機械学習ライブラリ|おすすめTOP10を紹介!

機械学習ライブラリ|おすすめTOP10を紹介!

システムに機械学習を組み込む際は、何かしらのライブラリを利用するのが一般的です。機械学習のアルゴリズムを自力でコーディングするのは現実的ではないため、有識者によって開発されたライブラリを読み込み、それをベースとした実装を進めます。

機械学習が盛んに利用されるようになったことで、提供されるライブラリの種類は格段に多くなりました。今回は数ある機械学習のライブラリの中でも、皆さんに利用してもらいたいものを10種類ピックアップしてご紹介します。

機械学習に利用したいおすすめライブラリTOP10

機械学習に利用してもらいたいライブラリは多数あります。それらの中でも特におすすめしたいものをランキング形式で10種類ご紹介します。

Top1:TensorFlow


Googleが開発するニュートラルネットワークの機械学習ライブラリです。ニュートラルネットワークに対応しているため、ディープラーニングを実装したい場合に利用すべきです。Googleが開発しているということもあり、ディープラーニングに対応しているライブラリの中では特に人気が高いものです。

ニュートラルネットワークに関する多くの機能を実装可能で、機械学習させるだけではなくデータフローやグラフなどのアウトプットにも対応しています。ライブラリの中には情報の可視化に力を入れていないものがありますが、tensorflowではそのようなことはありません。

ライブラリは概ねC++で記述されていて、部分的にPythonが採用されています。プログラミング言語や文法という観点では柔軟に利用できるもので、開発に取り入れやすいライブラリと言えるでしょう。どちらのプログラミング言語もディープラーニングの実働に利用されやすいものであるため、実装にあたってプログラミング言語の壁にぶつかる可能性は低いはずです。

参照:TensorFlow

Top2:Chainer


機械学習に対応するライブラリの中でも、国産でディープラーニングに対応しているものです。Chainerは日本で開発されているライブラリであることから、ライブラリの中でも日本語の情報が豊富というメリットがあります。

こちらのライブラリは一般的なディープラーニングとは異なり、動的に計算グラフを生成しています。そのため、機械学習をさせる過程でネットワークが変形しやすい状況であったとしても、簡単な記述で機械学習の実装が可能です。学習コストが低いながら多くの機能を実装できるライブラリであるため、使いこなせると手間を最小限に抑えられます。

ただ、Chainerの記述方法は近年別のライブラリでも採用されています。ニュートラルネットワークの実装が容易になるため、記述を真似るライブラリが登場しているのです。そのため、記述方法にだけ魅力を感じているならば、他のライブラリと別の観点からも比較してみるようにしましょう。

参照:ディープラーニング入門:Chainer チュートリアル

Top3:scikit-learn


scikit-learnは機械学習を全般的にカバーできるライブラリです。機械学習のライブラリは特定のアルゴリズムに特化したものが多く公開されていますが、scikit-learnならばひとつで解決できます。用途に応じてライブラリを切り替えるとなると学習コストが高まるため、ひとつで多くに対応できるメリットは大きなものです。

具体的にscikit-learnで対応できるのは「データ解析」「統計」「パターン認識」など幅広く例が挙げられます。幅広く利用できるライブラリとはいえども偏りがあるのではないか、とは思われがちですがそのような心配はありません。他のライブラリと比較しても実装されている機能には遜色ありません。

ただ、幅広い機能が含まれるライブラリであるため、専門的なライブラリと比較すると機能数は少なくなってしまいます。実装されている機能は高機能なものに違いないですが、実装数が少ないという問題があるのです。この点はscikit-learnを利用するにあたって理解したいポイントです。

参照:scikit-learn

Top4:Pyevolve


基本的なPythonの文法を踏襲して、遺伝的アルゴリズムやニュートラルネットワークの実装ができるライブラリです。Pythonについて基本的な知識があれば簡単に導入できるため、学習コストの低い機械学習ライブラリとして人気があります。

文法が簡略化されているだけではなく、APIの呼び出しなども簡単にできるように考えられています。一般的にライブラリはAPIの内容なども習得してから利用する必要がありますが、Pyevolveではそのような学習コストもあまり心配する必要がありません。標準的なPythonのスキルだけで大半はカバーできます。

また、注目したい部分としてPyevolveはこれからさらなる拡張を目指しています。利用者が自分で選択して機能拡張ができるような設計方針とする予定なのです。この方針でライブラリの開発が続けば、利用者が機械学習のライブラリを自由にカスタマイズできるようになります。

ただ、Pyevolveは日本での利用が少なく、得られる情報が限られています。機能拡張ができるようになっても、自分で情報収集するスキルが求められそうです。

参照:Pyevolve

Top5:NumPy


機械学習に必要な数値計算を高速化するライブラリです。そもそもは機械学習向けに開発されたライブラリではないものの、機械学習では数値計算が必要となるため、政治経済に特化したこちらのライブラリが活用されます。

NumPyは主にデータ解析や線形代数を計算するために利用します。どちらも機械学習に必要となる数値計算であるため、これらを簡単に計算できるNumPyに重要な用途があると理解してもらえるでしょう。

また、NumPyは他のライブラリと組み合わせて利用されるケースが多々あります。機械学習のライブラリには数値計算にNumPyを利用しているものがあり、単独で利用する場合でも組み合わせて利用する場合でも重要な意味を持つものです。画像処理を利用した機械学習なども、数値計算にはNumPyが利用されるケースが多々あります。

なお、NumPyは数字計算を高速化するためにC言語で実装されています。機械学習において利便性が悪いことはありませんが、Pythonなどの上級言語とは異なる点は把握しておきましょう。

参照:NumPy

Top6:pandas


大量のデータを処理するのに適したライブラリです。Pythonで利用できるようになっていて、データ処理や分析を得意としています。学習のためにはデータを処理したり加工したりする必要があるため、まずpandasでデータを加工して他のライブラリに取り組むなどの使い方ができます。

pandasで必ず理解してもらいたいのは、データフレームと呼ばれるデータ処理手法が採用されている点です。行列形式のデータを扱えるようになっていて、行列の結合や情報の抜き出しなどが容易な仕様となっています。行列が使えれば数値計算の効率化が図れるため、pandasは行列形式で扱えるデータならば高速処理できるようになっています。

また、データはCSVファイルやテキストはもちろん、Excelファイルなどにも対応可能です。最近は機械学習のもとになるデータをエクセルで取り扱う機会も多いため、小さいファイルに加工せずそのまま利用できると利便性が高まるでしょう。

参照:pandas – Python Data Analysis Library

Top7:Deap


遺伝的アルゴリズムに対応したライブラリの中でも特に開発が盛んなものです。エンジニアが多い背景には拡張性を重視するというライブラリの進め方があり、利用者がカスタマイズして利用しやすくなっています。データを処理するための構造やアルゴリズムをカスタマイズできるため、ライブラリでありながら自前で機械学習のアルゴリズムを開発したかのように利用できます。

基本的には遺伝的アルゴリズムを処理するためのライブラリですが、遺伝的プログラミングやアルゴリズムとプログラミングの並列化などにも対応しています。並列処理ができるため標準でも強力なライブラリであるにもかかわらず、拡張性が高いことからさらに強力なものになっています。

なお、公式サイトの事例を確認してみるとDeapには数多くの使い道が示されています。遺伝的アルゴリズム以外の活用については、こちらに記載の情報を参考にすると良いでしょう。

参考:Examples – DEAP 1.3.1 documentation

Top8:Edward


Edwardは確率的プログラミングに対応したライブラリです。あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、機械学習のジャンルとして確立されています。確率的モデルを確定させ、それを利用して推論を行う機械学習を指します。

確率に関するアルゴリズムが求められるため、Edwardには確率モデリングやベイズ推定などの関数が含まれています。機械学習に利用するライブラリでこれらが含まれているものは限られていて、必要となる場面ではEdwardを選択するしかないでしょう。高機能な確率的プログラミングのライブラリは少ない状況です。

また、一般的に確率的プログラミングは再帰処理などの都合で処理が遅くなってしまいやすいという問題点があります。しかし、Edwardは他の高速ライブラリのアルゴリズムを踏まえて開発されているため、非常に処理が高速です。機能面だけではなく速度面でも他の確率的プログラミングに対応したライブラリより優位なのです。

参照:Edward

Top9:Matplotlib


Matplotlibはデータ解析の中でも有名なMATLABを参考に開発されたデータ解析のライブラリです。Pythonで大量のデータを解析し、それを可視化するために利用されます。機械学習ではデータの可視化も重要な役割を担うため、解析するだけではなく柔軟な可視化に対応している点で優れています。

また、標準でも多くのデータを処理できるライブラリではありますが、他のライブラリと組み合わせることで高速化が図れます。例えば、上記でご紹介したNumPyとMatplotlibを組み合わせてテータ解析をすれば、可視化するまでの時間を短縮可能です。機械学習ではビックデータを取り扱うケースが増えているため、容量の大きいデータや件数の多いデータを高速処理できるのは魅力です。

なお、データを可視化すれば機械学習のモデル構築などにも役立てられます。機械学習に直接Matplotlibを利用するのではなく、機械学習の前段階としてMatplotlibを利用することもできるのです。モデル構築ができれば必要となるライブラリが見えてくるため、機械学習においてはそのような使い方も検討してみましょう。

参照:Matplotlib – Visualization with Python

Top10:Theano


機械学習で利用される多次元配列を高速処理できるライブラリです。多次元配列の処理はアルゴリズムが複雑になりやすく処理速度が低下しやすいですが、Theanoならば可能な限り最適化して処理してくれます。

多次元配列を含む数式の処理は、機械学習において課題になりやすい部分です。他のライブラリでは多次元配列の処理について不満を持つ利用者がいるぐらいで、多くのライブラリでその解決策が探られています。しかし、アルゴリズムの根本的な見直しが必要になることから、多次元配列の高速処理に対応できないライブラリが多い状況です。

そのような環境において、Theanoは多次元配列を高速処理できるため大きな優位性を持っています。機械学習において高速処理を求めるのであれば、Theanoを検討してみると良いでしょう。

ただ、注意点としてこちらは新規開発が終了しているライブラリです。どうしても他のライブラリが適さない場合に利用を考え、他のライブラリで代替できる場合はそちらの利用を優先しましょう。

まとめ

機械学習で利用するライブラリについてご説明しました。機械学習の実装はライブラリありきの部分があるため、比較して適切なものを選択できるようになりましょう。

ご説明したとおり機械学習にも様々な種類があり、ライブラリにはいくつもの種類があります。適切な選択をしなければ機械学習の実装や結果に大きな影響が出るため、ご紹介したものだけでも最低限理解するようにしておいてください。そうすれば基本的に機械学習の実装にあたって、ライブラリの選択で失敗する可能性が下がるはずです。

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admin