今さら聞けない!JavaとJavaScript、JSPの違いについて解説!

今さら聞けない!JavaとJavaScript、JSPの違いについて解説!

プログラミング言語の中でも幅広く利用されているのがJava・JavaScript・JSPです。これらのプログラミング言語について耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。

ただ、これらのプログラミング言語は名称が似ているため「どのプログラミング言語がどういったものなのか」を正しく理解できていないかもしれません。今回はJava・JavaScript・JSPそれぞれの特徴と、どのように異なっているのかについて具体的にご説明していきます。

Javaとはなにか


最初にプログラミング言語の中でも有名なJavaについてご説明します。

Javaは万能なプログラミング言語

Javaはプログラミング言語の中でも万能なものです。特定の用途を想定して開発されたプログラミング言語ではなく、汎用的なプログラミング言語として開発されています。

例えば、Javaを使用すると、デスクトップパソコンで動作するソフトウェアの開発が可能です。また、スマートフォン用アプリの開発も可能ですし、家電製品を制御するプログラムを開発することも可能です。幅広い用途に使用可能なのがJavaの魅力です。

また、Javaは同じソースコードを複数の環境で動作させられます。例えば、家電製品の制御プログラムをスマートフォンでも動作させられるのです。共通の実行環境を活用して、同じような動作を担保できるようになっているのです。

Javaで利用されるバージョン

Javaを理解するにあたって重要なのが、Javaのバージョンです。Javaには数多くのバージョンがあるため、バージョンの理解を間違えると思うような動作が期待できなくなります。

2025年10月現在、最新のJavaのバージョンは、2025年9月16日にリリースされたJava25です。Java25はLTS(長期サポート)リリースのバージョンで、少なくとも8年間のサポートが予定されています。

実際の開発現場で使用されているJavaのバージョンは、Java8/11/17/21です。中でも広く使用されているのがJava17です。Java17からより新しいJava21への移行も進められています。

企業で安定稼働してきた歴史の長いJava11も、いまだに多くの開発現場で使用されています。また、古いシステムになるとJava8のままのものも存在します。ただし、Java8については、Oracleによる無償の公開アップデートが終了しているため、セキュリティ面などに注意する必要があります。

これからJavaを学習するならば最新バージョンを押さえるとよいでしょう。ただ、状況によっては過去のバージョンを操作する可能性がある点も理解しておくと良いでしょう。

Javaの書き方

Javaで「Hello World」を表示する場合は以下のように記載します。

class HelloWorld{
  public static void main(String[] args){
    System.out.println("Hello World");
  }
}

Javaは必ずメインとなる関数を定義しなければなりません。また、単独で利用する場合もクラスを作成する必要があり、少々手間のかかる書き方になってしまいます。

関連記事:Javaの学習方法|初心者向けの本や入門サイトなどおすすめの勉強方法を紹介

JavaScriptとはなにか


続いてはJavaと似た名称のJavaScriptについてご説明します。

JavaScriptは主にWebサイトを制御する言語

JavaScriptはJavaと似て非なるプログラミング言語です。「Java」と頭につくためにJavaと似たようなものだと誤解されがちですが、実際には設計や用途が大きく異なります。

歴史的に、JavaScriptはブラウザ上で画面に動きを付けるために使用されてきました。例えば、マウスオーバーしたら画像が動いたり、フォームを入力するとそれに応じた動作が自動で行われるといった仕組みの多くはJavaScriptを使用したものです。

一方、近年ではJavaScriptをベースとしたバックエンドのフレームワーク、Node.jsの普及によって、画面の制御だけでなく、サーバー側の処理やデスクトップアプリの開発など幅広い用途に使用されるようになっています。

JavaScriptで利用されるバージョン

JavaScriptは監理団体によって毎年6月頃に新しいバージョンが公開されています。バージョンが変化するごとに内容が少しずつアップデートされているため、できるだけバージョンの理解はしておいた方が良いでしょう。

現在、JavaScriptの最新バージョンは「ES2025(ES16)」と呼ばれるものです。名称からも分かるとおり2025年に公開されたバージョンが最新バージョンとなっています。これからJavaScriptについて学習するならば、こちらの最新バージョンに準拠して理解を深めていくと良いでしょう。

ただ、JavaScriptは後方互換性がありますし、開発の現場ではES2024以前のバージョンが利用されるケースも多々あります。そのため、ES2025で追加された最新の機能を理解していなくとも、現場では差し支えないケースが多々あります。知っておくに越したことはありませんが、最新バージョンを完璧に理解するには負担がかかるため、必要な範囲内だけ理解しても良いでしょう。

JavaScriptの書き方

JavaScriptでページ上に「Hello World」を表示する場合は以下のように記載します。

<script>
document.write("Hello world");
</script>

アラートでページ上に表示させる場合は

<script>
alert("Hello world");
</script>

JavaScriptはスクリプト言語であるため、どちらもシンプルな記載で表現可能です。Webサイト上に表示させたりポップアップで表示させたりするのに適しています。

関連記事:JavaScriptのおすすめフレームワークTOP5!

JSPとはなにか


最後にJSPとはなにかについてもご説明します。

JSPはWebページ向けのJava

JSP(JavaServer Pages)は、Java を使って Web ページ(HTML)を生成するサーバーサイドのテンプレート技術です。「HTML の中に Java コードを埋め込む」ことで動的にページを生成しますが、通常は表示(View)部分を担当し、処理の制御はJavaで記述するという役割分担が多く見られます。

JSPを簡単に説明すると、HTMLの中にJavaのコードを埋め込んだものです。ウェブサイトの骨格はHTMLで表現して、プログラミングが必要な部分だけJavaで記述するのです。骨格を表現している部分とプログラムの部分が明確に分離できるため、どこに何が書かれているのか判断しやすいメリットがあります。

また、実質的にはHTMLとJSPのプログラム部分を別々に開発できるため、開発効率を上げられるメリットがあります。サーブレットの場合はJavaの開発者がHTMLの記述もしなければなりませんが、JSPならばこれらを分離できるのです。

JSPで利用されるバージョン

JSPは2024年に公開されたバージョン4.0が最新です。こちらのバージョンが世界的に利用されているため、こちらについて理解しておくと良いでしょう。

ただ、JSPにはバージョンがあるものの、その詳細についてはあまり意識する必要がないでしょう。基本的にはHTML部分とJava部分に分かれるため、それぞれについて理解できていれば問題なく開発できます。JSPのバージョンに依存した記述方法は存在しますが、致命的な問題を生む違いはほとんどないため最初は意識する必要がありません。

なお、プログラミング部分に利用するJavaのバージョンについては意識が必要です。利用しているサーバーの設定などによって、実行できるコードとそうではないコードが生まれてしまいます。サーバーにインストールされているJavaバージョンを踏まえて、JSPの開発をするようにしましょう。

JSPの書き方

JSPで「Hello World」を表示する場合は以下のように記載します。

<%@ page contentType="text/html;charset=Shift_JIS" %>

<html>

<head>
<title>Hello World</title>
</head>

<body>
<%
out.println(“Hello World”);
%>
</body>

</html>

基本的にはHTMLを記述していきます。ただ、部分的にJavaを記述して、その部分でプログラムを動作させます。

Java・JavaScript・JSPで知っておくべき3つの違い

続いてはJava・JavaScript・JSPで開発するにあたって知っておきたい違いについてご説明します。

ソフトウェアの用途

Java・JavaScript・JSPはそれぞれ開発するソフトウェアの用途が違います。どのようなソフトウェアを開発する必要があるのかを踏まえ、どのプログラミング言語/技術を利用すべきか考えなければなりません。

まず、Javaは汎用的なソフトウェア開発に利用できます。サーバーサイドやデスクトップ、組み込み、Android アプリ開発など幅広く使われており、業務系アプリケーションで多く採用されています(注:Android 開発では Kotlin が主流になりつつありますが、Java も依然使われます)。

JavaScriptは歴史的にブラウザ上での振る舞いを記述するために生まれましたが、現在は Node.js や各種ランタイムの普及によりサーバーサイドやデスクトップ、CLI ツールなどにも広く使われており、実務上は汎用的に利用されています。

JSPは Java ベースのサーバーサイドテンプレート技術で、HTML の生成(View)を目的としています。JavaScript がクライアント側の振る舞いを制御するのに対し、JSP はサーバー側で HTML を組み立てて返す役割です。

3つのプログラミング言語の特徴

Java・JavaScript・JSPは特徴が異なります。特に Java と JavaScript は設計思想や型付けの点で違いが大きいので、学習時に意識してください。

まず、Javaは静的型付けかつオブジェクト指向の言語で、コンパイルが必要です。型やクラス設計など厳密なルールに基づいて開発するため、大規模開発での安全性や可読性が得られます。

それに対してJavaScriptは動的型付けで、プロトタイプベースのオブジェクトモデルを持ちます。近年は TypeScript のような型を付けるツールも普及しており、学習ハードルは状況により変わりますが、文法の柔軟さから入門しやすいと言えます。

JSP自体はテンプレート技術であり、テンプレート内のプログラミング部分は Java の文法に従います。したがって Java の型や文法の影響を受けます。

実行速度

Java・JavaScript・JSPで同じ処理を実装した場合の速度は、単純比較できるものではありません。Java(JVM)は高度に最適化された実行環境であり、JSP はサーブレットに変換されて JVM 上で実行されます。一方、JavaScript は現代のエンジン(V8 など)で JIT 最適化され、高速に動作します。

「コンパイルされるから常に速い」「スクリプトだから遅い」という単純な分類は当てはまりません。実行速度はランタイム、JIT/JVM 設定、I/O やアルゴリズムの違いに依存するため、用途に応じたベンチマークやプロファイリングで確認するのが現実的です。

ただし、プラットフォームや互換性の観点から、使用する Java のバージョンやサーブレットコンテナの設定によって挙動が変わる点は重要です。サーバーにインストールされている Java バージョンを踏まえて JSP の開発を行ってください。

まとめ

プログラミング言語の中でもJava・JavaScript・JSPについてご説明しました。それぞれ似たプログラミング言語のように思われていますが、実際には大きく違う部分があり必ず理解しておくべきポイントがあります。

特にこれらのプログラミング言語は用途が異なっています。誤ったプログラミング言語を選択すると思い描くものを開発できないため、間違えないように注意しましょう。

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admin