今さら聞けない!iPaasについての解説!需要、今後の将来性と合わせてチェック!

今さら聞けない!iPaasについての解説!需要、今後の将来性と合わせてチェック!

最近はクラウドサービスの中でも「iPaaS」が注目されています。ただ、このiPaaSは耳にしたことが無い人も多いのではないでしょうか。それも不思議なことではなく、iPaaSは新しく生まれ注目されるようになった仕組みなのです。

今回は新しく生み出され注目されているiPaaSについてご紹介します。どのような特徴があり、どのような用途で利用されているのかを学んでいきましょう。

そもそもiPaaSとは

そもそもiPaaSの意味を知らない人は多いことでしょう。まずは基本知識としてiPaaSとは何かをご説明します。

iPaaSの意味

iPaaSとは「Integration Platform as a Service」の省略形です。直訳すると「サービスとしての統合プラットフォーム」です。これだけではどのような意味なのか理解できない人が多いことでしょう。

直訳では理解しにくいのですが、実態としては「複数のシステムを連携して自動化を進めるサービス」を指しています。現在は一つの会社内に多くのシステムが存在するケースが増えています。そのような状況において、システム関連系の役割を負うのがiPaaSなのです。

特にiPaaSはクラウドサービスとして提供されているものが多くなっています。直接は連携されていないシステムであっても、クラウドサービスとして提供されているiPaaSを介してデータ連携できるようになっています。

どのようなシステムを連携するかは使い方によって異なります。オンプレミスとクラウドを接続することも可能ですし、クラウドとクラウドを接続することも可能です。iPaaSは柔軟な設計ができるものが増えていますので、幅広いシステム間でのデータ連携に対応しています。

SaaSやPaaS・IaaSとの違い

iPaaSと間違えられやすいものに「SaaS」「PaaS」「IaaS」が挙げられます。これらとの違いを理解するために、これらの特徴を簡単に知っておきましょう。

名称 内容
SaaS 「Software as a Service」の省略形で、インターネット経由で利用できるサービスを指す

Ex)Gmail・Googleカレンダー・O365

PaaS 「Platform as a Service」の省略形で、インターネット経由で利用できるアプリケーションプラットフォームを指す

Ex)AWS・Microsoft Azure

IaaS 「Infrastructure as a Service」の省略形で、インターネット経由で利用できるインフラを指す

Ex)Amazon EC2などのクラウドサーバー

 
iPaaSはあくまでも「情報を連携させるための仕組み」を指しています。そのため、上記の中ではアプリケーションプラットフォームに分類されます。実質的には連携するためのアプリケーションのように提供されているケースが多いのですが、あくまでも分類はプラットフォームですので間違えないようにしましょう。

なぜiPaaSが注目され需要が高まっているのか

なぜiPaaSが日本で注目されて需要が高まっているのでしょうか。この背景について気になる人は多いはずですので、以下ではこの点について解説します。

iPaaSが日本で求められるようになった理由

日本でiPaaSが求められるようになった背景には、リモートワークの普及が挙げられます。新型コロナウイルスの蔓延により急速にリモートワークが普及したため、それに伴いiPaaSも求められるようになっています。

まず、リモートワークの普及に伴い「クラウドシステム」を利用する企業が増えてきました。今までの日本は「オンプレミスでシステムを持つほうが安心」との認識が強くありましたが、最近は「クラウドサービスでも心配はない」との認識に変化しているのです。オンプレミスではリモートワークに支障が出てしまうことも多く、それも後押ししてクラウドサービスの認識が変化しました。

個々の業務に注目してみると、クラウドサービスが導入されたことで業務の効率化が図れています。オンプレミスのシステムよりも利用しやすいものであり、従業員の満足度が上がっているケースも多々あるようです。

しかし、多くのクラウドサービスを導入したことで、多くのデータが点在する状況になってしまいました。その結果、それぞれのデータ連携が複雑になってしまったのです。これが原因となり、別の問題を引き起こしている場合があります。

例えば多くのシステムで求められるのが「従業員情報」です。従業員の役職などを利用して、ワークフローを作成するなどに利用されます。ただ、この従業員情報は個々のシステムで管理しているケースが多々あります。そのため「最新の従業員情報が反映されていない」との問題が起こり、結果正しくシステムを動かせなくなるのです。

もちろん、全てのシステムに人間が漏れなくデータを登録すれば問題は起こりません。しかし、そのような対応をするのはお金や時間の面から現実的ではありません。そのため、iPaaSを利用してシステム的にデータの連携ができる環境が求められるようになったのです。

iPaaSの機能とその実現例


iPaaSの機能とその実現例がイメージできない人が多いでしょう。まずはiPaaSを理解するために、どのような機能を持っているのかについてご説明します。

サービス間連携

iPaaSはサービス間連携を実現するために利用されます。これは公式ではサービス間連携が提供されていないサービス同士を、iPaaSを利用してつなぐという考え方です。

iPaaSを利用してサービス間連携をするためには、それぞれのサービスがAPIを提供している必要があります。APIとは「Application Programming Interface」の省略形で、公式が提供するソフトウェアの一部を利用する機能を指します。

本来、ソフトウェアの中身は公開されるものではありません。しかし、APIは開発者などに向けて公開されるものです。その中身を知ることは不可能ですが、決まり通りにAPIを操作するとソフトウェアやサービスが操作できるようになっています。

iPaaSはこのAPIの操作を得意としています。APIが公開されているソフトウェアであれば、iPaaSを利用したサービス間連携が簡単に実装できるのです。

具体的な利用の例としては、社員向けのアカウント発行作業が挙げられます。従業員データをAPIで登録先のシステムに連携し、登録先のシステムはその情報を利用してユーザーアカウントを発行します。本来は直接繋がってはいないサービス同士ですが、iPaaSを利用すれば繋がっているように利用できます。

データ連携

iPaaSを利用するとデータ連携が簡単に実装できます。こちらはAPIを利用したりデータ連携のための処理を開発したりします。

ここでのデータ連携とは、リアルタイムでのデータ同期を指します。タイムラグのあるデータ連携は上記のサービス間連携が該当しますので、リアルタイム性が求められるもののみを考えます。

リアルタイムでのデータ同期は、実装に手間がかかるものです。しかし、重要なシステムのデータバックアップで利用されるなど、ソフトウェアを利用するにあたり必要とされる機能の一つです。

iPaaSはクラウドなど独立したサービスとして提供されていますので、リアルタイム同期など負荷のかかる作業にも対応できます。個別にリソースを確保してサービスを提供してもらいますので、同期するシステムの負荷状況に大きく左右されないシステム実装ができるのです。

具体的な利用の例としては、決済情報のデータ連携があります。ソフトウェアの仕組みによっては、ひとつのサービスで課金をすると他のサービスも同時に利用できる場合があります。そのような仕組みを実装するにあたり、iPaaSですぐさま他のサービスにも課金した事実の情報が連携できるようにするのです。

業務フロー改善

少し大きな枠組みですが、iPaaSは業務フローの改善にも役立てられます。システム間連携やデータ連携が実現できますので、今までよりも効率の良い業務フローを考えられるのです。

企業は多くのシステムを運用しているものです。ただ、これらのシステムはうまく連携されておらず、連携のために人の手が介在するケースが多々あります。そこがボトルネックとなってしまい、業務に無駄が生じている場合もあるくらいです。

しかし、iPaaSを利用すればこれらは人の手を介さずに済む場合があります。一連の流れを自動化することで、効率良く作業を進められるようになるのです。

そのようなことが実現できれば、複数のシステムをまたぐ業務フローを実現できます。今まではそれぞれが個別の業務フローで走っていたものを、一つの業務フローとして集約できるのです。それぞれのシステムを操作する必要はありますが、業務面では一つとして考えられるようになるのです。

業務が細かく分割されてしまうと、どうしても無駄が生じてしまいます。iPaaSを利用してこの問題を解決すると、業務の無駄を最小限に抑えられます。

iPaaSの市場動向や需要と将来性

iPaaSの市場動向や需要と将来性はどうなっているのでしょうか。日本と海外とは状況が違いますので、日本の状況について解説します。

iPaaSはまだまだ発展途上

世界的に見るとiPaaSはどんどんと広がっています。しかし、冒頭でも述べた通り日本ではリモートワークの普及に伴い急激にiPaaSが求められるようになりました。つまり、まだまだ発展途上の分野なのです。

発展途上の分野ということもあり、現時点では非常に高い需要があるわけではありません。「これからはiPaaSの対応が必要だ」と認識している企業は多くなってきたものの、まだ実際に行動するところまでは進められていない状況なのです。

ただ、発展途上であり対応できるエンジニアも少ないため、案件は高い単価で公開されています。需要と供給では圧倒的に需要の方が高いため、現時点でiPaaSに対抗できるエンジニアは将来性が明るい状況です。

これからiPaaSが普及しないとは考えにくいため、今からiPaaSに対応できるようにしておくと、活躍の幅が広がります。

専門のエンジニアが求められる可能性はある

今のところiPaaSを専門に扱うエンジニアはほとんど見られません。求められていないわけではありませんが、そのような専門のエンジニアは確立されていないのです。そのため、今後日本でiPaaSが普及すれば、専門のエンジニアが求められる可能性もあります。

ただ、iPaaSは利用する企業によって実装する仕組みが大きく異なります。どのようなシステムを利用しているかは企業によって異なりますので、その企業に応じた知識が必要です。王道のシステムを中心に知識を身につけておくのも一つの手段ですが、それには限界があります。

そのため今後求められるエンジニアは、iPaaSでの連携方法を考えるコンサルタント寄りの人だと考えられます。数多く存在する社内のシステムを整理し、どのように連携をすれば業務が効率化できるかを考えるエンジニアです。

とはいえ、システム間連携を実現するために、APIを操作するためのプログラミングなどは必要です。これらを専門に扱うプログラマーやエンジニアが生まれる可能性もあります。これからの普及度合いによって、専門のエンジニアやプログラマーが生まれる可能性があると考えておきましょう。

まとめ

iPaaSはシステム間のデータ連携をする新しいクラウドサービスです。現在の日本はリモートワークの普及に伴いクラウドサービスの利用が増えてきましたので、これらのサービスを自動的に連携する仕組みとして注目されています。

ただ、最近になって注目されているサービスですので、具体的な内容は理解できていない人も多いようです。どのようなエンジニアがiPaaSに対応できるのかわからない人も多く、具体的に行動できていない企業が大半です。

そのため、潜在的な需要はあると考えられますが、現時点での需要は限定的なものです。これから需要が高まると考えられ、将来に期待できる分野だと言えるでしょう。


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admin