Web3.0、Web2.0、Web1.0とは?それぞれの違いを解説

Web3.0、Web2.0、Web1.0とは?それぞれの違いを解説

近年はインターネットの世界が進化しているため「Web3.0」が来ていると言われています。ただ、Web3.0とは言われても具体的にどのような意味であるのか理解できていない人は多いのではないでしょうか。

実は知らない人も多いですが、インターネットの世界にはWeb1.0やWeb2.0が存在した歴史があり、その進化系として現在のWeb3.0があります。今回はWeb3.0とはどのような意味であるのか、Web1.0やWeb2.0の復習を踏まえて解説していきます。

Web1.0とはなにか


Web1.0は一般的にインターネットの黎明期を指します。時期としてはインターネットが普及した1990年代から2000年代前半頃です。

特徴1:片方向の情報発信

Web1.0の時代は一方通行の情報発信しかできませんでした。現在は双方向の通信が当たり前になっていますが、Web1.0では実現できなかったのです。

片方向の情報発信とは、静的なWebサイトを閲覧するだけの状態を指します。Webサイトを訪問したユーザの状況が反映されるものではなく、コンテンツの管理者が作成したものがそのまま表示されます。ユーザはあらかじめ作られたものを見ることしかできません。

もちろん、今でも一方通行の情報発信は数多く存在します。Web3.0が近づくにつれて、そのような一方通行のコンテンツが無くなったわけではありません。

特徴2:情報発信の限界

Web1.0の時代は世の中に公開されている情報量に限界がありました。これは、インターネットを活用しWebサイトなどで情報発信するために、ある程度のお金やスキルが必要とされたからです。

特にWeb1.0の初期時代はWebサイトの公開に高い技術力が必要とされました。専用のサーバーなどを用意しなければならず、Webサイトを公開できる立場にある企業や団体は限られていたのです。情報の発信者が少ないために、インターネットで得られる情報には限界がありました。

なお、Web1.0の時代が終わりに近づくにつれて、Webサイトの公開は簡単なものとなりました。個人でも簡単にWebサイトを公開できるようなサービスが生まれたのです。日本では「FC2」「Yahoo!ジオシティーズ」などがWeb1.0のサービスに該当します。これらのサービスが登場したことで、限界はやや開放されました。

Web2.0とはなにか


Web2.0は私たちが現在利用しているインターネットを指します。すでにWeb3.0に移行していると考えられる部分はありますが、まだまだWeb2.0の技術が多用されているのです。時期としては2000年代後半頃から現在までが該当します。

特徴1:双方向の情報発信

Web2.0の時代を理解するにあたって重要なのは双方向の情報発信です。Web1.0の時代においては一部のみがインターネットで情報発信をしていましたが、Web2.0では多くの人が参加し情報発信できるようになっています。お互いに情報発信することで、情報量が非常に多くなった時代でもあります。

この「双方向の情報発信」の代表例に該当するのが各種SNSです。FacebookやTwitterなどのサービスが提供されたことで、インターネットを利用しているユーザは簡単に情報発信ができるようになりました。また、誰かが発信した情報に対して「反応」ができるようになり、双方向のコミュニケーションを生み出したのです。

ただ、双方向に情報発信ができるようになったことで、情報過多に陥る人も見受けられました。例えば、Twitterで発信した情報に対して多くのリプライが届き、情報を理解しきれなくなるのです。双方向の情報発信はインターネットの普及や利便性の向上に大きく貢献しましたが、その裏側でユーザに負担を負わせるものでもあったのです。

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特徴2:ユーザビリティの向上

ユーザビリティが大きく向上したのもWeb2.0です。現在のWebサイトは「使いやすくて当たり前」と思われているかもしれませんが、Web2.0の過程で多くの技術が開発されたことで、今のユーザビリティが担保されています。

例えば、Web2.0の時代はHTMLだけではなくCSSやJavaScriptの開発が盛んに行われました。現在、多くのWebサイトに導入されているAjaxなどもこの期間に生み出され進化を続けています。Web2.0の初期から考えると長い期間が経過していますが、今でも更新が続けられ利用されている技術は多々あるのです。

現在はユーザビリティがWebサイトの評価を大きく左右します。ユーザビリティの悪いWebサイトは、情報量が多くともユーザに利用してもらえなくなるのです。Web2.0でユーザビリティが劇的に向上したことで、今やWebサイトは使いやすくて当たり前になったのです。

特徴3:中央集権体制の存在

Web2.0には大きなメリット・デメリットがあり、それは中央集権体制が確立されてしまったことです。特定の企業がサービスの提供を独占してしまい、実質的にはそれらのサービスを利用するしかない状況が生まれてしまいました。例えば、コンピュータやインターネットを利用するためには、以下の企業が提供する製品やサービスを利用するケースが多々あります。

  • Google
  • Apple
  • Facebook
  • Microsoft
  • Amazon

皆さんもこれらの企業が提供する製品やサービスを利用しているのではないでしょうか。パソコンはMicrosoftやAppleのOSを搭載したものが多く、スマホはGoogleやAppleのOSを搭載したものが多く発売されています。Webに接続するための製品を手に入れると、自然と上記の企業が絡んでしまう時代になったのです。

また、メールなどの情報伝達に利用するツールもこれらの企業が独占するようになりました。Googleは世界的に利用されるメールサービスを提供していますし、FacebookはSNSとして非常に大きなシェアを持つ時代に変化したのです。

他にも、クラウドサービスはAmazonが提供する「AWS」が非常に大きなシェアを持ちました。通販サイトとしてAmazonは大きな影響力を持っていますが、Web2.0を語るにあたっても非常に重要な独占企業のひとつなのです。

ここでご説明した内容は一例であり、実際にはWebにかかわる多くの部分で中央集権体制が完成してしまいました。Web2.0の時代において利用者は中央集権体制を利用しない選択肢がほぼなく、これらの企業に行動や情報が管理される時代になったことは理解しておくべきです。

Web3.0とはなにか


Web3.0は現在利用しているインターネットから先の世界を指します。部分的にはWeb3.0に移行していますが、まだまだWeb2.0中心の世界です。Web3.0に変化するにあたって、どのような変化があるのかを特徴でご説明します。

特徴1:情報の個人管理

Web2.0の時代では情報の中央集権体制が確立されていたため、個人が自分で情報を管理する場面は限られていました。しかし、Web3.0ではブロックチェーンと呼ばれる技術が盛んに利用されるようになり、情報を自分自身で管理するようになりました。

ブロックチェーンは仮想通貨などでも利用されるキーワードで、個人情報をそれぞれで管理する仕組みのことを指します。Web2.0は特定の企業が用意したサーバーなどに情報が集約されていましたが、Web3.0は個人のパソコンなどで情報が管理されるようになるのです。新しいテクノロジーによって情報の管理手法が変わることは大きな特徴です。

ただ、情報の管理方法は変化しますが、ユーザがその変化を感じる場面は限られています。アプリケーションの開発者など、エンジニアサイドだけが変化を意識すれば良いのです。

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特徴2:情報コストの低下

情報が個人で管理できるようになり、個人同士で情報の交換ができるようになります。これは情報コストが低下することを意味しています。

「情報コスト」といわれても理解できない人が多いとは思われますが、これは「情報を得るために必要なコスト」と考えましょう。Web2.0を利用している皆さんは、情報を得るために中央集権体制の企業に何かしらのコストを支払っています。

例えば、YouTubeで動画による情報を得るためには、広告を閲覧しなければなりません。金銭的な負担が発生するわけではないものの、時間的なコストを支払っているのです。情報提供者のみならず、プラットフォームの提供者にもコストを支払っています。

しかし、Web3.0にはこのような中央集権体制から解放される仕組みが用意されています。結果、情報を得るために不要なコストを支払う必要がなくなり、情報コストが低下するのです。

特徴3:法整備の不足

急速にWeb3.0のテクノロジーが広がっているため、日本では法整備が不足している状況です。日本のみならず、インターネットのテクノロジー開発が盛んなアメリカなどでも、法整備が追いついていません。

インターネットの世界はそもそも法整備が難しいと考えられています。問題が起きてから、その問題に対応するための法律が整備されるのです。多くの国で先手を打った法整備ができず、法律が不足した状態に陥っています。

ただ、テクノロジーの普及を「法整備が整っていないから」との理由で止めることは不可能です。数年後には法整備が完了するとは思われますが、現時点では自己責任の範疇になるテクノロジーが含まれます。

Web1.0・Web2.0・Web3.0の主な違い

Web1.0・Web2.0・Web3.0にはいくつもの違いがあります。今回はそれらの中でも特に理解しておいてもらいたい違いをご説明します。

情報発信の主体

情報発信の主体に違いがあります。Web1.0の時代は情報発信できる立場にある人や団体が限られていましたが、Web2.0やWeb3.0では多くの個人や団体が情報を発信可能です。情報発信の客体は大きく変化するようになりました。

情報発信の主体が非常に多くなったことで、ユーザは情報の真偽を確かめる必要に迫られています。Web1.0の時代とは違い、悪意をもって間違った情報を発信する人物や団体が存在するのです。ユーザにはそのような情報を取捨選択し、正しい情報だけを収集するスキルが求められています。

もちろん、個人が簡単に情報を発信できるようになったことはWeb2.0の大きな功績です。また、Web3.0では発信した情報の信憑性も評価しやすくなっています。色々な人がインターネットに参加し情報発信できることが、Web1.0とそれ以降の違いです。

個人での情報共有

Web1.0は個人が相互に情報共有するのは難しいことでしたが、Web2.0ではSNSなどを活用して共有できるようになりました。共有できるかどうかは大きな違いですが、情報を共有するためには中央集権体制に属する企業のサービスを利用するのが基本です。

しかし、Web3.0ではWeb2.0とは違い、情報共有が可能でありながら中央集権体制が提供するサービスを利用する必要がありません。ブロックチェーンなどを利用して個人で情報のやりとりができます。これはWeb2.0とWeb3.0の大きな違いです。

個人で情報共有ができるようになると、情報コストが下がるだけではなくセキュリティも向上します。第三者が情報を管理しないため、情報流出のリスクなどを下げられるからです。個人が簡単かつ安全に情報共有できるかに違いがあります。

まとめ

Web1.0からWeb3.0までそれぞれについて特徴や違いをご説明しました。インターネットが生まれてから様々な進化を遂げたことで、大きく3つの時代に分類されるようになっています。それぞれの時代の区切りについては解釈により若干の違いがありますが、特徴の解釈に大きな違いはありません。

インターネットは日々進化しているため、ご説明したような内容は「今や当たり前」となっている部分が多いでしょう。しかし、これはインターネットが進化した結果であり、現在はWeb3.0と呼ばれる新しい時代に到達しています。

現時点でエンジニアがWeb3.0を意識して開発する機会は少ないかもしれません。ただ、ブロックチェーンなどのテクノロジーはこれから利用する場面が増えると考えられるため、必要なスキルは習得していきましょう。

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admin