業務系エンジニアとは?求められるスキルと需要が高い業務を徹底解説!【金融?医療?】

業務系エンジニアとは?求められるスキルと需要が高い業務を徹底解説!【金融?医療?】

エンジニアは細分化されていて、その中に「業務系エンジニア」と呼ばれるものがあります。数年前から存在するエンジニアではありますが、最近、改めて注目されているポジションです。

注目を集めているものの、業務系エンジニアについて詳しく知らない人が多いでしょう。今回は求められるスキルや需要が高い業務について徹底的に解説します。

業務系エンジニアとは?

業務系エンジニアは、ビジネスにおける課題やニーズに対応するシステムやアプリケーションを開発・運用するエンジニアです。企業の業務効率化やコスト削減、顧客満足度の向上を実現するために、業務プロセスを最適化するシステムを開発します。専門的な業務についてもシステム化する必要があり、業務知識とエンジニアに必要なスキルの両方を兼ね備えなければなりません。

また、システム設計や開発に従事するだけではなく、保守やサポートなどに対応することもあります。クライアントの要望や課題などを理解することが求められ、一般的なエンジニア以上に多くの知識が必要です。

業務系エンジニアに求められるスキル


業務系エンジニアもエンジニアには違いないため、必要な基本スキルは似ています。ただ、業務系エンジニア独自のスキルもあるため、それらを含めて解説します。

プログラミングスキル

プログラミングスキルは、業務系エンジニアの基本的なスキルであるため必須といえるでしょう。さまざまなプログラミング言語やフレームワークを理解し、適切な技術を選択することが求められます。例えば、JavaやPython、Rubyなどの言語を理解しなければ活躍できません。また、データベースの設計や操作に関する知識も必要不可欠です。

また、業務系エンジニアは効率よくシステムを開発、構築、運営するためのスキルも習得しなければなりません。例えば、自動化やリファクタリングなど、開発効率を高める手法を理解する必要があります。単純なプログラミングスキルだけではなく、開発論まで含めたスキルが必要なのです。

ビジネススキル

業務系エンジニアは、業務に関わるシステムを実装するためビジネススキルが重要です。業界の標準的なスキルだけではなく、システムを導入する企業のビジネス戦略や業務プロセスに対する理解も求められます。これらが不足していると、適切なシステム開発ができません。

さらに、業務系エンジニアは、業界のトレンドに沿ったスキルの習得が必要です。多くの業界にデファクトスタンダードとなる企業が存在するため、その企業が何を採用しているのか把握します。また、必要に応じてそのスキルを習得し、自身の案件などに活用するのです。

コミュニケーションスキル

業務系エンジニアには、コミュニケーションスキルが不可欠です。プロジェクトメンバーやクライアントと円滑にコミュニケーションを取ることで、問題の発見や解決へとつながります。

また、適切なフィードバックや意見を提供し、チーム内での情報共有を促進するコミュニケーションが必要です。業務系エンジニアは大人数でプロジェクトを進めることが多いため、エンジニア間でのコミュニケーションも意識しなければなりません。

業務系エンジニアの仕事内容

続いては、具体的に業務系エンジニアがどのような仕事を担当しているのか解説します。

業務改善の提案と実装

クライアントの業務プロセスを効率化し、生産性向上を目指すために業務改善の提案と実装を担当します。現状の業務フローを理解し、問題点や改善点を明確にして、システム化を推進するのです。また、システム化のためにクライアントへさまざまな提案をして、クライアントや関係者と打ち合わせする部分も含まれます。

提案が受け入れられたならば、実装に進まなければなりません。このとき、業務系エンジニアはチームで連携し、実装に必要なシステム開発やデータ分析を担当します。実際の実装は業務系エンジニアだけではなく、プログラマーなどが参画し、設計書に沿って進める段取りです。

システム開発

要件が決定すればシステム開発を進めなければなりません。要件定義や設計、実装、テスト、リリースまでの一連のプロセスに業務系エンジニアが参画します。ただ、上記で触れたとおり設計部分やテストの評価が中心で、実際の実装はプログラマーに任せることが多いでしょう。

ただ、開発においては、品質を確保するためにテストやデバッグなどを担当することがあります。何かしら大きな問題が発覚した際は、業務系エンジニアが参画してサポートしなければなりません。

システム保守・運用

システムを開発してリリースするだけではなく、保守や運用にも参画します。業務系エンジニアは、システムに問題やトラブルが発生した際に迅速に対応することが求められるのです。また、システムの性能などを監視し、必要に応じてアップデートなどを計画しなければなりません。

他にも、バックアップやデータ復旧の対策も仕事に含まれています。これらはセキュリティエンジニアなど別のエンジニアが対応することもありますが、その場合でも業務系エンジニアがサポートするのです。

コンサルティング

業務系エンジニアは、コンサルティングによって企業のIT戦略立案や業務改善を支援する場合があります。まず、クライアント企業の現状分析や問題点を把握して、最適なシステム導入や業務改善策を提案します。また、導入後の効果検証や改善点の洗い出しも必要です。

また、技術的な知識だけでなく、ビジネスの観点からもアドバイスが求められます。企業の成長や競争力向上に貢献できるように、エンジニアの範疇を超えた対応もしなければなりません。

業務系エンジニアの需要が高い業務

業務系エンジニアの需要が高い業務はいくつか挙げられます。それらの中でも主要なものをピックアップすると以下のとおりです。

金融業界

金融業界では、業務系エンジニアの需要が非常に高まっています。金融機関は、デジタルトランスフォーメーションを加速させるために、IT技術の導入が不可欠です。オンライン取引や顧客管理システムの開発、セキュリティシステムの強化などすでにリリースされているものの保守も多数あります。

さらに、金融業界は、ビッグデータ解析やAI技術を活用した、新たな金融サービスを開発中です。業務系エンジニアは、これらの開発にも関わるためより需要が高まっています。

医療業界

医療業界においても、業務系エンジニアの需要は増加しています。医療情報システムの導入や電子カルテの開発、テレヘルス技術の導入など、業務効率を高めるシステムの必要性が高まっているからです。

また、医療機器の進化やAI技術の活用により、患者の診断や治療にもシステムが活用されています。業務系エンジニアは、これらの技術開発やシステム運用にも貢献しているため、医療業界から強く求められているのです。

製造業界

製造業界でも業務系エンジニアの需要が高まっています。工場の自動化や生産ラインの効率化を実現するため、IoTやロボットを導入するからです。

また、サプライチェーン管理や在庫管理などの業務プロセスの改善にもシステムが導入されています。「裏方」的な役割についても業務系エンジニアが活躍する場面が多く、これも需要を高めています。

金融業界での業務系エンジニアの仕事


金融業界では業務系エンジニアの需要が高いため、具体的にどのような業務に従事するか紹介します。

銀行システムの開発・運用

銀行システムの開発と運用において高い需要があります。システムの設計、開発、テスト、保守、およびサポートなどのシステムを担当しなければなりません。銀行のシステムは、顧客の預金やローン、投資など重要な取引を扱うものが中心です。

また、業務系エンジニアは、銀行の業務プロセスや規制を詳しく理解していることが求められます。専門知識がなければ適切な設計や開発はできず、業務系エンジニアとして活躍できません。

証券システムの開発・運用

証券業界の業務系エンジニアは、証券取引や資産管理に関するシステムの開発や運用に携わっています。証券システムは、高速で正確な取引を実現しなければならず、業務系エンジニアは最新のスキルを習得しなければなりません。

また、証券業界には規制や関連する法律があるため、業界知識と法規制に関する理解が不可欠です。一般的なエンジニアとしての経験だけではカバーできないスキルが必要だと考えておきましょう。

決済システムの開発・運用

近年、需要が特に高いのは決済システムの開発や運用です。決済システムは、電子マネー、クレジットカード、デビットカードなど年々増えているため、業務系エンジニアの需要も加速度的に高まっています。

決済システムでは、セキュリティやプライバシーの保護が特に重要です。例えば、顧客情報の漏洩や不正利用を防ぐための施策を実装しなければなりません。決済システムの欠陥は社会的信用力の失墜につながるため、業務系エンジニアは非常に高いスキルが求められます。

医療業界での業務系エンジニアの仕事


金融業界と同様に医療業界でも業務系エンジニアが求められています。続いてはこちらについても解説します。

電子カルテの開発・運用

医療業界において電子カルテの開発や運用に従事することがあります。電子カルテは、患者の診療情報をデジタル化し、効率的かつ安全な情報管理を実現するシステムです。業務系エンジニアは、医師や看護師が使い勝手の良いシステムを開発しなければなりません。

また、電子カルテシステムは毎日活用されるため、毎日の運用、定期的なメンテナンスや保守などが重要です。システムの安定性やセキュリティの確保も求められるため、これらについても業務系エンジニアが対応します。

電子カルテに問題が起きると医療行為に大きな影響を与えることはいうまでもありません。現にサイバー攻撃で電子カルテが利用できなくなった事例があり、業務系エンジニアには攻撃への対応も求められています。

医療機器の制御システムの開発・運用

医療機器もシステムで制御されているため、これらの開発や運用を担当します。例えば、MRIやCTスキャンなどの診断機器や、治療に用いられるロボットアシスト手術システムなどが業務系エンジニアの担当範囲です。

さらに、医療機器の性能向上や新技術の導入をサポートすることがあります。医療現場で最新のテクノロジーを導入したいならば、業務系エンジニアがサポートしなければなりません。時には医療機関と連携し、新しい医療機器の開発に取り組むなどします。

保険請求システムの開発・運用

医療機関と切っても切り離せないのが保険請求システムです。診療報酬の請求・精算を効率化するための重要なシステムであり、業務系エンジニアが開発などを担当します。

保険請求システムは、厚生労働省が定める診療報酬基準に則って実装しなければなりません。エンジニアには、法令の変更に対応したシステムのアップデートや、適切なデータ入力のためにシステムを改修することが求められます。保険請求は医療機関のコンプライアンスにも関係する部分であり、確実なシステム実装が重要です。

病院情報システムの開発・運用

病院全体の情報管理や業務効率化を目的としたシステムを担当することもあります。患者情報や医療スタッフのスケジュール、在庫管理などを管理するためのシステムです。医師や看護師だけではなく、医療事務の担当者も使いやすいシステム設計が求められます。

上記までのシステムは「医師や看護師」と「医療事務の担当者」のどちらかだけが利用するものでした。そのため、それぞれの業務について理解していれば開発や運用できたのです。しかし、病院情報システムについては病院の全員が利用する可能性があり、全員が使いやすいシステムであることが大切となります。

まとめ

業務系エンジニアの概要や求められるスキルについて解説しました。基本的には一般的なエンジニアですが、開発や運用するシステムを利用する業界について熟知しなければなりません。これが不足していると業務系エンジニアとしての活躍は不可能です。

いくつもの業界で需要がありますが、金融業界と医療業界では特に需要が高まっています。どちらも法令など専門知識を習得する必要はありますが、一度スキルを習得すると長く活躍できるでしょう。

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admin