フリーランスが行うべきPCのセキュリティ対策7選

フリーランスが行うべきPCのセキュリティ対策7選

フリーランスは自宅や外出先など、幅広い場所で業務に従事する可能性があります。そのため、外部からの攻撃による情報漏洩などに備え、セキュリティ対策に取り組まなければなりません。フリーランスに限った話ではありませんが、信用問題にも関わるため、特に注力した方が良いでしょう。

非常に重要な要素ですが、セキュリティ対策として何をすべきか、イメージできていない人も見受けられます。今回は、フリーランスが安全に業務を遂行するために、どのようなセキュリティ対策を施せば良いか解説します。

セキュリティ対策が不十分だとどうなるのか

最初に、PCのセキュリティ対策が不十分であるとどのような問題があるのか解説します。

PCのウイルス感染

セキュリティ対策が不十分だと、PCにウイルスが感染してしまう可能性があります。ウイルスは様々な種類がありますが、例えば以下のような問題が起きてしまうでしょう。

  • 動作が重くなる
  • 正しく表示されなくなる
  • データが暗号化される
  • データが削除される
  • 広告などが表示されるようになる

また、このような分かりやすい問題だけではなく、情報が気づかないうちに読み取られて外部へ送信されるなどの被害が起きる可能性があります。クライアントの情報が外部に流出したり、クレジットカード情報が盗まれたりすると大きな問題になるでしょう。近年は目立たないウイルスも増えているため、このようなものに感染すると気づかないうちに被害が拡大します。

情報漏洩・不正利用

セキュリティ対策が不十分であると、情報漏洩が発生するかもしれません。また、漏洩した情報が不正に利用されることも考えられます。例えば、クライアントのシステムにログインされてしまうかもしれません。

情報漏洩や不正利用は、セキュリティ対策が不十分であることの結果だと考えられます。例えば、セキュリティ対策が不十分でありウイルスに感染してしまうことで、情報が漏洩してしまうのです。ただ、脆弱性をついた攻撃などが原因で情報漏洩することもあるため、総合的なセキュリティ対策が求められます。

フィッシング詐欺被害

セキュリティ対策ができていないことで、フィッシング詐欺被害に遭う可能性があります。自分自身で気をつけていれば多くの場合で防げますが、気をつけていない時には被害に遭いかねません。

セキュリティソフトなどを導入していると、フィッシング詐欺のWebサイトへとアクセスした際に警告などが表示されます。そのため、誤って情報を提供してしまうことがほとんどありません。しかし、セキュリティ対策が不十分だとこのような警告も表示されず、詐欺に引っかかってしまうことがあるのです。

フリーランスが行うべきPCのセキュリティ対策7選


フリーランスが行うべきPCのセキュリティ対策は多岐に渡ります。それらの中でも、必ず対応してもらいたいものをピックアップすると以下の通りです。

PCのOSを最新の状態に保つ

セキュリティ対策の基本として、PCのOSを最新の状態に保つようにしましょう。フリーランスに限らず、一般企業でもPCのOSは最新の状態に保つことが心がけられています。従業員の多い企業でも実施されるような対策であるため、個人で活動するフリーランスが避けることはできません。

OSを最新の状態に保つ際は、PCに用意されているアップデート機能を利用しましょう。例えば、WindowsのPCを利用しているならば「Windowsアップデート」と呼ばれる機能が用意されています。定期的にこれを実行することによって、OSを最新の状態に保てる仕組みです。OSには脆弱性などが潜んでいる場合があるため、攻撃を受けないようにできるだけ早く最新化します。

なお、OSを最新の状態に保ちたいならば、自動的に更新される機能を有効化すると良いでしょう。定期的に更新情報がないかOSが確認し、最新のデータがあるとダウンロードして適用してくれます。

セキュリティソフトをインストールする

セキュリティを高めるために、セキュリティソフトをインストールしなければなりません。現在は、OSのセキュリティ機能が強化されていますが、それでもセキュリティソフトはインストールした方が良いでしょう。OSの機能とセキュリティソフトの両方を利用することによって、より高いセキュリティレベルを担保できます。

一般的なセキュリティソフトは、複数のレイヤーでセキュリティ対策を施すことが可能です。例えば、ネットワークとアプリケーションの両面からセキュリティを担保してくれます。また、何かしらマルウェアなどが侵入してしまった場合に、外部への情報流出を防ぐものもあるのです。

OSを最新の状態に保っても、マルウェアの攻撃などを全て防げるわけではありません。セキュリティソフトを導入するに越したことはないため、無償・有償を問わず、まずは実績があるものを導入しましょう。

仕事で利用するソフトウェアをアップデートする

仕事で利用するソフトウェアについては、できるだけアップデートしておきましょう。ここでのアップデートとは、有料版の新しい製品を購入するようなものではなく、バグの修正版などをダウンロードすることを指します。

頻繁に利用するソフトウェアについては、何かしらセキュリティ上の問題がある場合に影響を受ける可能性があります。例えば、インターネットに接続する際の仕組みに問題があり、情報漏洩が発生したり外部から攻撃を受けたりするかもしれません。このような状況は致命的であるため、事前に防げるようにアップデートしておきます。

なお、ソフトウェアのアップデートは自動的に実施できる時と、自分で実施しなければならない場合があります。自分で実施しなければならない場合は、定期的にソフトウェアの公式サイトなどを訪問し、アップデートがないか確認しましょう。

フリーのWi-Fiスポットを使わない

近年はフリーのWi-Fiスポットが増えていますが、可能な限りこれは使わないことをおすすめします。どのようなセキュリティ対策が施されているか判断できず、セキュリティ上のリスクが高いからです。場合によっては、通信の内容が読み取られているかもしれません。

確かに、フリーのWi-Fiスポットは利便性の高いものであり、フリーランスが仕事を進めるにあたって活用したくなるものではあります。スマートフォンでテザリングしなくとも、フリーのWi-Fiスポットがあれば簡単に仕事に取り組めるでしょう。テザリングによる通信容量を意識する必要もありません。

ただ、繰り返しですがセキュリティの観点からは望ましい方法ではないのです。できるだけ自分自身でネットワーク環境は用意して、フリーのWi-Fiスポットは利用しないように心がけてください。

覗き見防止保護フィルムを貼り付ける

ノートパソコンを利用している場合、覗き見防止保護フィルムを貼り付けておきましょう。このフィルムは、正面からは画面の内容が見えるものの、斜めからは読み取りづらくするためのものです。意外にも、画面の内容を読み取られてしまうことがあるため、これを防がなければなりません。

特にフリーランスの場合、自宅だけではなくコワーキングスペースやカフェなどで作業する可能性があるはずです。このような場所では、不特定多数の人にパソコンの画面を見られてしまう可能性があります。顧客名などが見えてしまうと、何かしらの情報漏洩に繋がってしまう可能性があるため、やや見づらくなりますが覗き見防止保護フィルムを貼り付けましょう。

なお、デスクトップパソコンの場合はモニターにフィルムの貼り付けが難しいかもしれません。自宅など覗き見されない場所なら良いですが、スペースを借りて作業している場合は、デスクトップパソコンではなくノートパソコンに置き換えることも考えましょう。

クラウドサービスを活用する

できるだけクラウドサービスを活用することを意識しましょう。重要なデータは、PCではなくクラウドサービスに保存しておくことによって、PCを紛失しても情報漏洩を防ぎやすくなります。また、データの消失を防げる可能性も高まるため、積極的にクラウドサービスを活用しましょう。

ただ、セキュリティ面で優秀なサービスではありますが、サービスに障害が発生すると仕事に支障が出る可能性があります。また、基本的にはインターネットに接続しなければ利用できないため、ネットワーク環境によっては作業できないかもしれません。セキュリティ面のメリットとそれ以外のデメリットをどちらも意識することが大切です。

なお、一部ではクラウドサービスを心配する人が見受けられますが、セキュリティ面ではローカル端末よりも安全だと考えられています。そのため、フリーランスでセキュリティを意識するならば、できるだけクラウドサービスを活用するべきです。

複雑なパスワードや二要素認証を活用する

パスワード管理もセキュリティ対策では非常に重要なものです。PCのセキュリティ対策とは少々異なりますが、フリーランスは意識しておきましょう。自分自身が契約しているサービスはもちろん、クライアント先で提供されるシステムについても、複雑なパスワードを設定すべきです。

また、近年はPCの機能でIDやパスワードを保存できるようになっています。これらは非常に便利なものですが、万が一PCを紛失してしまうと全てのIDやパスワードが流出することになりかねません。パスワードの保存機能を利用しないことは現実的ではないため、PCにログインする方法を強化することが重要です。例えばOSのパスワードを強化したり、二要素認証の活用やBitLockerを設定します。

二要素認証の設定は、手間であることから利用していないフリーランスは多く見受けられます。しかし、セキュリティを高めるためには非常に有用な方法であるため、設定できる場合は設定してください。

フリーランスは万が一に備えた対策も必要


フリーランスはPCのセキュリティ対策を強化し、情報漏洩などが発生しないようにする義務があります。ただ、どんなに対策していてもトラブルが発生することはあるため、それらを見据えた対策も実施しなければなりません。

情報漏洩に関する保険への加入

フリーランスがセキュリティの問題に対処できるように、情報漏洩に関連するフリーランス向けの保険に加入しておきましょう。近年は、成果物責任や情報漏洩などに関するフリーランス向けの保険が増えています。これらに加入しておくことによって、万が一情報漏洩が発生しても保険でカバーすることが可能です。

保険の内容は幅広くありますが、自分自身の過失についてもカバーされるものが良いでしょう。例えば、セキュリティ対策が不十分であることが原因でも、ある程度はカバーしてくれる保険が理想的です。保険によって適用される条件が異なるため、可能な限り幅広く網羅できるものを選択します。

もちろん、保険の内容が充実すると、支払うべき保険料は高額になってしまうでしょう。ただ、これについてもセキュリティソフトと同様に、必要経費と割り切って支払うべきです。

契約書での取り決め

万が一トラブルが発生した際に備えて、契約書で取り決めしておきましょう。例えば、契約した金額以上に無責任を負わないようにするなどです。クライアント側は厳しい条件を設定することがあるため、事前に相談して折衷しておくことが求められます。

また、セキュリティ上のリスクを抑えるために、クライアント側からPCなどを提供してもらうように契約することも考えるべきです。もし、作業用の端末をクライアント側が用意するならば、フリーランス側にPCのセキュリティを担保する責任は発生しません。契約書で取り決めしておくことによって、セキュリティ面で責任の所在がどこにあるかや、セキュリティ上の問題が発生した際の対応が明確になるのです。

まとめ

フリーランスが、どのようなセキュリティ対策を施せば良いのかについて解説しました。最低限、パソコンにはセキュリティ対策ソフトを導入し、それ以外にも周辺環境のセキュリティを高めるように心がけましょう。複数の対策を組み合わせることで、セキュリティがより強固なものになり、安全性が高まると考えられます。

セキュリティ対策不足によって情報漏洩などが発生すると、フリーランスであっても責任問題になりかねません。損害賠償を請求されたり、それ以降の活動に大きな影響が出る可能性があります。セキュリティ対策にはコストが生じる部分がありますが、必要経費と考えてそれぞれ取り入れるようにしてください。

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