フリーランスPM(プロジェクトマネージャー)｜年収や案件獲得方法を解説
プロジェクトを円滑に推進するためには、管理する立場であるプロジェクトマネージャーの存在が重要です。多くのプロジェクトにはプロジェクトマネージャーがいて、プロジェクトメンバーやステークホルダーを管理します。
スキルがあれば活躍できるポジションであることから、プロジェクトマネージャーとして独立しフリーランスになる人が見受けられます。今回はプロジェクトマネージャーとして独立し、フリーランスとして活躍する場合に知っておきたい内容を解説します。
この記事の目次
フリーランスのプロジェクトマネージャーとは
最初にフリーランスのプロジェクトマネージャーについてご説明しておきます。基本的には一般的なプロジェクトマネージャーと大差はないため、基本知識を含めて解説します。
フリーランスプロジェクトマネージャーの役割
フリーランスのプロジェクトマネージャーは企業に属さず、プロジェクトがあるたびに案件に参画してプロジェクトマネジメントをします。プロジェクトマネジメントを専門に取り扱う人が大半であり、マネジメントスキルに長けている人が中心です。
プロジェクトマネージャーの管理対象は多岐にわたり、スケジュール管理や人材管理、リスク管理などが含まれます。状況によって求められる仕事は少々異なりますが、フリーランスでもそうではなくともプロジェクトマネージャーならば内容は似通っているはずです。どこでも同じようなスキルが求められるため、スキルが身についていればフリーランスとして独立できます。
フリーランスプロジェクトマネージャーの仕事内容
続いてはプロジェクトマネージャーがフリーランスになった場合、どのような業務を担当しているかをご説明します。なお、今回はプロジェクトマネージャーの中でも、IT系システムを担当するプロジェクトマネージャーについてご説明します。
ITシステムのプロジェクト計画
システム開発を進める際は事前に計画を立てなければなりません。どのようなシステムを開発するのかを決定するだけではなく、そのシステムを開発するためのスケジュールなどが必要です。スケジュール面で合意をとってプロジェクトを進めていくのです。
このスケジュールの作成はプロジェクトマネージャーや開発ベンダーなどが協力して行います。ベンダーのスケジュールなども考慮しなければならないため、プロジェクトマネージャーだけで決定するものでもありません。
なお、フリーランスでプロジェクトマネージャーとして参画する場合は、計画が完了している場合があります。既存の計画をもとにプロジェクトの推進だけを担当するのです。
プロジェクトへのメンバーアサイン
プロジェクトを推進するためにはプロジェクトチームが必要です。このプロジェクトチームへメンバーをアサインするのもプロジェクトマネージャーの仕事です。適切な要員を選択し、自分の管理するプロジェクトに参画してもらわなければなりません。
基本的には参画するメンバーの選定が必要ですが、フリーランスプロジェクトマネージャーの場合は状況を把握できません。そのため、自分の意思でメンバーを選定するのではなく、クライアントがメンバーを選定した状態で参画する場合もあります。
もし、プロジェクトメンバーの選定にも関わる必要があるならば、どのようなメンバーが必要なのか伝えなければなりません。事前にクライアントへ指示を出しておかなければ、プロジェクトマネージャーの指示不足と言われかねないのです。
プロジェクトの推進
プロジェクトマネージャーの主な仕事がプロジェクトの推進です。事前にプロジェクトの計画が立てられているため、この計画に沿ってプロジェクトを推進します。プロジェクトを推進するためには様々な要素を管理する必要があり、それらもプロジェクトマネージャーの仕事に含まれます。
プロジェクトマネージャーが管理する対象は複数あり、人材、リソース、コストなどです。状況によって左右されるものの、人財管理やコスト管理はプロジェクトマネージャーの重要な仕事です。
また、単純に管理するだけではなく、必要に応じてリスクを検知して改善しなければなりません。問題を放置するとプロジェクトの推進に影響が出てしまうため、プロジェクトマネージャーが軌道修正するのです。ステークホルダーなどとも連携し影響が最小限で済むように管理します。
成果物の管理
プロジェクトでは様々な成果物を作成しなければなりません。例えばドキュメント類を作成して、プロジェクトの成果として残しておかなければならないのです。
このような成果物は作成者と承認者が必要となり、承認者はプロジェクトマネージャーが担うケースが多くあります。プロジェクトメンバーが作成した成果物の責任をプロジェクトマネージャーが負うのです。
これが基本ではありますが、フリーランスのプロジェクトマネージャーの場合は成果物の責任を負えない可能性があります。そのため、承認者が承認できる状況までレビューを済ませ、最終的な承認はクライアントが行うようなケースもあります。
プロジェクトマネージャーが独立する3つの方法
プロジェクトマネージャーが独立する方法は3つあります。それぞれの方法について以下ではご説明します。
会社員でスキルを積んで独立する
基本的にフリーランスのプロジェクトマネージャーになるためには、会社員でスキルを積まなければなりません。プロジェクトマネージャーには知識だけではなく経験が求められるため、会社員でプロジェクトマネージャーとして働くことが重要です。
ただ、どの程度の経験が必要になるかは一概には言えません。短期間でも難易度の高いプロジェクトに参画すれば、プロジェクトマネージャーとしての高いスキルを得られます。逆に長期間プロジェクトに参画していても、プロジェクトマネージャーとして十分な役割を果たせていなければスキルが取得できません。
フリーランスのプロジェクトマネージャーとして独立するためには、会社員よりも高いスキルが必要です。スキルを武器に仕事をしなければならないため、中途半端なスキルでは戦えないと考えましょう。
会社員プログラマーから独立する
プロジェクトマネージャーとしての経験がなくとも、プログラマーの経験があれば独立可能です。実際にシステム開発の現場で働きプロジェクトの仕組みが理解できていれば、プロジェクトマネージャーとしても働けます。
ただ、プロジェクトマネージャーとしての経験が少ないと、経験がある人に劣ってしまうかもしれません。上記でもご説明したとおりプロジェクトマネージャーには経験が求められるため、プログラマーではこの部分がカバーしにくいのです。
とはいえ、実際に現場で開発に参画してきた経験はプロジェクトマネージャーとして活かせます。会社員プログラマーから独立することで、新しいキャリアが生まれるのです。
未経験からプロジェクトマネージャーの案件を獲得する
あまり現実的ではありませんが、未経験からプロジェクトマネージャーの案件を獲得する方法もあります。プロジェクトマネージャーとして活かせるスキルを持っていれば、それを武器に案件獲得を目指せるのです。案件の獲得ができれば実務経験が積めるため、他の案件も獲得できるようになります。
ただ、そもそもプロジェクトマネージャーの案件は「実務経験3年以上」などと制限が設けられている場合があります。このような案件については実績を積みたくても応募ができません。つまり、実績を積みたいにも関わらず参画できる案件がなくなってしまい、実質的には八方塞がりになってしまうのです。
フリーランスプロジェクトマネージャーの年収例
そもそもプロジェクトマネージャーの年収は高い傾向にあります。全体的な年収とフリーランスの年収についてそれぞれご説明します。
プロジェクトマネージャーの年収は891万円
プロジェクトマネージャーの平均年収は比較的高額となっています。経済産業省の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」を参照してみると、プロジェクトマネージャーを含めたIT系エンジニアの平均年収は以下のとおりです。
こちらの資料を参考にしてみると、プロジェクトマネージャーの平均年収は891万円です。こちらは会社員やフリーランスなどを含めた全体の平均年収です。
なお、参考までにIT業界全体の平均年収を参照してみると、こちらは500万円程度です。参照する資料によって金額は少々異なりますが、プロジェクトマネージャーはIT業界の中でも高い収入を得られる職業となっています。
また、全体の平均年収にはプロジェクトマネージャーとしての報酬だけではなく福利厚生などが含まれています。そのため、後ほどご説明するフリーランスの平均年収とは純粋に比較できない部分がある点は考慮しておいてください。
フリーランスプロジェクトマネージャーの年収は930万円
フリーランスのプロジェクトマネージャーの年収は930万円程度です。参照する資料によって内容には違いがありますが、概ね平均年収は900万円を超えている状況です。
純粋な平均年収で比較しても、プロジェクトマネージャー全体の平均年収より高くなっています。フリーランスで働くプロジェクトマネージャーには高いスキルが求められるため、そのスキルが評価されて高い年収が提示されているのでしょう。
なお、注目してもらいたいのはフリーランスの場合、福利厚生などの費用が加算されていません。上記で触れたとおり、会社員はこれらの加算によって底上げされています。しかし、フリーランスのプロジェクトマネージャーはそのような加算がないため、純粋に会社員よりも平均年収が高い状況です。
フリーランスのプロジェクトマネージャーが案件を獲得する方法
最後にフリーランスのプロジェクトマネージャーとなった場合、どのような方法で案件を獲得すればよいのかご説明します。
フリーランスエージェントの活用
フリーランスのプロジェクトマネージャーが案件を獲得するならば、フリーランスエージェントを利用するようにしましょう。フリーランスエージェントは事前に登録しておくことで、自分に適した案件を紹介してくれるサービスです。
プロジェクトマネージャーの案件は専門的なものが多く、エージェント経由でフリーランスを探す傾向にあります。プロジェクトマネージャーとしてやるべきことはどこでも概ね同じですが、開発するシステムによって専門知識が求められるのです。
フリーランス側としてもエージェントに登録しておけば、自分で営業活動をする必要がなくなります。自分のスキルに適したプロジェクトマネジメント案件を探してきてくれるため、負荷を下げるという意味でもまずはフリーランスエージェントを利用すべきです。
クラウドソーシングサービスでの営業
フリーランスが案件を獲得する方法として多用されるのがクラウドソーシングサービスです。クラウドソーシングサービスはクライアントが案件を公開していて、そこへフリーランス側が応募する形で案件を獲得します。自分で応募するという営業活動が必要となるため、フリーランスエージェントよりも負担がかかる点に注意が必要です。
ただ、負担はかかってしまうものの、自分のペースで営業できるなどの特徴があります。フリーランスエージェントの場合、タイミングによっては噛み合わない可能性があるため、自分で案件を獲得できるのはメリットでしょう。
しかし、クラウドソーシングサービスで必ず案件を獲得できるとは限りません。営業活動をしても案件の獲得ができない可能性もあります。この点はクラウドソーシングサービスのデメリットであるため、どちらも意識しておかなければなりません。
まとめ
フリーランスで働くプロジェクトマネージャーについてご説明しました。プロジェクトマネージャーはシステム開発などのプロジェクトを円滑に進める役割で、知識だけではなく経験が問われます。ある程度は実務経験がなければ、フリーランスのプロジェクトマネージャーとして活躍するのは難しいでしょう。
ただ、ハイレベルなスキルが求められる仕事であるため、平均年収は高い傾向にあります。福利厚生などを含む会社員の平均年収と比較しても高くなっているため、フリーランスでも活躍できれば年収アップが見込めるはずです。
なお、プロジェクトマネージャーの案件を獲得したいならば、フリーランスエージェントを利用すべきです。専門性の高い案件を探す必要があるため、自分で探すよりもプロに探してもらった方がスムーズにアサイン先が見つかります。
