5G技術の普及で需要が急増!ネットワークエンジニアの今後の動向を解説!
最近のネットワーク業界では5G技術が注目されています。モバイル通信の次世代ネットワークとして採用されていますし、大手通信キャリアなどがこぞって5G技術への対応をアピールしています。
この5G技術の普及はネットワークエンジニアの需要に大きな影響を与えています。現在ネットワークエンジニアの需要が急増していますので、その理由と今後の動向について解説していきます。
5G技術の普及でネットワークエンジニアは需要が急増
ネットワークエンジニアはそもそも需要の高いエンジニアの種類です。インフラ部分を扱うため不足しがちなのですが、5G技術の普及によってさらに需要が高まっています。以下では5G技術の普及によって、ネットワークエンジニアの需要がどのように変化しているのかを解説します。
そもそも5G技術とは何か
そもそも5G技術がどのような通信システムであるのか理解できていないかもしれません。簡単にこちらについてご説明をしておきます。
まず、5G技術にはいくつかの特徴があり、羅列すると以下のとおりです。
- 4G技術よりも高速で大容量な通信が可能
- 多数同時接続が可能
- リアルタイム通信が可能
まず、今まで利用されていた規格よりも高速通信ができることが特徴です。4Gでは1Gbps程度の通信速度でしたが、5G技術では理論的に100Gbps程度の通信速度が出ます。単純に比較してみると今までの100倍程度の速さで通信ができるようになります。
また、IoTの普及に伴い多数同時接続が可能となっています。今までの規格では同時接続ができませんでしたが、5G技術では世の中の変化を踏まえ規格が変更されています。
他にも高速通信が可能となったことで、リアルタイム通信ができるようになりました。遅延時間が今まで以上に短くなりましたので、リアルタイム性が特に求められる仕組みでも無線通信が利用できるようになっています。
5G技術とネットワークエンジニアの関係
ネットワークエンジニアの仕事といえば、データセンターや社内のネットワーク構築をイメージするかもしれません。実際これらの基本設計から実装までを担当するケースも多く、あまり5G技術との関係を感じられないかもしれません。
しかし、ネットワークエンジニアの仕事はこれらだけではありません。ネットワークの設計や実装に関する様々な仕事に対応しています。上記のような仕事はネットワークエンジニアの仕事内容の一部であり、これら以外のネットワークを扱っているエンジニアも多数いるのです。
皆さんのイメージがあまりないだけで、5G技術のようなインフラに関わるネットワークを扱うエンジニアはいます。むしろこのようなエンジニアがいなければ、モバイル端末を利用したり拠点間の通信をしたりできなくなってしまいます。
5G技術の普及はネットワークを扱うネットワークエンジニアに大きな影響を与えます。関わりが深い事象であることを理解しておきましょう。
ネットワークエンジニアが5G技術の普及で求められる4つの理由
5G技術の普及とネットワークエンジニアに関係がある点は理解してもらえたでしょう。ただ、具体的にどのような関係があるのかは分からない人も多いはずです。ネットワークエンジニアが5G技術の普及で求められる理由は以下のとおりです。
- アーキテクチャの変更に対応するから
- 基地局の設置強化が進むから
- 5G技術対応機器が増えるから
- 運用・保守の対象が増えるから
それぞれの理由について解説します。
アーキテクチャの変更に対応するから
5G技術の普及に伴い、ネットワークアーキテクチャの変更が必要です。ネットワークエンジニアはこの変更に対応するため、需要が急増しています。
公開されている5G技術の仕様を見ると、4G技術と大きな仕様の差は無いようです。ただ、新しい規格のネットワークに変更されますので、少なからずアーキテクチャの変更はあります。そのため、仕様の変化を理解して、ネットワークエンジニアはそれを実装していかなければなりません。
変更に対応しなければならない対象は様々あります。ネットワーク回線の仕様変更に対応しなければなりませんし、スイッチやルーターなどのネットワーク機器の変更にも対応します。様々な機器を組み合わせて世の中のネットワークは成り立っていますので、それら全ての変更対応にネットワークエンジニアが求められます。
アーキテクチャの変更に対応するためには、ネットワークエンジニアが新しい仕様を理解する必要があります。これを理解するためには一定の時間が必要となります。その学習コストも踏まえると、アーキテクチャの変更に関するネットワークエンジニアの需要は非常に高くなっています。
基地局の設置強化が進むから
5G技術の普及に伴い基地局の整備強化が進みます。現在もさまざまな場所に基地局は存在しますが、ネットワークエンジニアが活躍し、新しい基地局の設置をさらに進めています。
基地局の整備が進められている状況ですが、物理的に機器を設置する必要があり、対応速度には限界があります。準備から設置までに非常に時間がかかり、ネットワークエンジニアが拘束される期間も長くなっています。一人のエンジニアで次々と対応できるわけではないため、ネットワークエンジニアが不足する要因となっています。
また、基地局を強化するにあたっても、ネットワークエンジニアは仕様理解が必要です。様々な機器を導入してネットワークを提供しますので、それらを学習するためにも時間的な拘束を受けます。
他にも、既存の基地局を新しい設備に入れ替えるケースも考えられます。このような場合は既存の環境理解から始める必要があり、新しい基地局導入よりもさらに時間がかかります。
基地局の設置は、機械を置いて終わりと考えるかもしれません。確かにそのような側面はありますが、その準備段階でネットワークエンジニアは求められています。
5G技術対応機器が増えるから
これから様々な機器が5G技術に対応すると考えられます。現在はスマートフォンなど通信機器が中心ですが、IoTが広がっていますので、あるタイミングを境に急増すると考えられます。例えば自動車の自動運転などが挙げられ、5G技術の普及とともにネットワークを利用した自動車の運転制度なども普及する可能性があります。
新しくネットワークに接続する機器が生まれれば、ネットワークエンジニアはそれに対応しなければなりません。今までネットワークといえばサーバーやパソコンを繋ぐものでしたが、5G技術が普及するとそのようなものばかりではなくなってしまいます。今まではネットワークと無縁であったものが接続されてくる可能性すらあります。
そのような状況になると、ネットワークエンジニアは新しく5G技術に接続する機器が生まれるたびに仕事をしなければなりません。「どのように接続するのか」「どのようなシステムを動かすのか」などを、他のエンジニアと協力しながら考えていくのです。つまり、ネットワークエンジニアの出番が増えます。
機器の開発は物理的な部分ですので、ネットワークエンジニア以外が対応する部分ではあります。ただ、実際に機器を作るところではなく、機器をネットワークに接続する仕様に関連してネットワークエンジニアが求められます。
運用・保守の対象が増えるから
上記でご説明したとおり、これから5G技術対応の機器は増えると考えられます。具体的な数は想像できませんが、スマートフォンなどの通信機器を筆頭に急増していくと考えられます。
このように5G技術に接続する機器が増えると、ネットワークエンジニアが運用・保守する対象が増えます。対象が増えればそれだけ多くのエンジニアが必要となり、ネットワークエンジニアの需要が高まる理由となります。
なお、運用や保守はその対象によって仕事内容が少々異なります。全てのネットワークエンジニアが同じような仕事をするわけではないのです。
その点を踏まえると、運用や保守の対象が増えることで、ネットワークエンジニアは細分化される可能性があります。細分化されれば一人ひとりが対応できる業務が限られ、さらにネットワークエンジニアが求められるようになります。
これからは、今までネットワークエンジニアが扱ってこなかった機器が運用や保守の対象になると考えられます。それに伴いネットワークエンジニアの需要は急増するはずです。
5G技術効果によるネットワークエンジニアの今後
5G技術が普及することによって、ネットワークエンジニアの今後がどのように変わるのか気になるでしょう。続いては現在の需要を踏まえ、ネットワークエンジニアは今後どうなるのか、現在と今後の需要についてご説明します。
ネットワーク機器の増加によりエンジニアの需要は増加
上記でネットワーク機器の増加についてご説明しました。また、それに伴いネットワークエンジニアの需要が高まる点についてもご説明しました。
これは将来のことだと捉えてしまったかもしれませんが、現時点でネットワーク機器は増加しています。5Gの普及を前提とした機器も開発されているぐらいです。先程ご紹介したような、自動車の自動運転などがこれの良い例として挙げられます。
そのような状況ですので、現時点でネットワーク機器の増加によりエンジニアの需要は増加しています。これからネットワークエンジニアの需要が高まるのではなく、現時点で急増していると捉えてもらうと良いでしょう。
ただ、ネットワークエンジニアにも様々な人がいます。今回も説明しているようなインフラ機器を取り扱っている人もいれば、システムを運用するサーバーを取り扱っている人もいます。また、クラウド環境の構築を取り扱っている人もいます。
そのため、取り扱っている業務の内容によっては、需要の変化を感じないかもしれません。しかし、今後5G技術のインフラ整備にネットワークエンジニアが求められると、それにつられるように他の業務を担当するネットワークエンジニアの需要も高まります。
数年は動向が変化しないと考えられる
5G技術は近年になって急速に普及してきています。ただ、商用利用が始まったものの、まだまだ最初の段階です。「やっと一般人でも5G技術が利用できるようになった」と言っても良いでしょう。
つまり、5G技術の普及に伴うネットワークエンジニアの需要の高まりはまだ始まったばかりです。これからこの状況が続き、今まで以上に需要が高まると考えてよいでしょう。現状を踏まえるとネットワークエンジニアの人数には上限がありますので、今後エンジニア数が不足することが予想されます。
そのような状況を踏まえると、ネットワークエンジニアはこの先数年間忙しい状況が続くでしょう。5G技術に対応する機器は今後ますます増えると考えられ、この流れが落ち着くまでネットワークエンジニアは求められ続けます。
なお、基地局の整備などが完了すれば、一旦は需要が収まる可能性はあります。とはいえ、現在の需要と比較すると、それでも高い需要が続いていくと考えられます。
まとめ
5G技術の普及によって、ネットワークエンジニアの需要は急増しています。そもそもネットワークエンジニアは需要が高いですが、追い打ちをかけるように需要が高まっています。
最近は5G技術が注目されていますが、商用利用が始まったのはつい最近の話です。まだまだ発展途上であり、その状況を踏まえるとこれからネットワークエンジニアは求められ続けると考えられます。今後数年間はネットワークエンジニアが不足するでしょう。
とはいえ、ネットワークエンジニアの中には、5Gのようなインフラ技術を扱っていない人もいるはずです。そのような人は、今すぐに仕事が忙しくなってしまうようなことはないでしょう。