クラウドエンジニアの資格とは?資格の種類、それぞれの難易度・勉強方法を解説

クラウドエンジニアの資格とは?資格の種類、それぞれの難易度・勉強方法を解説

現在は様々な企業でクラウドが利用されています。急激に利用が広がり、供給が追いつかないような状況です。このような状況を打開しクラウド環境を開発するために、クラウドエンジニアが増えてきています。
このクラウドエンジニアのスキルを証明するために、各クラウドサービスは様々な資格を提供しています。ただ、種類が多く何を取得すれば良いのか判断が難しい状況です。判断に困っている人に向けて、今回はおすすめの資格をご紹介します。

クラウドエンジニアにおすすめの資格4選

クラウドエンジニアにおすすめの資格は、どのクラウドサービスを利用しているかによって異なります。主要なクラウドサービスは独自に資格を提供していますので、それらの中から適したものを選択します。
また、クラウドの全般的な知識を問う資格もあります。今回はこちらの資格も含めて、資格の概要・難易度・勉強方法をご説明します。

AWS認定資格

AWSはクラウドサービスの中で特に利用されているものです。クラウドエンジニアといえば、AWSのエンジニアを指すケースも多いぐらいです。以下ではAWS認定資格についてご説明します。

資格概要

AWSの幅広いスキルを証明する資格です。初心者から上級者まで受験できるものとなっています。
認定資格は全12種類あり、AWSの幅広い知識に関するものが6種類・AWSの特定の専門分野に関するものが6種類です。クラウドエンジニアが資格を取得する場合は、幅広い知識が必要なのか専門知識が必要なのか判断しなければなりません。
なお、認定資格の中身は定期的に更新されており、最新のスキルが身についているかどうかが問われます。また、認定資格は3年ごとに更新しなければなりません。資格を取得するだけではなく、継続的なスキルアップも求められています。

資格難易度

AWS認定資格の難易度は、大きく分けて以下の4種類あります。

  • 基礎コース
  • アソシエイト
  • プロフェッショナル
  • 専門技術

基礎コースはAWSだけではなく、クラウド全般の基礎知識を指しています。そのためAWSのスキルを証明するのであれば、アソシエイトから受験するのが一般的です。
なお、プロフェッショナルと専門知識は、認定資格の中でも難易度の高いものです。これらの資格を保有していると、その範囲においてAWSの深い知識を持っているだけではなく、業務などを踏まえて適切なAWSの構築・運用ができると証明できます。

勉強方法

AWS認定資格は、基本的にAWSを触りながら勉強します。
AWSが提供している資格ということもあり、認定資格の対策本が出ています。書店などに行けば、多くの本が発売されていることに気づくでしょう。
これらを利用した勉強方法もありますが、AWSの資格を取得するにあたりこれはあまりおすすめできません。その理由は「本は最新の情報を反映できない」「座学ばかりでは合格が難しい」などが挙げられます。
AWSはクラウドサービスの中でも進化のスピードが速いものに分類されます。そのため、試験対策の本では新しい知識に対応できないのです。基本的な学習は試験対策の本でも対応できますが、最新の知識は別途学ばなければなりません。
最新の知識を学習する方法は「AWSの公式マニュアルを参照する」「BlackBeltを確認する」などがおすすめです。どちらもAWSが公式に提供している情報ですので、最新で信憑性の高い情報が手に入ります。
ただ、どの情報が必要になるかは自分で判断しなければなりません。受験する資格によって求められる知識が異なりますので、適した情報を公式サイトから探し出すのです。

Google Cloud認定資格

クラウドエンジニアにも意外と知られていませんが、Google Cloudにも認定資格があります。提供されているサービスなどによって細かく分類されていますので、複数の種類が用意されていることが特徴です。以下ではGoogle Cloud認定資格をまとめてご説明します。

資格概要

Google Cloud認定資格には2020年9月現在で9種類の資格があります。対象となるのは、Google Cloudのサービスはもちろんのこと、G Suiteのものまで含まれています。そのため、全てがクラウドエンジニア向けの資格というわけではありません。
資格は難易度と業務によって分類されています。特定の業務だけを深く問うものはありません。Google Cloudについて幅広い知識が問われます。

資格難易度

Google Cloudの難易度は、大きく分けて以下の2種類あります。

  • Associate
  • Professional

Associateは基本的なスキルについて問われる資格です。難易度としては標準的なものと考えて良いでしょう。なお、AWSやAzureで提供されているような、クラウド初心者向けの資格は提供されていません。一部初心者向けの内容も含まれていますが、ある程度クラウドエンジニア向けの資格だと考えるべきです。
Professionalは「アーキテクト」「ネットワーク」「運用」など、業務ごとに資格が用意されています。試験範囲が絞られている代わりに、難易度が高くなっています。ただ、Google Cloud認定資格は、こちらのProfessionalが資格の中心といえるものです。クラウドエンジニアが資格を取得する場合は、こちらを受験するものだと考えておきましょう。

勉強方法

Google Cloudは無料で利用できるサービスがあります。それらのサービスを利用して、実際に手を動かしながら勉強するのが一番です。
勉強のために参考にするのであれば、資格に関連する本が発売されています。これらの本を購入し、実際に無料枠の範囲内で動かしながら学習すると良いでしょう。
また、Googleは様々なイベントを実施していますので、Google Cloudに関連するイベントに参加するのも良いでしょう。こちらに参加することで、最新の機能など認定資格で問われる可能性が高い情報を得られます。最近はオンラインでもイベントが開催されていますので、それらに参加して試験に出そうなポイントを掴む勉強方法が良いでしょう。

Azure

Microsoftが提供するAzureに関する認定資格です。日本のみならず世界中で提供されています。むしろ、認定資格の中には、英語版でしか提供されていないものがあります。日本語の公式サイトでは確認できない資格がありますので、その点には注意しておきましょう。

資格概要

MicrosoftがAzureのスキルを認定してくれるものです。基本的には一つの試験に合格すれば良いのですが、場合によっては複数の試験に合格することで認定される資格があります。この点では他のクラウドサービスと異なりますので、Azureを利用するクラウドエンジニアは、認定条件に注意しておきましょう。
試験で問われるのは概念はもちろんのこと、Azureを利用したシステム開発やネットワーク構成、システムの管理方法など幅広いものです。担当する業務によっては、同じクラウドエンジニアといえども異なる資格を受験しなければなりません。
なお、資格によっては前提試験に合格していなければならないものがあります。いきなり上位の資格を取得できるのではなく、段階的な受験が求められています。

資格難易度

Azure認定資格の難易度は、大きく分けて以下の3種類あります。

  • Fundamentals
  • Associate
  • Expert

Fundamentalsは、Azure初心者やクラウド初心者向けの難易度です。料金やサポートの仕組みなどを含む内容が出題されています。
クラウドエンジニアが取得するのであれば、上記以外の資格でしょう。スキルの証明をするのであれば、最低限Associateは取得しておくべきです。Azureのエンジニアとして最低限のスキルを証明できます。
なお、Expertは特に難易度の高い資格です。純粋なクラウドサービスの理解があれば良いのではなく、事業継続などビジネス面を加味した考え方ができなければなりません。

勉強方法

有名なパブリッククラウドサービスでありますが、意外とインターネットに資料は公開されていません。そのため、該当する参考書などを購入し、本で身につけた知識でAzureを触ってみる勉強方法がおすすめです。
ただ、必ずしも日本語版の参考書などが発売されているとは限らない点に注意が必要です。そもそも、Azureの資格は英語版のみ提供されているものがありますので、そのようなものは日本語版が提供されていません。英語の参考書などで勉強し、英語の試験を受験します。
加えて、本の出版には時間がかかりますので、最新の資格に対応する本はすぐに手に入りません。本を主体とした勉強がおすすめですが、勉強できる範囲は限られてしまいます。

CCSP(Certified Cloud Security Professional)

CCSPは(ISC)2と呼ばれる団体が提供する、クラウドサービス全般に関する資格です。CCSKと呼ばれる資格の上位資格に位置していて、クラウドエンジニアであればこちらを取得した方が良いでしょう。以下ではCCSPについてご説明します。

資格概要

CCSPは「クラウドの基本スキル」「クラウドでのセキュリティ」を認定する資格として提供されています。特定のベンダーに依存した資格ではありませんので、幅広く知識を持つ証明となります。
元々こちらの団体はセキュリティ関連の資格を提供しています。CISSPと呼ばれる資格であり、クラウドエンジニアの中でもネットワークやセキュリティを経験している人は持っていておかしくはありません。CCSPはこのCISSPをクラウド用に改めた資格といえます。

資格難易度

独立した資格ですので他のものと比較はできませんが、難易度は高いと言われています。世界的に見てもセキュリティの分野で信頼されている資格であり、クラウド向けに改められたとはいえども難易度が高いものです。
なお、CCSPは英語で受験しなければならない資格です。そのため、英語の問題を読み解かなければならないという観点で、さらに難易度が高くなってしまいます。セキュリティ分野の専門用語などが出題されますので、英語が苦手な人はこちらも理解しておくようにしましょう。

勉強方法

CCSPには出題される問題の傾向を踏まえた問題集があります。英語版の問題集ではありますが、まずはこちらを購入して勉強しましょう。
問題集ですので問題の他に解説も記載されています。何かしら分からない問題があれば、解説を読んで理解を深めておかなければなりません。
ただ、場合によっては解説だけでは理解できないでしょう。その時は、情報セキュリティに関する別の参考書などを用意するべきです。深い知識が問われますので、正確な理解なく受験するようなことはやめましょう。

クラウドエンジニアが資格を選ぶポイント


クラウドエンジニアが資格を選ぶ場合、様々な注目ポイントがあります。これらを意識していなければ、資格を取得しても役に立たない可能性があります。以下では資格を取得するにあたり、皆さんに注目してもらいたいポイントをご説明します。

自分が利用するクラウドサービスかどうか

最初に考えてもらいたいのは、皆さんが日頃から利用するクラウドサービスであるかどうかです。
クラウドサービスはそれぞれの会社が独自のものを提供しています。表向きは似たサービスが提供されている場合もありますが、操作方法など細かいところには違いがあります。つまり、日頃から利用するクラウドサービスについて資格を取らなければ、実務では役に立たない資格となってしまいます。
特にクラウドサービスの資格は、座学の側面よりも「実際に手を動かせるエンジニアであることを証明する」側面が強くあります。実際に手を動かすクラウドサービスに沿った資格を取得し、エンジニアらしく作業ができると証明できるかどうかがポイントです。

汎用的な知識を示したいかどうか

上記とは逆に汎用的なクラウドサービスのスキルを証明する資格もあります。
基本的にクラウドサービスの資格は、利用するサービスごとに適したスキルを持っているかどうかを証明します。上記のご説明にもあるとおり、エンジニアとして実際に手を動かせるどうかが重要です。
ただ、世の中の資格は全てがこのようなものではありません。特定のクラウドサービスに依存せず、クラウド全般で理解しておくべき内容を取り扱う資格もあります。例えば「クラウドでのセキュリティ」「クラウドの活用方法」などが挙げられます。
クラウドエンジニアは、このようなクラウド全般に関する資格を持っておいた方が良い場合もあります。クラウドサービス固有の資格に加えて、このような資格を持っておくのも良いでしょう。幅広く知識を有していると証明できます。
クラウドエンジニア向けの資格は、全てがクラウドサービス固有のものではありません。クラウド全般の知識を証明する資格も視野に入れておくことがポイントです。

まとめ

クラウドエンジニアも何かしらの資格を取っておくに越したことありません。自分の業務に沿った資格を選択し、スキルの証明に役立てます。
注意しなければならないのは、適切な資格を選択して取得することです。同じパブリッククラウドサービスでも複数の資格を提供していますので、その中で適したものを選択するようにしましょう。
他にも特定のクラウドサービスに依存しない資格が存在します。必要に応じてそのような資格を取得するのも良いでしょう。


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