Microsoft Azure認定資格の一覧|難易度や勉強方法から資格の予約・申込方法を解説

Microsoft Azure認定資格の一覧|難易度や勉強方法から資格の予約・申込方法を解説

Microsoftはパブリッククラウドサービスを提供していて、Microsoft Azureと呼ばれています。略してAzureと呼ばれることもあり、エンジニアならば耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。また、実際に利用している人も多いと思われます。

このMicrosoft Azureは、Microsoft公式の認定資格が用意されていて、これらを取得することで自分のスキルを証明可能です。今回は、Microsoftが提供するMicrosoft Azure認定資格の概要から一覧、難易度について順番に解説します。

Azure認定資格の概要

最初にMicrosoft Azure認定資格とはどのような資格であるのか、概要について解説します。

Azure認定資格とは?

Microsoft Azure認定資格は、MicrosoftのクラウドサービスであるAzureの技術的な知識とスキルを証明する資格です。これらの資格は、Azureの基礎から高度なソリューションアーキテクチャまで、さまざまなレベルと専門分野をカバーしています。

Microsoftが提供する公式の認定資格を取得することで、クラウドサービスに値する理解を証明しやすいことが特徴です。他のパブリッククラウドについても、提供ベンダーが認定資格制度を設けているため、専門の資格を取得しておくに越したことはありません。

Microsoft Azureの認定資格体系

2018年よりMicrosoft認定資格は新しい体系が採用されています。「Fundamentals」「Role-Based(Associate・Expert)」「Specialty」の3系統に分類されるようになっていて、「Azure」「Microsoft 365」「Dynamics 365」「Power Platform」など製品ごとに細分化されています。

Microsoft Azureもこの中に分類されるようになっているため、認定資格には大きく分けて3段階あります。これらに細かな種類があるため、必要に応じて、それぞれを取得しなければなりません。なお、実技を重視した試験も採用されるようになり、知識だけではなく操作できる力も必要とされています。

Azure認定資格の取得のメリット

認定資格を取得しておくことで、Microsoft Azureに関する十分なスキルがあると証明できます。エンジニアは、実務経験によってスキルを証明しがちですが、このような認定資格の取得でもスキルを証明できるのです。

スキルの証明ができることはメリットであり、これはさらなるメリットを生み出します。例えば、クライアントに対してスキルを証明しやすくなり、単価交渉に活用が可能です。

Azure認定資格の詳細


Microsoft Azureには多くの資格があるため、それぞれの詳細を正しく理解しておくことが大切です。具体的に、どのような認定資格があるのか紹介します。

Azure Fundamentals

Azureを利用するすべての人に向けた認定資格です。Azureに限らず、クラウド全般に関するスキルを証明できることが特徴です。これから、クラウドサービスを扱う人ならば、エンジニアに限らず取得しておくと良いでしょう。

ただ、Azureの資格ということもあり、テクニカルな部分はAzureに特化しています。パブリッククラウドは、提供しているベンダーによってサービス内容が大きく異なるため、ここはAzureだけの内容なのです。

全体的に基本的な内容が問われているため、自力でも習得が可能な難易度です。クラウドを活用したことがない人でも、少し学習すれば合格できるでしょう。

Azure AI Fundamentals

AzureでAIを活用するための基本知識について証明できます。また、AIを利用するにあたっては、AIの仕組みなど基本知識が必要です。これらについても、こちらの資格で証明できるようになっています。

ただ、AIに関する基本知識が含まれているものの、Azureでのワークロード機能などが出題の中心です。Azureで、どのようにAIを構築して活用すれば良いのかが重視されています。そのため、内容こそ基本的なものですが、実際にAzureでAIを利用しないと理解は難しいでしょう。

Azure Data Fundamentals

Azureで各種データを扱うための考え方を理解していると証明できる資格です。ここでのデータとは、データベースはもちろん、各種ファイル形式のものも含まれます。Azureに配置できるデータすべてと理解しても良いでしょう。

また、データの配置や管理だけではなく、分析についても問われます。Azureには、データ分析に関するサービスがあるため、これらを使いこなせなければなりません。Azureの操作はもちろん、統計学などデータ分析の理解も必要となるため、やや難易度は高まっています。

Azure Administrator Associate

これからAzureでシステムを構築するにあたって、管理者が理解すべきスキルを証明できる資格です。例えば、アカウント管理やセキュリティ、リソースのデプロイや監視などです。管理者なしでAzureを運用することは難しいため、こちらの資格は非常に重要です。

管理者はAzureを幅広く理解する必要があるため、出題範囲が広くなっています。結果、学習量の側面から難易度の高い資格です。新しいサービスがリリースされると、学習する内容も増えるなど、負担が高まってしまいます。

Azure Developer Associate

Azureにおける開発作業のスキルを証明できる資格です。各種アプリケーション開発の基礎や、ストレージの開発、セキュリティに関する能力などを証明できます。また、アプリケーションの監視やトラブル発生時のフローについても含まれる資格です。

開発に関連する部分に特化しているため、管理者よりは学習内容が限られています。ただ、監視やトラブルシューティングなど、実務的な内容が問われるため注意が必要です。実務経験があれば対応できますが、座学だけでは難しい部分があるでしょう。

Azure Network Engineer Associate

システムの基盤となる、ネットワークやインフラストラクチャの設計から実装までのスキルを証明できる資格です。また、Azure内外と接続するサービスの活用についても問われます。他にも、外部からのアクセス設計やセキュリティの向上なども含まれると考えましょう。

こちらは対象となるサービスが限られているため、学習さえしておけば合格を目指せる難易度です。設計や実装について、ややAzureに特化した内容が出題されますが、対策することで回答できます。

Windows Server Hybrid Administrator Associate

オンプレミスとAzureを組み合わせた構成を実現するスキルに関連する資格です。近年は「ハイブリッドクラウド」の利用が増えているため、専用の資格が用意されています。

こちらは、実践的な内容が多いため、Azureのサービスを理解するだけでは合格が難しいでしょう。サービスの理解はもちろん、実際に設計や実装、運用までを経験しなければ回答しづらい問題が含まれます。

Azure Security Engineer Associate

Azureのセキュリティに関するスキルを証明できる資格です。管理者も同様にセキュリティのスキルが必要とされますが、こちらはよりセキュリティに特化していると考えましょう。

特に、Azureにはセキュリティを向上させるためのサービスがいくつも用意されています。これらに関する深いスキルがあるかどうかが、管理者とセキュリティエンジニアの違いです。概要ではなく、サービスの使い方や設定方法まで理解していないと、合格はできません。

Azure AI Engineer Associate

各種AzureのAIソリューションを理解していると証明できる資格です。画像などのコンテンツ処理、自然言語処理、マイニングなどのサービスを扱うスキルを証明できます。

基本的には利用方法やパラメータについて問われますが、AIソリューションは変化が激しいことに注意が必要です。学習に時間をかけていると、最新のサービス内容と異なる可能性があります。短時間で完璧に網羅する必要があるため、実務に利用せずに学習することは難しいかもしれません。

Azure Data Scientist Associate

データ分析など「データサイエンティスト」と呼ばれるスキルを有していると証明できます。特に、機械学習を活用するための「教師データ」を作成するスキルを示せることが特徴です。

このようなデータ作成には、モデルのトレーニングやデプロイが必要とされます。ただ、Azureでの操作方法を理解することはもちろん、数学的な理論を理解していなければモデルの実装はできません。エンジニアではなく数学的なスキルが必要となるため、そこで難易度が高まっています。

Azure Data Engineer Associate

Azureで効率よくデータを管理できることを証明する資格です。上記のように分析などは含まれず、ストレージの設計や圧縮などデータの処理について問われます。

出題の対象となるサービスは少ないため、学習内容の面ではAssociateの中でも簡単なものです。ただ、実際にどのような設計や開発が必要かは状況により異なります。この「臨機応変に対応すべき部分」が試験では問われるため、そこで難易度が大きく高まっています。

Azure Solutions Architect Expert

Azureの管理者として、全体的に高いスキルがあることを証明できます。必要とされる内容はAssociateに似ていますが、より大規模なシステムについて問われると理解しておきましょう。

規模が大きくなると、管理するサービスが増えたり複雑になったりします。そのような状況でも、管理者として適切な判断が下せるかが重要な試験です。管理者・経営者の観点から最善の選択を迫られるため、その意味で難易度は非常に高いといえます。

Azure認定資格の勉強方法


Microsoft Azure認定資格を取得するためには、 効率的な学習が重要です。 どのような勉強方法が理想的であるのか、具体例を解説します。

Microsoftの「Microsoft Learn」

Microsoftは、自社でAzure認定資格のためのオンライン講座を提供しています。比較的、難易度の低い試験についてはこちらで解説されているため、最初に目を通しておきましょう。初めてMicrosoft Azureを取得するならば、この講座だけで十分に対応できます。

ただ、学習できる内容は限られていて、難易度の高い試験についての講座は用意されていません。無料で利用できることもあり、入門的な位置づけです。

教育ベンダーによる講座

十分な学習を実現したいならば、エンジニア向けの教育を実施するベンダーを活用することが重要です。各種資格についてオンライン講座が提供されていて、Microsoft Azureも例外ではありません。また、Microsoft Azureのように実践的なスキルが必要なものは、そのような練習講座も用意されています。

レベルの高い講義を受けられますが、ベンダーが提供しているため料金が高いことが特徴です。1つの資格について、何万円から何十万円と必要になることもあります。資格の取得にそれ以上の価値があるならば良いですが、費用対効果を意識することも大切です。

Microsoft Azureの予約・申込方法

認定資格の対象となる試験を受験する際は、一定の手順で申込みして予約を取らなければなりません。

まず、試験を予約する際は、Microsoftの公式サイトから該当する資格を選択します。キーワードなどで選択できるようになっているため、認定されるために必要な資格を探し出しましょう。試験番号が把握できている場合は、その番号で検索するとスムーズに見つけられます。

続いて、試験を選択してから、試験の受験日時を指定しなければなりません。試験の予約に該当するため、日時を決定するだけではなく、氏名や住所などの個人情報も提供する必要があります。これらの情報は、本人確認や書類の発行に利用されるため、 誤りがないように必ず確認しましょう。

事前にMicrosoftのイベントや提携機関の講習に参加していると、試験の割引券が提供されることがあります。そのような「バウチャー」を保有しているならば、このタイミングで入力しなければなりません。

公式サイト:認定資格および試験を見る | Microsoft Learn

まとめ

Microsoftが提供するMicrosoft Azureの認定資格について一覧で紹介しました。大手のパブリッククラウドは、それぞれが認定資格を設けているため、スキルを証明する意味でも取得しておいて良いでしょう。クラウドエンジニアやMicrosoft Azureのエンジニアならば取得しておくべきです。

ただ、認定資格とはいえども複数の種類があり、証明できるスキルのレベルも異なっています。どのレベルの資格を取得するかによって、エンジニアとしての評価が大きく変化するため注意しなければなりません。基本的なレベルの認定資格を取得しても、思うように評価されない可能性があります。エンジニアとして活躍したいならば「Associateレベル」以上の取得を目指しましょう。

また、Microsoft Azureの認定資格は分野ごとに分かれています。それぞれ自分の得意分野があると考えられるため、自分が理解している分野の資格を受験することが重要です。全ての資格を取得して幅広くスキルを証明する人もいますが、まずは武器にしたいスキルに関する資格から取得を目指してください。

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admin