どこまでが経費になる?経費の種類をまとめて解説!

どこまでが経費になる?経費の種類をまとめて解説!

「経費って何?個人事業主が使ったお金はみんな経費になるの?」
「経費にはどんな種類があるの?」

この記事ではこういった疑問に答えていきます。
フリーランスになると、毎月必ず確定申告を自分で行わなくてはなりませんよね。
確定申告では、1年間でどのくらいお金を稼いで、どのくらいの税金を払いますよ!という申告書類なのですが、申告することで、今年払い過ぎた税金が戻ってくることがあります。

そのため、個人事業主の方にとっては非常に重要なものなのです。

ただ、会社員から個人事業主になった方は、今まで「経費」という概念自体が、なかった方が大半であるため、そもそも経費とは何か分からない方が非常に多いですよね。

そこで今回は、経費とはそもそも何なのか、また経費の種類について中心にご紹介していきます。

経費とは?

経費とは簡単に言うと、事業を行うために使ったコストのことを指しています。
「経費で節約する」、「経費で落とす」などの言葉を聞いたことのある方も多いかと思いますが、これは、自分の事業を行うために使ったコストのことを指しているのです。

例えば、普段作業を行なっているスペースの家賃代は経費になりますし、クライアントの会社までの交通費、打ち合わせで払った料金なども経費として計算することが可能です。

なぜ経費を計算することがあるのかというと、個人事業主の方の場合は、所得税を抑えることが出来るためです。

個人事業主の方は、基本的に毎年所得税を年度末に納めなくてはなりません。この時に経費を計上すると、計上した分の金額を浮かせることが出来るのです。具体的には以下のような等式が成り立ちます。

収入 - 経費 = 所得金額

税金がかかるのは、所得金額に対してなのですが、所得金額は、「収入 – 経費」で割り出されます。そのため、なるべく経費が多ければ所得金額の合計額が低くなるので、かかる税金も少なくなるということになります。こういった理由から、確定申告を経費を計上するのは非常に重要なことなのです。

経費になるものとならないものの違いは?

経費になるものとならないものの違いとしては、基本的に事業のために利用したか、していないかという違いです。

例えば、クライアントのところまで行った時の交通費は経費として計上されます。しかし、旅行に行く時の交通費は、当然ながら経費として計上することは出来ません。

お菓子を購入する場合でも、自分用や家族へのお土産は絶対に経費にはなりませんが、得意先への贈答ということであれば、経費として認めてもらうことは可能です。

このように、自分の事業のために使ったのか、使っていないのかで分けることで、経費にするかしないかを分けることが出来るのです。

経費の種類と具体例

では、具体的に経費の種類について、また経費の具体例についてご紹介していきます。

租税公課

租税公課とは、国税や地方税などの税金である「租税」と、国や地方公共団体などに対する交付金や会費などの公的な課金である「公課」を合わせた勘定科目のことです。例えば損益計算書の費用に該当します。

租税公課は納めている税金・公的負担金を全て経費として計上できるということではなく、事業そのものに関連しない税金・公的負担金は経費として認められることは非常に難しいです。

租税の代表的な例としては、登録免許税、印紙税、固定資産税、不動産取得税などです。
公課の代表的な例としては、印鑑証明書や住民票の発行手数料、地方公共団体や同業者組合などの会費、組合費、賦課金などです。

必要経費として認められている税金や公的負担金は租税公課になりますが、納めている税金・公的負担金を全て気比として計上できるわけではありません。

上で述べた、租税公課の対象にならないものとしては、主に、法人税、都道府県民税、市町村税、罰金、科料などの個人でかかってしまう税金などは個人事業主その人にかかっているので、租税公課とはならないので気をつけましょう。

荷造運賃

荷造運賃とは、売り上げた商品や製品の発送に関わる梱包材料や資材などの料金、発送する際の運送費や配送費などの料金のことを指しています。

荷造運賃の消費税区分は、「課税」です。ただ、海外に商品を発送するための運賃などは、「不課税」となっています。

荷造運賃の例としては、段ボールや緩衝材(発砲スチロールなど)、ガムテープ・ビニールテープなどの荷造り費用や、郵便手数料、宅配便料金、バイク・トラック・鉄道の運賃などのことを指しています。

水道光熱費

水道代、ガス代、電気代などの水道光熱費の総計の仕事に使っている分を経費として計上することができます。

仕事とプライベートをどの程度の配分にするのかは、時と場合によります。例えば自宅をオフィスにしていた場合は、配分が50%以上になることもありますが、自宅をオフィスにしていない場合は、ほとんど使う必要がないので、あまりにも多くなってしまうと確定申告の時に税務署に疑われてしまいます。

水道光熱費などを計算する場合は、最初にそのパーセンテージを決めておくことで、機械的に計算をできるようにしておくといいでしょう。

旅費交通費

個人事業主の方は、打ち合わせや客先での常駐など、仕事に関する移動費は経費として計上することが可能です。

公共交通機関を利用する場合は、領収書を取っておくことは基本的に難しいですが、ICカードを使えば、チャージするときの領収書を印刷することが出来るため非常に便利に旅費交通費を管理することが可能です。

ただ、SuicaなどのIC系のカードはコンビニなどでも使うことがあるので、利用履歴を記録して、コンビニなど交通費として計上しないようにしてください。

また、移動手段として車を使っている場合は、ガソリン代や高速代、出先で有料駐車場を利用した場合は料金も経費として認められるので、経費として計上することを忘れないようにしましょう。

通信費

インターネットにかかる費用、電話代、請求書を送付するときの郵送費などは、通信費として計上することが可能になります。

通信費も自分でホームページを持っている場合は、自分用のサーバーやクラウドストレージなどを使っている方も多いかもしれませんが、これも経費になります。

ただ、水道光熱費と同様に、全額を計上することが出来る訳ではなく、仕事で使った分を按分する必要があります。

特にインターネットやスマホなどは、プライベートと仕事をどのように仕分けるかが非常に難しいですが、使った時間を計算して、比率を出しておくといいかもしれません。

広告宣伝費

広告宣伝費は、通常は商品・サービス・会社などを広く一般に売り込むための広告や宣伝にかかる費用のことを指しています。

個人事業主が仕事をする時は、広告や宣伝をする機会がほとんどないのではないかと思いますが、名刺や個人のホームページを作ることはよくあるでしょう。

こういった名刺やホームページは、自分自身のブランディングをする上で、非常に重要なので、広告宣伝費として認められています。

接待交際費

フリーランスとして仕事をしていると、クライアントワークの方であれば、仕事の打ち上げや忘年会など、仕事関係の飲み会に出席するケースが多いと思います。こういったケースで会費を払った場合は、接待交際費として経費計上をすることが可能です。

ただ、接待交際費は不正が行われやすい項目であるので、万が一に税務調査が入ったときにチェックが非常に厳しくなってしまいます。自分の食事や、家族の食事、仕事と関係ない飲み会などは計上しないということが非常に重要です。

もし税務調査に入られたとき、チェックが厳しくなったとしても胸を張って、嘘がないと言えるように、必ず飲食した日付、利用した日付、利用した店名、出席者の名前や関係などは控えておくのが理想です。

損害保険料

損害保険料とは、万が一の事故だったり、災害から事業を守るためにかけた保険料を指しています。自動車保険、自賠責保険、事務所の火災保険などがこれに当たります。

事業主自身の生命保険は、損害保険料として経費にすることは出来ません。
事業主の生命保険料は、生命保険料控除として、最高12万円くらいまで所得から控除することが出来ます。

国民年金、国民健康保険、小規模共済掛金、損害保険料として経費にはなりません。これらは所得控除に当てはまります。

具体的に言うと、例えば、保険をかけている自動車や事業所など、事業用とプライベート用と両方で使っている場合は、保険料を按分するようにしましょう。

修繕費

修繕費は、建物や備品などの修理などのために使われる費用のことです。
実は修繕費も経費として計上することができます。建物や備品の修理のために支払ったお金は、勘定科目「修繕費」となり、経費になるので、何か修理をしたりする時は修繕費とすることをお勧めします。

ただ、修理したものが全て「修繕費」として扱われるかというとそういうことではなく、経費にするには注意点があります。

修繕費として計上するためには、壊れたものを原状回復することにとどまらず、改良して新しい価値を与えた、より長く使えるようにした、などの修繕費ではなく、資本的支出となってしまいます。

固定資産と同様で、対応年数の期間にわたって原価償却試算として、減価償却する必要があります。例えば、事務所の建物を改修する時に、家電機器を修理した際に、より性能の高い機能をつけた場合はこれに該当します。

必ず、修繕費であるか、資本的支出かしっかりと判断して記帳するようにしましょう。

消耗品費

消耗品費は、その名の通り、消耗品を購入した費用です。プリンターやトナー、コピー用紙、仕事用の文房具などは、消耗品として経費計上することができるので覚えておきましょう。

減価償却費

減価償却費とは、特に一括ではなく耐用年数に応じて分割で申告する経費のことです。10万円を超える車や、パソコンなど、長期にわたって使用するものとして、減価償却費にあたります。

青色申告制度を利用している場合、30万円以下のものであれば、少額減価償却資産として適用されるため、購入年に全額を必要経費とすることが可能です。

福利厚生費

企業の従業員の労働意欲向上のために、福祉の充実を目的として、賃金以外の関節的な給付を行うための経費科目を福利厚生費と述べています。

福利厚生費は、平等に機会があるということと、妥当な金額であるということが、認められる条件として満たすことが出来て、認められれば完全に経費として計上できるので、経営者の方はお勧めです。

給料賃金

給料賃金とは、簡単にいうと、従業員に払うことができる給料や手当のことを指しています。
「給与」だったり、「給料」などもほとんど同じ意味になりますが、書類上は給料賃金として計上されます。

従業員を雇っている方は、忘れずに計上してください。

外注工賃

外注工費とは、業務委託契約などで外部の業者に仕事を発注空いた場合に払うことになる、手間賃や、下請け賃料のことを指しています。

仕事を外注に依頼する場合は、注意が必要です。経費とは別の話になるため、あまり詳しくは述べませんが、料金を税込にするか税抜きにするかで支払い額が変わってくるので、事前に受注側と相談しておくことが無難です。

利子割引料

利子割引料とは、事業用に借り入れをした時に、支払う利息や、手形の割引料のことを指しています。自動車ローン・住宅ローンの利子が、これにあたります。これらの事業に必要なものであれば、利子割引料として経費計上することが可能です。

地代家賃

地代家賃は、簡単に言うと家賃のことです。
例えば、自宅で作業しているフリーランスの方の場合は、自宅自体が事業所という扱いになるので、ほぼ全額を地代家賃として計上することが可能ですし、レンタルオフィスなどを使っている方は、その料金を地代家賃として計上することが可能です。

貸倒金

貸倒金とは、売掛け金や未収入金、貸付金などが、相手方の経営悪化や倒産などによって回収不可能となった場合の損失金額のことを指しています。

このように回収できなくなった損失金額については、「貸倒金」として必要経費にすることが認められています。貸倒金は、取引発生時の課税区分に応じて消費税区分を決定します。

個人事業主の方で、貸倒金があることは珍しいですが、従業員のいる経営者の方は、貸倒金がある方も多いので、気をつけましょう。

雑費

雑費には、基本的に分類のわからないものを入れるようにしましょう。
決算書には、空欄もあるため、はっきりと項目が立てられるものは、経費ではなく自分で書き込むことができるので、「設備費」「賃料代」などは空欄に書き込む方が圧倒的にわかりやすいでしょう。

まとめ

今回は、経費になる項目について主にご紹介してきました。
経費が特にどんなものだかわからなかった方は、こんなに経費の種類があるのかと驚いた方も多いかもしれません。

冒頭でもお伝えしたように、経費を正確に計上することで、大きな節税になります。経費になる項目を理解して、確定申告の時に必ず計上するようにしてくださいね。


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admin