フリーランスの結婚事情は?気をつけるポイント5つを解説!

フリーランスの結婚事情は?気をつけるポイント5つを解説!

結婚は人生における重要なターニングポイントです。ここを境に生活が大きく変化する人もいますので、事前に様々なことを考えておく必要があります。

フリーランスにおいても重要なイベントなのですが、そもそも「フリーランスは結婚できるのか」と考えている人もいるはずです。そのような人に向けて、フリーランスの結婚事情と結婚するにあたり意識しておきたい注意点を解説します。

フリーランスの結婚欲はやや低め?

最初にフリーランス全体の結婚事情について確認してみましょう。フリーランスだけを対象にした調査はあまりありませんので、いくつかの調査を利用してまずは「結婚欲」について考えていきます。

非正規雇用の結婚率は低め

厚生労働省の調査によると、非正規雇用の結婚率は正規雇用の結婚率よりも低めの傾向があります。調査年度によって多少の差はありますが、基本的には非正規雇用の方が男女ともに低くなっています。

この理由については調査の中では触れられていません。ただ、考えられる理由として「収入が安定しない」「結婚するお金がない」「仕事が忙しくプライベートの時間がない」などが挙げられます。あくまでも理由は推測でしかありませんが、事実として結婚率が低めなのです。

なお、ここで説明されている非正規雇用とは、正社員以外の雇用を指しています。例えば社員の中でも契約社員や期間限定社員、派遣社員などが含まれます。また、アルバイトやパートを専門としている人も含まれています。

逆にフリーランスや個人事業主など、自分で仕事をしている人は含まれていません。また、収入が安定している株式会社の役員なども含まれていません。そのため調査データのサンプルには偏りがあり、一概には言えない状況です。

フリーランス≠非正規雇用だが低めの可能性あり

上記でご説明したとおり、フリーランスは非正規雇用ではありません。そもそも雇用されているわけではありませんので、正規雇用にも非正規雇用にも含まれないのです。

ただ、フリーランスは「収入が安定しない」との観点では、非正規雇用に近いものがあります。そのため、具体的に統計の数値は出ていませんが、結婚率が低い可能性はあります。非正規雇用とは訳が違うとは考えられますが「収入が安定しない」「生活に余裕がない」「仕事が非常に忙しい」などの理由は十分あり得るでしょう。

しかし、フリーランスで結婚している人が多数いるのは事実です。フリーランスとして働いているからといって、結婚できないと考えるのは安直です。あくまでも結婚率が低い可能性があるだけです。

また、最近は副業フリーランスなども増えてきましたので、フリーランスの定義がやや曖昧になっています。専業でフリーランスをしている人とそうではない人がいる状況です。その点も加味すると、どのような形態でフリーランスとして働いているかによって、結婚率や結婚事情は大きく異なると考えられます。

フリーランスが結婚する際に気を付ける5つのポイント


フリーランスが結婚するとなった場合、どのようなことに気をつけなければならないのでしょうか。今回は結婚するにあたり、気をつけるポイントを5つ説明します。

収入の安定性

フリーランスが結婚するにあたり、気をつける大きなポイントに収入の安定性があります。収入は生活するにあたり必須となるものですので、特に重要視しておきたいポイントです。

基本的にフリーランスは、会社員とは異なり毎月一定の収入がありません。仮に仕事がなくとも給料が支給される会社員とは異なり、仕事がなくなってしまうとそのまま報酬がなくなってしまいます。収入がなくなると結婚生活に大きな影響を与えますので、特に注意しておかなければなりません。

フリーランスとして働いている以上、収入が不安定になってしまうのはやむを得ません。会社員のように毎月の収入を固定するのは難しいのです。ただ、以下のような対策をとれば、収入の安定性を高められる可能性があります。

  • 複数の案件を受注する
  • 固定収入を得られるようにする

フリーランスは一つの会社から大きな案件を受注している場合があります。大きな会社ですので「安定した収入」と考えている人も多いでしょう。しかし、このような案件でも何かの拍子でなくなってしまう可能性があります。

そのような状況を防ぐために、案件は複数受注するようにしておきます。案件がなくなってしまう状況に備え、リスクヘッジをしておくのです。

また、結婚するにあたり収入の不安定さが心配な場合は、固定収入を得られるように対策する方法もあります。例えば時短勤務で会社員として働く方法があります。全ての人が実現できるわけではありませんが、選択肢の一つではあります。

収入の安定性は結婚するにあたり特に気をつけたいポイントです。不安定になる可能性を踏まえ、対策をしておくのが理想的です。

仕事環境の変化

結婚すると仕事環境が変化する可能性があります。フリーランスにとって仕事環境は重要な要素ですので、気をつけておいた方が良いでしょう。

職種にもよりますが、フリーランスは在宅など会社員よりも柔軟に働ける傾向があります。自分らしい働き方ができるのが、フリーランスのメリットだとも言えます。

しかし、結婚すると状況が変わる可能性があります。たとえば結婚を機会に同じ家に住むことで、集中して仕事ができなくなる可能性があります。また、家事の役割分担が増えることで、仕事に割ける時間が減ってしまう可能性があります。

他にも結婚して子供が生まれると、子供の面倒を見なければなりません。在宅勤務で仕事をしている場合でも、今までと同じように時間を割けなくなってしまいます。

もちろん、あらかじめルールを作っておけば、大きな問題にはならないでしょう。例えば「在宅勤務の場合、仕事中は家事を任せる」などです。結婚してお互いに負担が増えすぎないようなルールを設けておけば良いのです。

とはいえ、ルールを設けても例外的な事象が発生してしまいます。そのような点を加味すると、やはり仕事環境の変化は避けられません。多少なりとも変化はあるものとして、注意しておいた方が良いでしょう。

社会保障の減少

フリーランスは社会保障が会社員よりも少なくなってしまいます。そのため結婚して配偶者が扶養内に入る場合、社会保障について注意しておいた方が良いでしょう。

例えば、フリーランスは大手企業のような自社グループの保険組合に加盟できません。自分で国民保険に加入するか、フリーランス向けの団体保険に加入する必要があります。

これらの保険は、通常の保険よりも保険料が高くなる場合があります。そのため、扶養者の保険料を含めると高額な支払いが必要となる可能性があります。

また、フリーランスには業務上の怪我や病気を保障する労働保険がありません。万が一怪我や病気で案件を受注できなくなった場合は、自分の貯金などでどうにかするしかありません。この点も会社員と大きく異なる部分であり、フリーランスの置かれている状況については結婚前に説明しておいた方が良いでしょう。

ただ、内容によっては自分で個別に加入できるものがあります。例えば年金は企業年金がありませんが、国民年金基金や付加年金に加入する方法があります。このように内容によっては、自分で社会保険を充実させられます。

とはいえ、会社員と比較するとフリーランスの社会保障は限られてしまう傾向があります。自分自身の社会保障が減ってしまうことはもちろん、配偶者を扶養に入れた場合の課題点にも気をつけておきましょう。

社会的信用の低下

基本的にフリーランスは、会社員よりも社会的な信用が高くありません。これは結婚生活において様々な影響を与える可能性がありますので、注意しておいた方が良いでしょう。

具体的に影響を受ける可能性があるものに、クレジットカードやローンの審査があります。これらの審査では「安定した収入」が求められますので、比較的不安定なフリーランスは審査に落とされてしまう可能性があるのです。例えば、フリーランスは住宅ローンやカードローンの審査に通過しない可能性が考えられます。

社会的信用を得るための方法はいくつか考えられます。1つ目は、純粋に事業を成功させ税金をしっかりと支払うことです。一般的に事業が成功しているかどうかは、税金をどの程度納めているかを見られます。個人であれば所得税や住民税ですし、法人であれば法人税の金額です。

フリーランスの場合は個人ですので、所得税や住民税をどの程度支払っているかが重要です。これらを高額納税していれば十分に所得があると考えられ、社会的信用力が高まります。1年だけではなく長年しっかりとした納税が続いていれば、さらに社会的な信用を高められるのです。

フリーランスは収入が不安定との印象がありますので、客観的な証拠がなければ信用力を勝ち取れません。この証拠となるのが継続的な納税ですので、正しく確定申告をして納税することがポイントです。

また、場合によっては配偶者を世帯主にする選択肢があります。特に配偶者が正社員で働いている場合、世帯主になってもらった方が世帯としての信用力があがります。フリーランスの社会的信用力の低さを認識してもらい、場合によっては世帯主になってもらうことも考えましょう。

他にも、社会的信用が低いとの印象から、両親が結婚に反対するなどの事態も考えられます。そのような時の後ろ盾としても、納税をしたり事業の実績を作ったりしておいた方がよいのです。

苗字の変化

結婚に伴って苗字が変化する場合が多々あるでしょう。どちら側の苗字に合わせるかによりますが、フリーランスとしての活動に影響が出る可能性があります。

苗字が変わってしまった時に気をつけたいのは、銀行口座やクレジットカードなどお金まわりです。これらは結婚などで苗字が変わってしまった場合、すぐに届け出をして登録内容を変更する必要があります。登録内容を変更しなければ、使えないとされているのです。

実際には変更が完了しなくても利用できますが、事業をしている身としてはなるべく早く正しい申請をするべきです。この申請などの事務手続きに、時間を必要としてしまいますので注意が必要です。

また、苗字が変化すると取引先などに連絡をしなければならない場合があります。最近は旧姓のまま働いている人も多くいますが、事務手続きの都合で新しい苗字が必要となる場合があります。実務的な影響はあまりないものの、事務的な面で手続きが発生してしまう可能性があります。

配偶者の苗字が変わってしまう場合も同様です。会社員の場合は会社にその旨を連絡してもらうなど、事務手続きをしてもらわなければなりません。

近年は夫婦別姓などの理解が広がっていますので、結婚に伴う苗字の変更はあまり生活に差し支えないようになっています。ただ、上記でもご説明したとおり、金融関係など変更手続きが求められるものはまだまだあります。役所での手続きや各種企業での手続き、在籍している会社での手続きなど、様々な影響がある可能性は気をつけておきましょう。

まとめ

フリーランスの結婚事情は会社員とは異なると考えられます。具体的な数値が出ているわけではありませんが、収入が安定しないため結婚率が低い可能性があるのです。

とはいえ、フリーランスが結婚していないというわけではありません。フリーランスで結婚している人は多数いますし、フリーランス同士で結婚している人もいます。

なお、フリーランスが結婚する場合、会社員よりも気をつけておきたいポイントがあります。収入や社会保障など生活に直接的に影響するものから、苗字の変更などやや間接的に影響するものもあります。気をつけるポイントについては事前に確認し、対策できるものは結婚前に対策しておいた方が良いでしょう。

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admin