IT用語でミスをしない!誤用や読み間違い、混同しやすい用語を紹介

IT用語でミスをしない!誤用や読み間違い、混同しやすい用語を紹介

IT業界には数多くの用語があるため、誤って理解されたり使用されたりするものが存在します。また、読み間違いや混合しやすい用語が多い業界です。略語が数多く使用されることが、このような環境を生み出しているのでしょう。

エンジニアとして適切な意思疎通を実現するためには、これらの用語を正しく理解することが重要です。今回は、IT用語でミスしないために、誤用や読み間違い、混同しやすい用語を紹介します。

ITエンジニアが誤用や混同しやすい用語6選


ITエンジニアが誤用や混同しやすい用語はいくつもあるため、それぞれについて解説します。

AI・機械学習・ディープラーニング

AIは、機械が人間のような知能を持ち、作業を実施する能力を指します。一般的に、問題解決や学習、自然言語処理などに活用され、人間の知識を模倣する幅広い技術を指した言葉です。比較的、漠然とした概念であると考えるとわかりやすいでしょう。

続いて、機械学習はAIのサブセットで、データや経験から「学習」するアルゴリズムなどを指します。特に、明示的なプログラミングなしにデータパターンを識別する能力や予測を実現することに重点を置いたものです。例えば、過去の購買データから顧客の購買行動を予測する作業は、機械学習によって導き出せます。

最後に、ディープラーニングは機械学習の手法であり、主に深層ニューラルネットワークを活用した考え方です。詳細は難解であるため割愛しますが、複数の層を通じて情報を処理し、より複雑な特徴やパターンを識別する能力を持ちます。例えば、画像認識はディープラーニングの結果として実現できるものです。

これらは混同されやすいですが、キーワードの粒度が大きく異なります。説明した順に細かくなるため、正確に使い分けできるようになりましょう。

ビット・バイト

ビットとバイトは、データの量を表す単位という点では同じです。ただ、その大きさが異なるため必ず正しい認識が必要です。

まず、ビットは最小のデータ単位で、0または1の値を持ちます。一般的に「デジタルデータは0と1の集合体だ」などと表現されることがあり、これはビットから構成されていることが背景にあるのです。全てのデジタルデータは、ビットのシーケンスとして表されると理解しましょう。

それに対して、バイトは8ビットから構成されるデータの単位です。コンピューターの記憶領域やデータサイズなどは、一般的にバイト単位で表されるでしょう。例えば、KBやMBなどの単位をよく目にするはずです。

これらは、利用される場面が異なり、ビットは主にデータ伝送速度で使用されます。例えば、インターネットの速度は「メガビット/秒」などの単位で示されることがあるのです。それに対して、バイトはストレージ容量やファイルサイズなど、身近な場面全般で利用されます。

フレームワーク・ライブラリ

フレームワークとライブラリは、ソフトウェア開発において同じような意味合いで使用されます。現場では問題にならないかもしれませんが、定義としては異なる点に注意しましょう。

まず、ライブラリは、特定の機能やユーティリティを提供するコードの集合体です。エンジニアは、必要に応じてこれらのライブラリを自身のコードに組み込み、特定の機能だけを利用します。基本的に、ライブラリだけでは何かしらのアプリケーションが動作するようにはならず、あくまでも開発を効率化させるものです。

それに対して、フレームワークはアプリケーションの基本的な構造を提供するものです。また、基本的な開発プロセスが提供者より示されることもあります。特定の理論に基づいて開発されているため、フレームワークの利用者もそれに沿って開発することが重要です。基本的な構造が示されるため、フレームワークだけでも最低限のアプリケーションが構築できると考えましょう。

ライブラリは、特定の機能を利用することに特化したものです。それに対して、フレームワークは機能全体を動作させるものと考えられます。実装の単位が異なるため、誤用せず使い分けできるようになりましょう。

Webサイト・Webアプリケーション

Webサイトとは、主に情報を提供するために公開されているページを指します。非常に多くのページがこれに該当し、ニュースサイトや教育サイト、企業の公開ページなどが該当すると考えましょう。主に静的なコンテンツを提供し、発信者から利用者への一方的な情報提供が中心です。

一方、Webアプリケーションは、対話ができるなど動的な機能を有しています。例えば、検索サイトやオンラインショッピングサイト、オンラインメールやソーシャルネットワーキングサービスなどです。ユーザーの入力に対して、何かしら動的にコンテンツを生成するものは、Webアプリケーションだと考えて良いでしょう。

これらは目的が大きく異なっているため、誤って利用するとトラブルの原因となります。例えば、企業側の担当者が「自社を知ってもらうためにWebアプリケーションを開発したい」と言うならば、これはWebサイトの可能性が高いでしょう。どちらを開発するかで、工数などに大きな差が出るため、確実な認識合わせが求められます。

暗号化とハッシュ化

暗号化とハッシュ化は大きく異なった作業です。ただ、詳細を理解せずに混同しているエンジニアが見受けられるため、もし皆さんが該当するならば注意しましょう。

まず、暗号化は元の文である平文を、関係者以外には読めない文である暗号に変換する作業です。暗号はそのままでは理解できませんが、適切な処理によって平文に戻せるようになっています。例えば、一般的に利用される暗号化は「鍵」と呼ばれるものを利用して、暗号にしたり平文に戻したりするのです。

それに対して、ハッシュ化は関数と呼ばれるものを利用してハッシュ値を得る作業です。暗号化のように、元の文に戻すことを目的とはしておらず、ハッシュ値を得ることだけを目的としています。プログラムでは、算出されたハッシュ値だけに注目し、この値が正しいか評価するのです。例えば、パスワードをハッシュ値として管理しておき、ログイン認証の際はこの値と一致しているかを評価します。これにより、万が一ハッシュ値が流出してもパスワードそのものが知られることはないのです。

暗号化もハッシュ化も「データを読み取られないようにする」という観点では似ています。ただ、利用方法や実装の目的には大きな違いがあるため、誤用しないようにしましょう。

2要素認証と2段階認証

2要素認証とは、パソコンやサーバー、各種サービスなどにログインする際、2つ以上の要素を使って認証することです。例えば、パスワードの入力、生体認証、スマートフォンに届いたパスコードの入力などの組み合わせが考えられます。多要素認証と表現されることもあり、複数の要素を組み合わせていることが重要です。

それに対して、2段階認証はあくまでも認証を2回行うことを指します。例えば、パスワード1の入力とパスワード2の入力は2段階認証ですが2要素認証ではありません。2段階認証の一部が2要素認証であると捉えるとわかりやすいでしょう。

一般的には、2要素認証が求められるため「2段階認証」と表現しても誤解されるケースは限られています。ただ、クライアントならまだしも、エンジニアが誤ることは望ましくなく、基本的には2要素認証だと考えておきましょう。

ITエンジニアが読み間違いしやすい用語5選


続いては、ITエンジニアが読み間違いしやすい用語について、それぞれ解説します。

Alt

ショートカットキーなどで利用する機会の多いものに「Alt」があります。ローマ字読みで「アルト」と呼びがちですが、実際には「オルト」であるため注意しましょう。本来の英単語は「Alternate(オルタネート)」であるため、これに即した発音が本来のあるべき姿なのです。
ただ、正しくはオルトと読むべきではあるものの、アルトと読む人も多く、どちらでも伝わる環境にはなっています。とはいえ、正しく読むに越したことはないため、オルトと読むように心がけましょう。

chmod

LinuxなどUNIX系のOSを操作する際は、chmodと呼ばれるコマンドを利用することがあります。ファイルやディレクトリのパーミッションを設定する非常に重要なものです。ただ、こちらは英語に見られる単語の綴りではないことから、読み間違いが多くみられます。
一般的に、chmodは「チェンジモッド」と読み、前半と後半の単語に分割して読まなければなりません。コマンドの意味としては、権限の設定であるため、関連する単語の一部をつなぎ合わせてchmodというコマンドになっているのです。
読み間違いの例としては「チモッド」や「チェモド」などが挙げられます。意味は伝わるかも知れませんが、これらは一般的な読み方ではないため、改めたほうが良いでしょう。

Git

バージョン管理ツールとして有名なものがGitです。すでに利用しているITエンジニアも多いことでしょう。こちらは意外にも「ジット」と読んでしまう人が多いため、注意しなければなりません。
世界的に利用されているツールであり、現在は正しい読み方の「ギット」が浸透しています。ITエンジニアとして働いているならば、間違えるわけがないと感じているかもしれません。しかし、ジットと読む人が見受けられるのです。

argument

argumentは、プログラミングにおいて利用する「引数」を意味します。特に、引数と仮引数と実引数に分類した場合、実引数に該当する用語です。
正しい読み方は「アーギュメントゥ」ですが、エンジニアの中には「オーギュメントゥ」と読む人がいます。確かに、英語のスペルのうち「aug」から始まるものは「オー」と発音することがあるため、IT用語でも間違えてしまうことはやむを得ません。ただ、読み間違いしやすい用語だからこそ、注意することが大切です。

notification

通知を実装する際に「notification」という単語を利用する機会が多くあります。直訳で通知という意味の単語であり、一般的にも多用されるものです。
こちらは「ノウティフィケーション」ですが、ローマ字読みに近く「ノティフィケーション」読む人がみられます。スペルを踏まえると、ノティフィケーションでも違和感がありませんが、実際には「ウ」が含まれるために注意しておきましょう。
なお、notificationと同様にお知らせを意味する「notice」は「ノティス」ではなく「ノウティス」です。似たスペルで同じような読み間違いが発生するため、これらも合わせて理解しておくと良いでしょう。

まとめ

エンジニアが間違えたり誤解したりしやすいIT用語について解説しました。IT業界には多くの専門用語があり、省略して利用することも多いため、正しい理解が求められます。同じような用語がいくつも存在するため、誤って利用すると大きな問題になりかねません。

今回、特に注目してもらいたい用語をピックアップしましたが、これら以外にも重要なものは存在します。そのため、幅広い知識を持つようにすることが重要です。用語についての理解がないと、意思疎通が図れなくなるため、業務に影響するものを中心に習得していきましょう。

SHAREこの記事をシェアする

admin