【2022最新】キャリア、年収UPのためのJavaフレームワーク
Javaのエンジニアとしての年収増加やキャリアアップを目指すのならば、Javaフレームワークの習得は必須です。昨今は開発スピードの高速化により、フレームワークの重要性が増しています。本記事では、今人気なJavaフレームワークをご紹介します。
この記事の目次
1位:Spring Framework
Spring Frameworkは業務アプリケーション開発の包括的なプログラミング環境を提供してくれるものです。公式サイトの表現は理解しづらい部分がありますが、業務アプリケーションの開発ならば全般的に利用できるJavaフレームワークです。
2004年に公開が開始された比較的歴史のあるJavaフレームワークではあるものの、現在でもバージョンアップが続いており、世界的に利用されています。非常に人気の高いJavaフレームワークであり、これからキャリアアップのためにJavaフレームワークを習得するならば避けては通れません。
AOPの採用
Spring FrameworkはJavaフレームワークの中でもAOP(Aspect Orientation Programming)に対応しているものです。直訳すると「アスペクト指向プログラミング」であり、処理を「アスペクト」と呼ばれる単位に分割して、再利用しやすくしたものです。再利用に関してはいくつもの考え方があり、その中の一種と捉えると良いでしょう。
AOPはプログラムをシンプルに集約する力を持っているため、Spring Frameworkは最低限のコードでプログラムを実装できます。開発工数やテスト期間の短縮に役立ち、トラブル発生時の原因特定にも貢献する概念です。
DIが可能
依存性の注入(Dependency Injection)という概念に対応しているため、クラスの変更やテストを実現しやすいJavaフレームワークです。オブジェクトの注入ができる仕組みが存在しているため、必要に応じてクラスの依存関係を解消できます。
クラス間に依存関係があると、どうしてもシステム開発やテストに支障を与えかねません。複数人でシステムを開発しているならば、なおさら支障が出る可能性があります。しかし、DIに対応しているSpring Frameworkならばその問題を最小限に抑えられるのです。
複数のプロジェクトから構成される
Javaフレームワークの中でも複数のプロジェクトから構成される点が特徴です。Spring Frameworkとまとめられますが、実際には「Cloud」「Security」「Session」など用途によって異なったプロジェクトが存在しています。これらのプロジェクトを組み合わせることで、Spring Frameworkの利便性をより高められる仕組みです。
ひとつのフレームワーク内にすべての機能が集約されていると「利用しないが含まれてしまう機能」が生まれかねません。このような状態はセキュリティの観点から望ましくないですが、Spring Frameworkは必要とするプロジェクトだけを採用すれば良いため、この問題を解決できます。
2位:Play Framework
参照:Play Framework – Build Modern & Scalable Web Apps with Java and Scala
Play FrameworkはJavaとScalaを組み合わせて開発されているWebフレームワークです。Javaフレームとして説明されるケースが多いですが、実際にはScalaも利用されている点は考慮しておきましょう。
Webフレームワークであり、Ruby on Railsなど他の主要フレームワークの影響を受けています。そのため、Javaフレームワークを利用してきていない人でも、RoR系のフレームワークを利用した経験がある人ならば、ある程度は内容を理解できるでしょう。
Javaでありながら高速に動作する
Javaフレームワークには動作が遅いものがいくつか存在します。ある程度はやむを得ないことだと考えられていますが、Play Frameworkならばこの問題を大きく改善できます。
問題を解決できる理由はMVCモデルの採用とScalaの活用です。MVCモデルはシステムを効率よく開発するために重要なものであり、Play Frameworkはこれに準拠しています。加えて、Javaでは動作が遅くなってしまう部分をScalaによってカバーしているため、全体的に高速な動作を実現できます。
開発効率が高い
基本的にJavaで開発するプログラムはコンパイル作業が必要です。コンパイルはプログラムをコンピューターが処理できるようにする作業を指します。ソースコードが多くなればなるほどコンパイルには時間がかかり、実装作業に影響を与えるのです。
しかし、Play Frameworkはコンパイルの仕組みを改善したことで、作業時間が短縮されました。Javaフレームワークが抱える問題を根本的に解決しているのです。コンパイルの時間を短縮できる点は非常に優秀といえます。
少リソースで大規模開発に対応できる
Javaの実行環境はCPUやメモリなどのリソースを消費しやすく、それが影響してJavaプログラムも多くのリソースを消費してしまう傾向にあります。Javaフレームワークを利用した開発もそうではない開発も、リソースの消費は常に課題なのです。特に大規模な開発においてはリソースの問題が大きくのしかかります。
その点、Play FrameworkはJavaの根本的な部分から実装を見直し、最小限のリソースで実行できるように考えられています。詳細については割愛しますが、他のフレームワークよりも消費リソースが少なく、大規模開発しやすいと考えておきましょう。
3位:JavaServer Faces
JavaServer FacesはJavaでWebアプリケーションを実装する際に利用するユーザインターフェース用のフレームワークです。Javaで実装されているWebアプリケーションフレームワークは多くありますが、JavaServer Facesはユーザインターフェースを重視したフレームワークだと考えましょう。
ユーザインターフェースに関する部分が標準で用意されているため、これらに関するプログラミングは最低限で完了できます。入出力の多いWebアプリケーションはユーザインターフェースの実装に莫大な時間を要する可能性がありますが、JavaServer Facesを利用すれば問題は簡単に解決できます。
UIコンポーネントが多数含まれる
Javaフレームワークの中でもユーザインターフェースを重要視しているものであるため、「UIコンポーネント」が多数含まれています。言葉が意味するとおり、ユーザインターフェースの実装に重要なコンポーネントが最初から実装されているのです。
例えば、JavaServer Facesを利用するとフォームやボタンなどのユーザインターフェースを簡単に実装できます。どちらもJavaで実装するには手間のかかるものですが、こちらを利用すれば短時間で実装可能です。JavaでありながらHTMLやCSSのフレームワークを利用しているイメージです。
しかも、それぞれのコンポーネントはパラメータを受け付けていて、パラメータで外観の修正ができます。細かな指示も出せるようになっているため、ユーザインターフェースの要件も簡単に叶えやすいのです。
バリデーション機能がある
Webアプリケーションで求められることも多いバリデーション機能が実装されています。バリデーション機能とは、フォームなどに入力された値がルール通りであるか評価する機能です。例えば、郵便番号欄に数値以外が入力されていないか確かめる機能が該当します。
本来、バリデーション機能はエンジニアが自分で実装する必要があり、実装には手間がかかってしまいます。一度、慣れてしまえば短時間で実装できますが、実装する手間がかかるのは間違いありません。
しかし、JavaServer Facesは繰り返し利用されるバリデーション機能を標準で搭載しています。簡単なクラスの呼び出しとパラメータの設定でバリデーションが可能となり、開発効率を大きく向上できるのです、
利用時の実行環境に注意する
JavaServer Facesはユーザインターフェースの実装において非常に便利なJavaフレームワークではありますが、実行環境のリソースに注意が必要です。プログラムの仕様上、リソースが不足した際にWebアプリケーション全体が停止してしまう可能性があります。
特に注意してもらいたいのは、JavaServer FacesはViewの内容をセッションに保存することです。セッションはクライアントとサーバの間で発生している情報を保存する仕組みで、基本的にはサーバ側に保存されます。そのため、アクセス数が多くなるとサーバが保有する情報が多くなりリソースに影響してしまうのです。
小規模なシステムであれば大きな問題になることはないと考えられます。しかし、アクセス数の多い大規模なシステムではリソース面の問題が生じる可能性があり、テストなどのタイミングでリソースが不足しないか慎重に評価しなければなりません。
Javaフレームワークの市場動向
Javaフレームワークは利用されるものが固定されてきたこともあり、ある程度は市場動向が固まってきています。GoogleTrendsで主要なJavaフレームについて検索してみても、ここ1年から2年は検索数に大きな差がありません。どのフレームワークも安定して利用されていると考えられます。
ただ、その中でも世界的には「Spring Framework」と「Play Framework」が利用されています。日本では「Spring Framework」が特に利用されていますが、世界的には他のJavaフレームワークも利用されているのです。国ごとにトレンドに違いがあることは不思議ではありませんが、海外案件などに対応したい人は頭に入れておくとよいでしょう。
なお、「Apache Struts」はJavaフレームワークの中でも代表的なものではありますが、同じくGoogle Trendsで検索してみると検索数が減少しています。これはJavaフレームの中でも少々時代遅れになってきていることが背景にあるでしょう。
年収UP、スキル強化に繋がるJavaフレームワークは?
年収アップやスキル強化の観点からJavaフレームワークを選択するならば、トレンドに沿って「Spring Framework」と「Play Framework」を習得するようにしましょう。人気の高いJavaフレームワークを取得しておけば、活躍の幅が広がり年収アップにも期待できます。
なお、日本と海外ではトレンドのJavaフレームワークが少々異なります。そのため、海外での活躍も視野に入れるならば、海外のトレンドもチェックしておきましょう。国内勤務でも外資系企業では利用するフレームワークが異なる可能性があります。
とはいえ、基本的に世界のトレンドは日本と大きな差がありません。どちらかを習得しておけばJavaフレームワークで困る場面は少ないでしょう。必要に応じて、他のフレームワークも習得すれば良いと考えられます。
まとめ
人気が高く年収アップも期待できるJavaフレームワークについてご説明しました。Javaフレームワークは多くの種類が開発されていますが「Spring Framework」と「Play Framework」を習得すれば間違いありません。どれを習得すればよいか悩むのであれば、これらから習得することを意識しましょう。
ただ、どちらのフレームワークも機能が充実しているため、習得にはそれなりに時間を要すると考えられます。そのため、どちらも同時に習得しようとすることは避け、どちらかを習得してから別のフレームワークにも取り組むべきです。