【確定申告】フリーランスは消費税の申告が必要?消費税の関係について解説!

【確定申告】フリーランスは消費税の申告が必要?消費税の関係について解説!

フリーランスが意外と見落としているものに消費税の確定申告があります。自分の収入に対して確定申告をすると思いますが、消費税もそこに含まれているという理解がない人もいます。
消費税の取り扱いはフリーランスが悩んでしまう原因ともなっています。今回はフリーランスとして活躍していくにあたり、知っておきたい税金の一つである消費税についてご説明します。

フリーランスと消費税の関係は正しい理解が必要

フリーランスに消費税は関係ないと考えているかもしれません。しかし、実際にはフリーランスも消費税について正しい理解を持っておくことが重要です。以下では正しく理解しておきたい消費税についてご説明をしていきます。

そもそも消費税とはなにか

最初に消費税について正しい理解を持っていきましょう。消費税とは税務署の定義をまとめると以下の通りです。

「消費税は、商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して広く公平に課税される税で、消費者が負担し事業者が納付します。
消費税は、商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して、広く公平に課税されますが、生産、流通などの各取引段階で二重三重に税がかかることのないよう、税が累積しない仕組みが採られています。
商品などの価格に上乗せされた消費税と地方消費税分は、最終的に消費者が負担し、納税義務者である事業者が納めます。」
引用:国税庁『消費税のしくみ』

つまり事業者であるフリーランスも消費税について理解しておかなければならないのです。フリーランスは届け出をしているかどうかに関わらず個人事業主と考えられます。事業をしている人には変わりがないのです。そのため関係のないことだとは考えず、消費税について正しい理解を持つべきです。

フリーランスも消費税を納めなければならないことがある

フリーランスでも消費税を納めなければならないことがあると上記で感じたことでしょう。無縁だと考えられていることもありますが、実際にはフリーランスも消費税に向き合わなければならないのです。
フリーランスで働いている全員が消費税を納めなければならないわけではありません。消費税は特定の条件を満たしたフリーランスのみが納税の義務を負います。消費税を納めるという観点からすると、関係のないフリーランスがいるのも事実です。ただ、消費税の請求は納税の義務が発生するかどうかにかかわらず対応しなければならないことです。そのため、フリーランスだからといって、消費税と全く関係のない仕事はしてられないのです。

フリーランスが消費税を納めるケースと納めないケース

フリーランスは全員が消費税を納めなければならないわけではありません。フリーランスも消費税を納めるケースと納めないケースがあります。どのような時に消費税を納めなければならないのかについて理解を深めていきましょう。

消費税を納める義務があるかの判定方法

フリーランスは全員が消費税を納めなければならないとは限らないことをご説明しました。特定の条件に当てはまるフリーランスだけが消費税を納めます。
条件はいくつかあるのですが、以下の条件に当てはまっている場合には消費税を納めなければならなくなります。

  • 年間売上高が1,000万円以上
  • 開業から3年目以降

1つの条件だけではなく、両方の条件を満たす場合にのみフリーランスは消費税を納めます。つまり、開業から3年目以降であり年間売上高が1,000万円以上である場合に納税の義務が生じるのです。これ以外の場合にはフリーランスとして働いていても消費税を納める必要はありません。
なお、これらの条件が用意されているのは消費税の納税は手間のかかる作業であるからです。消費税を確定申告するためには、預かった消費税と支払った消費税の差分を算出しなければなりません。この差分に応じて消費税を納付したり還元されたりします。ただ、この算出作業は時間のかかることですし、税務署側の検証作業も手間のかかることです。そのため、手間を軽減するための処置としてこのような条件が用意されています。

消費税を納めるケースの対応

フリーランスが消費税を納めなければならない場合、どのような対応が求められるのでしょうか。納税義務が発生する場合の対応についてご説明します。
フリーランスで納税義務が発生しているのであれば、納税額を算出して正しく納税しなければなりません。納税の義務があるにも関わらず消費税の確定申告をしなかった場合、これは脱税になってしまいます。内容も正しく算出しなければなりません。なお、具体的にどのようにして確定申告の対応をするかは後半で詳しくご説明します。
まずはフリーランスであっても消費税の納税義務が発生している場合、適切に消費税の計算をして納税しなければならないことを理解しておきましょう。

フリーランスは簡易課税制度を利用しやすい

納めなければならない消費税を算出するためには、売上に対して受け取った消費税と経費などで支払った消費税の差分を算出しなければなりません。この算出をする作業が確定申告であるとイメージすると良いでしょう。
ただ、この作業は手間であることを上記でもご説明しました。この手間を和らげるために消費税を納める義務が生じないようにしているフリーランスもいるぐらいです。それほどに正確な数値を算出するには時間を要します。
この問題をさらに解決するために「簡易課税制度」と呼ばれるものが用意されています。これは、売上高が5,000万円以下の事業者を対象として、消費税の算出を簡略化するものです。具体的には簡易課税制度を利用すると、業種ごとに決められた「みなし仕入率」を利用して売上高から消費税を算出できるようになります。実際にやり取りした消費税に関わらず簡単に消費税の計算ができるようになる便利な制度です。
ただ、簡易課税制度を利用するためには前年末日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出していなければなりません。自動的に適用される制度ではありませんので、フリーランスで簡易課税制度を利用したい場合には忘れないようにしましょう。

消費税を納めないケースの対応

消費税を納める必要がない場合、消費税に対する確定申告は対応の必要がありません。フリーランスとしての事業に対する確定申告をしなければなりませんが、消費税に対する確定申告の必要はありません。
消費税の確定申告をしなくて良いからと、通常の確定申告もしないで良いように考えてしまう人がいます。どちらも確定申告とはひとまとめになっていますが、消費税と所得税は異なった税金です。別々に考えなければならないものですので、消費税の確定申告が必要ないからといって勘違いしないようにしなければなりません。

フリーランスが消費税を納める流れ


フリーランスが消費税を納める流れはどのようなものなのでしょうか。実際に納めなければならない場面となった際に、納め方が理解できていなければ困ってしまうでしょう。

1.消費税の申告対象者であるのかを確認

最初に消費税の申告対象者であるのかを確認しなければなりません。冒頭でもご説明しましたが、フリーランスは全員が納めなければならないわけではありません。フリーランスとして働いている人の中でも、消費税を納めなければならない人の方が少ないと考えて良いでしょう。繰り返しですがフリーランスで消費税を納めなければならないのは、売上高が1,000万円以上で開業から3年以降の人です。
最初のうちは消費税の申告対象となっていなくても、途中から申告対象者となる可能性はあります。毎年確認しなければなりませんので、例年通り確定申告をしなくても良いと片付けないようにしましょう。

2.消費税の税区分を確認

消費税の申告対象者であるのであれば、どの程度の金額をどのように算出するのかを確認しなければなりません。具体的な内容としては、上記でご説明した簡易課税方式を利用するかどうかの確認です。こちらは自動的に適用されるものではなく、自分で申し込みをすることによって適用されるものです。そのため基本的には確認しなくてもどちらが適用されるかは把握できているはずでしょう。
また、フリーランスの場合にはどのように帳簿をつけるのかを確認しなければなりません。特に青色申告を利用している場合には複式簿記などを利用することもあるでしょう。そのような点も消費税の確定申告に影響してきますので、自分がどのようにして消費税の確定申告をするのかは正しく把握しなければなりません。

3.専用ソフトなどに取引を入力

どのようにして確定申告をするのかの条件が確認できれば、後は取引を整理しなければなりません。整理の方法は様々存在していますが、確定申告をするための専用ソフトを利用すると良いでしょう。コンピュータにインストールするものもありますし、クラウドで利用できるものもあります。利便性が高く自分で使いやすいものを選択して問題ありません。基本的な機能としてはどれを利用しても同じです。ただ、中には消費税の確定申告に対応していないものもあります。そのようなものでは困ってしまいますので、消費税の確定申告ができることを確認しましょう。
なお、専用ソフトではなくExcelなどの表計算ソフトを利用する方法もあります。うまく使いこなせるのであれば、このような表計算ソフトを利用しても良いでしょう。ただ、最近は軽減税率など複雑な仕組みが利用されています。この状況に表計算ソフトだけで対応するのは難しいのも事実です。そのため基本的には専用ソフトなどを利用しましょう。

4.支払い税額を確認し確定申告

専用のソフトを利用したと仮定すると、ソフトにて確定申告するべき消費税の金額が表示されます。追加で納税しなければならないのであれば納税の手続きが必要です。逆に計算の結果還付されるのであれば還付の手続きが必要です。
消費税を納税しなければならない場合には、消費税の納税期限を意識しなければなりません。消費税の納税期限は所得税の納税期限よりも手前に設定されています。同程度の時期に設定されてはいますが、所得税よりも早く対応しなければならないものです。
あまり多くはありませんが、計算だけして満足してしまう人がいるのも事実です。自分は納税までしたつもりであっても、後から納税していないことを指摘されるケースもあります。納税期限に遅れている場合には、追加で税金を支払わなければなりません。無駄な支払いが増えてしまいますのでこれは避けるようにしましょう。
最近は確定申告の書類をネットで簡単に作成できるようになっています。そのため今までよりも消費税の納税に関する手間は小さくなっています。納税だけを忘れることがないように、消費税の計算が終わったらそのまま支払いまで一気に済ませてしまいましょう。

フリーランスが消費税に関して持つFAQ


フリーランスは消費税に対してさまざまな疑問を持つことでしょう。どうすればいいのか、自分で判断できないこともあるはずです。ここではフリーランスが持ちやすい消費税に関する疑問について、質問と回答をご紹介していきます。

フリーランスも消費税を請求してよいのか

フリーランスの消費税を請求して良いのか、請求するべきであるのかについて、疑問を持ってる人は多々います。ここは気になってしまう人も多いのですが、フリーランスも基本的には消費税を請求しなければなりません。
消費税は事業として何かしらのやり取りが発生した時に請求しなければならないものです。税金のひとつですので、正しく請求をして正しく納めることが求められています。フリーランスの場合には消費税の納税が免除されることもありますが、請求は義務ですのでしなければなりません。
消費税の請求をしたにも関わらず、免税の対象となったのは結果論でしかありません。1年間の事業をやりきるまで消費税の納税が免除されるかどうかは判断できないのです。そのため、基本的には消費税分を請求して、納税をする場合に備えておかなければなりません。

請求書は税込か税抜のどちらで記載するか

請求書は税抜きと税込みのどちらで記載するべきかを悩むフリーランスもいます。世の中的にはどちらも利用されていますので、対応すれば良いのか悩んでしまうのでしょう。
結論から言えばフリーランスもどちらを選択しても問題ありません。フリーランスだからといって、税抜表示の義務や税込表示の義務があるわけでもありません。わかりやすいように金額を記載していれば問題が発生しません。
言い換えるとわかりやすく記載していなければトラブルの原因ともなりかねません。税抜き価格で表示している場合、クライアントはフリーランスであることから消費税を徴収しないと考えているかもしれません。この場合、請求のタイミングで金額の認識差が発生しトラブルとなってしまいます。そのように考えると、フリーランスも税込価格で表示をし、税込価格であることがわかりやすいような記載をするのがベターです。

消費税の申告と確定申告は異なるのか

消費税の申告とフリーランスとしてする確定申告は違うのかとの疑問も多々見受けられます。内容としては異なるものではありますが、どちらも確定申告と呼ばれる作業に間違いがありません。確定申告は金額を確定して支払う作業全般だと認識すると良いでしょう。
消費税も所得税もどちらとも税金であることには違いがありません。税金は1年間の事業などが終わるまで確定はしないものです。そのため消費税も所得税も確定申告で金額を確定し、そこで確定した金額を納税する仕組みになっています。

フリーランスも消費税について正しい認識を持つべき

フリーランスの事業内容も消費税に関係していることを説明しました。フリーランスだからといって消費税は無視してはいけないのです。
ただ、フリーランスの全員が消費税を納めなければならないわけではありません。条件を満たしている人だけが消費税を納めなければならないのです。自分は消費税を納める納税対象者であるのかを確認し、対象である場合にのみ適切な対応をしましょう。


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admin