今さら聞けない!JavaとJavaScript、JSPの違いについて解説!

今さら聞けない!JavaとJavaScript、JSPの違いについて解説!

プログラミング言語の中でも幅広く利用されているのがJava・JavaScript・JSPです。これらのプログラミング言語について耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。

ただ、これらのプログラミング言語は名称が似ているため「どのプログラミング言語がどういったものなのか」を正しく理解できていないかもしれません。今回はそれぞれのプログラミング言語の特徴と、それぞれがどのように異なっているのかを具体的にご説明していきます。

Javaとはなにか


最初にプログラミング言語の中でも有名なJavaについてご説明します。

Javaは万能なプログラミング言語

Javaはプログラミング言語の中でも万能なものです。特定の用途を想定して開発されたプログラミング言語ではなく、汎用的なプログラミング言語として開発されています。

例えばJavaでプログラミングをすれば、デスクトップパソコンで動作するソフトウェアの開発ができます。また、スマホアプリの開発ができますし家電製品の制御プログラムを開発できます。非常に幅広く利用できるのがJavaの魅力です。

また、Javaは同じソースコードを複数の環境で動作させられます。例えば、家電製品の制御プログラムをスマートフォンでも動作させられるのです。共通の実行環境を活用して、同じような動作を担保できるようになっているのです。

Javaで利用されるバージョン

Javaを理解するにあたってバージョンを押さえておかなければなりません。Javaには数多くのバージョンがあるため、バージョンの理解を間違えると思うような動作が期待できなくなります。

2022年2月現在で利用されているのは、Java17と言われるバージョンです。2026年9月までサポートがあるため、こちらのバージョンを中心に利用されるでしょう。最新のバージョンでありJavaの中でも数多くの機能が含まれています。

ただ、古いバージョンも幅広くサポートしているため、最新バージョン以外が利用されるケースがあります。例えばJava11は利用者数が非常に多いことから、2018年9月に発表されたバージョンであるものの、今でも正式なサポートが行われている状況です。

これからJavaを学習するならば最新バージョンを押さえるとよいでしょう。ただ、状況によっては過去のバージョンを操作する可能性がある点も理解しておくと良いでしょう。

Javaの書き方

Javaで「Hello World」を表示する場合は以下のように記載します。

class HelloWorld{
  public static void main(String[] args){
    System.out.println("Hello World");
  }
}

Javaは必ずメインとなる関数を定義しなければなりません。また、単独で利用する場合もクラスを作成する必要があり、少々手間のかかる書き方になってしまいます。

関連記事:Javaの学習方法|初心者向けの本や入門サイトなどおすすめの勉強方法を紹介

JavaScriptとはなにか


続いてはJavaと似た名称のJavaScriptについてご説明します。

JavaScriptは主にWebサイトを制御する言語

JavaScriptはJavaと似た印象を持つプログラミング言語です。同じようなプログラミング言語だと思われているケースが多いですが、実際には大きく異なるため注意しなければなりません。

Javaとは異なりJavaScriptはWebサイトの制御に利用するプログラミング言語です。最近のWebサイトはマウスオーバーで画像が動く仕掛けがあったり、フォームに入力するとそれに応じた動作が自動的に行われるものがあったりします。これらはJavaScriptを活用して開発されているものが多いと考えてよいでしょう。

基本的にはWebサイトの動きを制御しますが、最近ではサーバーの通信を制御するためにも使われます。汎用性の高いプログラミング言語ではありませんが、Webサイトの動きを制御するだけではない新しい使い方も生み出されています。

JavaScriptで利用されるバージョン

JavaScriptは監理団体によって毎年6月頃に新しいバージョンが公開されています。バージョンが変化するごとに内容が少しずつアップデートされているため、できるだけバージョンの理解はしておいた方が良いでしょう。

現在、JavaScriptの最新バージョンは「ES2021(ES12)」と呼ばれるものです。名称からも分かるとおり2021年に公開されたバージョンが最新バージョンとなっています。これからJavaScriptについて学習するならば、こちらの最新バージョンに準拠して理解を深めていくと良いでしょう。

ただ、JavaScriptは後方互換性がありますし、開発の現場ではES2020などが利用されるケースが多々あります。そのため、ES2021で追加された最新の機能を理解していなくとも、現場では差し支えないケースが多々あります。知っておくに越したことはありませんが、最新バージョンを完璧に理解するには負担がかかるため、必要な範囲内だけ理解しても良いでしょう。

JavaScriptの書き方

JavaScriptでページ上に「Hello World」を表示する場合は以下のように記載します。

<script>
document.write("Hello world");
</script>

アラートでページ上に表示させる場合は

<script>
alert("Hello world");
</script>

JavaScriptはスクリプト言語であるため、どちらもシンプルな記載で表現可能です。Webサイト上に表示させたりポップアップで表示させたりするのに適しています。

関連記事:【2021年最新】JavaScriptのおすすめフレームワークTOP5!

JSPとはなにか


最後にJSPとはなにかについてもご説明します。

JSPはWebサイト向けのJava

JSPはWebサイトの開発に利用されるJavaです。Javaを使ったWebアプリケーション開発には「サーブレット」と呼ばれるものが存在しますが、実際にはJSPの方が利用されています。

JSPを簡単に説明すると、HTMLの中にJavaのコードを埋め込んだものです。ウェブサイトの骨格はHTMLで表現して、プログラミングが必要な部分だけJavaで記述するのです。骨格を表現している部分とプログラムの部分が明確に分離できるため、どこに何が書かれているのか判断しやすいメリットがあります。

また、実質的にはHTMLとJSPのプログラム部分を別々に開発できるため、開発効率を上げられるメリットがあります。サーブレットの場合はJavaの開発者がHTMLの記述もしなければなりませんが、JSPならばこれらを分離できるのです。

JSPで利用されるバージョン

JSPは2020年に公開されたバージョン3.0が最新です。こちらのバージョンが世界的に利用されているため、こちらについて理解しておくと良いでしょう。

ただ、JSPにはバージョンがあるものの、その詳細についてはあまり意識する必要がないでしょう。基本的にはHTML部分とJava部分に分かれるため、それぞれについて理解できていれば問題なく開発できます。JSPのバージョンに依存した記述方法は存在しますが、致命的な問題を生む違いはほとんどないため最初は意識する必要がありません。

なお、プログラミング部分に利用するJavaのバージョンについては意識が必要です。利用しているサーバーの設定などによって、実行できるコードとそうではないコードが生まれてしまいます。サーバーにインストールされているJavaバージョンを踏まえて、JSPの開発をするようにしましょう。

JSPの書き方

JSPで「Hello World」を表示する場合は以下のように記載します。

<%@ page contentType="text/html;charset=Shift_JIS" %>

<html>

<head>
<title>Hello World</title>
</head>

<body>
<%
out.println(“Hello World”);
%>
</body>

</html>

基本的にはHTMLを記述していきます。ただ、部分的にJavaを記述して、その部分でプログラムを動作させます。

Java・JavaScript・JSPで知っておくべき3つの違い

続いてはJava・JavaScript・JSPで開発するにあたって知っておきたい違いについてご説明します。

ソフトウェアの用途

Java・JavaScript・JSPはそれぞれ開発するソフトウェアの用途が違います。どのようなソフトウェアを開発する必要があるのかを踏まえ、どのプログラミング言語を利用すべきか考えなければなりません。

まず、Javaはご説明したとおり汎用的なソフトウェア開発に利用できます。パソコンで動くソフトウェアの開発やスマホアプリの開発ならば、Javaを活用した開発になると考えてよいでしょう。

JavaScriptはJavaとは違い汎用的なプログラミング言語ではありません。WebサイトやWebアプリケーションの開発に利用するプログラミング言語です。用途が限られているため、これらの開発をしたい場合のみJavaScriptを選択すれば良いのです。

JSPもJavaとは少し違い、Webサイトの構築を目的としたプログラミング言語です。ただ、Webサイトの動きを制御するものではなくHTMLの生成などを制御するものであるため、JavaScriptとも目的が違っています。

3つのプログラミング言語の特徴

Java・JavaScript・JSPはプログラミング言語の特徴が大きく異なります。特にJavaとJavaScriptは大きな違いがあるため、習得する際などに意識しなければなりません。

まず、Javaは静的型付けかつオブジェクト指向のプログラミング言語です。プログラミング言語の中でも非常に厳しいルールが設けられていて、ルールに沿っていないとエラーが出てしまいます。また、オブジェクト指向を基本とした考え方であるため、習得していなければ開発しにくい部分があるでしょう。

それに対してJavaScriptは動的型付けのプログラミング言語です。比較的優しいルールに沿って記述すれば良いため、学習のハードルは低いものです。

JSPはJavaとは少々違いがあるものの、根本的な部分はJavaと一致しています。そのため、静的型付けを意識しながらプログラミングができなければなりません。

また、JavaScriptはスクリプト言語ですが、JavaとJSPはコンパイル言語です。開発環境を準備する手間などにも違いがあるため、その点を押さえておくと良いでしょう。

実行速度

同じ機能を持つソフトウェアを開発しようと考えた場合、実効速度に差が出やすくなっています。JavaやJSPは比較的動作が軽量ですが、JavaScriptは動作に時間を要してしまいます。

これは事前にプログラムをコンパイルしているかどうかに左右される部分です。JavaやJSPは実行前にプログラムをコンパイルしています。文法的な問題がないかなども評価されているため、動作に時間がかからないようになっているのです。

それに対してJavaScriptは、プログラムが動作されるタイミングで内容が評価されます。文法的な問題がないかなど評価しながら実行するため、事前に評価してあるJavaよりも時間を要してしまうのです。

ただ、JavaはJavaScriptとは違い後方互換性を重要視しています。このような特徴を持つため、古いバージョンの文法を使うなどするとJavaでも動作速度が低下してしまいます。

まとめ

プログラミング言語の中でもJava・JavaScript・JSPについてご説明しました。それぞれ似たプログラミング言語のように思われていますが、実際には大きく違う部分があり必ず理解しておくべきポイントがあります。

特にこれらのプログラミング言語は用途が異なっています。誤ったプログラミング言語を選択すると思い描くものを開発できないため、間違えないように注意しましょう。

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admin