プログラマーのキャリアパスを紹介!キャリアアップの方法も

プログラマーのキャリアパスを紹介!キャリアアップの方法も

プログラマーとして働いていると「一生プログラマーのままではないか」と考える人がいるようです。プログラミング技術の向上には際限がないため、「よりレベルの高いプログラマーになる」と考えることは不思議ではないでしょう。

このようにキャリアプランについては深く考えていない人が見られますが、実際にはプログラマーもキャリアアップしていきます。今回はプログラマーのキャリアプランにはどのようなものがあるのか解説します。

プログラマーとは?


IT業界は仕事が細分化されているため、プログラマーの役割は明確に定められているわけではありません。一般的には開発に携わる開発者、リーダー、マネージャーなどの中でもプログラミングや単体テストの工程を担当する人を指します。テスト工程については「テストエンジニア」とさらに細分化されることもありますが、ここではプログラマーの担当業務としてご説明します。

まず、プログラマーは詳細設計図に基づいてプログラミングしなければなりません。事前に要件定義や設計が完了しているため、その内容を踏まえてコーディングします。規模の大きなプロジェクトになるとシステムエンジニアが設計しますが、規模の小さなプロジェクトはプログラマーが設計からコーディングまでするかもしれません。

また、プログラマーはコーディングだけではなく単体テストも実施します。単体テストはコーディングしたプログラムが想定した機能を有しているか評価する作業です。自分が開発した範囲内でのみテストするものであるため、コーディングを担当したプログラマーが実施します。

プログラマーのキャリアパス例

プログラマーのキャリアパスは具体的にどのようなものであるのか、経験年数別に解説します。

1~2年目

1年目から2年目はプログラマーになったばかりであり、基本的にはテスト工程や一部の開発工程を割り当てられます。最初から開発工程を担当するのは難しいため、テストから任されることが一般的です。テストはテストケースに沿って作業を進めていくため、知識が浅い段階でも対応できます。

また、開発工程を担当する際は、上司や先輩方から指導されることが一般的です。若手がいきなり一人でコーディングを担当することはリスクであるため、内容を理解している人がサポートします。一般的にはOJTといわれるような期間であり、プログラマーとして必要なスキルを習得していくのです。

3~4年目

3年以上になるとプログラマーとして基本的な開発工程に従事できます。OJTに該当する期間が終了し、一人前のプログラマーとしてのキャリアがスタートします。

また、コーディングに対応するだけではなく、小規模な開発プロジェクトのリーダーを任されるタイミングです。自分がOJTで指導してもらった時と同様に、今度は自分がリーダーとして後輩を育てる立場になります。加えて、リーダーとしてプロジェクトの管理を任され、マネジメント業務にも従事するようになるのです。

5年目以降

5年目以降になるとプログラマーだけではなく、システムエンジニアとして活躍できるはずです。プログラマーとしてコーディングするだけではなく、要件定義やマネジメント業務なども幅広く対応するようになります。また、他のプログラマーが開発したプログラムをレビューする、品質管理の立場を任される場合もあるでしょう。

なお、どのようなキャリアパスを歩んでいくのかは、自分が置かれている環境によって左右されます。また、自分の得意分野によっても左右されてしまうのです。他にも、企業に所属している場合は、どのような人材が不足しているかも影響するかもしれません。

プログラマーのキャリアアップ先は?

プログラマーのキャリアアップ先としてどのような選択肢があるのかご説明します。

SE

プログラマーからの代表的なキャリアアップ先はシステムエンジニアです。プログラマーとして下流工程の経験を積んでおき、そこから上流工程を担当するシステムエンジニアへとキャリアアップします。要件定義や基本設計など、システム開発に重要な部分を担当します。

また、設計を担当するシステムエンジニアだけではなく、データベースやネットワークなど異なる分野を担当することも可能です。プログラマーとして開発するにあたって、データベースやネットワークなどを操作する機会は多々あります。この時の経験を活かして、専門的なエンジニアとして活躍することを選ぶのです。

PL

プロジェクトリーダーはプロジェクトの中でも中心的な役割となるエンジニアです。マネジメントだけを担当するのではなく、自分自身でも開発に携わり、他のエンジニアと一緒に開発します。

ただ、役割としてはリーダーであるため、全体の進捗を管理したりトラブルが発生した際は解決に努めなければなりません。仕様に関する質問に回答しなければならないなど、業務的な負担はあると考えましょう。ただ、比重としては取りまとめなどの役割が多い傾向であり、どちらかといえばマネージャーよりのキャリアアップ先です。

PM

プロジェクトマネージャーはプロジェクトの管理に特化したキャリアアップ先です。プロジェクトリーダーは自分でも開発に携わりますが、プロジェクトマネージャーになると基本的にはマネジメントのみ担当します。似たような役割だと思われがちですが、実際には大きく異なったキャリアです。

マネジメントに特化した役割であるため、プロジェクトマネージャーはプロジェクトマネジメント論を理解しなければなりません。プログラマーやプロジェクトリーダーだけでは習得が難しいスキルであり、研修などを通じてキャリアアップすることが求められます

マネジメント職か、スペシャリストか

プログラマーとしてキャリアアップするにあたっては、マネジメント職に進むかスペシャリストになるかの検討が必要です。どちらを目指すかによって、プログラマーとしてやるべきことが変化してきます。

まず、マネジメント職とはプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーを指します。名称からも分かるとおり、他のプログラマーなどを取りまとめる立場です。人の上に立ち、プロジェクトを率いたいと考えるならばこちらが良いでしょう。

一般的にこれらのスキルはプログラマーとして働くだけでは習得できません。書籍や研修などを通じて体系的にスキルを習得することが求められます。マネジメント職を目指したいならば、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャー向けの研修に参加して、プログラマー以外のスキルを習得しましょう。

逆にスペシャリストになりたいならば、システムエンジニアとしてのスキルを高めるべきです。プログラマーとして活躍できる範囲は限られてしまうため、システムエンジニアとして新しくテクニカルスキルを習得しましょう。

SEへキャリアアップするには?


まずは、システムエンジニアにキャリアアップする方法について解説します。

求められるスキル

システムエンジニアに求められるスキルは、プログラミング言語からネットワーク、データベース、クラウドサービスなど様々です。システムエンジニアの中でも、どのようなエンジニアを目指したいのか考えてスキルを習得しなければなりません。

この時に重要となるのは「幅広くスキルを習得しすぎない」ということです。近年はフルスタックエンジニアが注目されていますが、プログラマーからのキャリアアップとしては、特定のスキルに絞って習得すべきです。

資格

必要となる資格はどのようなシステムエンジニアを目指すかによって変化します。

例えば幅広いスキルを証明したいならば「応用情報技術者試験」の合格を目指しましょう。国家資格であり多くの企業で認知されているものであるため、資格を取得しておくことで活躍の場が広がります。

また、データベースを扱いたいならば「データベーススペシャリスト」や「Oracle社の認定試験」などがおすすめです。これらは一例ではありますが、システムエンジニアとしてやりたいことが決まっているならば、それに合わせた資格を取得すべきです。

年齢、年収

システムエンジニアの業務内容は幅広いため、年収と年齢層は選択する業務範囲によって異なります。求人や案件情報を調査してみると、以下のような傾向が見られます。
 

業務範囲 年収 年齢層
要件定義 530万円~950万円 35歳以上が多い
ネットワーク 450万円~980万円 全年齢
データベース 420万円~870万円 全年齢
クラウドサービス 480万円~1,130万円 比較的若手が多い

サンプルとして調査したものであるため、状況によって数値は異なります。ただ、プログラマーよりも多くの年収が期待しやすいのは事実です。また、クラウドサービスのように新しい技術は比較的若手が多く、エンジニアが限られていることから年収も高い傾向にあります。

PM,PLへキャリアアップするには?


続いてはプロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーにキャリアアップする方法を解説します。

求められるスキル

プロジェクトマネージャーもプロジェクトリーダーも人を取りまとめる立場であるため、プロジェクトマネジメントの理解が必要です。プログラマーとして現場でプログラミングするだけではなく、研修などを通じてマネジメントスキルを習得しましょう。

なお、プロジェクトマネージャーはマネジメントに特化するため、プロジェクトリーダーよりも深い知識の習得が必要です。基本的にはプログラマーと一緒に開発することがなくなるため、今までプログラマーとしてのスキルアップに励んでいた時間をマネジメントスキルの習得にシフトさせなければなりません。

資格

プロジェクトマネジメントに関わるスキルが必要となるため、これらに関する資格を取得すると良いでしょう。日本で代表的な資格は「プロジェクトマネージャー試験」や「ITサービスマネージャ試験」であるため、まずはこれらの取得がおすすめです。情報処理推進機構が提供する国家資格であり、資格としての信頼感もあります。

また、プロジェクトマネージャーとしてのスキルを証明するならば「PMP」の合格を目指しましょう。世界的に認められているプロジェクトマネジメントの資格であるため、合格しておくと日本のみならず世界でスキルを証明可能です。受験にあたっては実務経験などが求められますが、条件を満たしたならば是非とも取得してもらいたいものです。

年齢、年収

プロジェクトマネージャーはマネジメントに特化した役割ということもあり、比較的年齢層が高く年収も高い傾向です。プログラマーからキャリアアップすると35歳から40歳程度でプロジェクトマネージャーになり、年収は800万円程度です。また、大規模なプロジェクトを担当できるプロジェクトマネージャーならば、年収が1,000万円を超えるケースも多々あります。

それに対して、プロジェクトリーダーはプログラマーとマネージャーの間に位置するため、比較的若い人にもなりやすい傾向があります。プログラマーから30歳前後でキャリアアップする人が多く、年収はプログラマーよりも高い600万円程度です。ただ、マネジメントに特化した役割ではなくリーダーとしての役割であるため、プロジェクトマネージャーほど極端に年収は高まりません

プログラマーのキャリアチェンジ先は?

プログラマーのキャリアチェンジ先としてどのようなものがあるのかご説明します。

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、プログラムを動かすサーバーなどのインフラを取り扱うエンジニアです。どのようなプログラムもインフラ環境が整っていないと動作しないため、インフラエンジニアは非常に重要な役割といえます。

プログラマーとして開発するにあたっては、自分で環境を構築する場面もあるでしょう。そのような経験を積み重ねていれば、プログラマーからインフラエンジニアにシフト可能です。

ネットワークエンジニア

インフラエンジニアに近い部分はありますが、ネットワークを扱うエンジニアにシフトしても良いでしょう。プログラマーとして活躍しているとネットワークを取り扱うこともあるため、開発経験を活かしてネットワークにもシフトできます。

ただ、ネットワークエンジニアはネットワークに関する専門的な知識を習得しなければなりません。プログラマーが意識しないで済む部分も習得しなければならないため、キャリアチェンジには少々不安があるかもしれません。

フリーランス

プログラマーを続けながらフリーランスになる選択肢もあります。会社員からフリーランスになれば働き方は大きく変化するため、キャリアチェンジと考えてよいでしょう。独立することによって新しい世界が見えてくるかもしれません。

ただ、フリーランスへのキャリアチェンジはリスクを伴います。キャリアアップとは大きく異なるため、その点は考慮して行動すべきです。

プログラマー35歳定年説は本当か?

プログラマーの世界には「35歳定年説」と呼ばれるものがあります。実際に定年制度が設けられているわけではありませんが、プログラマーとして働くのは35歳が限界であるという考え方です。ただ、これは過去の考え方であり、現在ではむしろスキルの高いプログラマーとして重宝されているぐらいです。

そもそも35歳定年説が提唱されていたのは、プログラマーに過酷な労働環境が強いられているからでした。例えば、短時間でプログラムを完成させる必要があり、残業や休日出勤が求められていたのです。体力的な限界を迎えることから、35歳定年説が提唱されていました。

しかし、現在は労働基準法の改正などに伴い、プログラマーも極端に過酷な労働環境ではなくなっています。開発状況によっては忙しくなってしまうことがありますが、昔ほど体力が求められる仕事ではないのです。結果として、プログラマーとしてもキャリアアップできる環境であり、35歳定年説はなくなったと考えられます。

まとめ

プログラマーのキャリアパスについてご説明しました。プログラマーとして働いている人には「プログラマーのままではキャリアアップできない」と考える人が見受けられますが、プログラマーもキャリアアップできる職種です。計画的なスキルアップと理想のキャリアパスを考えていきましょう。

なお、プログラマーからのキャリアパスを考える際は、マネジメント職かスペシャリストのどちらに進むか考えなければなりません。進む道によって必要となるスキルが大きく異なるため、最初にこの部分をよく検討しておきましょう。

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admin