エンジニアのスキルシートの書き方とは?自己PRのポイント!

エンジニアのスキルシートの書き方とは?自己PRのポイント!

エンジニアとして活躍するにあたっては「スキルシート」と呼ばれるものを作成する必要があります。その名のとおり、自分が保有するスキルについてまとめた資料でエンジニアならば作成しておきたいものです。今回はスキルシートの概要からその内容、全体の書き方について解説します。

スキルシートとは?

スキルシートは履歴書や職務経歴書などと並び、自己アピールの際に利用する書類です。これまでの経験やスキルをA4サイズ1枚〜2枚データの書式にまとめておきます。職務経歴書と内容が重なる部分はありますが、時系列に沿って整理するのではなくスキルに沿って整理するものです。

履歴書のように決まりきったフォーマットはなく、スキルシートはそれぞれが自由な形式で作成します。ただ、スキルシートである以上は以下の項目を入れ込むようにしましょう

● 期間
● 規模
● 役割
● 担当業務
● プログラミング言語
● フレームワーク
● 開発環境

自分について知ってもらうための資料であるため、伝えるべき事項は可能な限り記載しなければなりません。
クライアントが気になると考える情報をスキルシートに含めて、自分について理解してもらうようにしましょう

ただ、スキルシートには厳密なフォーマットがないがゆえ、内容を書きすぎてしまうケースもあります。あまりに内容量が多いと、クライアントが内容の確認に時間を要してしまい、最悪の場合に読んでもらえなくなります。そのため、記載量と読みやすさのバランスを考えて作成しなければなりません

スキルシートはなぜ必要?


スキルシートの概要についてご説明しました。ただ、スキルシートがなぜ必要となるのかイメージしにくいと考えられるため、続いては必要となる理由について解説します。

スキルシートが求められる背景

スキルシートが必要となる背景は、クライアントに自分をアピールするにあたって「自分にはどのようなスキルがあるか」「自分に仕事を依頼するとどうなるか」を分かりやすくするためです。また、転職エージェントやフリーランスエージェントを利用する場合は、担当者に自分を理解してもらい、適切な求人や案件を紹介してもらうためにあります。

上記で項目を紹介したとおり、スキルシートには「今までどのような経験を積み、結果としてどのようなスキルを習得したか」が書かれています。このような情報を資料として提供しておくことで「働いてみたら自分が思い描いていたものと違った」という状況を避けられるのです。これは働く側にとっても依頼する側にとっても非常に重要なことであり、スキルシートが重要視される背景となっています。

職務経歴書との違い

スキルシートも職務経歴書も「今までの経験を踏まえて保有するスキルを説明する資料」という意味合いは同じです。基本的にはどちらも時系列に沿って、参画してきたプロジェクトや保有しているスキルについて説明します。

ただ、スキルシートは「保有しているスキルを証明する資料」との意味合いが大きく、スキルに関する情報以外は記載しないケースがあります。例えば、職務経歴書には自分の強みを記載する場合がありますが、スキルシートでは記載しないケースも多々あるのです。

とはいえ、このような記載をなくせば良いかと問われるとそうとは言い切れません。状況に応じて、スキルのみを書くかそれ以外も書くか考えなければならないのです。そのため、可能ならば転職サイトやエージェントなどへ問い合わせて、どのようなフォーマットにすれば良いのか明確にしておきましょう。

未経験でもスキルシートは書ける?

スキルシートを書くためには記入するだけの経験を積まなければなりません。もし、未経験の場合、スキルシートをかけるのかについてもご説明します。

未経験ではスキルシートの作成が難しい

スキルシートは今までエンジニアとして活躍していた経験をもとに作成するものです。そのため、エンジニアとして働いていない未経験の人は作成が難しくなってしまいます。

もちろん、今まで参画してきたプロジェクトがなくとも、習得してきたスキルがあればスキルシートの作成は可能です。例えば、書籍や動画サイトなどでエンジニアとしてのスキルを習得していれば、それらを記載しても良いでしょう。ただ、実務経験がないと記載できる内容が限られ、クライアントからの評価も限られてしまいます。

なお、仮に未経験でもプログラミングスクールに通った場合はこの限りではありません。スクールでは実践レベルの開発にチャレンジすることも多く、スキルシートに書けるだけの経験を積めるでしょう

ポートフォリオの作成で代替する

未経験の場合はスキルシートを作成するのではなく、ポートフォリオの作成に力を入れるべきです。ポートフォリオは今まで自分が開発してきたものをまとめたもので、Webサービスなどを活用して作成します。未経験に限らず、エンジニアならば多くの人が作成する資料です。

このポートフォリオは自分が開発したものであれば内容は問われません。そのため、実務ではなくとも個人的に開発したものがあればそれを含めましょう。WebサイトやWebアプリケーション、デスクトップアプリやクラウド環境などどのようなものでも差し支えありません。

なお、ポートフォリオを作成するにあたっては、どのようなスキルをなぜ利用したのか明記することが重要です。「工夫点」ともいわれる部分で、適切なスキルを適切な場面で使いこなせるかが評価されます

また、他のエンジニアと協力して開発したものは、どこを担当したのか明記が必要です。未経験のエンジニアは自力でポートフォリオに掲載するものを完成させられない可能性があるため、協力を仰いだならばその旨を記載しましょう。

経験を積んだ段階でいち早く用意すべき

未経験の場合はスキルシートの作成ができませんが、記載する経験を積めた段階でいち早く作成しましょう。プロジェクトが完了していなくとも、数ヶ月の経験を積めばまずはスキルシートに記載できます

スキルシートは多くの内容がないと思われがちです。しかし、実際にはそのようなことがなく、スキルシートがあるかどうかの方が重要です。未経験でスキルシートがない状態は可能な限り避けたいため、書けるようになったタイミングで作成しましょう

スキルシートの書き方は?


続いてはエンジニアがスキルシートをどのように書けばよいのか解説します。

スキルシートを書くための準備

スキルシートを書くにあたっては事前準備をしなければなりません。特に記載する内容はすぐに思いつくとは限らないため、スキルシートを書く前の事前準備として内容を考えるようにすべきです。

具体的な準備時間はスキルシートに記載する項目に準じます。すべての項目をスムーズに記載できるような情報収集をしておきましょう。単純に情報収集するだけではなく、記載内容に具体性を持たせるために数字など細かい情報も収集すべきです。例えば「Javaでの開発」ではなく「Java8.0での開発」などと、できるだけ細かく情報を集めておきましょう。

基本的にスキルシートを書くための事前準備は、情報収集に終始します。記載内容に不足があるとスキルシートとしての意味が薄れてしまうため、事前準備に時間を割き、充実したスキルシートを作成すべきです。

スキルシートに必要な項目と書き方

スキルシートに必要な項目は明確に定められているわけではありません。繰り返しですが例えば以下を記載します。

● 期間
● 規模
● 役割
● 担当業務
● プログラミング言語
● フレームワーク
● 開発環境

こちらの内容が記載されていれば、クライアントはどのようなスキルを持つエンジニアであるのか評価できるはずです。ただ、プログラマーではなくネットワークエンジニアやデータベースエンジニアならばプログラミング言語を扱っていないでしょう。このようなエンジニアは必要に応じて項目を調整する必要があります。

スキルシートに書く自己PRのポイントは?

スキルシートには自分のスキルを記載するだけではなく自己PRも記載する場合があります。自己PRの内容によってクライアントの印象が変化してくるため、自己PRを書く際のポイントについても解説します。

会ってみたいとの印象を与える

エンジニアが自己PRを書く際は、担当者に「一度会ってみたい」と思ってもらうことを意識しましょう。自己PRが書かれているフォーマットの場合は、担当者が自己PRを特に確認する傾向にあります。ここでの印象が悪いと、面談までこぎつけなくなってしまいます。

会ってみたいかどうかを左右する部分は「この人の人間性はどのようなものであるか」です。人間的に会ってみたいと思わせるような自己PRを書かなければ、面談をしたいと思ってもらえないでしょう。

過去の経験をつらつらと書かない

自己PRに過去の経験を踏まえた自分のスキルをつらつらと書く人がいます。確かにスキルシートではこのようなことも伝える必要がありますが、これは自己PRに書くことではありません。経歴などに記載すれば良いため、自己PRには記載しないようにしましょう。

スキルシートの別の部分に書かれていることを自己PRに書くと、自己PR全体が冗長になってしまいます。そのような状態では相手側に読んでもらえなくなるため、人間性などを伝えたいことに絞って簡潔に書くようにしましょう

スキルシートを書く際の注意点は?

エンジニアがスキルシートを書く際には以下の注意点を意識しましょう。

新しい内容を含める

スキルシートの内容は定期的に見直して、新しい内容を含めるようにしましょう。一度作成したものを使い回す人も見受けられますが、内容が陳腐化してしまうとスキルシートの意味が薄れてしまいます。直近のスキルについて知りたいクライアントが多いため、この部分を中心にアップデートしなければなりません

特にクライアントが新しいスキルを求めている場合は、スキルシートに記載しているかどうかが非常に重要です。クライアントは何人もの応募者からエンジニアを選ばなければならず、スキルシートに記載があるかどうかだけで足切りしていても違和感はありません。

逆に、新しいスキルについて固有名詞や数字を用いて説明していると、クライアントにスキルを証明しやすくなりますプロジェクトが完了した際や新しいスキルを習得した際は、可能な限り具体的に更新しておきましょう

記載内容を客観的に評価する

スキルシートの内容を確認するのは自分ではなくクライアントです。そのため、「クライアント目線で内容を確認し理解しやすいか」が非常に重要です。自分目線で内容が理解できても、客観的に理解できない書き方は意味がありません。

一通りスキルシートを作成した後は、客観的にその内容を評価してみましょう。「書かれている内容だけでスキルが伝わるか」「前提知識がないと理解できない内容は含まれていないか」などの観点を意識しなければなりません。

また、各種エージェントを利用しているならば、担当者にスキルシートの内容を確認してもらいましょう。客観的な目線でスキルシートを評価してもらうことで、問題点が明らかになります。エージェントの利用がない場合は、友人などに見てもらうと良いでしょう。

機密事項は記載しない

スキルシートを作成するにあたって、企業秘密に関する事項を含めないようにしましょう。記載しなければならない場面では可能な限り一般化して、どこの案件に従事していたか特定できないようにすべきです。特に秘密保持契約を結んでいる場合は、スキルシートに記載するだけで契約違反になってしまう可能性があります。

例えば、鉄道会社のシステムを扱ったならば「大手鉄道会社社内システム」などのように記載します。また、中小規模の金融機関のシステムならば「関東地方金融機関決済システム」などのようにしましょう。どのプロジェクトに従事したのか特定されない範囲で細かく記載します。

なお、秘密保持契約を結んでいないならば、スキルシートに記載しておきましょう。具体的に記載しておくことで、クライアントはスキルを把握しやすくなります。

まとめ

エンジニアが作成するスキルシートについてご説明しました。基本的には今までの経験からどのようなスキルを保有しているかをまとめた資料です。そのため、未経験の場合はスキルシートの作成が難しく、スキルシートではなくポートフォリオの作成をしなければなりません。

また、スキルシートには明確なフォーマットがないため、どのような内容を記載するかは状況によって異なります。一般的にどのような項目を記載すべきかは説明しているため、その内容を踏まえて内容を記載するようにしましょう。加えて、自己PRを記載する際は今までの経験に終始せず、「会ってみたい」との印象を与えられるように意識しなければなりません。

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