フリーランスコンサルタントとは|年収・なり方・将来性を解説

フリーランスコンサルタントとは|年収・なり方・将来性を解説

フリーランスの新しい職種としてコンサルタントが注目されています。フリーランスコンサルタントと呼ばれる働き方で、近年数が増えているものです。皆さんもフリーランスコンサルタントがどのような働き方をしているのか気になるのではないでしょうか。

フリーランスコンサルタントは、まだ新しい働き方ですので、詳しく理解されていない人も多いはずです。今回はフリーランスコンサルタントとはどのような職業なのか、年収やフリーランスコンサルタントになる方法、将来性についてまとめて解説します。

フリーランスコンサルタントとは

最初にフリーランスコンサルタントとはどのような働き方であるのか解説します。また、フリーランスコンサルタントが活躍する領域についても解説します。

どのような働き方なのか

フリーランスコンサルタントとは企業に所属せず、フリーランスでコンサルタント業務をする人を指します。一般的にコンサルタントはファームなどに所属して、会社員として働く人が中心です。給与体系としては出来高制でフリーランスのような働き方である企業は多いですが、会社員として雇用関係は結ばれているのです。

それに対してフリーランスコンサルタントはこのように雇用関係が結ばれていません。基本的には個人事業主としてフリーランスコンサルタント業を営んでいて、その都度契約を結び、案件を獲得しています。「企業名」という後ろ盾がある状態のコンサルタントではなく、個人名だけで活躍しているコンサルタントです。

個人で働いてはいるものの、会社員のコンサルタントもフリーランスのコンサルタントも業務内容は同じものです。クライアントの課題や要望を引き出し、それらを解決するためのソリューションを提案します。提案だけして実際の活動はベンダーに任せる場合もあれば、自分で現場に入り実際の活動を牽引する場合もあります。

強いて違いを述べるのであれば、フリーランスコンサルタントは案件の獲得を自分でしなければなりません。会社員の場合は営業が案件を獲得してくれる場合がありますが、フリーランスコンサルタントには営業がいませんので自分でやるしかないのです。ただ、コンサルティングファームによっては会社員でも自分で案件を獲得する必要があり、比較対象によっては個体差がないと考えられます。

コンサルタントの領域

コンサルタントにはそれぞれ得意とする領域があります。それぞれの領域で専門家としてコンサルティングをしますので、自分の領域以外の案件は対応しないのが普通です。これはフリーランスコンサルタントにおいても同様で自分の専門領域で活躍します。

フリーランスコンサルタントは、会社員のコンサルタントと比較すると活躍できる領域が少々限られます。主にフリーランスコンサルタントが活躍している領域は以下のとおりです。

  • 経営コンサルタント
  • 戦略コンサルタント
  • ITコンサルタント
  • Webコンサルタント

これらがフリーランスコンサルタントの全てではありません。ただフリーランスで活躍しているコンサルタントは、これらのどれかに該当するケースが多くなっています。逆に公共事業などを扱うフリーランスのコンサルタントはほとんど見られません。このような領域はフリーランスコンサルタントに案件が流れるケースが少なく、大手ファームに所属しているコンサルタントが案件に参画するからです。

自分が得意としている領域が、フリーランスコンサルタントで受注できるとは限りません。大手コンサルタントファームでしか獲得できないような領域があるのは事実です。基本的には自分のスキルがあればコンサルタントの領域を広げられますが、「会社」という後ろ盾がないと受注しにくい領域はあるのです。

フリーランスコンサルタントへのなり方


フリーランスコンサルタントへのなり方は大きく分けて以下の3つあります。

  • コンサルタントファームからの独立
  • 専門領域からの起業

それぞれの方法について解説します。

コンサルタントファームからの独立

コンサルティングファームから独立してフリーランスコンサルタントになる人が多くいます。フリーランスコンサルタントになる方法としては、王道だと言えるでしょう。

一般的にコンサルタントで活躍するためには、ある程度の実務経験が必要です。コンサルタントには高いスキルが求められますので、実務経験なしに対応していくのは難しいのです。特にコンサルタントには独自のロジックなどで物事を読み解いていく必要があり、経験的に身に付けるしか無いスキルが存在します。

言い換えるとコンサルタントとして専門的なスキルが身に付いていれば、会社に所属しなくても活躍できます。そのため、コンサルティングファームでスキルを身に付け、その後は独立してフリーランスコンサルタントになるのです。コンサルティングファームで培った高いコンサルティングスキルを武器に、フリーランスコンサルタントとして活躍します。

そもそもコンサルティングファームは入れ替わりの激しい職場環境です。出世に関してもタイミングを逃すとなかなか実現できない場合があります。そのためコンサルティングファームで上を目指すのではなく、一定のタイミングで見切りをつけて独立する人も多く見られます。

専門領域からの起業

何かしら専門領域の知識が必要となる企業を経由して、フリーランスコンサルタントになる人がいます。例えば会計事務所を経由して経営コンサルタントになる人やシステム開発企業を経由してITコンサルタントになる人がいます。

コンサルタントファームに所属していなくても、コンサルタントとして働くケースがあります。クライアントの課題を聞き出し、それを解決する方向に持っていくのです。働き方としてはコンサルタントを名乗っていなくとも、実質的にはコンサルタントとして働いている人は多々居ます。

このように実質的なコンサルタントのスキルが身に付いていれば、フリーランスコンサルタントとしても十分活躍できます。コンサルタントとしての考え方は強化する必要がありますが、専門領域のスキルとしては十分身に付いているはずだからです。

コンサルタントには高い専門的なスキルが求められます。これが身に付いていれば、コンサルタントファームでの経験がなくてもフリーランスコンサルタントにはなれます。

フリーランスコンサルタントの年収

フリーランスコンサルタントのなり方について解説しました。続いてはフリーランスになった場合の年収について解説します。

担当領域による年収例

フリーランスコンサルタントの年収は担当領域によって変動します。コンサルタントはそもそも専門性の高い職業ではありますが、その中でもさらに専門性の違いによって年収が異なります。大手求人サイトなどで公開されているフリーランスコンサルタントの年収をまとめると以下のとおりです。

  • 経営コンサルタント:1,000万円~1,600万円
  • 戦略コンサルタント:1,200万円~2,500万円
  • ITコンサルタント:950万円~1,500万円
  • Webコンサルタント:800万円~1,300万円

同じ領域によってもクライアントによって年収が大きく異なります。案件ごとに求められるスキルが異なりますので、高いスキルが求められる案件は必然と年収が高くなります。フリーランスコンサルタントの中でもスキルによって年収は大きく変化するのです。

また、戦略コンサルタントは特に専門的な知識が求められるケースがあります。法律面の知識を多く持っている必要や、コンサルタントとして必須ではないものの国家資格の保有を求められているケースがあります。例えば、会計に関する案件では公認会計士の資格保有を求められているケースがあるのです。

このように単純なスキルだけではなく、それを裏付けできる資格の取得などを求められている場合は年収が高くなるケースがあります。また、資格ではなくても何かしら特別なプロジェクトに参加した経験に対して高い年収を提示する案件もあります。

逆にITコンサルタントやWebコンサルタントは、このような資格などによる年収の底上げが少なくなっています。そのため比較的小規模のプロジェクトに参画した場合は、年収が1,000万円に届かないものもあります。

年齢による年収例

フリーランスコンサルタントは年齢によっても年収が変化します。厳密には経験年数によって年収が変化するのですが、ここでは新卒からコンサルタントもしくはそれに類する経験を積んでいるものとして、年収の相場をまとめてみます。

  • 20代:700万円~1,000万円
  • 30代:900万円~1,400万円
  • 40代:1,100万円~2,000万円
  • 50代:900万円~

基本的には20代や30代前半の「若手」と呼ばれる世代は年収が1,000万円に届かない人が多くいます。まだ、クライアントの信頼を勝ち取れるほどのフリーランスコンサルタントではなく、比較的安い単価となってしまうのです。フリーランスコンサルタントは年収1,000万円以上の人が多い世界ですので、若手は働きのわりにやや評価が下がってしまいます。

逆に30代後半から40代になると、経験が特に評価され年収が一気に高まる傾向があります。「フリーランスコンサルタントの年収は高い」と言われるのは、ここに該当する年代の年収が高額になっているからです。

フリーランスコンサルタントの将来性


最後にフリーランスコンサルタントの将来性についても考えてみます。基本的には年収の高い職業ですが、長い目で見た場合に働き続けられるのかを考えていきます。

コンサルタントの需要は高く将来性は明るい

最近は様々な分野でコンサルタントが求められています。会社員コンサルタントもフリーランスコンサルタントも求められていて、求人サイトなどにも数多くの案件が公開されている状況です。そのため需要と供給のバランスを見てみると、フリーランスコンサルタントの状況は明るいと言えます。フリーランスコンサルタントになれば数多くの案件と出会えるでしょう。

ただ、将来性は明るいものの、フリーランスコンサルタント数が増えてきています。コンサルタント業界は日本の中でも市場が伸びている数少ない分野で、コンサルタント数は市場の成長に合わせて増え続けています。そのため将来性が明るい状況ではあるものの、ライバルは多くなっています。

一般的に将来性のある状況であれば、ある程度のスキルがあればやっていけます。高いスキルがあれば高単価が狙えるものです。しかし、コンサルタント業界は最初から高いスキルが求められていますので、ライバルに負けないような高いスキルを持たなければ将来性が閉ざされてしまいます。

フリーランスの多い業界のためスキルアップが必須

コンサルタントは高いスキルが必要とされ、それが重要視される業界です。言い換えるとスキルがあれば活躍できるチャンスがあるわけです。結果、フリーランスとして活躍する人が多い職種となっています。

そのため安定して案件を獲得するために、フリーランスコンサルタントには高いスキルが求められます。常に自分を成長させ、新しいスキルを身に付けないと、クライアントに見放される可能性があるのです。

基本的にフリーランスとして働く人が多ければ、案件の取り合いが発生します。つまり、安定した収入を得るのが難しくなってしまうのです。クライアントに案件を任せてもらえるスキルがなければ、職を失い、生きていけなくなります。

しかも、領域によっては最新のスキルだけではなく、古いスキルも必要になります。昔から変わらない基本的なスキルが求められる場合もありますので、最新のスキルだけを追い求めれば良いとも限りません。

まとめ

フリーランスコンサルタントについてご説明しました。会社に所属せずフリーランスで活躍するコンサルタントは、最近数が増えてきています。会社員コンサルタントよりは活躍できる領域が限られていますが、それでも市場の成長に合わせて確実に数が増えている状況です。

フリーランスコンサルタントになるためには、ファームやその他の企業でコンサルタントの経験を積むに越したことはありません。コンサルタントらしい考え方を持たなければならず、未経験からフリーランスコンサルタントになるのはおすすめできません。

ただ、フリーランスコンサルタントは年収が高く将来性の明るい職業ではあります。そのため何かしら自分の武器がある場合は、フリーランスコンサルタントを目指してみるのも良いでしょう。

関連記事:ITコンサルタントの単価、将来性は?現状の需要と今後の動向を解説!


登録フォームボタン
登録フォームボタン

SHAREこの記事をシェアする

admin