Azureとは?基礎知識・特徴・将来性を解説!

Azureとは?基礎知識・特徴・将来性を解説!

近年利用者が増え続けているパブリッククラウドにAzureが挙げられます。クラウドサービスといえばAWSが圧倒的なシェアを持っていますが、Azureも追従する形でシェアが伸びてきています。

シェアが伸びているサービスではあるものの、パブリッククラウドはAWSが圧倒的であったため、Azureはあまり理解できていない人もいるでしょう。今回はMicrosoftが提供するクラウドサービスであるAzureについてご説明します。

Microsoft Azureの基礎知識

最初にAzureがどのようなサービスであるのかについてご説明します。大まかなイメージを持てている人はいると思いますが、この機会に再度基本知識を身につけておきましょう。

AzureはMicrosoftのIaaS/PaaS

AzureはMicrosoftのIaaSやPaaSサービスの総称です。多くのサービスが提供されていますので、IaaSに該当するものとPaaSに該当するものの両方が存在しています。概ねはPaaSであると考えて良いでしょう。

IaaSやPaaSですので、利用者は料金を支払って必要なサービスを貸し出ししてもらいます。自分たちで資産を保有するのではなく、Microsoftが保有している資産を利用させてもらうイメージです。これはAzureに限らずパブリッククラウド全般の考え方となっています。

Azureの仕組み

Azureの仕組みは一般的なパブリッククラウドと同様です。世界中に「リージョン」と呼ばれるエリアが存在していて、そのエリアの中で情報がスムーズにやりとりできるようになっています。リージョンは国ごとに1つや2つだけ存在し、リージョンを変更すると物理的に大きく異なった場所でデータを管理できます。

また、リージョン内には可用性ゾーンがあり、複数のデータセンターからAzureは構築されています。例えば東日本リージョンには東京都や神奈川県、埼玉県など地理的に離れた複数のデータセンターが含まれていると思われます。なお、どのデータセンターが利用されているのかは公開されていませんので、この点は明確には判断できません。

基本的にAzureはひとつのデータセンターではなく、複数のデータセンターを連携する形で構築されています。この仕組みがあるからこそ、Azureは高い可用性を保てています。

100を超える豊富なサービスを提供

Azureには100種類を超える様々なサービスが存在しています。これらのサービスをうまく組み合わせて、必要とするシステムを構築していくのです。例えば以下のサービスが提供されています。

  • Azure Virtual Machines:バーチャルマシン
  • Azure Disk Storage:バーチャルマシン用のストレージ
  • Azure Virtual Network/Azure VPN Gateway:ネットワーク
  • Azure Cosmos DB/Azure SQL Database:データベース
  • Azure Machine Learning/Azure Databricks:人工知能

ここでご紹介したのはAzureのサービスの一部です。これら以外にも非常に多くのサービスがAzureでは提供されています。それらのサービスを組み合わせて、自分に適したシステムの構築をしていくのです。

なお、Azureはサービスの開発が活発ですので、新しいサービスが次々と公開されています。特に人工知能は現在どのパブリッククラウドも力を入れている部分で、Azureも力が入っています。ここはこれからさらに成長すると考えられますので、サービスの進化には注目しておくと良いでしょう。

関連記事:今さら聞けない!SaaS、PaaS、IaaSの違いについて解説!

Microsoft Azureの特徴


Azureの基礎知識についてはご説明しました。具体的にどのようなクラウドサービスであるのかイメージしてもらえたのではないでしょうか。続いては基礎知識に加えて以下のとおりAzureの特徴をご説明します。

  • 利用者数の多いパブリッククラウド
  • 拠点数が多い
  • Microsoft製品との連携に強い
  • セキュリティ性能が高い
  • 長期利用の割引が充実

それぞれについてどのような特徴であるのかを細かくご説明します。

Azureの特徴1:利用者数の多いパブリッククラウド

Azureはパブリッククラウドの中でも利用者数が多いものです。世界的に最も利用されているパブリッククラウドサービスではありませんが、それでも利用者数は確実に増えています。

Azureの人気が高まっている背景は複数あります。まず、AzureはMicrosoftが提供するパブリッククラウドです。そのため提供している会社の知名度の高さから、Azureに対する安心感が高く人気を集めています。

また、最近はマルチクラウドと呼ばれる、複数のクラウドサービスを組み合わせて利用する運用設計が増えてきています。このような設計をする場合、他のクラウドサービスを利用していても必然的にAzureが必要とされます。

皆さんがAzureに対してどのようなイメージを持っているのかは判断できない部分です。ただ、状況としてAzureは利用者数が増えていて、需要の高いパブリッククラウドとなってきています。

Azureの特徴2:拠点数が多い

Azureはパブリッククラウドの中でも拠点の数が多くなっています。どのパブリッククラウドも世界中に幅広く拠点を置く傾向にありますが、Azureはそれらの中でも特に拠点数が多い特徴があります。

拠点数が多ければ、利用者はそれだけ柔軟にアクセス先を選択できます。Azureの場合は東日本と西日本だけではなく、埼玉にも拠点が用意されています。そのため他のパブリッククラウドと比較すると、必要な拠点を選択しやすくなっています。

また、拠点は日本国内だけではなく世界中に用意されています。現在は60箇所以上の拠点が用意されていて、これらも必要に応じて選択して利用できます。他社のパブリッククラウドと比較すると、全体的に拠点の数が多く利便性に優れているのが特徴です。

Azureの特徴3:Microsoft製品との連携に強い

AzureはMicrosoftが開発している製品です。そのためパブリッククラウドサービスの中でも、Microsoft製品との連携を強みとしています。他社のパブリッククラウドサービスでもMicrosoft製品との連携はできますが、Azureの機能と比較すると劣ってしまいます。

例えば世界中で利用されているMicrosoft製品にMicrosoft365やWindowsサーバーがあります。Azureはこれらの製品との連携を得意としているのです。日頃から多くの企業で利用されているオフィス関連の製品やサーバーOSと組み合わせて利用できるわけです。

Microsoft製品は世界中で幅広く利用されています。そのようなシェアの高い製品と組み合わせて利用しやすい点がAzureの特徴です。

Azureの特徴4:セキュリティ性能が高い

Azureはパブリッククラウドの中でもセキュリティ性能が高い特徴があります。どのパブリッククラウドもセキュリティ対策には力を入れていますが、Azureは特に力を入れていることが特徴です。

まず、Azureではセキュリティ対策のためにサイバーセキュリティの専門チームを有しています。このチームには3,500名以上が在籍していると公開されていて、セキュリティ対策のために重厚なチームが作られています。他社のパブリッククラウドも同様にセキュリティ対策のチームもあると思われますが、公開されている情報ではAzureが最もセキュリティに力を入れています。

また、Azureはセキュリティ対策の活動をしているだけではなく、セキュリティ上の問題をいち早く検知する仕組みも作られています。非常に多くの情報を解析できるようになっていますので、これらを利用して必要な対策を講じられるのです。

公式サイトの説明でも「他にはない」との言葉を使ってセキュリティ性能の高さについて説明されています。パブリッククラウドの中でも、セキュリティ性能が高い点は注目です。

Azureの特徴5:長期利用の割引が充実

Azureは基本的には従量課金制が取られていますが、長期的な利用の際は割引が充実しています。あらかじめ長期利用を前提とした契約をすることで、料金の割引を受けられるのです。

パブリッククラウドは利用した分だけ課金される反面、長期的に利用をし続けるとコストが高まりやすいデメリットがあります。短期的な利用や24時間稼働でなければコストを抑えられますが、長期的な利用や24時間稼働では逆に高まってしまうのです。

しかし、事前に長期利用が決まっているならばAzureと長期契約を結ぶことで料金を抑えられます。最初から1年や3年など長期契約をしておけば、通常料金よりも大きく割引された料金で利用できるのです。ランニングコストに大きく影響するのが特徴です。

なお、長期利用の割引については他のパブリッククラウドサービスも提供しています。自分で申し込みが必要なサービスと自動的に割引が適用されるサービスがある状況です。Azureはこれらの中では事前に自分で申し込みが必要なサービスですので、その点は注意しておきましょう。

Microsoft Azureの将来性


Azureの基本的な知識や特徴についてご説明しました。概ねどのようなサービスであるのか理解してもらえたでしょう。続いてはこれらの知識を踏まえ、Azureにはどのような将来性があるのかについて解説します。

需要の高まるクラウドで将来性は明るい

パブリッククラウドサービスの中でもAzureの需要が高まっています。AWSが圧倒的なシェアを保有していますが、それに追従する形でAzureのシェアが伸びているのはご説明したとおりです。

そのような状況でありますので、Azureはこれからも需要が高まっていくでしょう。そもそも今以上にクラウドの活用が広がると思われますので、他のパブリッククラウドサービスの成長とともにAzureも成長していくと考えられます。将来性は非常に明るい状況です。

サービスとして将来性が明るい状況ですので、これを扱えるエンジニアの将来性も明るいです。Azureのスキルを十分に身につけておけば、これから活躍の場がどんどんと広がっていくでしょう。新しくAzureで開発するような案件も増えていますので、多くの案件から自分の活躍する場を選べるようになります。

機能追加に追いつく姿勢が重要

パブリッククラウドサービスは常に機能追加が行われています。毎年新しいサービスが公開されていますし、既存のサービスについても機能改善が行われています。

Azureを扱うエンジニアとして将来性を高めるためには、これらの機能追加についていかなければなりません。現場では常に最新のスキルが求められますので、機能追加に追いつけなければ案件を獲得できなくなります。

ただ、Azureの機能追加は非常に多くの量があります。そのため全てを完璧に身につけるのは現実的ではありません。将来性を高めるために必要なのは、可能な限り追いつくように勉強する姿勢です。

最大限の勉強をしていれば「自分で対応できる案件かどうか」の判断ができやすくなります。最新のスキルの中でも自分が特に強みとする部分で活躍するようにすればよいのです。

まとめ

AzureはMicrosoftが提供するパブリッククラウドサービスです。提供元がMicrosoftですので、信頼度が高く日に日に利用者数が増えています。

Azureはパブリッククラウドの中でもセキュリティ性能が高く、リスクの検知もしやすいのが特徴です。どこのクラウドサービスもセキュリティには力を入れていますが、Azureは特にセキュリティ性能が高いと考えて良いでしょう。

また、Microsoftが提供しているクラウドサービスですので、Microsoft製品との相性が良くなっています。ビジネスの現場ではMicrosoft製品が多く使われていますので、これらと組み合わせて利用するクラウドサービスとして適しています。

登録フォームボタン
登録フォームボタン

SHAREこの記事をシェアする

admin