X-Tech(クロステック)の種類一覧

X-Tech(クロステック)の種類一覧

X-Tech(クロステック)は近年注目されているキーワードです。IT業界に限らず利用されるようになったキーワードであり、多くの産業をテクニカルな側面で支えています。

トレンドのキーワードではあるものの、まだ適切に意味を掴めていない人は多いようです。今回はX-Techの基本から数多くあるX-Techの種類について解説します。

クロステックの意味

X-Techがどのようなキーワードであるのか理解できていなければ始まりません。まずはキーワードの意味から把握しておきましょう。

クロステックとは

X-Techは既存の様々な産業と先端技術を組み合わせて、新しい価値を生み出そうとする考え方を指します。X-Techは「クロス」と「テック」に分離可能であり、「クロス」には「掛け合わせる」、「テック」には「各種テクノロジー」の意味があるのです。

今まで各種テクノロジーは活用できる場が限られていました。特定の産業や業務はテクノロジーを活かして栄え、そうではない産業は恩恵を受けられなかったのです。そのような状況をX-Techによって改善していると捉えてください。

クロステックで利用される技術

X-Techには多くの技術が利用されていて、例を挙げると以下のとおりです。

  • IoT
  • クラウド
  • ビックデータ
  • AI

どのような技術を利用すればX-Techに該当するなどの明確な基準はありません。新しい技術が採用されていれば、X-Techに該当する可能性は高くなります。多用される技術はあるものの、必須の技術はないため、そこは抑えておきましょう。

知名度の高いクロステック13種

クロステックは非常に豊富な種類があるため、例を挙げるとキリがありません。今回は知名度が高く理解しておくべきものをピックアップしてご説明します。

金融:FinTech


金融(Finance)とテクノロジーを組み合わせた仕組みです。例えばスマートフォンでのアプリ決済やインターネットバンクなどがあります。また、仮想通貨などへの投資もこちらに該当します。

今までも金融業界はテクノロジーを多用していました。そのため、FinTechは新しい考え方ではありません。X-Techの広まりとともに、改めて注目されていると理解しておくとよいでしょう。

なお、金融と聞くと支払いなどをイメージする人が多いはずです。ただ、実際にはクラウドファンディングなども含まれるという点も理解しておくと認識齟齬がなくなります。

関連記事:今さら聞けない!FinTechについての解説!需要、今後の将来性と合わせてチェック!

人事:HRTech

人材(Human Resource)とテクノロジーを組み合わせた仕組みです。日頃の人事業務や人材採用などをテクノロジーで支援する考え方を指します。

例えば、毎月の給与はシステムを利用して計算する企業が多いはずです。これはHRTechに該当し、アナログだったものがデジタル化されています。

また、求人サイトを利用して人材確保を進める企業が多いでしょう。このようなサイトには応募者の情報を管理したり、社内での検討結果を入力したりする機能が備わっています。これらも今や当たり前ですがX-Techの一種です。

教育:EdTech

教育(Education)とテクノロジーを組み合わせた仕組みです。近年は教育業界にテクノロジーが数多く取り入れられ、X-Techが急加速しています。

例えば、新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインで授業を実施する学校がありました。また、提出物をタブレットに入力させるなど、紙を利用しない授業も実施されています。これらはすべてX-Techに該当するのです。

なお、「教育=学校」とのイメージがあるようですが、実際には異なります。学習塾や習い事などで採用されるテクノロジーもすべてEdTechです。

医療:MedTech

医療(Medical)とテクノロジーを組み合わせた仕組みです。近年は医療現場でテクノロジーが多用され、効率良く診断などができるようになっています。

例えば、患者のカルテが電子化されるケースが増えています。今までは紙のカルテが当たり前でしたが、デジタル化することで管理しやすくなっているのです。また、情報の取り違いなども発生しにくくなってます。

他にも、最新のテクノロジーを利用して患者を検査する病院は年々増えています。特殊なセンサーを利用した治療などが生み出されていて、MedTechは急成長している状況です。

法律:LegalTech


法律(Legal)とテクノロジーを組み合わせた仕組みです。法律の世界は紙を利用したアナログなものが多くありましたが、X-Techが進み様々なテクノロジーが取り入れられています。

例えば、契約書は今まで印刷した書面で作成するのが一般的でした。しかし、近年はオンライン上で契約書を作成できるサービスが提供され、法律面の課題もクリアしています。テクノロジーの進化によって契約書が作成しやすい世の中になったのです。

なお、デジタル化が進むことによって、情報の改ざんなどが防ぎやすくなっています。便利になっただけではなく、法律という信頼度が重要な世界で、その向上に一役買っているのです。

営業:SalesTech

営業(Sales)とテクノロジーを組み合わせた仕組みです。営業ではこれまでも様々なシステムやテクノロジーが利用されていて、X-Techの広がりと共にその状況はさらに加速しています。

例えば、顧客管理システム営業加速システムはSalesTechの代表例です。今までは高額な製品が多く導入するのが難しい状況でしたが、最近はクラウドサービスが増えたこともあり導入しやすくなっています。

また、社内で営業に関する情報を管理するシステムも増えています。情報をアナログに管理するのではなく、デジタルに管理することでうまく活用したり共有したりできるようになるのです。

食品:FoodTech

食品(Food)とテクノロジーを組み合わせた仕組みです。あまりイメージが持てないかもしれませんが、食品業界にも様々なテクノロジーが採用されています。

例えば、食料品の生産数を検討するために、AIなどのテクノロジーが利用されています。近年はフードロス対策などが重要視されているため、コンピューターを利用して需要を予測し、必要以上に生産しないようにするのです。

また、安全な添加剤などの開発にもテクノロジーが利用されています。非常に多くの組み合わせをコンピューターで解析し、条件に適したものを見つけるなどの使い方が可能です。

広告:AdTech

広告(Advertisement)とテクノロジーを組み合わせた仕組みです。インターネット広告を意味することもありますが、広告業界を取り巻くテクノロジーの変化を指します。

例えば、最近はビッグデータを利用して、どのような広告をどのタイミングで出せば良いか調べる技術が発達しています。広告主は分析データを基に出稿することで、費用対効果を可能な限り高められる仕組みです。

また、デジタルサイネージなどを利用して、時間帯や場所ごとに適切な広告を出せるようになっています。これは昔からあるテクノロジーに該当しますが、常に進化しているためX-Techの一種と考えてよいでしょう。

バックオフィス業務:BOTech


バックオフィス業務(Back Office)とテクノロジーを組み合わせた仕組みです。昔のバックオフィス業務といえば紙を利用した細かなものが中心でしたが、可能な限りデジタル化されX-Techに含まれるようになっています。

例えば、総務部が作成する様々な書類は、コンピューターで作成できるようになっています。また、書類は印刷する必要がなく、オンラインで提出できる時代です。テクノロジーの進化によって、今まで時間がかかっていた手続きが簡略化できるようになりました。

ただ、このような変化はバックオフィス業界が進化しただけではありません。書類を受け付ける地方自治体の進化なども含まれています。BOTechとは表現するものの、関連各所の協力によって実現できているX-Techだと考えるべきです。

保険:InsurTech

保険(Insurance)とテクノロジーを組み合わせた仕組みです。保険の販売や管理、新しい商品の開発など多くの場面でテクノロジーが活用されています。

保険の販売活動や管理については、上記でご説明した営業関連の仕組みと似た部分があります。InsurTechで注目したいのは契約などの簡略化でしょう。今まで紙でやり取りした契約は、タブレットなどを利用して簡略化できるようになりました。

また、保険加入者のデータを解析できるため、適切な保険料の算定や保証内容の提案などが可能となりました。今まで以上に安価な保険料で十分な保険内容を提供できる時代に変化しています。

スポーツ:SportsTech

スポーツ(Sport)とテクノロジーを組み合わせた仕組みです。テレビなどで取り上げられるケースも増えてきていますが、スポーツ業界はテクノロジーの力を借りて猛スピードで進化を遂げています。

例えば、選手の状態をセンサーなどで分析することで、適切なトレーニングメニューの検討が可能です。今まではトレーナーの経験に基づいてメニューが作られていましたが、数値化されたものを利用して定量的に検討できるようになったのです。

また、加速度センサーなどを利用したゲームソフトが販売されています。テクノロジーの発達によって、擬似的にスポーツが楽しめる時代に変化しました。

旅行:TravelTech

旅行(Travel)とテクノロジーを組み合わせた仕組みです。旅行会社も旅行客もどちらもテクノロジーの恩恵を受けている状況です。

例えば、オンラインで予約ができるようになったり、スマートフォンがチケットの代わりになったりするようなテクノロジーが該当します。旅行会社はチケットを発券する手間が減り、旅行客は受け取る手間や失くす心配などから開放されています。

また、旅行客のデータを分析することで、旅行プランの提案などが行われています。統計的に人気のある観光地などを紹介し、顧客満足度を高める取り組みが行われているのです。

政府・自治体:GovTech

政府や自治体(Goverment)とテクノロジーを組み合わせた仕組みです。どちらも根強く紙の文化が残っているため、テクノロジーを活用し可能な限りのIT化が進められています。

例えば、住民票などをコンビニで発行できるようになりました。今までは役所に行って手続きする必要がありましたが、X-Techによって環境が変化し、簡単に発行できるようになったのです。

また、確定申告など各種申告についてもオンラインで対応できるようになりました。各役所を訪問する必要がなくなったため、手続き面で利便性が感じられるようになっています。加えて、税金の一部はコンビニやクレジットカードで支払いできるようになったなど、手続きだけではなく納税などの側面でもX-Techが進んでいます。

まとめ

X-Techについてご説明しました。ITなどの新しいテクノロジーと既存の産業を組み合わせる考え方で、組み合わせによって様々な種類があります。今回ご紹介した種類だけではなく、X-Techにはさらに多くの種類があるのです。

新しいテクノロジーと産業を組み合わせるため、X-Techの内容は常に変化しています。新しいテクノロジーが生まれると内容は変化するため、ここでご紹介した技術がすべてではありません。あくまでも一例であり、日々X-Techは進化するものなのです。

多くの産業とテクノロジーが組み合わさることで、私たちの生活はより豊かになっています。これからもX-Techの波は広がり続けるはずであり、注目を続けたい分野になることは間違いありません。

SHAREこの記事をシェアする

admin