機械学習モデルとは|仕組みや種類、作り方について詳しく解説!

機械学習モデルとは|仕組みや種類、作り方について詳しく解説!

近年はAIが様々なアプリケーションに導入されるなど、大量のデータを活用することが当たり前になってきました。皆さんの中にも、知らず知らずのうちに恩恵を受けている人が多いはずです。このようなデータを活用した技術の背景には、機械学習モデルと呼ばれるものがあります。コンピュータがデータから学習し、予測や意思決定を実現するための仕組みです。今回は、今や当たり前のように利用されている機械学習モデルの基本知識からその種類、実際に実装する場合の作り方などを解説していきます。

機械学習モデルとは

機械学習モデルとは、コンピュータがデータから自律的に学習し、予測や意思決定を実現するための数学的な仕組みを指します。今までのプログラミングは、人間が明示的に処理内容を示し、その内容に基づいて動作するものでした。しかし、機械学習では大量のデータを解析し、パターンや関係性を見つけ出すことで、自動的にルールやモデルを構築できます。

ただ、非常に魅力的な技術ではありますが、機械学習モデルの性能は、導入するデータや選択するアルゴリズムパラメータの設定など多くの要因に左右されがちです。そのため「構築すればすぐに使える」というものではありません。実用的なものを実装するためには、専門的な知識を持ち、十分な時間をかけることが求められるのです。

加えて、意外にもデータを学習しすぎることによるトラブルが発生することがあります。これを防ぐための手法なども理解しておくことが重要です。

機械学習モデルの仕組みや種類


データからパターンや関係性を学習し、新たなデータに対して、予測や分類するために機械学習モデルがあります。ただ、その仕組みはいくつもの種類が存在するため、それぞれ理解していきましょう。

教師あり学習

教師あり学習は、入力データとそれに対応する正解ラベルを用いて、機械学習モデルを訓練する方法です。最初から問題と正解の組み合わせを与えることで、新しいデータに対して正確な予測や分類を実現できるようになります。

活用例を挙げると、家の面積や部屋数から不動産の価格を予測するモデルや、手書きの画像から数字を認識する画像分類モデルなどが該当します。代表的なアルゴリズムは回帰モデル分類モデルであり、それぞれ以下のとおりです。

回帰モデル

回帰モデルは、連続的な数値データを予測するためのモデルです。主に、入力変数を踏まえて結果的に得られる数値を予測します。
例えば、不動産の価格予測、株価の予測、天気予報などが回帰モデルで解決すべき課題です。回帰モデルでは、特徴量と目的変数との関係性を学習し、新しいデータに対して連続的な数値を出力する仕組みを生み出します。

分類モデル

分類モデルは、データを離散的なクラスやカテゴリに分類するためのモデルです。これにより、入力データがどのクラスに属するかを予測できるようになります。
例えば、スパムメールの判別、画像認識による物体の識別などに応用が可能です。分類モデルでは、入力データの特徴からクラス境界を学習し、新しいデータを適切なクラスに割り当てる仕組みを実装します。

教師なし学習

教師なし学習は、ラベル付けされていないデータを用いて、データ内のパターンや構造を学習する方法です。大量のデータを学習することで、データの背後にある潜在的な特徴などを発見できるようになります。

例えば、顧客の購買データから、似た傾向を持つ顧客グループを見つけ出したり、データの次元を削減して視覚化する分析などを実現できるのです。代表的なアルゴリズムには、クラスタリング主成分分析が挙げられ、それぞれ以下のとおり実装します。

クラスタリング

クラスタリングは、クラスタと呼ばれるデータを共通の特徴を持つグループへ自動的に分類する方法です。ラベル付けされていないデータセットを用いて、データ間の類似性やパターンを見つけ出すことを目指します。
具体的な応用例としては、顧客の購買行動に基づくマーケットセグメンテーション、文書のトピック分類などのグルーピング作業が考えられます。一般的にはデータの探索やパターン認識の実装に利用され、そこから異常検知やデータ圧縮など一歩進んだ技術の根底に応用されているのです。

主成分分析

主成分分析(PCA)は、データの次元を削減するために利用される学習手法です。高次元データを低次元空間に射影し、データのばらつきを最大限に保持する「主成分」を見つけ出します。非常に数学的であり難易度の高い概念ですが、これによってデータの視覚化や計算コストの削減、ノイズの除去が可能です。
主成分分析によって構築された機械学習モデルは、画像処理や金融工学など、多くの分野でデータの特徴抽出や圧縮に利用されています。各アルゴリズムの中でも、特に普及していると理解してよいでしょう。

強化学習

強化学習は「エージェント」と「環境」が相互に作用し合い、試行錯誤をしながら最適な行動を学習する方法です。最終的なゴールとして「累積報酬を最大化するポリシーを見つける」ということが挙げられます。難しい表現ですが、チェスや将棋などのゲームにおいて、勝利するために必要となる「最善手」を見つける作業などがこれに該当するのです。

実際にはゲームだけではなく、自動運転などのアルゴリズムにも利用されています。連続的な意思決定には強化学習が必要で「Aという事象を踏まえて次の手順は①、②、③のうちどれが最適か」という問題ならば、全般的に解決が可能です。

半教師あり学習

半教師あり学習は、少量のラベル付きデータと、大量のラベルなしデータを組み合わせてモデルを学習させる方法です。一般的にラベル付けの作業にはコストが発生するため、ラベルなしデータを有効活用し、モデルの性能を向上することを目指します。

例えば、画像分析において、すべての画像にラベルを付与することはコストの面から難しいことがあるでしょう。このとき、いくつかの学習データにのみラベル付けしておき、それ以外のデータはラベル付けなしで訓練させます。これにより、すべての画像にラベルを付与するコストを削減し、なおかつ機械学習モデルの構築も実現できるのです。自己学習などのアルゴリズムが用いられ、音声認識や画像認識など、ラベル付けが難しい分野を含めて活用されています。

機械学習モデルの作り方


続いては、実際に機械学習モデルを構築したい場合の作り方をステップで解説します。

Step1:解決したい課題の決定

最初に、機械学習モデルを構築して解決したい課題を明確に定義しましょう。例えば「顧客の購買行動を予測する」「画像から物体を認識する」などとゴールを明確にしておきます。目指すゴールによって、後ほど収集するデータの内容や、選択するアルゴリズムに変化が生じるため、十分に検討することが大切です。

また、機械学習モデルを構築することによって、ビジネス上の課題を解決できるならば、期待される成果も明確にしておきましょう。KPIと呼ばれるものであり、これを決定しておくことで機械学習モデルの性能を評価したり、制約条件を検討したりしやすくなります。構築の成功を大きく左右する部分であるため、時間がかかっても丁寧に考えるべきです。

Step2:学習に必要なデータの収集

解決したい課題が明確になれば、続いては機械学習モデルの学習に必要なデータを収集します。データの内容はモデルの性能に大きな影響を与えるため、質の高いデータを収集することが重要です。学習データは、社内で保有しているデータベースから取得することもあれば、Webデータを集めて利用することもあります。また、公的機関が発表している資料やデータ提供会社から購入して導入することもあるため、臨機応変に検討しなければなりません。

なお、学習データを収集する際は、プライバシーや倫理的な観点も考慮することが重要です。例えば、著作物を学習データに利用することは、倫理的な観点や法律面から望ましくありません。これは一例ですが、機械学習モデルの学習に望ましくないデータセットが存在するため、それらを避けることは意識しましょう。

Step3:収集したデータの加工

収集したデータは、そのままの状態では機械学習モデルの学習に適さないことが大半です。そのため、前処理として、データの加工を進めるようにしましょう。例えば、欠損値の処理、外れ値の検出や除去、データの標準化などが考えられます。適切にデータを加工しておかないと、データのぶれが「ノイズ」となってしまい、機械学習モデルの品質が下がってしまいます。

加えて、学習に利用するデータがテキストデータや画像データの場合は、特徴量の抽出や変換が必要となるかもしれません。これらの作業は専門的であるため、データサイエンティストなどに依頼して、データ品質の向上を目指すべきです。

Step4:学習アルゴリズムの選択と決定

データの特性と解決したい課題を踏まえて、適切な機械学習アルゴリズムを選択します。例えば、回帰問題であれば、線形回帰やランダムフォレスト回帰を選択します。また、分類問題であれば、ロジスティック回帰やサポートベクターマシーンなどのアルゴリズムが良いでしょう。深層学習が必要ならば、ニューラルネットワークを設計するなども考えられます。

どのようなアルゴリズムを選択するかは、機械学習モデルの性能や動作させた際の計算量に大きな影響を与えます。そのため、複数のモデルを比較して、総合的に最適なものを選択することが大切です。

Step5:モデルの構築と検証

選択したアルゴリズムを用いて、実際に機械学習モデルを構築していきます。準備したデータを訓練データとテストデータに分割し、まずはモデルを訓練していきましょう。その後、テストデータを用いてモデルの性能を評価し、想定していた能力を有しているか判断を下します。

モデルを検証する際は、様々な指標を利用すべきで、精度・再現率・平均二乗誤差などが具体例として考えられます。どのような課題を解決したいかによって、評価すべき指標にも違いがあるため、検証の仕方も十分に検討してください。

Step6:モデルの再学習によるアップデート

機械学習モデルは構築して終わりではなく、継続的な再学習によるアップデートを実施すべきです。最初から完璧なモデルを構築することは難しいため、問題点を明らかにして、少しずつ修正していきます。例えば、新しいデータを入手した際はそれを機械学習させ、最新の情報にも対応できるようにするのです。

他にも、継続的にパフォーマンスを評価して、動作が遅くなっているならばアルゴリズムを見直すなどの対応も考えられます。一般的に、機械学習モデルの構築には多くのコストがかかります。そのため、継続的なバージョンアップによって品質を高め、中長期的に利用を続けることが望ましいでしょう。

まとめ

機械学習モデルの概要や仕組みや種類、具体的な作り方まで解説しました。コンピュータがデータから自律的に学習する仕組みであり、今や当たり前のように利用されています。人工知能の根底を支えるような機能もあるため、基本的な仕組みについては理解しておくと良いでしょう。

一般的には機械学習モデルとまとめられていますが、その詳細はさまざまです。また、実際に採用されるアルゴリズムにも違いがあるため、そこまで理解していると実装などに繋げられます。とはいえ、まずは概要や一般的に利用されるアルゴリズムの種類などを理解することからスタートしましょう。

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admin