBとSQLServerはそれぞれ異なった仕様を持っています。そのため、どちらかに特化したスキルを習得すると、違う環境では利用できません。これはデータベースを取得するにあたって苦労する部分であるため、参画するプロジェクトなどを踏まえて習得することが重要です。

開発ツール

開発ツールを利用して、他のエンジニアをサポートする場面があります。そのような時に備え、主要な開発ツールを取得しておきましょう。

ツールは数多く存在するため、ハイブリッドエンジニアとして使う機会が多いものから習得します。例えば、Javaを扱う機会があるならば、eclipseを習得するなどです。一般的に利用されているものを選択しましょう。

また、ツールではありませんが、エンジニアはマークダウン記号を利用する機会が多くあります。この文法を理解したり、対応しているエディタを使いこなせるようになったりすることも大切です。

ハイブリッドエンジニアに求められるソフトスキル

ハイブリッドエンジニアは、ハードスキルではなくソフトスキルも必要です。こちらも特に重要なものから紹介します。

チームワーク・コミュニケーション

クライアントや他のエンジニアと一緒に案件を進めるため、コミュニケーション能力やチームワークのスキルが必要です。社会人として必要なスキルといっても過言ではないでしょう。

まず、ハイブリッドエンジニアは複数のスキルを有していますが、チームでプロジェクトを進めることは多々あります。そのため、チームワークを意識できなければ、円滑なプロジェクト推進ができません。

また、案件によってはクライアントとコミュニケーションを取り、要件を決定することが考えられます。コミュニケーションが取れないと、認識齟齬が生じてしまい、要件の誤りに繋がりかねません。

情報整理

多くの情報を取り扱う機会があるため、整理するスキルが必要です。ドキュメントに落とし込むスキルプレゼンテーション資料の作成スキルなどが該当します。

例えば、顧客と要件について合意する際、文章だけでは伝わりにくいかもしれません。そのまま進めることはリスクとなるため、図解して認識が正しいかどうか確認します。情報を整理して資料作成できないと、常にリスクがつきまとうのです。

なお、このような情報整理スキルは、幅広い場面で役立ちます。ハイブリッドエンジニアに限らず、習得しておいて損はないでしょう。

ハイブリッドエンジニアの需要

近年はIT人材が不足し、求められるスキルの多様化が進んでいます。そのような背景もあり、ハイブリッドエンジニアの需要は高まりつつある状況です。このような背景は、短期的に改善される可能性が低く、安定した需要が続くでしょう。

ただ、習得しなければならない技術は年々増えるため、ハイブリッドエンジニアの限界を迎えるかもしれません。すべてのスキルを幅広く網羅することが理想ですが、クライアントが求めるスキルとはギャップが生じてしまうのです。

そのため、ハイブリッドエンジニアの需要は高まりますが、何かしら得意分野を持つようにしましょう。幅広く理解できている中で、特に得意な分野があれば、それを軸として案件を獲得しやすくなります。

まとめ

ハイブリッドエンジニアについて解説しました。エンジニアとしてのハードスキルに加えてソフトスキルも有する新しい働き方です。フルスタックエンジニアのように、技術面に特化しているのではなく、幅広くスキルを有しています。

このようなエンジニアが求められる背景には、エンジニア不足やスキルの多様化があります。今までと同じような働き方では需要を満たすことが難しくなり、ハイブリッドエンジニアが求められるようになりました。

ただ、人間は無限にスキルを習得できるわけではないため、需要が高まっても対応できる範囲には限界が生じてしまいます。そのため、最終形を意識するならば、何かしら自分の得意分野・強みとする分野を持つに越したことはありません。

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admin