フリーランスも毎年1回の健康診断を受けて健康管理を!

フリーランスも毎年1回の健康診断を受けて健康管理を!

会社員として企業で働いていると、1年に1回は健康診断を受診します。これは法律で定められていますので、会社は必ず受診させなければなりません。
しかし、フリーランスになるとこのような制約はなくなります。そのため、「面倒だから健康診断を受けない」「費用が発生するため健康診断を受けない」といった人が増えてしまいます。ただ、フリーランスこそ体が資本であるため健康診断を受診しなければなりません。今回はフリーランスと健康診断についてご説明します。

フリーランスが健康診断を受ける必要性

フリーランスで働いている人の中には「私は元気だから健康診断を受けなくても大丈夫」と考える人もいるでしょう。確かに体が元気であれば、健康診断を受けなくても良いように感じてしまいます。
しかし、フリーランスも健康診断は受けなければなりません。まずはその理由について理解していきましょう。

体調管理は自己責任であるため

フリーランスは全てにおいて自己責任の職業です。案件の獲得はもちろんのこと、体調管理も自分の仕事です。会社員として働いている時のように、上司が気遣って仕事量を調節してくれることはありません。また、体調を崩して休んでしまっても、有給のような制度は基本的に存在していません。
そのような状況に置かれていますので、「体調管理をしない」というのはあってはならないのです。もし自分の体に何かあると、収入が得られないだけではなくクライアントにも大きな迷惑をかける可能性があります。
どんなに気をつけていても体調を崩してしまう場合はあります。そうだとしても、年に1回は健康診断を受け、大きく体調を崩すリスクは可能な限り減らさなければなりません。

健康に関する意識を高めるため

毎年、健康診断を受診するようにしておくことで、健康に関する意識を高めやすくなります。
フリーランスは収入が安定しにくいため、どうしても目の前の案件に執着してしまいます。体調についてはあまり意識せずに働く人が多いのが現状です。これで働き続けられる人は良いですが、体を壊し仕事に支障が出る人もいます。
ここで重要なのは、「フリーランスは健康であることが必須」との意識を持つことです。そのような意識があれば、仕事ができなくなるほど体を壊す前に対策を打ちやすくなります。
とはいえ、忙しいフリーランスが、このような意識を持ちながら仕事をするのは難しいのも事実です。そこでこの状況を打開するために、健康診断を予約しておきます。健康診断の日程を決めておくと、検査結果が悪くならないように意識しやすいものです。つまり、日頃から健康に関する意識を高められるのです。

体調不良で案件を落とすリスクは大きいため

フリーランスで体調を崩してしまうと、「案件を失注する」「現在の案件を完遂できない」などの問題につながる可能性があります。このような問題を起こしてしまうと、フリーランスとしての信用力の低下を招いてしまいます。
例えば継続的な案件を受注できなくなると発注する側に「この人に仕事を見限られた」との印象を持たれる可能性があります。また、案件の途中で対応できなくなると「この人は最後まで仕事ができない」との印象を持たれる可能性があります。仮にそれが病気のせいだったとしても「体調管理ができない人」と考えられてしまう可能性もあるのです。
フリーランスにとって、仕事が受注できないのは大きなリスクです。仮に病気などのせいであったとしても、信用を失ってしまう可能性があります。そうならないためにも、健康診断を受診して可能な限り良い健康状態でいなければなりません。

フリーランスでも受診できるお得な健康診断とは

フリーランスでも健康診断を受診しなければならないと理解してもらえたでしょう。ただ、具体的にどのような健康診断を受診すれば良いのか分からないかもしれません。そこで今回は、フリーランスでも受診できるお得な健康診断を3種類ご紹介します。

市町村が実施する健康診断

市町村が実施する健康診断を検討してみましょう。「市町村の健康診断など知らない」と感じた人もいるかもしれませんが、実は健康増進法に基づきどこの市町村でも健康診断を実施しています。対象となるのはその市町村居住者に限られますが、条件を満たしていれば健康診断を受けられるようになっています。基本的には住民票のある市町村で受けられますので、該当する市町村の情報を確認してみましょう。
市町村の健康診断は法律に基づいているものですので、各種補助が用意されていることが特徴です。補助金を活用すると無料もしくは低価格で受診できたりします。「フリーランスは補助なしで健康診断を受けなければならない」との印象を持っている人が多いですが、実は公的な補助を受けられる健康診断があります。
ただ、市町村の健康診断は検査項目が少ない場合があるため注意が必要です。健康診断とは銘打っているものの、会社員が受診する特定健康診断には及ばない場合があるのです。内容によっては自分の健康状態を詳細に確認できません。
また、健康診断を受診するためには、決まった病院に決まった日程で行かなければなりません。自由に健康診断の日程を調節できないデメリットがあります。

病院などが個別に実施する健康診断

病院によっては独自の健康診断を実施しています。このような健康診断も検討してみましょう。
病院やクリニックなどが独自に提供している健康診断は、会社員が受ける特定健康診断と内容が基本的に同じです。つまり、様々な検査項目があり、自分の健康状態を詳細に把握できるのです。市町村の健康診断では不足してしまう検査も、病院が提供している健康診断であれば含まれているケースが大半です。
健康診断の予約は病院へ直接連絡をします。市町村などから補助が出るわけではありませんので、何かしらの手続きをする必要はありません。なお、健康診断の費用は健康保険の適用外ですので、各病院が定めた金額を実費で支払う必要があります。会社員の場合は会社が負担してくれていましたが、何も負担してもらえるものはありませんので注意しましょう。
支払いが全て自己負担ですので、健康診断にオプションの検査を追加しても問題ありません。会社によっては健康診断の料金負担の観点から、自由にオプションが選択できない場合があります。しかし、フリーランスはこのような縛りがありませんので、必要に応じて自由にオプションを追加できます。

保険組合の健康診断

フリーランスとして健康保険組合などに加入していれば、健康診断を実施している場合があります。国民健康保険ではなく何かしらの健康保険組合を利用している場合は、こちらも検討してみましょう。
フリーランスが加入できる保険組合はいくつかあります。例えばフリーランス向けの「フリーランス協会」に加入すれば、特定の健康診断や人間ドックを組合割引で受診できます。会社員のように無料で受診できるわけではありませんが、直接病院に申し込みするよりも低価格で受診できます。
他にもフリーランスや個人事業主、中小企業までを対象とした「あんしん財団」に加入する選択肢があります。こちらに加入していれば、健康診断の受診で発生する費用に対して、補助金を支給してもらえます。申請手続きなどはしなければなりませんが、自分の好きな健康診断を受診できます。
何かしらの健康保険組合に加入していれば、お得に健康診断を受診できる可能性があります。フリーランスでも健康保険組合には加入できますので、まずは加入から検討してみると良いでしょう。

健康診断を受けるにあたりフリーランスが注意するべきポイント


フリーランスが健康診断を受けるにあたり、いくつか注意しておきたいポイントがあります。今回はそれらの中でも、特に注意してもらいたいものを3つピックアップしてご紹介します。

健康診断の費用は経費算入できない

フリーランスが健康診断を受診する場合、発生する費用は経費に算入できません。経費算入することで、税金が下がると勘違いしないように注意が必要です。
健康診断はフリーランスにとって、必須のことだと感じるかもしれません。上記で説明したとおりフリーランスは健康を意識しなければなりませんので、このように考えるのも不思議ではありません。ただ、フリーランスが経費算入できるのは、事業に関係のある支払いに限られています。残念ながら健康診断の費用は事業に関連のある支払いとは認められていません。
フリーランスで働いていると可能な限り経費で処理したいと考えるでしょう。しかし、正しい確定申告をするために、経費算入できない点は間違えないように注意しましょう。

必要に応じて追加の検査を実施する

フリーランスが申し込みする健康診断は、あらかじめいくつかの検査がセットになっているものです。申し込みをするだけで、簡単に健康診断を受診できるようになっています。
ただ、人によっては基本的なセットでは不十分な場合があります。例えば過去に何かしらの疾患があった場合は、その部分を確認する検査を追加するべきです。また、今まで詳しい検査をしたことがないのであれば、一度は詳しく検査した方が良いでしょう。
人によって置かれている状況は異なります。自分自身の状況を正しく把握し、必要に応じて追加の検査を実施してもらうように意識しておきましょう。

再検査などには対応する

健康診断は受診すれば終わりではありません。その結果を踏まえて適切に対応することが重要です。
人によっては検査結果の数値が悪い場合があるでしょう。再検査の指示を受けることも考えられます。面倒かもしれませんが、そのような指示があった場合は必ず対応しましょう。
フリーランスでも健康診断を受診するのは、自分の体調についていち早く知れるようにするためです。このような理由であるにも関わらず、再検査の指示を無視してはなりません。健康診断を受診している意味が薄れてしまいます。
フリーランスは忙しく、なかなか再検査をしている時間はないかもしれません。ただ、何かしらの指示があった場合は、その指示に従って必ず再検査は受けるようにしましょう。

健康診断はセルフメディケーション制度の要件でもある

2017年から新しく「セルフメディケーション税制」と呼ばれる医療費控除の特例が始まりました。フリーランスがこの税制を利用するためには、健康診断を受診していなければなりません。そのため、セルフメディケーション税制を利用したいと考えている場合は、フリーランスでも意識して健康診断を受けなければならないのです。
こちらの制度は医療費控除の特例であり、健康診断などを受診して健康増進や疾病の予防をしている人が対象です。日頃から健康を意識している人だけが利用できるのです。
制度の内容は「日頃から健康診断などを受け健康管理を怠っていなければ、市販薬の購入などにかかった費用は所得から差し引きできる」というものです。いくつかの条件はありますが、健康診断を受け健康に気を使っていれば、風邪薬などを購入してもそれを所得から差し引きできるのです。今までは大きな支払いがある場合だけ医療費控除を受けられましたが、少額でも控除が受けられるようになっています。
フリーランスで健康に気をつけていても、風邪薬や痛み止めなど何かしらの薬を買うことは考えられます。そのような時にセルフメディケーション税制を利用するためにも、健康診断を受診して要件を満たしておきましょう。

まとめ

フリーランス健康診断が重要である理由についてご説明しました。健康診断を受診されていなかった人も、受診しなければならないと感じたのではないでしょうか。
会社員とは異なりフリーランスは必ず健康診断を受けなければならないルールではありません。受診するかどうかは本人の意思に委ねられています。ただ、フリーランスが万が一体調を崩してしまうと、収入などに大きな影響を与えてしまいます。そのような事態を可能な限り防ぐために、必須ではありませんが毎年健康診断を受診しておきましょう。


登録フォームボタン
登録フォームボタン

SHAREこの記事をシェアする

admin