【2023最新】モバイルアプリ開発のトレンドと市場展望を詳しく解説!
スマートフォンなど小型デバイスの急速な普及に伴い、モバイルアプリ開発の需要が非常に高まっています。AndroidやiOS向けのアプリを中心に、複数のOS向けにモバイルアプリが開発されるようになってきました。開発市場において、モバイルアプリ開発は非常に大きなシェアを占めるようになっています。
注目を集めている分野ということもあり、モバイルアプリ開発にはトレンドが見受けられます。これからモバイルアプリ開発へと参入するならば、こちらのトレンドを理解しておくに越したことはありません。基本的なトレンドに加え、これからの市場展望についても合わせて解説します。
モバイルアプリ開発とは
モバイルアプリ開発とは、AndroidやiOSなどがインストールされた、スマートフォン・タブレットで動作するアプリケーションの開発を指します。広義には、モバイルデバイスで動作するアプリケーション全般を指し、狭義にはスマートフォンやタブレットのアプリを指すと理解しましょう。
一般的に、これらのモバイルアプリは、各社が展開する「ストア」からダウンロードしてインストールする仕組みです。ただ、Androidのようにストアからではなく、デバイスへ直にインストールできるものも存在します。自社だけのモバイルアプリなどを開発して、直接インストールすることもあるのです。
なお、モバイルアプリは動作するデバイスの種類が多く、開発時に多くのことを考慮しなければなりません。例えば、スマートフォンは画面サイズに大きな違いがあり、縦横比が異なったものも存在します。そのような違いがあっても、同じように動作することが求められるのです。
モバイルアプリ開発の市場規模と市場展望
モバイルアプリ開発の市場規模は広がりを見せています。現時点での規模と、これからの展望について把握しておき、エンジニアとして活躍するチャンスを確実に掴めるようにしましょう。
世界の市場規模は100億米ドル
調査会社の情報を参考にすると、世界のモバイルアプリ開発市場規模は2021年に100億米ドルに達しています。また、2030年には410億米ドルに達すると予想されていて、現在は成長の真っ只中です。日本でも多数のモバイルアプリが開発されていて、世界的にも多くのアプリケーションが開発、リリースされています。
報告されている市場の展望を踏まえると、2023年から2030年へ掛けての市場成長率は20%程度です。10%の成長率でも非常に良い業界だと判断されるため、モバイルアプリ市場はさらに良い市場展望だと判断できます。あくまでも予想ではありますが、これからの成長や発展が期待できる状況になっているのです。
参考:モバイルアプリ開発の市場規模、シェア、インサイト、2022年から2030年までの予測
日本の市場はダウンロード数が減少傾向
米data.aiが発表している「モバイル市場年鑑」を参考にすると、日本ではモバイルアプリのダウンロード数が減少しています。ただ、消費者支出は高まっていて、既存のモバイルアプリを継続的に利用する人が多い状況です。世界的には、新しいモバイルアプリの提供とダウンロードがどちらも増えていますが、日本はそうではありません。
これは2022年のデータであるため、2023年は少し市場展望に変化が起きる可能性があります。例えば、新しいトレンドに沿ったモバイルアプリが提供されることで、多くのダウンロードや支出が発生するかもしれません。常に、どのような市場環境、市場展望であるのかをキャッチして、どこに投資すべきか判断することが求められています。
モバイルアプリ開発の需要トレンド
モバイルアプリ開発にはトレンドがあり、開発されるアプリケーションは時代によって変化します。2023年現在も特定の分野に力が入っているため、どのようなアプリのトレンドがあるのか紹介します。
人工知能
モバイルアプリ開発に限らず、人工知能は注目されている技術です。すでに幅広い分野で活用されていて、モバイルアプリにも積極的に導入されるようになってきました。日本のみならず世界中でトレンドの技術だと考えて良いでしょう。
人工知能の使われ方は多岐にわたり、例えば画像認識などがあげられます。スマートフォンのカメラを利用して文字列を読み込むと、そこに記載されている内容が表示されるものなどです。これらは人工知能と関連する技術を組み合わせて実現されています。
幅広い用途に利用できることから、単体で人工知能を利用するのではなく、何かしらのモバイルアプリに組み合わせるケースが大半です。単体のトレンドではなく、組み合わされる機会の多いものだと認識してください。
IoT
ここ数年で「IoT」が浸透し、積極的に活用されるようになってきました。テレビCMでも紹介されている通り、個人の住居に利用されることはもちろん、工場など工業でもIoT機器は導入されています。トレンドになっている技術と表現して良いでしょう。
IoT自体がトレンドであることから、これに関連するモバイルアプリも積極的に開発されています。例えば、IoT機器をスマートフォンで管理して、電源をオン・オフしたりセンサーの状況を確認したりするものです。また、工場ではIoT機器の情報を収集し、生産状況を確認するモバイルアプリなどが利用されています。
そもそも、IoTは物理的なものをネットワークに接続する概念で、データの処理や活用などまでは想定されていません。これを実現するために、モバイルアプリなどが必須となっているのです。
各種決済
近年、爆発的に増えているモバイルアプリケーションが各種決済に関するものです。皆さんも「◯◯Pay」などのアプリケーションを利用しているでしょう。今やモバイルアプリの代表格となっているもので、トレンドを生み出しているアプリでもあります。
一般的には、大手企業が提供するアプリだと思われがちです。確かに、広告などを出している企業の決済アプリが注目される機会が多いでしょう。それ以外の決済アプリは、あまり名称が浸透していないと言わざるを得ません。
ただ、銀行が提供している決済アプリなど、モバイルアプリとしては多様なものが存在します。また、店頭での支払いに利用するのではなく、送金などに利用することを前提としたモバイルアプリも開発されているのです。各種決済に関わるモバイルアプリは、市場のトレンドとなっていて、これからも多くが開発、淘汰される時代になるでしょう。
拡張現実・仮想現実
拡張現実(AR)と仮想現実(VR)は、これからモバイルアプリ開発で多用される技術だと考えられます。これらは、モバイルデバイスとの相性が良いため、スマートフォンやタブレットなどと組み合わせて利用される可能性が高いからです。
しかも、どちらの技術についても幅広い分野で活用されるようになってきました。例えば、仮想現実はゲームなどエンターテイメント面で活用されていましたが、教育などでも利用されるようになっています。これからもモバイルデバイスが開発され、幅広い用途で利用されるようになるでしょう。
ただ、これらの効果を十分に発揮するためには、ハードウェアに十分なスペックが必要です。そのため、必然的にデバイス(ハードウェア)が高価になってしまい、利用できる人が限られてしまいます。2023年のトレンドではありますが、デバイスが進化しないと衰退してしまうかもしれません。
モバイルアプリ開発で採用されるテクノロジートレンド
モバイルアプリ開発には多くのテクノロジーが存在し、エンジニアはこれらを適切に使い分けることが重要です。2023年では、どのようなテクノロジーが時代を牽引しているのか理解を深めておきましょう。
クロスプラットフォーム開発
多くの場合、モバイルアプリはAndroidとiOSの両方で動作することが求められます。これに対応するため、同じソースコードでどちらにも対応できる「クロスプラットフォーム開発」がトレンドです。同じモバイルアプリを2回も開発する必要がなくなるため、エンジニアの負担を大きく軽減できます。
クロスプラットフォーム開発においては「Flutter」や「React Native」などの言語・フレームワークが利用されます。すべてを自力で実装することは難しいため、これらをベースとした開発がトレンドになっていると考えましょう。むしろ、どちらかを利用したモバイルアプリ開発が大半であると理解しても良いぐらいです。
なお、クロスプラットフォーム開発を採用する場合、エンジニアは最初に基本的な使い方について学習しなければなりません。学習コストが生じる点を考慮して進めるようにしましょう。
インスタントアプリ
モバイルアプリの中でも、インスタントアプリと呼ばれるものがトレンドになっています。こちらは、スマートフォンなどにアプリをダウンロードしなくとも、即座に実行できる新しいタイプのアプリです。ストアからアプリをダウンロードすることなく、その場で利用できるようになります。
従来のアプリのように、ストアからダウンロードする工程がないため、ユーザへスムーズなサービス提供が可能です。また、簡易的なサービスをインスタントアプリで提供し、そこから通常のアプリのダウンロードへとつなげることもできます。
インスタントアプリを活用することで、ユーザは最小限の負担でアプリやサービスを試すことが可能です。大量のアプリが提供されている時代であるため、より簡単に利用できるインスタントアプリは、モバイルアプリ開発のトレンドになっていくでしょう。
セキュリティ対策
近年はサイバー攻撃が問題視されるようになっています。どのようなアプリケーションでもセキュリティは重要であり、モバイルアプリについても例外ではありません。もはや、トレンドという分類ではないかもしれませんが、最新のセキュリティ対策が常に求められています。2021年の調査では、すでに多くの攻撃が確認されているため、2023年ではさらに多くの攻撃があると考えて良いでしょう。
解説したとおり、2023年は決済など、セキュリティ対策が今まで以上に求められるモバイルアプリがトレンドになっています。これらを安全に利用するために、データ暗号化やプライバシーポリシー保護といった、セキュリティ対策にさらなるトレンドがくるでしょう。
なお、セキュリティ対策の一環として二要素認証や生体認証が活用されるようになっています。これらは、セキュリティ対策専用のモバイルアプリが必要とされることがあり、これらの開発にもトレンドがくるはずです。
参考:Check Point’s Mobile Security Report 2021
まとめ
モバイルアプリ開発のトレンドと市場展望について解説しました。開発市場ではモバイルアプリが占める割合が高まっていて、非常に多くのアプリが開発されています。高額な予算が掛けられているアプリがいくつもあり、モバイル向けのアプリであるからと侮れない状況です。
また、モバイルデバイスで利用することから、開発されるアプリの傾向もモバイルを生かしたものがトレンドになっています。例えば、外部から情報を閲覧できるIoT関連や、街中で支払いができる決済アプリなどです。若干、飽和状態にはなりつつありますが、これらのトレンドはまだまだ続くでしょう。
なお、モバイルアプリ開発においても、新しい技術や世の中のトレンドが反映される可能性があります。現在は解説したような市場展望となっていますが、外的な要因によって変化するかもしれません。