C++の今後の将来性は?現状の需要と今後の動向を解説!

C++の今後の将来性は?現状の需要と今後の動向を解説!

C++とは?

汎用オペレーティングシステムUNIXが誕生したすぐ後に、UNIXで動くユーティリティを開発するためにプログラム言語「C」が作られました。1970年台はじめのことです。そしておよそ10年後に、「C」をオブジェクト指向言語化した「C++」が開発されました。

開発者は異なりますが、これらふたつの言語が生まれたのは米国のAT&Tベル研究所です。「C++」は、誕生から40年近くを経た言語であるにもかかわらず、今でも最先端の言語とともに第一線でソフトウェア開発に使用されているプログラミング言語です。

C++の特徴

特徴1:オブジェクト指向

技術の進歩とともにコンピューターの処理能力が向上するにつれ、コンピューターに求められる処理がどんどん高度化、複雑化していくと、それに伴う弊害も次から次へと顕在化してきます。

具体的には、仕様どおりに動かない、バグが多い、コードが読みにくくメンテナンスが大変といった事柄です。こうした弊害をなくすために様々な取り組みがなされましたが、大きな成果をあげた一例が「オブジェクト指向」という概念です。

それまでのプログラムは、データとそれを処理する手続きによって組み立てられてきました。このやりかただと、プログラムが大規模になると、データが想定外の変動を起こし、動作の不具合を生じる(いわゆるバグ)ことがわかってきます。

こうした問題を解決するために、データとそれを処理する手続きをひとまとめ(これがオブジェクト)にし、多数のオブジェクトが相互に作用しあって処理を行うというアイデアが生まれました。これがオブジェクト指向プログラミングです。

「C」言語をオブジェクト指向言語化した「C++」は、今なお代表的なオブジェクト指向言語のひとつという地位を保っているのです。

特徴2:C言語との互換性

「C++」は、基本的に「C」で書かれたプログラムと互換性を保っています。このことはつまり、UNIXの発展と普及に伴って「C」言語で書かれてきた膨大なソフトウェア資産が無駄にならないということを意味します。

ソフトウェアを別言語で書き換えるというのは、多大の工数とリスクを伴います。書き換え対象となる言語(この場合は「C++」)が元の言語と互換性があるというのはとても重要なことなのです。

特徴3:汎用性の高さ

「C++」の元になった「C」言語はUNIXを記述する言語としても使われました。OSを記述できるということは、ハードウエアの制御など低レベルの処理にも使えることを意味します。「C++」も同様です。

このため、「C++」は、様々な機器のデバイスドライバや電子機器などの組み込みシステムのプログラミングに盛んに用いられています。

また、「C++」で記述されたソースコードは、コンパイラによってCPUが直接実行できる機械語に変換されるので、動作が非常に高速です。このため、スムーズな動きが求められるゲームやシミュレーションでも盛んに用いられています。

さらに、エンドユーザー向けアプリケーションソフトウェアから、企業向け基幹システム、金融機関向けシステムなどの大規模アプリケーションに至るまで、様々なソフトウェア開発の場面で使用されているのです。

C++の需要

「C++」エンジニアにはどのような分野の需要があるか見てみましょう。

需要1:組み込みシステム

組み込みシステム開発の求人がかなり見受けられるのが「C++」案件の求人の特徴といえます。

オーディオ機器組み込みソフトウェアの開発、車載液晶メーター開発、産業機器コントローラへのAI機能搭載、画像センサ・画像処理装置の組み込みシステム開発。

まだあります。

フラッシュメモリ制御コントローラ向けファームウェア開発、ロボットアーム制御コントローラなどロボット研究・開発業務、先進安全運転向けシステムの認識部分開発等、実に様々な案件が並びます。

ハードウエアを直接制御することに興味があるのなら、組み込みシステム案件がうってつけといえるでしょう。

需要2:ゲーム、シミュレーション

ゲーム、シミュレーションの分野はどうでしょうか。同じように求人を見てみましょう。

家庭用ゲームソフト開発やスマートフォン向けゲームの設計・開発といった一般向けのものから、海外カジノ向けゲームソフトウェア開発という馴染みの少ないものまであります。

さらには、プレイヤーキャラクターの制御、生物の群集制御、弾道シミュレーションにレンダリングエンジンなど、リアルなゲームには欠かせない分野の案件もあります。

需要3:業務システム、業務用パッケージ

業務システムの分野はさらに多彩です。

金融系システム開発、生産スケジューラ、交通管制システム開発などの社会、産業系の案件から、グループ経営管理ソフト開発、セキュリティパッケージ開発などのパッケージソフトウェア。

さらには、画像処理プログラム開発、翻訳サーバーAPI開発、量子コンピューター関連開発、VR/AR向け広告システム開発、人工知能技術活用したサービスの研究・開発など実に多種多様です。

C++の年収

「C++」のフリーランスエンジニアはどのくらいの収入が見込めるでしょうか。ソフトウェアエンジニアの価値は、ユーザーの要求にいかに的確に答えられるかにかかっています。このために必要なのはプログラミングスキル以上に、実務経験や業務知識です。

こうした点を加味して報酬が決まるので、「C++」案件の場合、報酬は月に50万円から80万円が相場のようです。年収換算すると約600万円から1000万円弱といったところでしょうか。

なお、少しでも就職や転職に有利になるように、と資格取得を考えている方もいると思いますが、残念ながらC++に関する資格は日本国内では見当たりません。

C++の将来性

C++が今後も伸びるだろう理由

いまだ現役とはいえ、C++は約40年の歴史がある古い言語です。将来性はどうなのでしょう。

C++は組み込みシステム開発に使われていると書きましたが、この分野で今後爆発的に伸びていくことが予想されているのがIoT機器です。

あらゆるものがインターネットにつながるのがIoTですから、様々な機器の組み込みシステム開発用言語としてC++の需要は高まっていくことでしょう。

また、C++で書かれたプログラムは動作が高速なので、ゲームやシミュレーションの分野でも需要は堅調に推移すると考えられます。

C++の将来性を危惧する状況

将来性を危惧する理由としては、古い言語であるということ、習得が優しい言語ではないことがあげられます。現在は、わかりやすく高機能な言語が幅をきかせているので、これから新たにC++を学ぼうという若い世代が減少していくことが予想されるのです。

まとめ

C++案件の特徴や単価などについて見てきました。約40年の歴史を持つ古い言語で習得のハードルが少々高いという懸念はあるものの、膨大なソフトウェア資産があり、組み込みシステムやゲーム、業務システムなどで根強い需要があることから、「C++」が廃れることは当分なさそうです。

特にIoT機器等の開発に興味がある方、ゲーム系案件に興味がある方、大規模業務系システム開発などに興味がある方は、「C++」案件の求人情報に要注意です。


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admin