Zabbixとは|概要と活用例、メリット・デメリットを詳しく解説!

Zabbixとは|概要と活用例、メリット・デメリットを詳しく解説!

Zabbixは、オープンソースで開発されている、サーバやネットワークなどを監視するソフトウェアです。同様のソフトウェアはいくつも提供されていますが、無料で利用できることは大きな強みといえるでしょう。

しかし、海外のソフトウェアということもあり、日本では詳しく知られていません。今回は、Zabbixがどのようなソフトウェアであるか、概要やメリット・デメリット、活用例から解説していきます。

Zabbixとは

Zabbixは、オープンソースで開発されている統合監視ツールで、システムやネットワークの状態をリアルタイムで把握できます。一般的に、可用性やパフォーマンスを把握したり、管理したりするために使用されるものです。さまざまなサーバやネットワーク機器、仮想環境などを監視できるようになっていて、幅広いインフラが対象となっています。エージェント方式やエージェントレス方式のどちらにも対応していて、多くのメトリクスを収集し、可視化できることが特徴です。

また、監視機能だけではなく、問題が検出された際の通知機能も備わっています。例えば、メールやSMSなどでアラートを発信できる仕組みです。そのため、管理者は状況をいち早く把握し、次の対応へつなげるなどできます。

他にも、ダッシュボードやグラフでデータを可視化する機能も備わったソフトウェアです。これにより障害を予防したり、トラブルシューティングを効率化したりする際にも活用できるため、幅広い組織で活用されるようになりました。

Zabbixで監視できる項目


Zabbixで監視できる内容は多岐にわたり、具体例を挙げると以下のとおりです。非常に幅広い監視に対応しているため、インフラはもちろん、アプリケーションやクラウド環境などにも適用できます。

サーバの監視

  • CPU使用率: 負荷状況や使用率のトラッキング
  • メモリ使用量: 使用量や空き容量の監視
  • ディスク使用量: ディスク容量の利用状況やI/O性能
  • プロセス監視: 特定プロセスの稼働状況
  • ログ監視: システムログやアプリケーションログの特定条件を検出

ネットワークの監視

  • ネットワークトラフィック: 入出力データの帯域幅
  • パケット損失: ネットワークの健全性の確認
  • ネットワーク遅延: Ping応答時間や接続状態
  • ポート監視: 特定ポートの状態(開閉や応答)
  • スイッチやルーターの状態: ステータス、トラフィック量

アプリケーションの監視

  • データベース: クエリの実行速度、接続数、エラー
  • Webサービス: HTTP応答時間やステータスコード
  • メールサーバ: SMTP、POP3、IMAPの状態
  • アプリケーションログ: 特定メッセージやエラーパターンの検出

その他の監視

  • 温度や湿度センサー: データセンターや機器の環境監視。
  • 電力消費: UPSやPDUの電力使用状況。
  • カスタムスクリプト: ユーザーが定義した独自の監視項目。

Zabbixに含まれる主要なソフトウェア


Zabbixは、一つのソフトウェアではなく、複数のソフトウェアコンポーネントから構成されています。それぞれの詳細は以下のとおりで、これらを組み合わせて運用する仕組みです。

Zabbix Server

Zabbix ServerはZabbixの中核をなすコンポーネントで、監視データの収集や処理継続的な保管などを担当します。例えば、監視対象から収集したデータをデータベースに保存する機能や、障害を検知するためのトリガーを設定する機能などです。また、これらの条件に基づいてアラートを発生させることにも対応しています。

全体の運用を管理する中心的な役割がZabbix Serverです。そのため、すべての監視タスクはこちらを中心に動くと理解してよいでしょう。複数のソフトウェアから構成されていますが、その中でも必ず設定すべきものです。

Zabbix Webインターフェース

Zabbix Webインターフェースは、監視の設定や管理を実施するためのWeb GUIです。PHPで開発されているため、ApacheやNginxなどのWebサーバ上に配置して操作する仕組みが採用されています。Zabbixの設定は、こちらのGUIを通じて直感的に指定できるため、CUIのようにコマンドを覚えるなどの必要はありません。

またWeb上で利用できるダッシュボード機能があり、こちらでグラフ化した監視データや各種情報を閲覧できます。システムの状況を把握するために必要な内容が集約されているため、運用ではこちらを中心に把握すると理解してください。なお、イベントログやアラートの履歴なども残せるようになっているため、後から過去の状況を把握するなどの使い方もあります。

Zabbix Agent

Zabbix Agentは、監視対象のデータを収集し、Zabbix Serverへと送信するプログラムです。主にサーバなどのリソース状況を監視したり、ログファイルの内容や特定のプロセス状態を確認するために利用します。例えば、CPUやメモリの状況を監視して、定期的にZabbix Serverへ送信するなどです。

複数のOSで利用することが可能であり、現在はWindowsやLinux、macOSでの利用が可能です。また、標準的な機能を利用するだけではなく、スクリプトによるカスタマイズにも対応しています。そのため、特殊な要件がある場合でも、カスタマイズによってカバーできる仕様です。

データベース

データベースは厳密にはZabbixに含まれたソフトウェアではありません。監視データを保存する役割を担うもので、MySQL、PostgreSQL、Oracle Database、SQLiteなど複数のデータベースエンジンに対応しています。状況に応じて使い分けができるため、導入する環境に最適なものを選択すればよいでしょう。

Zabbixはデータベースを活用することによって、収集したデータを永続的に管理できるようになります。もし監視対象が多くデータ量が多いならば、データベースの容量も増やすなど、要件に応じた選択が重要です。

Zabbixのメリット

Zabbixのメリットについて、まずは理解しておきましょう。

オープンソースであり無料

オープンソースであり、無料で導入したり利用したりできることがメリットです。同様のソフトウェアはいくつも存在しますが、有償のものが大半を占めています。コスト面の負担が小さいことは大きな利点となるのです。

ただ、オープンソースであるため、利用にあたっては自分自身で導入も運用もしなければなりません。有償のソフトウェアはサポートを受けられるため、比較するとやや見劣りする部分はあるのです。

監視対象が幅広い

紹介したとおり、監視対象が幅広いことがメリットです。Zabbixを導入しておくだけで、インフラに関する多くの情報が手に入ります。複数のソフトウェアを組み合わせる必要はありません。

今までも、サーバの情報を監視・収集するソフトウェアは存在していました。しかし、Zabbixほど幅広い監視対象をもつものは登場していなかったのです。Zabbixの登場により、多くの項目を簡単に監視できるようになりました。

拡張性が高い

複数のコンポーネントから構成されているため、必要に応じてカスタマイズが可能です。つまり、拡張性が高いことはZabbixのメリットといえるでしょう。オープンソースであるため、自由に改変もできます。

注意点として、Zabbixを拡張するためには、専門的なスキルが必要です。また、自己責任で拡張することも多いため、そこは注意してください。

Zabbixのデメリット

Zabbixにはどのようなデメリットがあるかについても理解していきましょう。

初期設定の難易度が高い

複数のソフトウェアから構成されているため、初期設定の難易度が高いことはデメリットです。それぞれのソフトウェアが持つ役割を理解して、適切に設定しなければなりません。少しでも設定ミスがあると、監視の結果に影響が出てしまいます。細かな部分まで理解して、設定を徹底することが重要です。

なお、初期設定であるため、Zabbixを導入する際に理解できていれば良い内容ではあります。ただ、Zabbixはバージョンアップがあるため、場合によっては導入してからも、設定の変更が必要です。主に初期設定ですが、運用中のデメリットにもなりうると理解しておきましょう。

学習コストが高い

初期設定の難易度にも関わる部分ですが、学習コストが高いこともデメリットです。Zabbixを使いこなせるようになるためには、まとまった時間が必要となるでしょう。

例えば、Zabbixは複数のソフトウェアから構成されています。そのため、それぞれのソフトウェアについて理解するためのコストが必要です。加えて、カスタマイズが必要となる場合は、各種プログラミングの言語の習得も求められます。そのものの習得もカスタマイズ面の習得も、コストが発生する点がデメリットです。

パフォーマンスを意識する必要がある

大規模な環境で利用する際は、パフォーマンスを意識する必要があります。場合によっては十分なスペックのサーバを準備しないと、適切にソフトウェアが稼働しません。環境を意識しなければならない点はデメリットです。

理由はいくつかあり、例えばプログラミング言語面の問題があります。Zabbixはスクリプト言語のPHPで開発されているため、コンパイラ言語ほど高速なソフトウェアではありません。どうしても実行に時間がかかってしまい、スクリプト言語であるデメリットを受けてします。

また、大量の監視データはデータベースに保管しなければなりません。一般的に、データベースへのアクセスはI/Oが多く、どうしても時間がかかってしまいます。ここがボトルネックとなり、全体のパフォーマンスに悪影響を与えるのです。この点も場合によってはデメリットになるため注意したほうが良いでしょう。

Zabbixの具体的な活用例


Zabbixをどのような場面で利用できるのか、具体的な活用例を紹介します。

サーバインフラの監視

複数のサーバ状態を一括で可視化するなど、サーバインフラの監視に活用できます。例えば、CPU、メモリ、ディスク使用量などをリアルタイムで監視して、使用率が一定の閾値を超えるとアラートを発生させるなどです。

このような監視を続ければ、過負荷状態やリソース不足による障害を未然に防ぎ、安定したサーバ運用を実現できます。また、データを長期的に保存することで、リソース使用量の傾向を分析するなどの活用も可能です。

ネットワーク機器の監視

サーバだけではなく、ネットワーク機器の監視にも活用できます。例えば、ルーターやスイッチの稼働状態、ポート使用率、ネットワークトラフィックなどの監視が可能です。SNMP(Simple Network Management Protocol)を活用して、遅延やパケット損失などの問題をリアルタイムに把握できます。

これらの問題をいち早く検知できれば、ネットワーク障害の発生を見落とすことなく、速やかな原因の特定も可能です。その結果、迅速に問題を解決し、障害を復旧できるでしょう。

仮想環境の監視

ZabbixはVMwareやHyper-Vなど、仮想化プラットフォームのホストや仮想マシンのリソース状況を監視できます。CPUやメモリの使用率を把握し、リソース不足によるパフォーマンス低下を予防できるのです。

また、仮想マシンの稼働状況は、それぞれのプラットフォームに付随するコンソールを利用することが一般的です。しかし、Zabbixを利用すれば情報を一元管理できるため、効率的な仮想環境の運用を実現できます。

データセンタ環境の監視

ソフトウェア的な要素だけではなく、温度、湿度、電力消費などデータセンタ環境をセンサーで収集、監視できます。これを活用することで、データセンタのトラブルをいち早く検知することが可能です。

例えば、データセンタの温度を監視することで、異常な発熱を検知した際に担当者へ連絡できます。また、消費電力が低下していると、機器の故障を疑うことも可能です。センサーと組み合わせる仕組みがあることで、Zabbixは環境面の監視にも活用できます。

まとめ

サーバやネットワークなどの監視に対応できるZabbixを紹介しました。オープンソースで開発されている監視系ソフトウェアであり、無料で利用できることが大きなメリットです。有料で提供されているソフトウェアに負けない、幅広い機能が実装されています。カスタマイズにも対応しているため、必要に応じて機能の拡張ができることポイントです。

ただ、オープンソースで提供されていることから、自分自身で情報を集めて運用しなければなりません。海外のソフトウェアであるため、日本のドキュメントが少なく、英語を読み解いて学習することが求められます。導入や運用の負担が少々高いため、その点は注意して導入するか検討すべきです。

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admin